昭和44年初版 昭和45年2版 松野正子/訳 ロバート・マックロスキー/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジャンケットって名前の少年の物語かと思ったら、犬のお話で
たくさんの動物が出て来て、独特な言い回し、軽い調子で語られる楽しい1冊
都会生まれ、都会育ちの一家が、いなかの村でいろんな初体験をする
「ミルクを出す牛とクリームを出す牛は別だと思った」とかってよく分かる
私も小さい時は、魚って切り身で泳いでるって思ってたw
ジャンケットはエアデールって犬種、初耳だな
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジェリコット家の動物たち
ジャンケット エアデール テリアの一種
小型の馬のポリアンナ
め牛のドリンダ ドーセットの公爵夫人
めんどりたち
ブタのクラリサ
ガチョウのジャックとジル
ネコのミス・ミリケン
ピーター・ペイリー
マクドネガル家
父 デューガル 動物が苦手 甘いものが大好きなのを隠している
母 ドラ 絵描き
マーガレット 13歳 馬が好き
マイケル 11歳 牛に興味をもつ
モンゴメリー 7歳 ごっこ遊びが好き
●1
ジャンケットはとても大きいエアデール
毎日とても忙しく働き、きちんと進行するのが信条
5年間、ジェリコットさん一家と暮らしていた
大きな家畜小屋にはたくさんの動物がいて、毎日世話をしていた
小型の馬のポリアンナ
め牛のドリンダ ドーセットの公爵夫人
めんどりたち
ブタのクラリサ
ガチョウのジャックとジル
ネコのミス・ミリケン
ピーター・ペイリーは家畜の世話、畑も手伝ってくれる
奥さんはお菓子づくりの天才
ところが、ある日、ジェリコット一家は外国へ引っ越し
代わりに田舎暮らしをしたことのないマクドネガル一家が来て
家畜の姿が消えてしまって戸惑う
動物が大嫌いな父は、ジェリコット夫妻に動物をみんな処分してくれと頼んでおいた
父:
犬が人間の最良の友だなんてナンセンスだ
いい本こそ最良の友だよ
でも、実質、一家の中心は絵描きの母で
いい題材を見つけられるかが家族の大問題
ピンク色の絵を描こうとして家族をモデルにする
何時間もじっとしてなきゃならないモデルは苦痛
モンゴメリーは♪犬こい 犬こい ここへこい と歌うと
そばにジャンケットが来てビックリして喜ぶ
ジャンケットもすぐに子どもたちを好きになる
●2
ピーターが来て、以前はたくさんの家畜がいて、ジャンケットと仲良しだったこと
ジャンケットは失くしものを探したり、ヒトと意思疎通ができることなどを詳しく話す
馬が好きなマーガレットはポリアンナの背中に乗って走りたいと切望する
マイケル:お父様は動物反対論者なんだぜ
モンゴメリー:お父様は動物が怖いんだよ
マーガレット:動物を飼うのはとても面倒だとおっしゃるの
父はジャンケットを見て大騒ぎ
父:下等な動物が、高等な動物を理解するなんて話は全然信用してないんだ
母はジャンケットに感激して、モデルに決める
父は仕方なく、家に入れないという条件で数日置いてもいいと許可を出す
●3
翌日、父母は出かけ、父は子どもたちに畑の雑草を抜くよう言いつける
マイケル:草ぬきって罰なんだよ
子どもたちは道具の使い方も分からず、すぐに疲れてしまい
ピーターの話を思い出して、ためしにジャンケットに馬を探させる
マーガレット:ポリアンナを探しておいで
ポリアンナはお菓子屋のミス・ペケットさんの荷車を引かされてウンザリしていたのを見つけて
ジャンケットといっしょに逃げだし、マーガレットのもとに来る
マーガレットは早速背中に乗り、運動場を駆ける
ジャンケットは褒美にもらった骨を埋めようと
土を掘りだしてハイテンションが止まらなくなる
子どもたちは仕事がはかどって感謝し、みんなで木陰で昼寝していると
ピーターさんが全部耕してくれ、道具の使い方やポリアンナの世話も教えてくれる
父は明日は子どもたちは休んでいいと許可する
●4
父は種まきをしようと子どもたちを誘う
お休みをくれたことを忘れていたことを指摘されて悔やむ
め牛の公爵夫人はブレインさんの農場にいると教えるピーター
マイケルは牛の乳をしぼって、ミルクやクリーム、バターをつくる想像に夢中になる
マイケル:ジャンケット、公爵夫人を見つけてこい!
