sports-freak.blog
観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



iRB RWCフランス2007
オーストラリア 10対12 イングランド
(2007/10/7 NTV)

ベスト8によるノックアウト・ステージ(決勝トーナメント)がはじまった。初日は、マルセイユでオーストラリア対イングランドという前回大会の決勝戦の再現とウェールズ・カーディフでのニュージーランド対フランスの2試合があった。

実は、このマルセイユの試合と翌日のサン・ドニの試合(アルゼンチン対スコットランド)は、フランスに行って生で観戦するつもりだったのだが、諸事情により渡仏をキャンセルし、深夜のテレビ観戦となった。

そのオーストラリア対イングランドの試合を見て、日本と次元が違うラグビーのおもしろさを再認識した。

なにしろ、ミスが少ない。アンフォースド・エラー(敵の妨げがないところでのミス)がほとんどない。そして、流れが切れない。互いにパスをつなぎ、クラッシュした後のモール・ラックでのボールの奪い合い。日本なら、すぐにペナルティが発生してしまうようなところでも、両チームの選手たちは我慢をし、プレーを続けようとする。

そんな美しい試合を制したのは、イングランドだった。イングランドを勝利に導いたのは、エースのウィルキンソンの足ではなくて、フォワードの選手たちの素晴らしい出足の早さだった。

今大会途中から先発に復帰した、前回大会MVPのジョニー・ウィルキンソンの左足は、7つのPGの機会で4本を成功させたにとどまった(ただし、これがイングランドの全得点だった)。彼の力からすれば満足できるものではなかったが、かわって活躍したのがフォワード陣だった。

とくにモール・ラックのなかで、ボールがルーズになったときに、そのボールに向かう速さは、つねにオーストラリアを上回っていた。自分たちが前に、前にと進んで陣地をかせげば、さいごはウィルキンソンがゴールを決めてくれるだろうと、そんな思いがあったはずだ。

この試合のようなフォワードの足の勢いに、ウィルキンソンの足の精度が甦ったとき、イングランドの大会2連覇が見えてくるだろう。



コメント ( 0 ) | Trackback (  )




浦和レッズ 2対1 大分トリニータ
(2007/10/7 さいたま市・駒場スタジアム)

JリーグとACLの試合が続く浦和の動きは、蓄積している疲労のためか、鈍かった。しかし、それでもしぶとく勝利するところに、今の浦和の「強さ」を感じる。

前半4分に右サイドを駆け上がった永井のクロスをワシントンが決め、先制した。この日は山田に代わって、永井が中盤右サイドに起用された。その起用が、開始早々に功を奏した。過密日程と選手層の厚さから生まれた先制点だった。

後半、大分に追いつかれるも、ポンテの巧みなパスを受けたワシントンが、2点目を決める。DFを背中にしょいながらボールを受け、反転しながらのシュート。いかにもセンターフォワードらしい、巧みなゴールだった。パサーとゴールゲッターの2つの巧みから生まれた追加点だった。

浦和は、おそらくは今シーズンでもっとも厳しいときを、選手層の厚さと個がもっている巧みさで乗り越えた。

試合後のヒーロー・インタビューで、鈴木啓太が「疲れました」と本当に疲れきったように発していたが、その顔には充実感があふれていた。

過密日程は抜けたが、シーズン終盤という最後の詰めを残す。代表戦のためにできた、ささやかな休息期間をうまく使って、アジアと日本の2冠をめざして、ラストスパートをかけてほしい。その後には世界も待っている。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )