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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



J2第3節 サガン鳥栖 1対0 セレッソ大阪
2008/3/20 ベストアメニティスタジアム

鳥栖市文化会館で、デットマール・クラマーさんと岡野俊一郎さんの対談を聞いた翌日の3月20日、J2のサガン鳥栖とセレッソ大阪の対戦を見た。

試合会場の「ベストアメニティスタジアム(略称、ベアスタ)」とは、旧名「鳥栖スタジアム」のことであり、鳥栖駅のすぐ横にある無骨ながらもサッカー観戦には日本で屈指のスタジアムである。最近のネーミングライツの広がりには驚くばかりだが、地域に根差すJリーグのホームスタジアムに地域名がないのはちょっとさびしい気がするとともに、アウェー者には不便でもある。せめて、例えば「鳥栖・ベアスタ」としたらどうだろうか。

試合は、アウェーのセレッソのほうがチャンスが多かったが、鳥栖も豊富な運動量で対抗。後半になると、鳥栖の守備の勢いが増してきて、その流れの中で、後半19分、セレッソの守備とせりあった谷口が、思い切りのいいボレーシュートをゴール右サイドネットに決めた。試合は、GK赤星の活躍やキャプテン高橋の攻守に渡るリーダーシップが光った鳥栖が、1点を守りきり、第1節に続いて2連勝となった。(第2節、鳥栖は試合がなかった)

この日は鳥栖市民デーとなっていて、スタジアム前の広場では各地の名産品が売られていた。(失礼な言い方だが)地方のJ2らしくほのぼのとしていた。観客は、市民デーにしては、ややさびしい7500人ほどだった。ただし、スタジアムの雰囲気は悪くはない。

ゴール裏に陣取った鳥栖のサポーターの応援は、試合の流れに応じた、めりはりのあるもので、試合の間中、歌い続け、騒ぎ続けるといった愚はない。メインスタンドやバックスタンドの観客も、自分の感覚で応援に参加する。そのかたわらでは、レプリカユニフォームを着た子供たちが走り回っている。急勾配の2階席の観客の試合を見るまなざしは、みな鋭く見えた。

試合終了後も、勝ち名乗りをあげる選手たちのパフォーマンスを楽しんでいるサポーターがいると思えば、さっさと帰路についてしまう人もいる。

要は、自分のチームの試合を、自分たちで好きなように楽しんで、応援しているのだ。日本でもっともサッカーの見やすいスタジアムで、自分の好きなスタイルでサッカーを楽しむことのできる幸せを感じた。

前日の対談イベントであいさつをされた方の一人が、「いつか2万人の観客でスタンドを埋めたい」とおっしゃっていた。2万人の観客を目標にすることに異論はないが、そのときに、この日スタンドで感じた、サッカーを自由に楽しむという「サッカー的な雰囲気」がなくならなければいいなと思った。


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