存在する音楽

ジャンルに関係なく良いと感じた曲は聴く
誰かの心に存在する音楽は
実際に音が鳴っていない時にも聴こえてくることがある

the Who  /  Who's nexxt

2023-10-08 20:14:05 | album w

 

1971年8月25日英国で発売されたThe Whoの5枚目のアルバム
2010年12月にプラス7曲のボーナストラックで再発されたものを聴いている。

The Whoをしっかりと聴くのは初めてである。
きっかけは、佐野元春のインタビューでピート・タウンゼントに刺激されて来たとこのバンドの話題があったので、今回の「WHERE ARE YOU NOW」アルバムでのコンセプトや音的なものグルーヴにも何かしらかかわりがあるんだろうと思って買って聴いている。
驚いたことに、本当に聴いて来なかったけれど魅力を感じている。

1  Baba O'Riley 5:09
イントロのシンセの音色が心地よい
ミニマルなループ
佐野元春「銀の月」にも影響を与えているんだろうか?

曲のタイトルはピートが崇拝していたインドの宗教家ミハー・ババと、
新型コロナウィルスの感染拡大で、山梨県に移住した音楽家テリー・ライリーの名前から取っているとのこと。

しっかりとしたロックナンバーでしっくり来る

Teenage Wasteland

ストリングスも入って10分くらいでも良いくらいの曲


2  Bargain 5:34
ヴォーカルが入るところで、グッと上がる

間奏のシンセの音色は「眠れない夜」オフコースを思い起こした。
エレクトリックギター、ドラムス、ベース
後奏も長めで良い感じ。

THE WHOって聴いてこなかったけど、凄いと言われるだけある魅力を感じている♪

3  Love Ain't For Keeping   2:10
アコースティックギターとドラムスだけど
もともとはハードロック系の曲とのこと。

4  My Wife 3:42
ロック調
妻が俺が浮気していると疑ってる

メロディーの乗ってるヴォーカル良い感じ♪
フォーン

5  The song is over 6:15
シンセ
ピアノ
ヴォーカル
エレクトリックギター
静かに流れて
シンセ、ドラムス

6  Getting in tune 4:50
ピアノ
ヴォーカル
ドラムス
エレクトリックギター  バラード

僕の弾いているコードにピッタリな旋律を歌っているんだ

コーラスも入って

7  Going Mobile 3:43
軽いノリで

家に帰るんだ
車で移動するんだ

アウトロ前の音が気になってる

8  Behind Blue Eyes  3:42
淋し気な曲
アコースティックギターと美しいコーラス
後半はやや激しめに演奏

誰も知らない 悪党と呼ばれる悲しい男の歌

9  Won't Get Fooled Again  8:33
ウーリツァーとエレクトリックギターからドラムスが入るイントロは
佐野元春を感じる

間奏など演奏がぶ暑く
歌が無くても良いかもと聴いている

10  Pure And Easy (Previously Unreleased)  4:22
爽やかなバンド・サウンド

タイトルの純粋で易しい音のこと

言葉の中に音楽を聞いていた

音の秘密を聞け

11  Baby Don't You Do It (Previously Unreleased)  5:14
マービン・ゲイのカヴァー

やめてくれよ、ベイビー 心をズタズタにしないでくれ
とシャウト

12  Naked Eye  5:31
1971,4,26 ヤング・ヴィックでのライヴ音源
バンド・サウンドのロック

肉眼には全てが美しく見えるけれど
実際にはそんな風には起こらない

13  Water  6:25
前曲と同じライヴ音源
シャウト気味

上手い水が欲しい

14  Too Much Of Anything  4:25
ミドルテンポ

この手は多くのものに触れすぎている
この目は多くのものを見過ぎている
探し求め、支えを見付けようと努力してる
俺の耳は全ての音楽を聴く
 多すぎて全てが俺の手に負えなくなっていく