運よく通りかかった牛の群れから公爵夫人を見つけて連れて来て
マイケルはピーターに牛を世話する方法を教えてもらう
ポリアンナのことでモメていると、ミス・ペケットが来て
この馬は揺すりすぎるし、維持費もかかるから
馬を返す代わりに、お菓子をたくさん持ってくると約束する
甘いものに目がない父は思わず承諾し、勤労者の日まで飼っていいと許可する
●5
ピーターに畑仕事を手伝ってくれるよう頼むと
賃金の半分を物々交換にしてほしいという
ピーター:め牛を家畜小屋で飼わせてくれたら畑の面倒もみますよ
め牛も勤労者の日まで飼うことにする父
モンゴメリーは考えた末、ニワトリを飼って、卵を売ろうと思い
ジャンケットと一緒に近くの農家を周るが
どれがもとジェリコット家の鳥か分からない
針仕事をしていた女性が息子ジョニーがいないことに気づき、一緒に探してくれと頼む
モンゴメリー:赤ん坊を見つけるんだ
赤ちゃんのセーターのにおいを嗅がせると、ポーチの影に隠れていたのをすぐに見つけ出し
くわえて連れて来る
みんな救出談を聞いてふたりを褒め讃え、夫妻はお礼になにかあげたいという
モンゴメリーは2羽のニワトリをもらって帰る
“他人の財産は尊重しなければならない”という父の教えを引き合いに出し
妻が卵を使ってお菓子づくりをしてくれるわずかな望みをもって
ニワトリも勤労者の日まで飼ってもいいと許可を出す
ピーターはニワトリの飼い方をモンゴメリーに教えてくれる
●6
父:私はここの主人なのかね? それとも違うんだろうか
母:あなたがお決めになればよろしいわ
父:
私はこれ以上ガマンできん
ほかの動物をまた持ち込んだら、何をしでかすか分からんよ
母はジャンケットをモデルに描いているが
すっかり飽きてしまったジャンケットは散歩に誘う
家畜小屋を過ぎると小さな農家があり、完璧なピンク色の豚クラリサを見て感激して
グローバー夫人に頼んで絵を描き始める
クラリサとジャンケットは幼馴染と分かる
子どもを産んだら処分するつもりだと聞いて、涙が出そうになる
イーゼルをそのまま置いてもらい、家に帰って夫に相談する
父はブタとは知らず、家を離れるくらいなら、そのピンクのものをもってくればいいと提案
母はモンゴメリーにそれを頼む
マクドネガル家の3人の子どもたちは喜びも苦しみも絶対に平等に分担するという主義
兄と姉は畑仕事、モンゴメリーはジャンケットと一緒にグローバー家を訪ねて
ピンクの絵がクラリサだと分かる
ロープを巨体に巻いて、ふたりでなんとか家まで連れて帰る
母:
私のピンクはクラリサですのよ あなたには心から感謝しています
小さいのが産まれたら、2匹はあなたに召しあがっていただきますわ
豚料理の好きな父は仕方なく勤労者の日まで飼っていいと許可する
●7
村祭りには、みんなが自分のつくったものを出して品評会をする
みんなに選ばれると褒美が出ると聞いて、はりきる父
家族に話すと、みんな準備で大忙しになる
ミス・ミリケンはピーター家で9匹も子どもを産んで忙しさに閉口していた
子猫が大好きなジャンケットは世話を引き受ける
父は大好きなお菓子を町で買ってきては本だなの後ろに隠していたため
ネズミが大事な本をかじるようになって困り
ピーターの奥さんに相談すると猫を譲るという
奥さん:毒をまく方法もあるけど、子どもや犬がいる所で使うのはすすめません
父はミリケンを書斎に置くと、居心地のいいソファの隅っこを占領して
子育てから解放されたことを喜ぶ
子猫たちはハラペコで大騒ぎ
モンゴメリー:ベイリーさんの所へ返してもいいよ
父はお菓子のことが家族にバレたくないため、ミリケンもしばらく置くことにする
●8
村祭りの日、子どもたちの動物たちはみな表彰され
ミリケンの子猫は4匹ひきとられた
母の描いたピンク・ピッグの絵も賞をもらう
父の畑の作物も大いに褒められ、これまではジェリコット一家とピーターのタッグだったが
これからはマクドネガル家コンビだねと言われて、すでに来年の畑の構想を練る
でも、子どもたちはみんな意気消沈
モンゴメリー:僕たちには来年なんてないのさ
父は子どもたちが重い病気なのかと心配する
ピーターを訪ねると、クラリサが11匹も子どもを産んだ
ピーター:
今日は子どもさんたちは、ひどく“ひれってえ”気分でしょう
