2-1で勝利!
過去ワースト成績が確定し、クラブ10周年記念イヤーには到底相応しくない戦績となってしまった今シーズンでしたが。
それでも、最後は勝って笑顔で―――そんな思いを力に変えて戦った選手たち。
J3リーグ戦において、過去一度も勝ったことのない、しかも優勝・J2昇格を決めた琉球。その難敵を相手に、敢然と立ち向かったカターレ。
せっかく先制しながら、流れの中からではなくセットプレーから追いつかれてしまうという、今季何度も見てきた苦しい展開。
しかし、あきらめなかった。
勝利への意志を貫き通し、それが最後の最後で結実。
試合終了間際に勝ち越しゴールを挙げるという劇的展開によって、見事に勝利!
苦しい時間、辛い時間が長かった今シーズンでしたが、それでも。
最後は、笑顔で締めくくることが出来たのでした。
空は快晴、スタンド越しには雄大な立山連峰。シーズン最終戦は、「ほんとに12月か?」というほどのおだやかなサッカー日和となりました。
あるいは、雪が降っていたとしてもおかしくはない時期。日程を見たときには、「はるばる沖縄から来てもらった皆さんに、震える寒さと雪というアウェイの洗礼でも浴びてもらおうか」なんて思っていたものですが。
実際は、まったくのウラハラ。18.3℃という、この時期らしからぬ気温のもと、試合が執り行われたのでした。
泣いても笑っても、シーズン最終戦。勝てなかったときの常套句・「次こそ頑張る」の“次”など無く、この試合に頑張り切るしかない。たとえそれが、これまで勝てていないリーグ覇者が相手だとしても。そんな試合でした。
球際に厳しく、アグレッシブな守備からの攻撃への切り替え。このところ板についてきた感のあるプレーぶりが、この試合でも発揮できていたようで。
それでも、なかなかに決定機にまで結びつけられないのは、やはり課題と言えたかと。
一方の、琉球。こちらの守備が頑張っていた、という要素を加味したとしても、そのうえで今ひとつ感が。
あの、開幕戦での容赦のないっぷりを実際に目の当たりにしているだけに。「本気出したら、こんなもんじゃないんだろ?」と。
決定機が作れない一方で、相手にも決定機を作らせない。そんな一進一退な展開が続きました。
そんななかで。
均衡を破ったのは、チームトップスコアラーである前嶋でした。
持ち前のドリブルで果敢に攻め上がった新井のパスを受け、果敢に放ったシュートが見事に決まり、大事な試合で先制することに成功。
ペナルティーエリア内では、相手の数もそろっていた状態で。あるいは、「確実性を重視して」というパスを選択していたかもしれなかったシチュエーション。
しかし、そこで恐れることなく積極的に狙っていく姿勢が功を奏したかたちです。本当に、“らしい”ゴールであったかと。
シーズン前、前嶋について、このブログでこんなふうに書いていました。以下抜粋。
#24 前嶋 洋太 (横浜FCより期限付き移籍)
育成型期限付き移籍での加入となる若手で、武者修行の場としてカターレでプレーすることを選びました。
キックオフパーティーのときに、本人と話した時のこと。「初の移籍ですけれど、富山に来てみてどうですか?・・・って、数日しかたっていないけれど」と、たずねてみました。
我ながら、あんまりうまくない問いであったかな?との反省もしていたところ、「いや、楽しいですよ?」とキッパリ。
自分としては、「まだ右も左もわからなくて」というような反応を予想していたかもしれません。それを、落ち着いた雰囲気でハキハキと。
「こやつ・・・やりおるワイ」というのが率直な感想。弱冠二十歳とは思えないたたずまいに、大物のにおいを感じ取ったのでした。
今シーズン、そんな予感が間違っていなかったことを、大活躍でもって証明してほしい。そう思います。
あのときの予感は、間違っていなかったということでしょうか。
アタッカーとして必要な積極性と、実際にプレーで体現する実行力。確かな成長を示す今季7ゴールめでもって、勝利に向け前進することになったのでした。
ハーフタイムを経て、後半開始時に一気に2枚替えによってテコ入れを図ってきた琉球。
すると、それが奏功するかたちで、明らかに前半よりも攻撃の圧が高まりました。
1-0での最少差逃げ切りは困難なのでは?と思わせられる展開。すなわち、試合を決する2点目が必要、ということでしたが。
