穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

ザラチェンコはさすがに22口径

2012-03-30 20:54:25 | 書評

とうとうミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士、上巻を読み始めましたよ。いま280ページあたり。

ザラちゃんはリスベットの父親ですが、娘を撃ち殺し穴に埋めます。この時に使ったのが22口径の拳銃。ザラチャンは旧ソ連からの亡命スパイで暗殺の専門家だったかな。さすがにプロ中のプロですから22口径を使用する。それはいいが年をとったせいか、病気のせいか三発も撃ってしかも致命傷を与えられない。

もっとも、この作者はあまり拳銃の知識はないようだから、単にリスベットを殺さないために、「おもちゃのような」22口径を使わせたのかもしれない。

しかし、この後でザラを利用してきたスエーデンの公安警察は警察仕様のたしか38口径の弾をザラの頭に三発撃ち込んだのに相手は死なない。作者の書くことは滅茶苦茶だね。

公安というのはデウス・エキス・マキナだ。無理な筋をうまくつなげてしまう。