15  I Don't Even Know Myself  4:56
ハーモニカ
ギター
ウーリツァー、ドラムス、ベース
明るめで楽天主義な曲

自分自身のことさえわからない

16  Behind blue eyes  3:27
8曲目とはヴァージョン違い

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脇田もなり / UNI

2023-09-18 09:25:03 | album w

2023,9,6発売
4THアルバム

全曲のプロデュースはDorian

テーマ的には、内に秘めた思いみたいなところを表現したかった
できるだけ自分の本音を伝えたい、自分の感情的な部分に焦点を当てたい
とのこと。


1.IRIS 2:22
ゆったりとしたエレクトロニカ

もなりの歌声で聞こえてくる歌詞
多面体
雨はやんで

2.UNI 4:25
脇田もなりのシティーポップはとても良い
ディスコ的要素はダンスに繋がるのかも。
ファーストアルバムからスマッシュヒットしないのは何故って思っている。

どぉしたい、ねぇ?

3.PLACE 4:07
9th Single
7インチ・シングル「PLACE」
水辺に座っている後ろ姿のジャケ
エメラルドグリーンと山吹色が印象的

パーカッション ヴォーカル
休符
ファンキーなグルーヴ


4.ONDO 4:49
9th Single
7インチ・シングル「PLACE」B面

ゆったりとしたパーカッション
シンセ
シタールの音色

曖昧な体感温度

5.めくるMake Love 4:08
ヴォーカルで始まる
バラード

ただ愛に溺れたい

6.La Shangri La 4:12
アシッドハウス
10th Single

繰り返されるアウトロ

7.Sweet Pain 5:01
バラードで失恋の甘い痛み

8.もなりの8ビート 3:38
11th Single
8ビートで

可愛らしいヴォーカルもクールな面もあって
英語歌詞の部分も良い感じ

愛をもっと絡めさせたくて

ちょっと一緒に乗って見たら沢田研二の「おまえにチェックイン」みたいになってしまった自分…

 

 

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Whatever The Weather / Whatever The Weather

2023-01-02 02:36:05 | album w

2022,4,8発売

Loraine James(ロレイン・ジェイムス)の別名義
Whatever The Weather

 1995年12月18日生まれ 英国 北ロンドンにあるエンフィールド出身

このミュージシャンのことはよく知らないけれど、ネットサーフィンしていて僕のアンテナに引っかかって来ました。

アルバムについて、以下はコピペ

各曲名は全て温度になっており、キーボードの即興演奏やヴォーカルの実験を取り入れ、アトモスフィアや音色を形作ることを優先したモードで、静と動、寒と暖を行き交う心地よくも刺激的な音世界! アンビエント〜IDMを横断する20年代エレクトロニカ

クラブ・ミュージックとは対照的に、このモードではキーボードの即興演奏とヴォーカルの実験が行われ、パーカッシヴな構造を捨ててアトモスフィアと音色の形成が優先されている。このように、異なる頭脳空間から、新しい座標と気候が生まれ、「Whatever The Weather」という新しいプロジェクトが誕生した。本アルバムのマスタリングを依頼したTelefon Tel Aviv、HTRK(シンガーのJonnine Standishは『Nothing EP』に参加)、Lusine(Loraineがリミックスを手がけた)など、アンビエントと親和性の高いGhostly Internationalのアーティストたちの長年のファンであるLoraineはGhostlyが空気感のあるトランスポーター的な楽曲で構成された、このセイム・タイトル・アルバム『Whatever The Weather』の理想的な拠点であると考え、このリリースへと至った。

『Whatever The Weather』(天気がどうであれ)のタイトルは全て温度数で表されており、シンプルなパラメーターによって、ムードを盛り上げるためのニュアンスに焦点を当てることができる。彼女の浮遊する宇宙は変動し、曲ごとに凍ったり、解けたり、揺れたり、花開いたりしていく。セッションでのジャムを元にしたアプローチを「自由な流れまかせ、私が終わったように感じたら止める」と説明し、彼女の潜在意識によってリードできるようにする。その即興演奏は、ひとつの環境の上を通過する突然の天候のような、本質的な流動性を持っている。場所は固定されているように感じるが、状況は変化していく。