相手もさるもの、なかなかうまい具合にはチャンスを作れず。じりじりとした展開が続きました。
74分には、琉球の3人目の交代として大塚 翔が登場。富山県民にとっては言わずもがな。富山第一高校が全国制覇を成し遂げたときのキャプテン。その彼が、故郷・富山でJデビュー。スタンドのボルテージの高まりを感じました。
そんな雰囲気のなか、78分。
琉球の9本目となったCKからの流れで押し込まれてしまい、失点。同点に追いつかれてしまいました。
「またか」というのが、率直な印象。
せっかく頑張って守備をし、流れの中からゴールを許さない状況を作り上げていたというのに。ならば、とばかりにセットプレーから失点してしまうという。
業腹ながら、今シーズンここまで幾度も目にしてきた光景。
この試合、たとえ引き分けでも負けと同じ意味でした。
ここ最終節に及んで、勝ち点3ですら大勢に影響はほとんどないなかで、1では意味が無く。0など論外というなかで。
正直、琉球はベストコンディションではなかったと思います。本来の実力からしたら、こんなものではなかったのではないかと。それこそ、前回対戦に続き4失点とかもありえたかもしれません。
そんななかで、「本調子じゃなかったけれど、下位のチーム相手だったからどうにかなった」などという勝ち点を与えるわけにはいかなかった。
それ相応の結果をつきつけてやるような、そんなプライドが求められた試合だったと思います。
引き分けすら負け同然というなか、時間は刻々とすぎていき。試合は、アディショナルタイムへ。
もちろん勝利を信じて必死に応援。ただ、前回ホーム戦の沼津戦を例に出すまでもなく、そこで嘲笑うかのような展開が起きていたのも、今シーズン。
しかして。
最後の最後に、ドラマは待っていました。
右サイドを駆け上がって柳下が中央へ蹴りこんだクロス、苔口にはつながらなかったものの、こぼれ球を蹴りこんだのは逆サイドを駆け上がっていたイッキ!
冷静に蹴りこんだシュートがゴールにつきささり。
ドラマチックこの上ない勝ち越しゴールが決まり、今季最多4124人のスタンドの興奮は最高潮に!
同点にされた直後の80分に交代で入っていたイッキ。その彼が、大仕事をやってのけました。
思い返せば、ちょうど1年前のホーム最終戦。スタメン出場していたイッキでしたが、試合中に無念の負傷退場、それも大怪我を負って、ということがありました。
そこから、長きにわたってのリハビリの日々。出場できないなかにあって、チームはどん底の最下位にまで低迷、監督交代を余儀なくされる、とか。そういった状況で、自分が力になれないもどかしさというものは、察して余りあるかと。
7月に戦線復帰を果たしたものの、なかなか一線級の活躍というわけにはいかず。
それでも。それでも、努力は続けてきた。研鑽を惜しまなかった。
それが、1年の時を経たホーム最終戦で、歓喜のゴールに繋がり。
なんというか。これこそ、単発ではなくずっとチームを応援し続けていることの醍醐味よ。こんな最高の瞬間が見られるとは。
そして、試合終了。
これまで勝てていなかった難敵撃破を成し遂げ、シーズン最終戦を白星で飾ることに成功したのでした。
最終順位は11位。目標には程遠い、過去ワースト成績。
それでも。
負の連鎖を食い止められずに監督交代という劇薬をもってしても効果無し、という展開もあり得たなかで。どん底から、意地を見せた。
安達監督の続投がすでに決定しているなかにあって。
2018シーズンは終了しましたが、戦いはまだまだ続きます。
終わりではなく、はじまり。
来シーズンのカターレ富山は、はたしてどうなっていくのか。
とりあえず、来シーズンに向け、しばしの休息。
今年1年、本当におつかれさま。
過去ワースト成績が確定し、クラブ10周年記念イヤーには到底相応しくない戦績となってしまった今シーズンでしたが。
それでも、最後は勝って笑顔で―――そんな思いを力に変えて戦った選手たち。
J3リーグ戦において、過去一度も勝ったことのない、しかも優勝・J2昇格を決めた琉球。その難敵を相手に、敢然と立ち向かったカターレ。
せっかく先制しながら、流れの中からではなくセットプレーから追いつかれてしまうという、今季何度も見てきた苦しい展開。
しかし、あきらめなかった。
勝利への意志を貫き通し、それが最後の最後で結実。
試合終了間際に勝ち越しゴールを挙げるという劇的展開によって、見事に勝利!
