知的生き方文庫出版、「川北義則」著のこの本を偶然手にし、一気に読んだ。
著者の言う55歳はとうに過ぎてしまった私だが、内容は死を迎えるまでに楽しい人生をどう送ると良いかという著者が考えた貴重な示唆が書いてあって、高齢期の私にも分かりやすく、面白く読めて、とても良い本だった。
今は65歳にならなければ年金は満額出ない。そのため停年を無くしたり、定年年齢を65歳に延ばす会社が増えている。
かつ、年々日本人の平均寿命は高くなりつつあるが、何らかの介護を必要としない「健康寿命」との差は、男女ともに平均数年間ある。
それ故、数年前に「老後の夫婦の生活に必要な金額は、2000万円」と厚生労働省が言い出した結果、定年退職後も働き続けたいと思う人達が増えている現実がある。
そんな社会状況を背景に、著者は働き続ける場合の考え方、高齢期のお金について、妻や子供、友人、就業時代の同僚との人間関係について、趣味について、健康診断の功罪、暮らし方の基本姿勢など、多岐に渡って現代の高齢者にふさわしいあるべき生き方を説いている。
特に、誰もが必ず迎える死を自覚して一日一日を有意義に生きることの大切さは、私が癌患者になってから自分でも自覚して実行していることと同じだった。
多くの方々に読むことを薦めたい良い本だ。