アルバムの冒頭を飾る「25℃」は、柔らかなハミングとキーボードが降り注ぐ太陽のような曲。この曲は最も長い曲で、温和な風が上下すると至福の時が訪れるという点であり、安定した印象を与えるが、彼女の作品は組織的な混沌を好む傾向がある故に、その様相は当然ながら一時的なものである。このユートピアから、最もメランコリックな 「0℃」へと急降下し、浮遊する孤立したシンセ・ラインは、冷厳なビートと静電気の嵐を横切っていく。続く「17°C」では跳ね上がるような勢いのキーボードに車のクラクション、ブレーキの音、横断歩道の会話などのサンプリングが織り交ぜられ、ジャングル〜ドラムン調の変則ブレイクビーツが駆け抜けるIDM調のキラー・チューンをみせる。

この作品の一部では、Loraineはネオクラシックに傾倒し、流れ落ちるピアノの鍵盤と暖かいディレイの物悲しいヴィネットを表現している。前半最後の「2°C (Intermittent Rain)」は嵐のような短いループで終え、「10℃」ではリセットされた感覚が浸透する。エコーをかけたオルガンの上で直感的に音を混ざ、ジャズ志向を示唆する非定型のリズムにロックしたり、外したりしている。「4℃」と「30℃」は、彼女のヴォーカルの実験の幅を示すもので、前者はリズミカルで別世界のような効果があり、後者は最もストレートな歌声(彼女はデフトーンズのチノ・モレノとアメリカン・フットボールのマイク・キンセラをインスピレーション源として挙げています)を聴くことができる。

本作は「36°C」で幕を閉じるが、この曲は冒頭の「25℃」のようにシンセサイザーのコーラスが心地よく、空を飛ぶようなこのコレクションにふさわしいブックエンドとして機能している。周期的、季節的、そして予測不可能な、まさにその名の通りであり、アンビエント〜IDMを横断する20年代エレクトロニカの紛れもない傑作だ。

マスタリングはTelefon Tel Avivが担当している。CDリリースは日本のみで、レコードには未収録(デジタルには収録)のボーナ・トラックが追加されている。

収録曲

1  25℃
女声とシンセのアンビエント系の音色
高音のシンセが光を保ったまま変化していくよう

2  0℃
デトロイト・テクノのメランコリー と解説では表現している
シンセの音色がスッキリしない感情を揺さぶり
パーカッション系の音色やノイズ音が解っているけどやり場のない感情を刻むようだ

3  17℃
エレクトロニカならではの世界観
上記の解説にあるようにサンプリングされた音
様々な音やリズム
くぅほほー くぅほほー
クラクション

4  14℃
シンセとピアノ
細かく刻まれるシンセの音色とゆったりとしたピアノの美しい音色
ジョージ・ウィンストンのピアノが聴きたくなった

5  2℃ (Intermittent Rain)
断続的な雨

シンセの音色が大きくなりかけては途切れ
次の音が大きくなりかけては途切れ

6  10℃
呟くようなスティール・パン的な音
シンセの流れて広がる音
Hiroshi Watanabe(Kaito)を聴きたくなる♪

7  6℃
ストリングスっぽいシンセが広がり
32秒くらいから鳴り始める音の変化は更に変化していき
心地よくて寝そうになる

8  4℃
インダストリアル・ファンクと解説で表現されているが、
グルーヴ
女声と低音のシンセ 小刻みなリズムで刻む

9  30℃
更に小刻みにシンセが刻む
ちょっと神秘的な女性の歌
やわらかく音が鳴っている

10  36℃
神秘的な広がりのあるシンセ
アンビエント

11  28℃ (Intermittent Sunshine) [Bonus Track]
断続的な日差し

だだっだだだっだ 
広がるシンセとともに

 

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HIROSHI WATANABE / TAKACHIHO EP

