存在する音楽

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NHKスペシャル 山口一郎“うつ”と生きる サカナクション復活への日々

2024-05-06 14:29:12 | TV番組

2024年5月5日21時~21時49分放送(NHK総合)

SNSで山口一郎がうつ病になっていることは知っていたし、サカナクションの全国ツアーも中止されて深刻な状態なんだろうというのは知っていた。何よりも無理せず山口一郎くんが生活できるようになれば良いなと思っていた。以前のような活動が出来なくても良いから生き延びて欲しいと思っていた。
以前、何かの番組で、山口君は制作活動に入って集中すると誰とも一切連絡を絶って、いっぱい考えて試行錯誤、推敲を重ねて作品作りをするというのを見ていたので、尋常ではない音楽との向き合い方も彼が辛くなる要素の一つなのではないかと勝手に考えていたりした。

2023年
山口一郎 全国ライブツアー「懐かしい月は新しい月 “蜃気楼”」
公演スケジュール:
2023年10月19日(木) 北海道・小樽市民会館 OPEN17:30 START18:30
2023年10月25日(水) 宮城・東京エレクトロンホール宮城 OPEN17:30 START18:30
2023年10月31日(火) 大阪・グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場) OPEN17:30 START18:30
2023年11月14日(火) 広島・広島文化学園HBGホール OPEN17:30 START18:30
2023年11月21日(火) 福岡・福岡サンパレス OPEN17:30 START18:30
2023年11月28日(火) 新潟・新潟県民会館 OPEN17:30 START18:30
2023年12月05日(火) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール) OPEN17:30 START18:30
2023年12月14日(木) 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール OPEN17:30 START18:30
2023年12月20日(水) 京都・ロームシアター京都 メインホール OPEN17:30 START18:30
2024年01月14日(日) 東京・東京ガーデンシアター OPEN17:00 START18:00

小樽でのライヴは開催が危ぶまれる情報も流れていたけれど、ここまで活動できるようになったんだと思って少しホッとしていた。
2023年3月に坂本龍一が亡くなり、ナーヴァスになっていたこともあって、柔らかい光が差して来たようだった。

この期間に山口一郎の実家でご両親に会って来た。お母さんは気軽に話をして下さり、彼のことも話をして下さった。
ここでは詳細は書かないけれど、見守る人たちがいる実感があった。
ただの音楽好きな気まぐれな僕にできるようなことは無いんだろうけれどチケットは抽選漏れした。
山口一郎著作
 「ことば~僕自身の訓練のためのノート~」 帯は友部正人
 「ことば2~僕自身の訓練のためのノート~」 帯はユーミン
を買って読んだ。

2024年のツアーは
4月20日・21日 幕張メッセを皮切りに13公演+2追加公演で開催中である。
番組は、このツアー開始までのドキュメンタリー。

僕は二年間ずっとこの病気と向き合ってきました。この病気の難しさ、苦しさを少しでも多くの人に解ってもらいたい。
この病気で苦しむ人を少しでも理解してもらいたい。
人前に出る職分である一人のミュージシャンとして、この病気のことを少しでも世の中に伝えていければと思っています。

音楽は僕にとって仕事ではない。軽い言い方をすれば趣味、ちょっと稚拙だけれど、重い言い方をすると人生。

うつ病が発症したのには、新型コロナによるパンデミックで音楽活動が以前のように出来なくなったことが、引き金の一つだったようだ。
山口君は何かやっていかないといけないと孤軍奮闘して、バンドメンバーのことだけではなく、ライヴに関わる人たちの生活も考えて、考えられるあらゆることをやろうとしていた。
キャパシティーを超えた。決壊した。
15人に1人がうつ病になるという日本社会で、誰しもそうなる可能性がある。
番組テロップで「主治医、事務所所属のカウンセラーのアドヴァイスをもとに取材しています」が流れる。

うつ病になるまで、自分がそうなるって全然わかっていなかった。外に向かって発信していけば、解ってくれる人もいるんじゃないか。独身で家族を養う必要もないので、そういう状態でも辛いのに、家族のいる人でうつ病になっている人は本当に大変。少しでも楽になれる人がいたら良いなって思う。

現在も2週間に1度は通院している。うつ病は回復するけれど、うつ状態が完全に無くなることはない。
自宅からの動画ネット配信をした。このまま休み続けたらファンから忘れられてしまうんじゃないかなって思った。
3月2日 の映像で10曲の予定で歌ったが、8曲で突然動けなくなり強いだるさに襲われたようだ。
3月3日 自分のスマホで自撮り動画 寝そべったまま、昨日頑張りすぎて調子が悪い。
3月7日 スタジオで山口を除くメンバーで全国ツアーのリハーサル。山口は時間になっても現れず。自撮り動画では、だるくてベッドに寝ている映像。電話も出来ず、マネージャーとのメッセージのやり取りだけ。
3月11日 マネージャーが山口宅を訪問した時の動画。昼は身体がだるい、夜はメンタル的にしんどい。

