メランコリア

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論創海外ミステリ 178 ヴィンテージ・ジュヴナイル エアポート危機一髪 ヴィッキー・バーの事件簿 ヘレン・ウェルズ/著 論創社

2025-02-17 16:14:27 | 
2016年初版 友田葉子/訳

やたらとたくさんの人が出てきて複雑に絡み合い
本題の謎に入るまでの導入部が長い気がした

まだまだ女性の社会進出が難しい時代なのが
セリフや行動の端々に感じられる

飛行機の免許が夏休みの2週間で36時間飛べばとれちゃうの?!


【内容抜粋メモ】

登場人物

バー一家
ヴィクトリア フェデラル航空のスチュワーデス 愛称ヴィッキー
ジニー 妹 高校生
ルイス 父 大学教授
ベティ 母
ディーン・フレッチャー パイロット
ウィリアム(ビル)・エイヴリー パイロット
ルース 姉 息子フレディ 夫ジェリー パイロットだが亡くなった
ドワイト ラン農家 ビルの友
アンドリュー・コーリー 実業家
スピン・ヴォイト 整備士
イングリッシュ判事
ガイ・イングリッシュ 息子
マルコム・マクドナルド 民間航空管理局(CAA)の調査官
スミッソン ランド&スカイ社代表









ヴィッキーは飛行機の操縦をしたくて同僚に相談する
ディーンはフェアヴューにいるインストラクターのビル・エイヴリーを紹介する
腕に変わったタトゥーをした男が失踪した話もして気になる



帰省し、父にビルについて聞く
友人ドワイト夫妻の栽培するランを空輸している
その隣りに実業家コーリーが別の飛行場を建設中
古風な考えの父を説得して、レッスンが始まる



エイヴリー空港はビルが荒廃した土地を買い、一から作った思い入れがある
貨物の輸送、インストラクター、ショーも見せるし、なんでもやっているが常に資金難
ビルは“飛行ばか”で、事務所は荒れ放題
ヴィッキーを口うるさい姉といっしょだと批判する



ドワイトの妻が病気になり、ヴィッキーは人手不足の飛行場を手伝う
ビルの姉の息子フレディは飛行機大好きな少年
家に送った際に見せてくれた写真の中に
腕に奇妙なタトゥーを入れた兵士がいるのに気づく

アンドリュー・コーリーはビルにも寛大で、地元農民の貨物の仕事を回してくれる
ビルが二束三文で買った土地を高値で買いたいと申し出るがビルは断る
コーリーの飛行場で働く整備士スピンの腕に奇妙なタトゥーがあり、気になるヴィッキー



ビルの事務所を整頓していて、今日中に支払わないと土地を奪われる最後通達を見つけて
慌てて支払いに行くヴィッキー

ランド&スカイという謎の企業もエイヴリー空港の土地を買いたいと言っていると知る
ビルを買っているイングリッシュ判事が説得してなんとか売らずに済む



スピンがビルの空港で働くことになり、ビルは彼の才能を高く買っている
事務所にスピンが落としたと思われる謎のメモを見つける
なにかの暗号のようだが分からない

ビルとヴィッキーの乗った飛行機から異音がして、調べるとくず鉄が出てくる
ランの空輸が遅れたことでビルとドワイトがケンカになる

ルースにタトゥーの兵士が写った写真をもう一度見せてくれと頼むと
スピンにあげたという

ヴィッキーはランド&スカイ社を調べるが、どこにもない
郵便受け渡しサービスを利用しているのはスミッソンという謎の人物
ヴィッキーはランド&スカイ社宛てに就職したいと手紙を書く

その後、スチュワーデスとして乗った飛行機にアンドリューがいて
ヴィッキーの手紙を持っていた

補助翼が動かないというトラブルも起きて、スピンの工作を疑うが
ビルは信用していて聞く耳持たず
二度目のトラブルで、ドワイトはランの空輸をコーリーに移したため
ビルは主要な収入源を失う

その上、近隣から飛行場の音や影が迷惑だという根拠のない苦情が次々起きる
そこに2人のふざけた男が無茶な操縦をしてさらに悪評を高める

ヴィッキーは家族、友人、知人に働きかけて、エイヴリー空港の評判を上げる
ふざけた操縦をしていた1人の話から腕にタトゥーをしたパイロットがダーネルという悪人と知る
少佐に注意されたのを逆恨みして、家に焼夷弾を撃ち、妻子とともに殺した経歴がある



ヴィッキーは新聞記者ピートの協力を得て、トランス・アメリカ航空のベイトソンにインタビューする
コーリーが発表した契約はまだ結ばれていなかった
大型機が離着陸するには滑走路が短いため、もっと土地が必要で、ビルの土地を狙っていた

ヴィッキーはソロ飛行中にコーリーとスピンが口論しているのを目撃する
暗号文も解読し、「女が邪魔している」と書かれていた

黒い覆面男が操縦する飛行機に襲われ、右翼が壊れたまま着陸
あれはスピンだとビルに訴えて、2人で暗号文をタイプしたタイプライターを見つけ
それを使って暗号文を打ち、コーリーを呼び出す計画を立てる

スピンがエンジンから釘を抜き取るのを見て、ビルが逆上し
スピンもコーリーも逃がしてしまう

スピンがスミッソンのサイン入りの小切手を落としたため
銀行で調べると、スミッソンとはコーリーの妻の旧姓だった

イングリッシュ判事の前でこれまでのことを全部話すヴィッキー
スピンも逮捕され、ビルを追い出すための工作をする目的で雇われ
コーリーからお金をもらっていたと自白する

コーリーはスピンが殺人犯とは知らなかった
ダミー会社をつくり、なんとかビルから土地を買うのが目的だったと話す



ヴィッキーはパイロット免許をとり、特別任務を授けると言われる




訳者あとがき

ヘレン・ウェルズ
1910年アメリカ生まれ
スチュワーデスのヴィッキー・バーと看護婦チェリー・エイムズシリーズが知られる





















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