なにかを好きになる それを手放なきゃならなくなるとそういう気分になります
父は構わず、来年の畑の話をすると、ピーターさんは急に断る
ピーター:
私は1年中休まず仕事がしたいが、畑仕事だけじゃ足りない
動物がいなくちゃ、冬中やることがない
マクドネガル氏はなんとも奇妙な気分になり、ジャンケットに打ち明ける
動物に話しかけるなんて初めてで自分でもビックリするが
ジャンケットは「分かってますよ 親愛なるわが友よ」と同情し
ジェリコットさんの杖をくわえてよこす
マクドネガル氏はそれを持って、何気なくジャンケットのあとを歩く
クラリサの小屋、ニワトリ小屋、公爵夫人、ポリアンナの運動場
ポリアンナがすぐ近くに来てもなにも怖くないと気づく(これは暴露療法だね
マクドネガル氏は、草原から牧草地の動物たちを見わたして
なにもかも田舎の風景にぴったりでいいものだと分かる
そして、他の誰でもなく、ピーターと組んで畑をやりたいのに
断られて“ひれってえ気分”がどれほどイヤなものかが初めて実感する
ピーターをふたたび訪れて、どれほどの動物がいれば満足か聞くと
牛50頭、ヒツジ群れ1つ、ニワトリの群れ、ガチョウ1つがい、そしてコブタたち
マクドネガル氏:
私はなんにも分かってなかった
今やいろんなことを学びつつあるんだ
ジェリコット氏みたいには出来まいが、できるだけ努力してみるつもりです
家族にも早速伝える
マクドネガル氏:
私は間違ったことを言っていたということを学んだんだ
ジャンケットに教えてもらった
私たちは互いを受け入れる所まで来たというわけだ
動物は田舎暮らしに必要だと認めるよ
家族は大喜びし、ジャンケットはいまさら新しいことじゃないと呆れる
■訳者あとがき
動物を飼いたいのに飼えない
世界中の子どもが味わう“ひれってえ気分”
うちの息子もしょっちゅう味わっている
真っ黒ののら犬が寒い野原でいるのを可哀想に思い飼いたいと言った時
「どうせ飼うなら、もっといい犬をもらいましょう」と言うと
「のら犬のほうが、ちゃんとした所の犬より寂しいんだよ」と言われてビックリした
本書は、とてもアメリカ的な表現を使い、英語ならではの工夫がたくさんあるので
かなり思い切った訳し方をした
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジャンケットって名前の少年の物語かと思ったら、犬のお話で
たくさんの動物が出て来て、独特な言い回し、軽い調子で語られる楽しい1冊
都会生まれ、都会育ちの一家が、いなかの村でいろんな初体験をする
「ミルクを出す牛とクリームを出す牛は別だと思った」とかってよく分かる
私も小さい時は、魚って切り身で泳いでるって思ってたw
ジャンケットはエアデールって犬種、初耳だな
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジェリコット家の動物たち
ジャンケット エアデール テリアの一種
小型の馬のポリアンナ
め牛のドリンダ ドーセットの公爵夫人
めんどりたち
ブタのクラリサ
ガチョウのジャックとジル
ネコのミス・ミリケン
ピーター・ペイリー
マクドネガル家
父 デューガル 動物が苦手 甘いものが大好きなのを隠している
母 ドラ 絵描き
マーガレット 13歳 馬が好き
マイケル 11歳 牛に興味をもつ
モンゴメリー 7歳 ごっこ遊びが好き
●1
ジャンケットはとても大きいエアデール
毎日とても忙しく働き、きちんと進行するのが信条
5年間、ジェリコットさん一家と暮らしていた
大きな家畜小屋にはたくさんの動物がいて、毎日世話をしていた
小型の馬のポリアンナ
め牛のドリンダ ドーセットの公爵夫人
めんどりたち
ブタのクラリサ
ガチョウのジャックとジル
ネコのミス・ミリケン
ピーター・ペイリーは家畜の世話、畑も手伝ってくれる
奥さんはお菓子づくりの天才
ところが、ある日、ジェリコット一家は外国へ引っ越し
代わりに田舎暮らしをしたことのないマクドネガル一家が来て
家畜の姿が消えてしまって戸惑う
動物が大嫌いな父は、ジェリコット夫妻に動物をみんな処分してくれと頼んでおいた
父:
犬が人間の最良の友だなんてナンセンスだ
いい本こそ最良の友だよ
でも、実質、一家の中心は絵描きの母で
いい題材を見つけられるかが家族の大問題
