最初の観光は、昆明の南東82kmのところにあり、2004年にユネスコの世界地質遺産に指定された「石林」から始まった。
昆明自体が標高1800mの高原にあるためか、バスに乗っていると陽射しは強いが気温は22度前後と春の陽気だ。現地ガイドの話では、気候は1年中こうなのだと言う。
石林に向けてバスが走った道路は、ベトナム迄続く2003年に完成した高速道路だった。
所々に白い花や赤い花を咲かせた木がある。聞くと白は梨の木で、赤は梅の木だという。
石林は、2億8千万年前の大昔に海底が隆起した後、長い間、風雨にさらされ、侵食、風化されて現在の様な400k㎡にも及ぶ広大で独特なカルスト地形ができたのだそうだ。
昆明周辺の標高を考えると、当時の隆起状況はさぞかしすざまじかっただろうと想像した。
(石灰質が融けているためだろうが、私が今回泊まった雲南省のホテルの水はどこも硬水らしく石鹸が溶けにくかった。また飲料水は毎日1本配られたミネラルウオーターを飲んだ)
石林に行って見ると、先が鋭く尖った巨石がぎっしりと連なり、それが林の状態になっていて驚いた。
中には地震で崩れ落ちた石や途中で引っかかった様な危なげな石もあった。
所々に咲くブーゲンビリアの花が、無機質な石に命を与えているかに思えた。
通路は狭い迷路の様になっていたが、ガイドの誘導で主な見学場所を効率良く観光した。私達以外の日本人の姿は見えなかった。
石林のあちこちに人目を引く民族衣装で着飾った少数民族・サニ族の女性たちが居た。若い女性たちは、一緒に写真撮影を望む観光客からお金を取っていた。
広場では中高年のサニ族の男女が、フォークダンスの様な民族舞踊を繰り返しして見せていた。空気が薄い場所柄、何度もダンスをするのは大変だろうと思ったが、「石林」は彼らの貴重な収入の場になっているようだった。