花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

韓国済州島⑥垣間見た韓国の現代事情

2008年04月09日 | 海外旅行「韓国」

 延べ5日間の韓国旅行だったが、ガイドさんの話などで知る事ができた隣国、韓国の現代事情を少し書くことにする。

 【少子化が進んでいる】
 ガイドの話によると、最近は「DINKS」の夫婦が多くなっているというのだ。
 ご存知の様に「DINKS」とは、「Double INcome No Kids」の頭文字で、共働きをしていて収入は二人分あるが、豊かな経済生活を追求するために子どもを産まない夫婦のことである。
 韓国では現在、大学まで出すと子ども一人にかかる教育費は23,000万W(日本円で2,300万円)だという。それにアパートを買おうとすれば1坪600万W(60万円)するので、30坪なら18,000万W(1,800万円)になるのだという。だから合計特殊出生率も1.2人と低くなったと言っていた。
 ガイドさん自身も40代らしかったが、子どもを一人育てながら日本語ガイドを続けているのだという。
 勿論、晩婚化も進み、平均初婚年齢は男性31才、女性28~29才だという。いずれも日本とよく似た晩婚化、少子化事情だと思った。

 旅の終りにソウルに寄った時、学生達が高すぎる授業料に対して抗議するデモの行列に出逢った。年配の女性ガイドは、「このデモは、親たちも賛成しています。」と言っていた。
 

 【国民の三大義務】
 納税の義務、教育の義務は日本と同じだが、韓国には2年間の徴兵義務がある。
 兵役は20才以上になった男性に義務づけられるが、本人が病気だったり、老親を扶養していたり、オリンピックなどでメダルを取って国威を高めた人は免除されるそうだ。教育を受けている場合は、兵役期間がその分延期されるそうだ。老親を扶養している場合の免除規定は、儒教思想が強い韓国ならではだと思った。
 そう言えば大人気のあるタレントが、兵役を逃れていた事が問題になった事がある。タレント生命を考えると、売れている最中に軍隊には行きたくないという気持ちも分かる。(彼は2年間兵隊に行ったが、戻ってきてからも人気は衰えなかったらしい)
 韓国に敵対する北朝鮮がある限り、政治的軍事的な緊張が続くので、徴兵の義務は韓国の若者にとって実に悩ましい問題なのだろうと思う。

 【男女の社会的な地位】
 韓国は古くから儒教思想が国民の生活に強く影響して来たので、男尊女卑の社会風潮は伝統的に日本よりもずっと強かったらしい。
 結婚すると日本と違って夫婦はそのまま別姓だが、今までは子どもが産まれると子の姓は父親の姓になっていた。父系制度だったのだ。ところが今回のガイドの説明によると、今年から戸籍制度が変わって、子どもの姓は父の姓か母の姓かを選べるようになったそうである。韓国の民主化運動の影響なのだと思う。
 振り返って日本の戸籍制度を見ると、男女が結婚した時、どちらかの姓を選ぶのだが、これは実際には片方の姓を捨てることを意味する。現状では98%の女性が自分の姓を捨てているが、ここに日本の男女の社会的地位の格差が反映しているとも言える。
 10年以上も前から何度か、結婚する夫婦が別姓も選択できるようにするという民法の改正案が国会に出されたが、そうなると日本のより良い家族制度の伝統が壊れるというある政党の強い反対によって未だに日の目を見ていない。こうしてもたついている日本に比べて、韓国の法律上の男女平等は速いスピードで進んでいるように感じた。


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4 コメント

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Unknown (qori)
2008-04-15 00:01:31
はじめまして
私はインドネシアの大学で日本語を勉強している学生qoriともうします。
ソナタさんのブログは私の調査の参考になりました。また、とても興味深く読ませてもらいました。ありがとうございます。
私は男尊女卑について調査しています。
質問は
家庭の中に男尊女卑がありますか。日本人は男尊女卑について社会的にどう思いますか。男尊女卑は悪いことですか、いいことですか?
お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。
私の言葉が悪いですから、本当にごめんなさい
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Unknown (ソナタさん)
2008-04-15 18:15:08
goriさん、こんにちは。はるばるインドネシアからのコメント、有り難う。私なりに勉強した事を書きます。
歴史的には、日本には古くは鎌倉時代あたりまで親の財産を女子にも相続させ、武家ですら結婚も婿入り婚(女子は親の財産を引き継ぎ、親の家で生涯暮らす結婚の形です)があった様です。でも、室町時代後期になると嫁入り婚(女子は親の財産の相続人になれず、婚家で子を産み、養ってもらう形)が一般化し、女性の婚家での地位は落ちて行った様です。嫁は家の跡継ぎを産み、一労働力としての存在となり、男尊女卑の風潮は強まりました。
明治民法には最も男尊女卑の性格が強かった江戸時代武家の家族法が取り入れられ、戸主が絶対権を持つその制度を全国民に押しつけました。この民法は1946年まで続きました。
近代の日本では、大正時代、勤労者家庭で専業主婦が登場すると、社会的な労働をしない女性は家事労働と子育て、家族・老人の世話の担い手になり、社会は男性が中心になって動かすようになりました。一般にその頃とても多かった農業を営む家庭は家族労働で支えられましたが、一般的には嫁の地位は低かった様です。(続く)
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Unknown (ソナタさん)
2008-04-15 18:37:24
goriさんへ、(続きです)日本が敗戦し、アメリカの指導を受け男女平等の憲法、男女共に選挙権を持ったのは1946年で、国際的にはかなり早かったのですが、制度はできても社会の実際の民主化はなかなか進みませんでした。30年位前までは女性だけに若年退職制度や結婚退職制度があり、就職、昇進、給料などの男女差別も最近迄多くの企業にありました。1975年の国際婦人年を契機として、日本の民法、国籍法、教育関係法など男女平等に手直しされましたが、まだまだ実際には男尊女卑の意識が残っています。国連の女子差別撤廃条約の批准に伴い、数年前に国内法で「男女共同参画社会基本法」が成立。現在は女性も働きやすい社会の実現が少しずつ勧められている所だと思います。でも現に少子化、晩婚化も進んでいます。多くの男性の意識は、まだまだ男尊女卑が強いと思います。今後は少子化の結果、女性の社会参加がもっと求められるでしょう。私の個人的な見方では今は家庭生活の男女平等が最も遅れているのかもしれません。 goriさんも是非、頑張って日本語と日本の女性史を学んで下さいね。また、インドネシアの事などコメント下さい。
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Unknown (ソナタさん)
2008-04-18 20:21:04
qoriさんだったのですね。間違えてご免なさい。日本語の勉強を始めて何年になりますか。漢字は難しいでしょうね。
昨日、インドネシアのあかすり女性の事が新聞に出ていました。売春婦と見られる事が多いそうですが、そうでない大半のあかすりの女性が怒っているようですね。「売春」は、この地球上に最後に残る男尊女卑かも知れませんね。qoriさんはどう思いますか。
私で良かったら、どうぞいつでも質問して下さい。
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