当時の日本バレーボール協会会長だった松平さんの発案で、「身長の低い子にも出場のチャンスを与える」ため、
小学生には「バックセンター固定制」という新ルールが適用された。
一方、小学生用のボールは一般の公式球よりも一回り小さく、しかも軽いため、サーブが不規則に変化し、子供達
にとって、それでなくも難しいサーブレシーブを、より一層難しいものにしていた。
そんなこともあって、サーブレシーブの練習には毎日かなりの時間を割いた。
Nは、特別身長が低い訳では無かったが、サーブレシーブに安定感があったことや二段トスを上げる力があったこと
から、固定の守備位置となるバックセンターを任せた。
また、バックセンターは、一セットで二回まで、好きな時にサーブを打つことが出来たので、サービスエースを狙え
るNには、勝負所でビンチサーバー役も担って貰った。
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(雨続きで畑仕事が前に進まない)
先日、成城学園前駅で逢ったKとAは、口を揃えて「Nが一番美人だった」と話すのを聞き、「子供達同士はそんな会話
をしていたのか」と意外な感じを受けた。
確かにNは美人だったが、私から見たら、ベンチに座っている子供達も含めて皆個性的で可愛らしく見えていたので、
それに序列をつけるミスコンみたいな視点は持ち合わせていなかった。
ただ、宮城県大会で宿敵との大勝負の試合直前、緊張感の走る中で円陣を組んだ際、私の指示を一言も聞き漏らす
まいと聞き耳を立てていたNの顔が「忘れてはならないシーン」として記憶に残っている。
その「これ以上は無い」と思われるNの真剣な眼差しを受けただけで、一年間の苦労が報われたような気がした。