過去の話へ
札幌の高校に進学して結成したバンドのころ
山口一郎はライヴでMCなし。サングラスもしたまま。2004年にバンドは解散。
進学も就職もせず。
元メンバーの 高校時代の同窓生でもある原康之さんが当時の一郎の話をしていた。
ご両親もご自宅でインタビューに応えておられた。
2005年 サカナクションを結成
2007年 サカナクションが東京に進出決まった。
その時、原康之さんは一郎が変わっていた。今の山口一郎になっていた。
凄く重たいマントをまとっているようだった。

山口一郎「自分が変わらなきゃいけないんですよ東京と言う街は」

2008年ネイティブダンサー
「ミュージック」を山口一郎の家にメンバーが集まって作った。
作詞は何百も作って没をいっぱい作って完成させていくという尋常ではない作り方。

山口一郎はバンドの顔として、顔を作って、サービス精神旺盛で取り組んでいた。しかし本当はそこまでやりたくはなかったけれど、それでサカナクションは今ある状態になった。

2015年草刈 愛美さんが出産
山口一郎「自分のように朝から朝まで音楽をやりたいっていうのは、アミさん、モッチは無理だ」
草刈さん「私もずっと音楽をやっていきたい。だけど、命を預かって生きていかなきゃいけなくなって、それができなくなった」

3月18日 リハが始まって一カ月 山口一郎は現れることが出来ず、スタッフも曲順や編曲などが決まらず、準備が進まないという。メンバーで決めてはいくが、やはり山口一郎不在では停滞する。

2020年パンデミックの頃の話
疲れが残るようになっていた山口くん。でも頑張ってしまう。バンドだけではなく、ライヴエンターテインメントのスタッフのためにも。
2020年10月に 原因不明の群発頭痛が続くようになった。あまりにも痛いのでフォークで足を刺しながら、痛さを別に意識しようとしてた。歯を抜こうとしたり。今から考えるとおかしくなっていた。
2022年5月 スタジオでリハをしていた山口くんがメンバーに
俺が表立って話をする。サカナクションは俺だみたいな、僕はけっこう辛い。それぞれ感じてること、環境も違う。
と訴えた。
江島啓一は サカナクションを引っ張って活動してくれて、サービス精神旺盛で活動していることは、一郎が楽しんでやっていることなんじゃないかなって思っていたりもした。
バンドメンバーとのすれ違い

15周年ライブの後から気力が湧かなくなった。だるくて仕方がない。
マネージャーに相談して通院したら、うつ病ですと診断された。でも、自分でうつ病と思ってなかったので薬を飲まなかった。
すると、どんどんしんどくなっていった。
宅配サービスもベッドから動けずに取りに行けず、宅配された食べ物がどんどん溜まっていくという状態になって、ヤバいかもって思って薬を飲み始めた。
メンバーには一切メールもしなかった。余計なことを言ったり、言われたりするのも怖かった。
メンバーも連絡しなかった。気にはなるけど、連絡したことで酷くなったりする可能性もあると思って、連絡できなかった。
山口くんは音楽に全く興味を持てなくなった。ギターを持つことも出来ない。うつ病は一番興味あるものから離れて行くと言われている通り、音楽に興味を持てなくなった。
周りが諦めていくんじゃないのか?って不安になった。ファンもサカナクションのメンバーも僕を諦めていくんじゃないのか?って不安になった。
そのころ、元メンバーだった原康之さんが転職してきた。ひたすらずっと山口くんと一緒に居たとのこと。他愛のない話をしていた。

少しずつ回復してきて、2023年に秋にソロ・全国ツアー10本やった。

この春
雨模様 「雨だから来るよ」という江島啓一
遅れて運転して現れた山口一郎
リハを実行。
アンコールMCのリハの時、メンバーに突然 謝る山口くん。
おおーって受け入れるメンバー。
恐らく初めての事だったらしい。

4月復活ライヴの様子が流れる。
山口くんは 復活・新しいサカナクションとMCをしながら江島に声をかけると江島さんが号泣して抱き絞めにいく山口くん。

昔の自分に戻ろうというのは諦めました。
でも一番好きなものは、やろうというのは諦めないことにしました。

音楽は僕にとって仕事ではない。軽い言い方をすれば趣味、ちょっと稚拙だけれど、重い言い方をすると人生。

今後も無理せずやって欲しいと思った。

コメント
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