2020-04-20 23:28:56 | album w
2020,2,19発売
数々の神話や伝説、民話が残っている九州・宮崎。天岩戸がある高千穂町に新たなレーベル「Molten Soul Records」がスタートした。第一弾リリースは、HIROSHI WATANABE(KAITO)。

宮崎・高千穂に古くから伝わる民謡『刈干切唄(かりぼしきりうた)』をHIROSHI WATANABEがエレクトロニックミュージックとして再構築した本作。高千穂をテーマにした神秘的なアンビエントテクノ"Takachiho"、地元に伝承されている神楽をエレクトロニックダブへと昇華させた"Kagura"、村上三絃道・三代目家元を継承した村上由宇月をヴォーカルでフィーチャー、現代と古代を繋ぐような壮大なストーリーが立ち上がる"Kariboshikiriuta"の3曲を収録。

限定ピクチャージャケット、さらにHIROSHI WATANABEが高千穂を訪れた際に撮影した写真を収録したLPサイズ12Pフォトブックレットが付属するスペシャル仕様となっている。 写真も美しい♪

もともとHIROSHI WATANABEはこのブログでも何度もアルバムをアップしてきたけれど、よく聴いているが、今回の曲はレコードを購入して聴いている。最近、レコードをよく買っているなあ・・・
TAKACHIHO EP

A面
 1 Takachiho
  ゆっくりと徐々に昇華されていくような音の揺らぎ
 パーカッション 前後で鳴っているドラム ベース 打ち込みのリズム
 リズムの変化、激しめの鼓動の中、エネルギーが一定のまとまりを保って動いている

 2. Kagura
 笛・太鼓・鉦に打ち込んだリズム音 低音の広がり 最後はHIROSHI WATANABEっぽい感じ

B面
 1 Kariboshikiriuta
 唄にシンセ

日本のお祭りや音頭などをたまに聴きたくなるが、こうした融合がまた広がりを持っている。

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脇田もなり / RIGHT HERE

2019-07-31 23:38:09 | album w
2019,7,31発売
脇田もなり 3RD ALBUM

通常盤で曲を聴くことに専念

M1,9,12のピアノはUVI key suite acousticを使用とのこと。




1. 風船
もなりの作詞
新井俊也の作詞

リズム
1 2 12 123のカウントの囁きが可愛い
夏に爽やか

2. Thinkin’ about U
斉藤伸也(ONIGAWARA)の作詞作曲

あぁ七色に輝くよ

の声がとても素敵

3. エスパドリーユでつかまえて
先行シングル
一十三十一の作詞 
DORIANの作曲
角松っぽさもあるし、音的に面白い。
メロディーの派手さはないけど、何度も聴いていると心地よいグルーヴで揺れる

もっと聞かせてハートはビートするもの

4. LOVE TIMELINE
鈴木桃子の作詞
佐々木潤の作曲

英語の歌詞の部分より日本語の部分の歌が乗っていく感じがして



5. やさしい嘘
UKO作詞
新井信也作曲

エレクトリックギターも良い感じ

口ずさみたくなる
日本語歌詞のみなんだけど、魅力的

6. WHERE IS...LOVE feat.Sunny Belltree
鈴木桃子作詞
佐々木潤作曲

ヴォコーダーのセクシーな声
スローなナンバー
サンプリングされた幼い女の子の声、鳥の声
サウンドも良い感じ

7. Just a “Crush for Today”
脇田もなり作詞 石原周 補作 新井信也作曲

ポップなナンバー

8. 恋をするなら
飯泉裕子作詞
佐藤清喜作曲

佐野元春の「月と専制君主」っぽさがあるグルーヴ

9. ハイウェイ
岸田繁 作詞作曲(くるりのカバー)


10. 3MOTION


11. FRIEND IN NEED


12. passing by


初回限定盤にはDVDがついてくる

ディスク:2
1. Dear
2. EST!EST!!EST!!!
3. Peppermint Rainbow
4. CUTi-BiL
5. IRONY
6. Callin’ You
7. Boy Friend


