行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

王者にプライドをみせつける!劇的勝利で白星フィニッシュ FC琉球戦

2018-12-03 22:30:00 | カターレ富山
2-1で勝利!
過去ワースト成績が確定し、クラブ10周年記念イヤーには到底相応しくない戦績となってしまった今シーズンでしたが。
それでも、最後は勝って笑顔で―――そんな思いを力に変えて戦った選手たち。
J3リーグ戦において、過去一度も勝ったことのない、しかも優勝・J2昇格を決めた琉球。その難敵を相手に、敢然と立ち向かったカターレ。
せっかく先制しながら、流れの中からではなくセットプレーから追いつかれてしまうという、今季何度も見てきた苦しい展開。
しかし、あきらめなかった。
勝利への意志を貫き通し、それが最後の最後で結実。
試合終了間際に勝ち越しゴールを挙げるという劇的展開によって、見事に勝利!
苦しい時間、辛い時間が長かった今シーズンでしたが、それでも。
最後は、笑顔で締めくくることが出来たのでした。

空は快晴、スタンド越しには雄大な立山連峰。シーズン最終戦は、「ほんとに12月か?」というほどのおだやかなサッカー日和となりました。
あるいは、雪が降っていたとしてもおかしくはない時期。日程を見たときには、「はるばる沖縄から来てもらった皆さんに、震える寒さと雪というアウェイの洗礼でも浴びてもらおうか」なんて思っていたものですが。
実際は、まったくのウラハラ。18.3℃という、この時期らしからぬ気温のもと、試合が執り行われたのでした。
泣いても笑っても、シーズン最終戦。勝てなかったときの常套句・「次こそ頑張る」の“次”など無く、この試合に頑張り切るしかない。たとえそれが、これまで勝てていないリーグ覇者が相手だとしても。そんな試合でした。

球際に厳しく、アグレッシブな守備からの攻撃への切り替え。このところ板についてきた感のあるプレーぶりが、この試合でも発揮できていたようで。
それでも、なかなかに決定機にまで結びつけられないのは、やはり課題と言えたかと。
一方の、琉球。こちらの守備が頑張っていた、という要素を加味したとしても、そのうえで今ひとつ感が。
あの、開幕戦での容赦のないっぷりを実際に目の当たりにしているだけに。「本気出したら、こんなもんじゃないんだろ?」と。
決定機が作れない一方で、相手にも決定機を作らせない。そんな一進一退な展開が続きました。
そんななかで。
均衡を破ったのは、チームトップスコアラーである前嶋でした。
持ち前のドリブルで果敢に攻め上がった新井のパスを受け、果敢に放ったシュートが見事に決まり、大事な試合で先制することに成功。
ペナルティーエリア内では、相手の数もそろっていた状態で。あるいは、「確実性を重視して」というパスを選択していたかもしれなかったシチュエーション。
しかし、そこで恐れることなく積極的に狙っていく姿勢が功を奏したかたちです。本当に、“らしい”ゴールであったかと。
シーズン前、前嶋について、このブログでこんなふうに書いていました。以下抜粋。

#24 前嶋 洋太 (横浜FCより期限付き移籍)
育成型期限付き移籍での加入となる若手で、武者修行の場としてカターレでプレーすることを選びました。
キックオフパーティーのときに、本人と話した時のこと。「初の移籍ですけれど、富山に来てみてどうですか?・・・って、数日しかたっていないけれど」と、たずねてみました。
我ながら、あんまりうまくない問いであったかな?との反省もしていたところ、「いや、楽しいですよ?」とキッパリ。
自分としては、「まだ右も左もわからなくて」というような反応を予想していたかもしれません。それを、落ち着いた雰囲気でハキハキと。
「こやつ・・・やりおるワイ」というのが率直な感想。弱冠二十歳とは思えないたたずまいに、大物のにおいを感じ取ったのでした。
今シーズン、そんな予感が間違っていなかったことを、大活躍でもって証明してほしい。そう思います。

あのときの予感は、間違っていなかったということでしょうか。
アタッカーとして必要な積極性と、実際にプレーで体現する実行力。確かな成長を示す今季7ゴールめでもって、勝利に向け前進することになったのでした。