苦しい時間、辛い時間が長かった今シーズンでしたが、それでも。
最後は、笑顔で締めくくることが出来たのでした。
空は快晴、スタンド越しには雄大な立山連峰。シーズン最終戦は、「ほんとに12月か?」というほどのおだやかなサッカー日和となりました。
あるいは、雪が降っていたとしてもおかしくはない時期。日程を見たときには、「はるばる沖縄から来てもらった皆さんに、震える寒さと雪というアウェイの洗礼でも浴びてもらおうか」なんて思っていたものですが。
実際は、まったくのウラハラ。18.3℃という、この時期らしからぬ気温のもと、試合が執り行われたのでした。
泣いても笑っても、シーズン最終戦。勝てなかったときの常套句・「次こそ頑張る」の“次”など無く、この試合に頑張り切るしかない。たとえそれが、これまで勝てていないリーグ覇者が相手だとしても。そんな試合でした。
球際に厳しく、アグレッシブな守備からの攻撃への切り替え。このところ板についてきた感のあるプレーぶりが、この試合でも発揮できていたようで。
それでも、なかなかに決定機にまで結びつけられないのは、やはり課題と言えたかと。
一方の、琉球。こちらの守備が頑張っていた、という要素を加味したとしても、そのうえで今ひとつ感が。
あの、開幕戦での容赦のないっぷりを実際に目の当たりにしているだけに。「本気出したら、こんなもんじゃないんだろ?」と。
決定機が作れない一方で、相手にも決定機を作らせない。そんな一進一退な展開が続きました。
そんななかで。
均衡を破ったのは、チームトップスコアラーである前嶋でした。
持ち前のドリブルで果敢に攻め上がった新井のパスを受け、果敢に放ったシュートが見事に決まり、大事な試合で先制することに成功。
ペナルティーエリア内では、相手の数もそろっていた状態で。あるいは、「確実性を重視して」というパスを選択していたかもしれなかったシチュエーション。
しかし、そこで恐れることなく積極的に狙っていく姿勢が功を奏したかたちです。本当に、“らしい”ゴールであったかと。
シーズン前、前嶋について、このブログでこんなふうに書いていました。以下抜粋。
#24 前嶋 洋太 (横浜FCより期限付き移籍)
育成型期限付き移籍での加入となる若手で、武者修行の場としてカターレでプレーすることを選びました。
キックオフパーティーのときに、本人と話した時のこと。「初の移籍ですけれど、富山に来てみてどうですか?・・・って、数日しかたっていないけれど」と、たずねてみました。
我ながら、あんまりうまくない問いであったかな?との反省もしていたところ、「いや、楽しいですよ?」とキッパリ。
自分としては、「まだ右も左もわからなくて」というような反応を予想していたかもしれません。それを、落ち着いた雰囲気でハキハキと。
「こやつ・・・やりおるワイ」というのが率直な感想。弱冠二十歳とは思えないたたずまいに、大物のにおいを感じ取ったのでした。
今シーズン、そんな予感が間違っていなかったことを、大活躍でもって証明してほしい。そう思います。
あのときの予感は、間違っていなかったということでしょうか。
アタッカーとして必要な積極性と、実際にプレーで体現する実行力。確かな成長を示す今季7ゴールめでもって、勝利に向け前進することになったのでした。
ハーフタイムを経て、後半開始時に一気に2枚替えによってテコ入れを図ってきた琉球。
すると、それが奏功するかたちで、明らかに前半よりも攻撃の圧が高まりました。
1-0での最少差逃げ切りは困難なのでは?と思わせられる展開。すなわち、試合を決する2点目が必要、ということでしたが。
