教授のコメントをネットで見かけて試聴。
むむこれは・・確かに「async」に繋がっている。惹きこまれて傾聴♪
自然に流れて気が付くとアルバムが終わっている感覚。
実際に外から聴こえてくる虫の音が加わって今しかない感覚もあり、今日聴けて良かった。
2017,8,23発売
『Metaphors』(メタファーズ)
Selected Soundworks from the Cinema of Apichatpong Weerasethakul
セレクテッド・サウンドワークス・フロム・ザ・シネマ・オブ・アピチャッポン・ウィーラセタクン
Compiled by Akritchalerm Kalayanamitr(a.k.a. Rit) & Koichi Shimizu
コンパイルド・バイ:リット(アックリットチャルーム・カンラヤーナミット)& 清水宏一
推薦コメント
「なんだ、とっくに先取りされていたじゃないか、
というのが初印象である。
『Metophors』がとても『async』的なので驚いた。
しかしそれでは自画自賛がすぎるというものだ。
元々映画における音/音楽というものは『async』的なもので、
ぼくはただそれを追随したに過ぎない。
それにしても、ここには音/音楽の全てがある。
神秘、過去、夢、揺れる葉、鳥、昆虫、夜明け、雑踏、朝食の準備の湯気、
河の流れ、割れるグラス、バイクなどなどが。
つまりとても美しい一つの映画が。」 ― 坂本龍一
【『Metaphors』収録曲】
1. Reverberation (Syndromes and a Century / FAITH)
リバーバレーション | 映画『世紀の光』(2006)、映像インスタレーション「FAITH」(2006)より
2. Straight (Tropical Malady)
ストレート | 映画『トロピカル・マラディ』(2004)より
3. Dawn of Boonmee(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)
ドーン・オブ・ブンミ | 映画『ブンミおじさんの森』(2010)より
4. Sharjah and Java(Dilbar / Morse Beat / Ablaze)
シャルジャ・アンド・ジャヴァ | 映像インスタレーション「Dilbar」(2013)、インスタレーション「For Tomorrow For Tonight」を構成するサウンド作品「Morse Beat」(2011)、短編映画『Ablaze』(2016)より
5. Mekong Hotel (Mekong Hotel)
メコンホテル | 映画『メコンホテル』(2012)より
6. The Anthem(The Anthem)
国歌 | 短編映画『国歌』(2006)より
7. Jenjira's River (Fever Room)
ジェンジラーズ・リバー | 上映パフォーマンス「フィーバー・ルーム」(2015)より
8. Smile (Syndromes and a Century)
笑って | 映画『世紀の光』(2006)より
9. Intimacy (Syndromes and a Century)
インティマシー | 映画『世紀の光』(2006)より
10. Memory of the Future (Syndromes and a Century)
メモリー・オブ・ザ・フューチャー | 映画『世紀の光』(2006)より
11. For Tonight (For Tomorrow For Tonight)
フォー・トゥナイト | 映像インスタレーション「For Tomorrow For Tonight」(2011)より
12. Roar (Tropical Malady)
ロアー | 映画『トロピカル・マラディ』(2004)より
13. Destiny(Cemetery of Splendour)
運命 | 映画『光りの墓』(2015)より
14. Acrophobia (Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)
高所恐怖症 | 映画『ブンミおじさんの森』(2010)より
Track 1, 4, 7 & 10:Produced by Koichi Shimizu(清水宏一)
Track 3, 4, 11 & 12:Produced by Akritchalerm Kalayanamitr(リット)
Track 2
Artist : Fashion Show(ファッション・ショー)
Written, Composed & Produced by Rungroche Uptampotiwat(ルンロート・ウパタムポーティワット)
Track 5
Composed & Performed by Chai Bhatana(チャイ・パッタナー)
Track 6
Composed & Produced by Chaibovon Seelukwa(チャイボーウォーン・シールークワー)
Track 8
Written & Composed by Kantee Anantagant(カーンティー・アナンタカーン)
Performed by Danaya Buntasnakul (Vocal) & Ronnayut Ingsa (Guitar)
(ダナヤ・ブンタッサナクン & ロンナユット・インサー)
Track 9
Composed & Performed by Peerapong Chalermyothin(ピーラポン・チャルームヨーティン)
Track 11
Composed & Performed by Nophalux Kosakorn(ノッパラック・コーサーコーン)
Track 13
Written, Composed & Performed by Apinya Unphanlam(アピンヤー・アンパンラム)
Track 14
Artist : Penguin Villa (ペンギン・ヴィラ)
Written, Composed & Produced by Jettamon Malayota(ジェータモン・マラヨーター)
All tracks are courtesy of Kick the Machine Films
Except Tracks 2 & 14, courtesy of Smallroom
Ambience Recordings by Chalermrat Kaweewattana and Akritchalerm Kalayanamitr
Mastering by Rashad Becker at Dubplates & Mastering