ハーフタイムを経て、後半開始時に一気に2枚替えによってテコ入れを図ってきた琉球。
すると、それが奏功するかたちで、明らかに前半よりも攻撃の圧が高まりました。
1-0での最少差逃げ切りは困難なのでは?と思わせられる展開。すなわち、試合を決する2点目が必要、ということでしたが。
相手もさるもの、なかなかうまい具合にはチャンスを作れず。じりじりとした展開が続きました。
74分には、琉球の3人目の交代として大塚 翔が登場。富山県民にとっては言わずもがな。富山第一高校が全国制覇を成し遂げたときのキャプテン。その彼が、故郷・富山でJデビュー。スタンドのボルテージの高まりを感じました。
そんな雰囲気のなか、78分。
琉球の9本目となったCKからの流れで押し込まれてしまい、失点。同点に追いつかれてしまいました。
「またか」というのが、率直な印象。
せっかく頑張って守備をし、流れの中からゴールを許さない状況を作り上げていたというのに。ならば、とばかりにセットプレーから失点してしまうという。
業腹ながら、今シーズンここまで幾度も目にしてきた光景。
この試合、たとえ引き分けでも負けと同じ意味でした。
ここ最終節に及んで、勝ち点3ですら大勢に影響はほとんどないなかで、1では意味が無く。0など論外というなかで。
正直、琉球はベストコンディションではなかったと思います。本来の実力からしたら、こんなものではなかったのではないかと。それこそ、前回対戦に続き4失点とかもありえたかもしれません。
そんななかで、「本調子じゃなかったけれど、下位のチーム相手だったからどうにかなった」などという勝ち点を与えるわけにはいかなかった。
それ相応の結果をつきつけてやるような、そんなプライドが求められた試合だったと思います。

引き分けすら負け同然というなか、時間は刻々とすぎていき。試合は、アディショナルタイムへ。
もちろん勝利を信じて必死に応援。ただ、前回ホーム戦の沼津戦を例に出すまでもなく、そこで嘲笑うかのような展開が起きていたのも、今シーズン。
しかして。
最後の最後に、ドラマは待っていました。
右サイドを駆け上がって柳下が中央へ蹴りこんだクロス、苔口にはつながらなかったものの、こぼれ球を蹴りこんだのは逆サイドを駆け上がっていたイッキ!
冷静に蹴りこんだシュートがゴールにつきささり。
ドラマチックこの上ない勝ち越しゴールが決まり、今季最多4124人のスタンドの興奮は最高潮に!
同点にされた直後の80分に交代で入っていたイッキ。その彼が、大仕事をやってのけました。
思い返せば、ちょうど1年前のホーム最終戦。スタメン出場していたイッキでしたが、試合中に無念の負傷退場、それも大怪我を負って、ということがありました。
そこから、長きにわたってのリハビリの日々。出場できないなかにあって、チームはどん底の最下位にまで低迷、監督交代を余儀なくされる、とか。そういった状況で、自分が力になれないもどかしさというものは、察して余りあるかと。
7月に戦線復帰を果たしたものの、なかなか一線級の活躍というわけにはいかず。
それでも。それでも、努力は続けてきた。研鑽を惜しまなかった。
それが、1年の時を経たホーム最終戦で、歓喜のゴールに繋がり。
なんというか。これこそ、単発ではなくずっとチームを応援し続けていることの醍醐味よ。こんな最高の瞬間が見られるとは。
そして、試合終了。
これまで勝てていなかった難敵撃破を成し遂げ、シーズン最終戦を白星で飾ることに成功したのでした。

最終順位は11位。目標には程遠い、過去ワースト成績。
それでも。
負の連鎖を食い止められずに監督交代という劇薬をもってしても効果無し、という展開もあり得たなかで。どん底から、意地を見せた。
安達監督の続投がすでに決定しているなかにあって。
2018シーズンは終了しましたが、戦いはまだまだ続きます。
終わりではなく、はじまり。
来シーズンのカターレ富山は、はたしてどうなっていくのか。
とりあえず、来シーズンに向け、しばしの休息。
今年1年、本当におつかれさま。

第34節 FC琉球戦

2018-12-01 23:09:30 | カターレ富山
2018シーズンも、いよいよ最終戦。
悲願であり必達目標であったはずのJ2復帰は、またしても果たされず。そのうえ、過去ワースト成績となることが確定。良くなかったり悪かったりすることが続いたシーズンで、正直、充実感というにはほど遠い、残念な気持ちが募っています。
そして、最終戦で迎え撃つのが、悲願成就を果たして優勝・J2昇格を決めた琉球というのが、なんとも皮肉というかなんというか。
これまでの実績だけで見たならば、今シーズンのリーグ覇者の前にあえなく敗れ去って終了、となってしかるべきなのかもしれませんが。
もちろん、そんなのは願い下げ。
もう、この1試合しかないのだから。
泣いても笑っても、2018メンバーで戦う試合は、今節でラスト。ならば、全力を出し切る以外に、やるべきことなどありません。
カターレ富山の、意地とプライドをみせつけて、昇格する琉球に勝負の厳しさを突き付けてやるべく。
10周年を迎えたカターレ富山。その今季ラストゲームを、なんとしても勝利で締めねばなりません。