以下は
MIKIKIのコピペ

ここに辿り着きました

「ファーストの『I am ONLY』は、〈自分〉を主張するようなアルバムで、ひとりになったけど歌い続けます、聴いてくださいっていう気持ちで、明るくて元気なポップ・チューンも多かったんですけど、自分のなかではメロウなものとか歌心みたいなところにも興味があって、そういう感じのことがしたいって作ったのがセカンド・アルバム。『AHEAD!』というタイトルには、〈もっと先へ〉〈もっとがんばる〉みたいな意味を込めていたんですけど、今回のサード・アルバムは〈いまここに辿り着きました〉っていう意味でこのタイトルにしたんです」。

脇田もなりのちょうど1年ぶりとなるニュー・アルバム『RIGHT HERE』。そのタイトルのもとに並ぶ12曲に、この1年、いや、ソロ始動してから2年半余りの活動を結実させた、そんな意気込みは、いつにも増してにこやかに話す彼女の表情からも窺える。前作『AHEAD!』リリース以降、100本以上にも及ぶステージをこなしてきた彼女だが、なかでもアルバム制作前の今年3月に開催したMOTION BLUE YOKOHAMAでの公演で得た手応えは相当大きかったようだ。

「すごく緊張して、これはヤバいかも!?って思ったんですけど、あの日は自分の歌がめちゃくちゃ良かった日で(笑)。あっ、私ってこういう音楽をこういう場所で歌いたかったんだなって、すごく思いました。そこから歌をもっと丁寧に歌いたいなとか、もっと違った歌い方もやってみたいとかっていう意識が強まっていって、『AHEAD!』以降の充実感だとか、そういうものも全部合わさって『RIGHT HERE』は出来たので……うん、自信作です!」。

 アルバムには、昨年暮れにシングルでリリースされた“Just a "Crush for Today"”“やさしい嘘”も収録されているが、直前に7インチでシングル・カットされた“エスパドリーユでつかまえて”では一十三十一が作詞、Dorianが作曲とアレンジ、ミックスまで手掛けていて、この初顔合わせのコラボレーションが、まずはアルバムへの期待を大いに膨らませる。

「Dorianさんはすごく親身に話を聞いてくれて。〈どういう音楽がやりたいの?〉とか〈どういう音楽が好きだったの?〉とか、〈先入観なしで好きなこと言って〉とか〈どんな音で歌いたい?〉とか。そのうえで作ってきてくださったのが“エスパドリーユでつかまえて”なんですけど、歌詞をどうしよう?ってなったときに、Dorianさんと言えば一十三さんだと思って。いやあ、歌ってきて良かったなって思いました(笑)。最初の打ち合わせで〈今回はシンガーとしてしっかり見てもらえるアルバムを作りたい〉っていう話をしたら、一十三さんが〈じゃあ、キーを上げないほうがいいね〉って。キーが高いのが脇田もなりっていう気もするんですけど、この曲ではキーを抑えて大人っぽく歌ってます」。



新しいことを始めていこう

 アルバムの冒頭を飾るのは、彼女自身が作詞をした“風船”。作曲/アレンジは、ファースト・アルバムから制作に関わり、前作に続いてアルバムのメイン・プロデューサーを務めている新井俊也(冗談伯爵)。ミッドテンポのスパークリンなサウンドに乗る彼女の歌詞は、しぼんでしまった風船をまた膨らます元気なんてない……とモヤモヤしながらも、〈これから始まるストーリー 君と夢を見ていたい〉と前向きに締め括る、言わば現在の彼女の意思表明とも受け取れるナンバー。いきなりイイ曲。