アピチャッポン・ウィーラセタクン(Apichatpong Weerasethakul)
1970年タイ・バンコクに生まれ、タイ東北部イサーン地方、コーンケンで育つ。コーンケン大学で建築を学んだ後、シカゴ美術館付属シカゴ美術学校で映画制作修士を取得。 1993年に短編映画、ショート・ヴィデオの制作を開始し、2000年に初の長編映画を制作。1999年に自身の制作会社、キック・ザ・マシーン・フィルム(Kick the Machine Films)を設立。既存の映画システムに属さず、実験的でインディペンデントな映画制作を行っている。長編映画『ブンミおじさんの森』で2010年「カンヌ国際映画祭」最高賞(パルムドール)受賞。映画監督として活躍する一方、1998年以降、現代美術作家として映像インスタレーションを中心に旺盛な活動を行っている。2009年の大規模な映像インスタレーション「プリミティブ」(長編映画『ブンミおじさんの森』と同一プロジェクト)は、ドイツ・ミュンヘンのハウス・デア・クンストにはじまり、世界各国の美術館を巡回。2012年にチャイ・シリと協働で「ドクメンタ13」に出展、2013年にふたりで参加した「シャルジャ・ビエンナーレ」では最高賞(金賞)を受賞、同じユニットで2016年に国立新美術館 X 森美術館でのグループ展にもインスタレーションを出品。同年に福岡アジア文化賞を受賞している。2015年は初のパフォーマンス作品「フィーバー・ルーム」を韓国・光州のアジアン・アート・シアターで発表し、KAAT神奈川芸術劇場など各都市で公演が続いている。2016年にチェンマイに開館したMIIAM現代美術館で、タイ初となる大規模個展を開催。同年東京都写真美術館にて個展「亡霊たち」を開催した。 現在チェンマイ在住。
清水宏一(KOICHI SHIMIZU)
バンコクを拠点に活動するサウンド・アーティスト。90年代初頭、NYでサウンドエンジニアリングの勉強をした後、初めてバンコクを訪れる。発展途上中の街が持つ独特の自由で活気に溢れた雰囲気に魅了され、バンコクに移住する。97年に日本に一度帰国。NYでのクラスメート、Numbと再会し、彼が立ち上げたレーベルRevirthに参加。Hanumand名義で作品のリリース、ライブ活動を行う。2003年に再度バンコクに移住し、映画音楽やサウンドデザインを手掛け始める。代表作は『世紀の光』(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)、『Wonderful Town』(アーティット・アッサラット監督)等、また音楽を担当した「Nymph」(ペンエーグ・ラッタナルアーン監督)は2009年度「ドバイ国際映画祭」にて最優秀作曲賞(Best Composer Award)を受賞する。その傍ら、2003年から2016年までSO::ON Dry FLOWERというレーベルを運営し、Desktop Errorを始め、多くのタイ人アーティストの作品のリリース、コンサートの主催を行ってきた。 近年は自身の音楽活動に専念しており、2015年に初のフルアルバム『Otolary』をRevirthからリリース。2016年には初のヨーロッパツアーを敢行し、ベルリンのレーベルHolotoneより『Wholetone EP』をリリースした。 また2016年よりアピチャッポン・ウィーラセタクン監督初の舞台作品「フィーバー・ルーム」の音響を担当し、世界各国を廻っている。
リット(Akritchalerm Kalayanamitr a.k.a. Rit:アックリットチャルーム・カンラヤーナミット)
サンフランシスコで映画製作の勉強をした後タイに帰国、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『トロピカル・マラディ』(2004年)の制作に参加。以後、アピチャッポン監督のインスタレーションなども含む全作品で音響・ミックスを担当する。それ以外にもタイ国内外の多くの作品を手がけ数々の賞を受賞している。近年の代表作に「Sa-nap」(Kondej Jaturanrasamee, 2015年)、「The Island Funeral」(ピムパカー・トーウィラ監督, 2015年)、「Motel Mist」 (プラープダー・ユン, 2016年)、「By the time it gets dark」(アノーチャ・スイッチャーゴーンポン, 2016年)などがある。 2008年から2016年まで清水宏一と共にSOLというアートスペースを運営、ワークショップやライブイベントなどを主催する。
タイ、東南アジアを代表する映像作家であり、日本だけでなく世界中で、映画監督、アーティストとして注目を集めるアピチャッポン・ウィーラセタクンの映像作品に使用された数々の楽曲を一枚にコンパイルしたアルバムが遂に発表される。
昨年末には東京都写真美術館の総合開館20周年記念として開催された個展「亡霊たち」で大成功を収め、今年2月のTPAMでは上映パフォーマンス「フィーバー・ルーム」を上演、4月からワタリウム美術館で開催された「坂本龍一|設置音楽展」でもコラボレーターとして参加している。
現在、SCAI THE BATHHOUSEにてカナダの俳優、コナー・ジェサップを起用した作品も含む新シリーズを個展「Memoria」で発表中(8月4日迄)、森美術館での「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」(10月23日迄)では、チャイ・シリとの共作で巨大なゾウを美術館入口に宙吊りするなど、話題作を常に提供している。
2010年「カンヌ国際映画祭」最高賞(パルムドール)受賞した長編映画『ブンミおじさんの森』(2010年)をはじめ、初の舞台作品「フィーバー・ルーム」(2015年)他、アピチャッポン監督の作品に使用された楽曲を全14曲収録し、音源だけでも楽しめる素晴らしい作品に仕上がっている。
アピチャッポン作品の音楽に携わってきたリット(アックリットチャルーム・カンラヤーナミット。:2004年の『トロピカル・マラディ』以後、アピチャッポン監督のインスタレーション等も含む全作品で音響・ミックスを担当)と清水宏一(Numb主宰のRevirthからソロ作もリリースしているタイ在住のサウンド・アーティストで、アピチャッポン監督の最新映画にも参加)が自らのプロデュース楽曲の提供のみならず、アルバムのコンパイルも担当している。
マスタリングは、ベルリンを拠点とするサウンド・アーティストにして、マスタリング/カッティング・エンジニアとしても有名なラッシャッド・ベッカー(RASHAD BECKER。名門Dubplates & Mastering)が担当。
日本先行発売(海外ではSUB ROSAより発売予定)。