霜後桃源記  

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「座して死を待つ」集落 その三 

2014-03-23 18:53:18 | 経営
就農して間もなく、国が「集落営農」の促進を農政の柱に据えた年があった。
組織化して大規模化を図らないと「農業経営は成り立たなくなる」が謳い文句だった。
集落内でも市役所や農協が入ってその関係の打合せが何回か続いたが、結局その話しは
いつの間にか「立ち消え」となった。

しかし、そのような組織が集落内に出来たとしても「参加したくない」と途中から思うようになった。
経営のケの字も知らない人達との共同経営では早晩立ち行かなくなることは目に見えていた。


(ヤマナカさんから電動薪割機を購入した。従来のマサカリと併用するつもりでいる)

その議論の過程で「参加しない人は村八分にすべし」という過激な意見を述べたのが今のT農家
組合長だった。
ニッパチ生まれで戦後の民主主義教育を受けたはずの人間の発言としては穏やかではないので、
それは「今は憲法違反との判例が出ているよ」とたしなめたのだったが理解出来なかったようだ。
数年後にTが作った行政区の規約の半分近くを「除名条項」が占めていたのに驚いた。
どうやら集落営農の規約をそのまま持ち込んだようだ。

ある会議の席で私はTに「行政区は区民が参加を強制されている組織。たとえ犯罪者でも区民に
変わりは無いはず。一体全体どんな行為をした場合に除名されるのか」と問い質した。
Tは何も答えられず目は宙を泳いでいた。
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