「上京してからもうすぐ3年、ここまでずっと走ってきて、めちゃ濃い時間で、ずいぶん成長させてもらいました。やりたいことができてることに対して喜びを感じているし、落ち着いて音楽を聴いたり、周りを見渡せるようになって、ここからまた新しいことを始めていこうよっていう、そういう気持ちも込めて書かせてもらいました。書き出しのきっかけは、どこかでもらった風船が部屋にたまたまあって。あるときちょっとだけモヤモヤしていた日があって、ハイボールを呑んで帰って来たんですけど(笑)、軽く酩酊した状態で、その風船を見ながら思ったことを書き出していったんです。そんな感じだったので、レコーディングするまではめちゃ不安だったんです。ここまで自分をさらけ出した歌詞を歌うのは恥ずかしいと思ったし、他のすごい作家さんたちの詞と並べていいんだろうかって思ったんですけど、新井さんはじめスタッフのみんなが〈大丈夫、イイ曲だから〉って言ってくれて。で、録ってみたら〈あれ? めっちゃイイかも!〉って(笑)」。

 続く“Thinkin' about U”は、こちらも初顔合わせとなるONIGAWARAの斉藤伸也が作詞/作曲を担当。ニュー・ジャック・スウィング風のサウンドは、あくまでも〈風〉でとどめつつ、良い意味で渋味の抜けた人懐っこいポップソングに仕立てられている。

「メロディーラインと歌詞に思わずグッときました。メロの譜割りとか、いままでの私の曲にはないものがいっぱいあって、でも、私の声がちゃんと活かされてる曲を作ってくださって。歌詞のなかには、イマドキの女の子の日常感や恋愛事情が含まれていて……うん、この曲は女の子に聴いてほしいですね。そういった感じのものって、いままであまりなかったから」。



ターニングポイントになる

 そのほか、前作に続いて作詞・鈴木桃子、作曲・佐々木潤のタッグで編まれた艶やかなアッパー・チューン“LOVE TIMELINE”と、彼女がかねてから歌ってみたかったスタイルだというネオ・ソウル調の“WHERE IS...LOVE?”、microstarが手掛けたフィリー風味の“恋をするなら”などがアルバムを彩るなか、くるりのカヴァー“ハイウェイ”が意表を突いてくる。

「私の楽曲って、80sとか90sのイメージがあるじゃないですか。だと思ったので、なにかカヴァーしたいなと思ったときに、あえて外そうと思って(笑)。1年ぐらい前からNetflixで映画やアニメを観るのにハマっているんですけど、そこで『ジョゼと虎と魚たち』を観たときに“ハイウェイ”が流れてきて、詞がイイなあと思ったんです。私の気持ちと重なるところもあったので、この曲を歌いたいと思いました。新井さんのアレンジは、ヒップホップのビートをベースにしつつも、ちょっと切なくもあり、ロマンスが広がりそうな雰囲気で」。

 ハウシーなダンス・ポップ“3MOTION”、シングル“エスパドリーユでつかまえて”のB面曲だったメロウ・ファンク“FRIEND IN NEED”など、アルバム後半は新井俊也による楽曲が並ぶが、最後を締め括るのは、前園直樹(冗談伯爵)が詞を託したライト・グルーヴィーな“passing by”。全体的な曲調は前作よりも落ち着いた印象を感じさせたりもするアルバムだが、彼女の歌や言葉は、落ち着いていながらもエモーショナル、最後まで聴き進めたときにじんじんと熱いものが胸に残る。〈いまここに辿り着きました〉って言いたかったのも、わかる。

「このアルバムがターニングポイントになることは間違いないですね。自分が詞を書かせてもらった曲もしっかりあるし、ヴォーカルやコーラスのディレクションも自分から意見を出したり、それだけに思い入れも深いです。最初から作家さんのレヴェルが高いというか、ソロになってからそういうなかでやらせてもらってきたので、自分自身にはあまり自信を持てなかったんですけど、歌にも自信がついたっぽいですし、ちょっと壁を破れたんじゃないかな。歌いはじめてもうすぐ7年経つので、そろそろ自分という自分を出していってもいいかなって……そう、今年に入ってから何か感覚が変わったんですよ、考え方や歌に対する感覚も、性格も。そういうことで言えば〈落ち着いた〉っていうのは合ってるかも」。
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