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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



EURO2008予選Fグループ
デンマーク 1対3 スペイン
(2007/10/14 WOWOW)

デンマークのホームゲームで、スペインがアウェイの戦い方、アウェイでの点の取り方を教えてくれたような試合だった。

まずは、前半14分。左サイドからDF2人を引き連れながら内側にドリブルで切り込もうとしたイニエスタが、ゴール前で待つタムードにピンポイントのクロスを入れる。デンマークの長身DF2人の間にいたタムードは、クロスを受ける前に、パスの方向に動き出すフェイントをかけ、後ろに下がりながら、DF2人の間でジャンプし、ヘディングシュートを決めた。デンマークの守備陣は、ペナルティエリアに6、7人はいただろうか。それをイニエスタ、タムードの2人で崩し、先制点をあげた。イニエスタのパスの精度とタムードの筋力のコンビネーションによる見事なゴールだった。

スペインの2点目は前半40分。1対0でリードしたまま前半を終えれば十分なスペインだった。ピッチ全体を使ってのパス回しが始まった。相手のペナルティエリアから味方のゴールキーパーまで、長短のパスを20回はつないだだろうか。そんなパス回しのテンポが急に変わった。ハーフライン右付近のイニエスタから中央のシャビへ。さらにペナルティアーク付近のタムードが受け、右サイドから駆け上がったDFのセルヒオ・ラモスへ。完全にフリーとなったセルヒオ・ラモスは、つめてきたデンマークGKの鼻先でポンとボールを浮かせた。DFの選手とは思えない、まるで点取り屋のような心憎いシュートで追加点を決めた。

3点目はデンマークに2対1と迫られた直後だった。スペインのカウンターからのシュートが、デンマークのDFに跳ね返されたこぼれ球を拾った、代表デビューのリエラが左足一閃、見事なドライブシュートを決めた。

この試合、デンマークは勝ち点3が必要だった。一方のスペインは引き分けでも本戦への可能性は十分に残る。試合開始直後からの、中盤での激しいプレスの掛け合いを、個人技とパスワークでかわしながら、無理をしないで、得点に結びつけたスペイン選手の戦術理解力が光っていた試合だった。


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iRB RWCフランス2007・準決勝
イングランド 14対9 フランス
(2007/10/14 NTV)

ラグビー・ワールドカップ・フランス2007の準決勝第1試合は、前回オーストラリア大会の準決勝の再現となった。母国イングランド対開催国フランス。現地フランス・サンドニの熱狂は想像以上だろうか。やはり、行きたかったという思いが再び湧き上がった。

試合開始早々イングランドが、楕円形のボールの気まぐれをものにしてトライを奪った。たしかにラグビー・ボールのバウンドは予想しづらいが、WTBルーシーが可能性を求めて走ったことが、この試合最初で最後のトライに結びついた。

その後、フランスが2つのPGを決め6対5と逆転して前半終了。実力伯仲の接近した内容になった。しかし、イングランド・ウィルキンソンのキックが思うように決まらない。フランスのチャンスか。

後半4分、フランスがSOボクシスのPGで9対5とイングランドを突き放しにかかる。しかし、準々決勝のオーストラリア戦でもそうだったが、リードされてもあわてないのが、今のイングランドである。安定したフォワード戦でじりじりと陣地を稼ぐ。そして、4分、ウィルキンソンがPGを決めて9対8と追いすがる。この試合はじめてゴールを決めたという安堵の表情が垣間見えた。

後半10分過ぎ、フランスは、ボクシスに代えてミシャラクを投入。準々決勝ニュージーランド戦で成功した交代作戦だ。しかし、この試合では、結果的に、ミシャラク効果はあらわれなかった。

一方、イングランドもPGの成功で調子に乗るかと思われたウィルキンソンのドロップゴールがポストに当たるなど、ツキのなさを感じる場面があった。

しかし、やはり、最後はウィルキンソンが魅せてくれた。後半35分、FBロビンソンの突進に対するハイタックルで得たPGを決めると、続く38分にプラン通りの攻撃でDGを鮮やかに決め、14対9とフランスを突き放した。

試合中の選手交代によって勝利をたぐりよせようとしたフランスに対して、フォワードの突進とウィルキンソンのキックというシンプル・プランを貫徹したイングランド。

何度かあったトライ・チャンスをみずからの反則でつぶしてしまったフランスに対して、わずかなチャンスをものにしたイングランドの信念が勝った試合だった。

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