相手もさるもの、なかなかうまい具合にはチャンスを作れず。じりじりとした展開が続きました。
74分には、琉球の3人目の交代として大塚 翔が登場。富山県民にとっては言わずもがな。富山第一高校が全国制覇を成し遂げたときのキャプテン。その彼が、故郷・富山でJデビュー。スタンドのボルテージの高まりを感じました。
そんな雰囲気のなか、78分。
琉球の9本目となったCKからの流れで押し込まれてしまい、失点。同点に追いつかれてしまいました。
「またか」というのが、率直な印象。
せっかく頑張って守備をし、流れの中からゴールを許さない状況を作り上げていたというのに。ならば、とばかりにセットプレーから失点してしまうという。
業腹ながら、今シーズンここまで幾度も目にしてきた光景。
この試合、たとえ引き分けでも負けと同じ意味でした。
ここ最終節に及んで、勝ち点3ですら大勢に影響はほとんどないなかで、1では意味が無く。0など論外というなかで。
正直、琉球はベストコンディションではなかったと思います。本来の実力からしたら、こんなものではなかったのではないかと。それこそ、前回対戦に続き4失点とかもありえたかもしれません。
そんななかで、「本調子じゃなかったけれど、下位のチーム相手だったからどうにかなった」などという勝ち点を与えるわけにはいかなかった。
それ相応の結果をつきつけてやるような、そんなプライドが求められた試合だったと思います。
引き分けすら負け同然というなか、時間は刻々とすぎていき。試合は、アディショナルタイムへ。
もちろん勝利を信じて必死に応援。ただ、前回ホーム戦の沼津戦を例に出すまでもなく、そこで嘲笑うかのような展開が起きていたのも、今シーズン。
しかして。
最後の最後に、ドラマは待っていました。
右サイドを駆け上がって柳下が中央へ蹴りこんだクロス、苔口にはつながらなかったものの、こぼれ球を蹴りこんだのは逆サイドを駆け上がっていたイッキ!
冷静に蹴りこんだシュートがゴールにつきささり。
ドラマチックこの上ない勝ち越しゴールが決まり、今季最多4124人のスタンドの興奮は最高潮に!
同点にされた直後の80分に交代で入っていたイッキ。その彼が、大仕事をやってのけました。
思い返せば、ちょうど1年前のホーム最終戦。スタメン出場していたイッキでしたが、試合中に無念の負傷退場、それも大怪我を負って、ということがありました。
そこから、長きにわたってのリハビリの日々。出場できないなかにあって、チームはどん底の最下位にまで低迷、監督交代を余儀なくされる、とか。そういった状況で、自分が力になれないもどかしさというものは、察して余りあるかと。
7月に戦線復帰を果たしたものの、なかなか一線級の活躍というわけにはいかず。
それでも。それでも、努力は続けてきた。研鑽を惜しまなかった。
それが、1年の時を経たホーム最終戦で、歓喜のゴールに繋がり。
なんというか。これこそ、単発ではなくずっとチームを応援し続けていることの醍醐味よ。こんな最高の瞬間が見られるとは。
そして、試合終了。
これまで勝てていなかった難敵撃破を成し遂げ、シーズン最終戦を白星で飾ることに成功したのでした。
最終順位は11位。目標には程遠い、過去ワースト成績。
それでも。
負の連鎖を食い止められずに監督交代という劇薬をもってしても効果無し、という展開もあり得たなかで。どん底から、意地を見せた。
安達監督の続投がすでに決定しているなかにあって。
2018シーズンは終了しましたが、戦いはまだまだ続きます。
終わりではなく、はじまり。
来シーズンのカターレ富山は、はたしてどうなっていくのか。
とりあえず、来シーズンに向け、しばしの休息。
今年1年、本当におつかれさま。