ピンク色の絵を描こうとして家族をモデルにする
何時間もじっとしてなきゃならないモデルは苦痛
モンゴメリーは♪犬こい 犬こい ここへこい と歌うと
そばにジャンケットが来てビックリして喜ぶ
ジャンケットもすぐに子どもたちを好きになる
●2
ピーターが来て、以前はたくさんの家畜がいて、ジャンケットと仲良しだったこと
ジャンケットは失くしものを探したり、ヒトと意思疎通ができることなどを詳しく話す
馬が好きなマーガレットはポリアンナの背中に乗って走りたいと切望する
マイケル:お父様は動物反対論者なんだぜ
モンゴメリー:お父様は動物が怖いんだよ
マーガレット:動物を飼うのはとても面倒だとおっしゃるの
父はジャンケットを見て大騒ぎ
父:下等な動物が、高等な動物を理解するなんて話は全然信用してないんだ
母はジャンケットに感激して、モデルに決める
父は仕方なく、家に入れないという条件で数日置いてもいいと許可を出す
●3
翌日、父母は出かけ、父は子どもたちに畑の雑草を抜くよう言いつける
マイケル:草ぬきって罰なんだよ
子どもたちは道具の使い方も分からず、すぐに疲れてしまい
ピーターの話を思い出して、ためしにジャンケットに馬を探させる
マーガレット:ポリアンナを探しておいで
ポリアンナはお菓子屋のミス・ペケットさんの荷車を引かされてウンザリしていたのを見つけて
ジャンケットといっしょに逃げだし、マーガレットのもとに来る
マーガレットは早速背中に乗り、運動場を駆ける
ジャンケットは褒美にもらった骨を埋めようと
土を掘りだしてハイテンションが止まらなくなる
子どもたちは仕事がはかどって感謝し、みんなで木陰で昼寝していると
ピーターさんが全部耕してくれ、道具の使い方やポリアンナの世話も教えてくれる
父は明日は子どもたちは休んでいいと許可する
●4
父は種まきをしようと子どもたちを誘う
お休みをくれたことを忘れていたことを指摘されて悔やむ
め牛の公爵夫人はブレインさんの農場にいると教えるピーター
マイケルは牛の乳をしぼって、ミルクやクリーム、バターをつくる想像に夢中になる
マイケル:ジャンケット、公爵夫人を見つけてこい!
運よく通りかかった牛の群れから公爵夫人を見つけて連れて来て
マイケルはピーターに牛を世話する方法を教えてもらう
ポリアンナのことでモメていると、ミス・ペケットが来て
この馬は揺すりすぎるし、維持費もかかるから
馬を返す代わりに、お菓子をたくさん持ってくると約束する
甘いものに目がない父は思わず承諾し、勤労者の日まで飼っていいと許可する
●5
ピーターに畑仕事を手伝ってくれるよう頼むと
賃金の半分を物々交換にしてほしいという
ピーター:め牛を家畜小屋で飼わせてくれたら畑の面倒もみますよ
め牛も勤労者の日まで飼うことにする父
モンゴメリーは考えた末、ニワトリを飼って、卵を売ろうと思い
ジャンケットと一緒に近くの農家を周るが
どれがもとジェリコット家の鳥か分からない
針仕事をしていた女性が息子ジョニーがいないことに気づき、一緒に探してくれと頼む
モンゴメリー:赤ん坊を見つけるんだ
赤ちゃんのセーターのにおいを嗅がせると、ポーチの影に隠れていたのをすぐに見つけ出し
くわえて連れて来る
みんな救出談を聞いてふたりを褒め讃え、夫妻はお礼になにかあげたいという
モンゴメリーは2羽のニワトリをもらって帰る
“他人の財産は尊重しなければならない”という父の教えを引き合いに出し
妻が卵を使ってお菓子づくりをしてくれるわずかな望みをもって
ニワトリも勤労者の日まで飼ってもいいと許可を出す
ピーターはニワトリの飼い方をモンゴメリーに教えてくれる
●6
父:私はここの主人なのかね? それとも違うんだろうか
母:あなたがお決めになればよろしいわ
父:
私はこれ以上ガマンできん
ほかの動物をまた持ち込んだら、何をしでかすか分からんよ
母はジャンケットをモデルに描いているが
すっかり飽きてしまったジャンケットは散歩に誘う
家畜小屋を過ぎると小さな農家があり、完璧なピンク色の豚クラリサを見て感激して
グローバー夫人に頼んで絵を描き始める
クラリサとジャンケットは幼馴染と分かる
子どもを産んだら処分するつもりだと聞いて、涙が出そうになる
イーゼルをそのまま置いてもらい、家に帰って夫に相談する
父はブタとは知らず、家を離れるくらいなら、そのピンクのものをもってくればいいと提案
