みちのくクボタの高橋社長のご尊顔を久し振りに拝見し、20年前の花巻在勤中の二年間を
思い出した。
昨年、惜しまれながら75歳の若さで逝去された宮沢啓祐前花巻商工会議所会頭には大変お
世話になった。
彼我の実力差を考慮して表現をすれば「可愛がって頂いた」と言った方が適切かもしれない。
若くして会頭に就任し、花巻は勿論のこと「東北経済界の重鎮」として長年活躍された方で、
日本商工会議所の集まりでNTT取締役東北支社長とも面識があったらしく、私が花巻に赴任
する際、支社長から「宮沢会頭と『花巻での講演』を約束しているのでセットするように」
と指示されていた。
(今日も真冬日で雪もチラついた。こんな日に無理は禁物なので外仕事は中止した)
東北支社長自らが外向けに講演することは稀なことで、しかも県庁所在地以外の地方都市では
過去に例が無いことから、それだけでも宮沢会頭の実力の一端を示しているように思えた。
東北のトップが花巻を訪れる機会を捉え、大切な取引先への挨拶もして頂いた。
その対象として花巻市も含まれていて、市長とは懇意にさせて貰っていたが、タイミング悪く
市議会開催と重り、断念せざるを得なかった。
後日、宮沢会頭から「支社長は市長のところにも行ったの?」と聞かれ、遠慮した事情を説明し
たら、「議会開催中でも対応出来たはず。私に話してくれたらよかったのに」と残念がられた。
気転が利かず折角のチャンスを逸してしまい、自らの力不足が悔やまれた一幕だった。