さて辻村深月のツナグであるが、これは5編の短編からなるが、一,二作はまあまあだ。四作、五作は興味索然として最後まで読み通せなかった。五作、最終作はまた戻って第一作からの使者(イタコのような人物)の修業物語りへデングリ返るという趣向だが、いまさらね、と言う感じ。これで辻村氏の書評は一応おわり。
さて本日書店で「ハイデガーの哲学」「存在と時間から後期の思索まで」というのをあがなった。新書であるが、500ページで1500円という安さで手を出したのである。
どうも、本を買うときには目方の割に安いのに手を出す癖がある。ハイデガーは本人の書作も種々の「解説本」も散々書評で取り上げたが、まあ、いいじゃないか。論語にも「学びて時に之を習う、またよろしからずや」とあるではないか。
ハイデガーはドイツ人がいっていたが、評物が100人あれば100説あるという代物だ。作者は防衛大学教授の轟孝夫氏(未読未聞)の人であるが、