母はモンゴメリーにそれを頼む
マクドネガル家の3人の子どもたちは喜びも苦しみも絶対に平等に分担するという主義
兄と姉は畑仕事、モンゴメリーはジャンケットと一緒にグローバー家を訪ねて
ピンクの絵がクラリサだと分かる
ロープを巨体に巻いて、ふたりでなんとか家まで連れて帰る
母:
私のピンクはクラリサですのよ あなたには心から感謝しています
小さいのが産まれたら、2匹はあなたに召しあがっていただきますわ
豚料理の好きな父は仕方なく勤労者の日まで飼っていいと許可する
●7
村祭りには、みんなが自分のつくったものを出して品評会をする
みんなに選ばれると褒美が出ると聞いて、はりきる父
家族に話すと、みんな準備で大忙しになる
ミス・ミリケンはピーター家で9匹も子どもを産んで忙しさに閉口していた
子猫が大好きなジャンケットは世話を引き受ける
父は大好きなお菓子を町で買ってきては本だなの後ろに隠していたため
ネズミが大事な本をかじるようになって困り
ピーターの奥さんに相談すると猫を譲るという
奥さん:毒をまく方法もあるけど、子どもや犬がいる所で使うのはすすめません
父はミリケンを書斎に置くと、居心地のいいソファの隅っこを占領して
子育てから解放されたことを喜ぶ
子猫たちはハラペコで大騒ぎ
モンゴメリー:ベイリーさんの所へ返してもいいよ
父はお菓子のことが家族にバレたくないため、ミリケンもしばらく置くことにする
●8
村祭りの日、子どもたちの動物たちはみな表彰され
ミリケンの子猫は4匹ひきとられた
母の描いたピンク・ピッグの絵も賞をもらう
父の畑の作物も大いに褒められ、これまではジェリコット一家とピーターのタッグだったが
これからはマクドネガル家コンビだねと言われて、すでに来年の畑の構想を練る
でも、子どもたちはみんな意気消沈
モンゴメリー:僕たちには来年なんてないのさ
父は子どもたちが重い病気なのかと心配する
ピーターを訪ねると、クラリサが11匹も子どもを産んだ
ピーター:
今日は子どもさんたちは、ひどく“ひれってえ”気分でしょう
なにかを好きになる それを手放なきゃならなくなるとそういう気分になります
父は構わず、来年の畑の話をすると、ピーターさんは急に断る
ピーター:
私は1年中休まず仕事がしたいが、畑仕事だけじゃ足りない
動物がいなくちゃ、冬中やることがない
マクドネガル氏はなんとも奇妙な気分になり、ジャンケットに打ち明ける
動物に話しかけるなんて初めてで自分でもビックリするが
ジャンケットは「分かってますよ 親愛なるわが友よ」と同情し
ジェリコットさんの杖をくわえてよこす
マクドネガル氏はそれを持って、何気なくジャンケットのあとを歩く
クラリサの小屋、ニワトリ小屋、公爵夫人、ポリアンナの運動場
ポリアンナがすぐ近くに来てもなにも怖くないと気づく(これは暴露療法だね
マクドネガル氏は、草原から牧草地の動物たちを見わたして
なにもかも田舎の風景にぴったりでいいものだと分かる
そして、他の誰でもなく、ピーターと組んで畑をやりたいのに
断られて“ひれってえ気分”がどれほどイヤなものかが初めて実感する
ピーターをふたたび訪れて、どれほどの動物がいれば満足か聞くと
牛50頭、ヒツジ群れ1つ、ニワトリの群れ、ガチョウ1つがい、そしてコブタたち
マクドネガル氏:
私はなんにも分かってなかった
今やいろんなことを学びつつあるんだ
ジェリコット氏みたいには出来まいが、できるだけ努力してみるつもりです
家族にも早速伝える
マクドネガル氏:
私は間違ったことを言っていたということを学んだんだ
ジャンケットに教えてもらった
私たちは互いを受け入れる所まで来たというわけだ
動物は田舎暮らしに必要だと認めるよ
家族は大喜びし、ジャンケットはいまさら新しいことじゃないと呆れる
■訳者あとがき
動物を飼いたいのに飼えない
世界中の子どもが味わう“ひれってえ気分”
うちの息子もしょっちゅう味わっている
真っ黒ののら犬が寒い野原でいるのを可哀想に思い飼いたいと言った時
「どうせ飼うなら、もっといい犬をもらいましょう」と言うと
「のら犬のほうが、ちゃんとした所の犬より寂しいんだよ」と言われてビックリした
本書は、とてもアメリカ的な表現を使い、英語ならではの工夫がたくさんあるので
かなり思い切った訳し方をした