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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



トリノオリンピックの開幕の翌日。2006年2月11日、オーバル・リンゴットという競技場で、スピードスケート男子5000mを見た。リンゴットという駅が近くにあり、アクセスはいい会場だ。

15時30分からの競技開始に備えて、1時間前に到着。当日券売り場に向かうぼくに、ダフ屋が大勢声をかけてくる。チケット売り場や案内所のすぐ目の前でダフ屋が商売をしている。まるで大会公認だ。彼らは、ロンドンをベースに世界中で活動している。オリンピックや、サッカー・ワールドカップなどでは必ず出くわす。最近は、携帯電話の番号を書いた名刺を渡してくる。IOCは、自分たち大会関係者や選手、スポンサーを「オリンピック・ファミリー」と呼ぶが、彼らダフ屋は、いわば「裏オリンピック・ファミリー」と言ったところだろう。

そのダフ屋から定価でチケットを買い、入り口に向かう。まずはセキュリティチェックだ。空港にあるような金属探知機を一人一人通すので、当然時間がかかる。長蛇の列に並ぶこと30分。そろそろ競技の開始時間が気になりだした頃、突然、列がスムーズに進み出した。あちこちで金属探知機が、ピーピーと鳴り続けている。間に合わないと判断した係員が、観客を素通し始めたのだ。日本では考えられないが、海外だったらよくある光景だ。

会場のオーバル・リンゴットは、大会後、展示場として使われるらしい。なるほど、そのつくりは、まるで大きな倉庫だ。長野のエムウェーブと比べようものなら、なんとも簡素な建物である。観客席は鉄パイプを組んだ仮設であり、プラスチック製のシートはガタガタで、大会が終わるまで無事にもつのだろうかと不安になってしまうほどだ。

ちなみに、ぼくがダフ屋から買ったチケットのシートの番号は会場に存在しなかった。137ブロック9列32番。137ブロックと書かれた通路からスタンドに入り、9列目に上がり、32番を目指して移動していくと、なんと20番ほどで、プレス席とのしきりに行き着いてしまった。周辺は空席だらけだったので、結局そこに陣取ることにした。

トリノオリンピックの競技初日。これまでのビッグイベントの会場で経験したことが繰り返されていた。いよいよオリンピックのはじまりである。


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