今シーズンの開幕戦に戦った相手である琉球と、最終戦で再び相まみえることとなる今節。
前回対戦では、いきなりの4失点を喫して敗戦。3点を返して意地は見せたものの、どちらが強いチームであるかについては、歴然としていました。
得点を挙げて勝つ、という、当たり前のことをあたりまえにやり遂げた琉球。カターレの側が失点を機にバタバタしてしまった隙を見逃すことなく、立て続けに得点を積み重ね。そのしたたかさは、開幕戦にして勝利への高いモチベーションの発露とも言えました。
逆に言うならば・・・開幕の時点から既に、もろさを露呈してしまっていたカターレ。
結果的には1点ぶんという最少差で勝敗がついたわけですが・・・その開幕戦の暗示めいた結果は、その後の戦績に如実に現われることに。
勝利したものの手こずってしまった反省をもとに、持ち前の攻撃力に磨きをかけて精進を続けた琉球。その努力が実を結び、リーグ史上最速での悲願の優勝・J2昇格という最高のかたちで結果を残すことに成功したのでした。
一方・・・失点のもろさを克服できず。さりとて、反撃した得点力も継続できず。不振を極めて泥沼にどっぷりとはまりこんでしまい。最下位にまで転落し、リーグ史上最速で監督解任という憂き目にあったカターレ。
対照的、というには、あまりにあんまりなほどの乖離が。

けれども。
だからと言って、今節の再戦で負けても仕方ない、なんてことにはなりません。
それはそれ、これはこれ。
這いつくばり、泥水をすすって、もがき続けてきた日々を思うなら。
リーグ覇者?それがどうした。
もし、これまでの実績でしか判断しないのであれば、わざわざ試合をするまでもないのであって。
あの時とは違う、カターレなのだから。
安達監督のもと、最底辺からの逆襲を誓って精進を重ねてきた日々を思うなら。
そのラストは、優勝クラブの撃破で劇的フィニッシュを勝ち取ってやろうじゃないかと。
優勝チームの咬ませ犬なんかじゃない。
窮鼠猫を嚙む。
来季のJ2に向けて順風満帆の手ごたえに酔いしれている琉球。それに猛然とかみつき、アナフィラキシーショックでもくれてやろうじゃありませんか、と。

今節、期待したい選手と言えば。
才藤 龍治。彼以外にありえません。
思い起こせば、ちょうど1年前。昨季のシーズン最終戦の相手も琉球でした。
当時、琉球の一員であった才藤。前への推進力を発揮し、泥臭くもガツガツと攻入ってきた彼に、「なんて厄介な!」なんて印象を受けたのをよく覚えています。
そして、「カターレにもそういった姿勢を持った選手がいたならな、」とも。
そこからの、カターレへの移籍。新加入選手のなかで、いちばん驚いたことが思い出されます。
本人としても、「J2を目指せるクラブに移籍したかった」という志での移籍であったようで。
その思いは、古巣対決であった開幕戦でさっそく。複数失点を喫して苦しい状況にありながらも、意地のゴールでプライドを示してみせたのでした。
しかし・・・皮肉にも。
J2を目指して移籍してきたはずの富山は不振を極め。逆に、移籍元の琉球が優勝・J2昇格を決めるという。
複雑な思いは、あるかと思います。
結果だけで見たら、あるいは移籍失敗と揶揄されるやもしれません。
けれども。
忘れてはならないのは、今はカターレ富山で主力を張る背番号11・才藤 龍治であるということ。
悔しさがあるならば、無念さがあるならば。
ストライカーであるならば、なおのこと。得点というかたちで、今再びの恩返しゴールでもって、「富山の才藤」を、みせつけてやるべきで。
この試合にかける意気込みを、チームの勝利のために全力でもってみせつけてほしい。そう願います。

なんの因果か、J3に降格してより4年、今回で3度目となるシーズン最終戦での琉球戦。
これまで、1度も勝っていません。
というより、J3において、対琉球戦で未勝利。
さらに言えば、県選手権で敗れて出場を逃した天皇杯での「不戦敗」まであります。
少なくとも、来シーズンは対戦することのない相手。
勝ち逃げを許すのか?
それでいいのか?

良いわけないだろ。

優勝?リーグ最強?それがどうした。その事実とこの試合の結果には、何の関係もなく。
今節勝てなくて仕方ない理由になど、ならないのだから。
今シーズンの結果に忸怩たる思いを抱いているのであれば、なおのこと。
もちろん、今節の結果だけで「終わり良ければ総て良し」とはならないでしょうが。
けれども。
継続が決まった安達監督のもとでの来シーズンの逆襲を期すなら、なおのこと。
ピンチは、チャンス。
最後の最後、この魅せ場で勝利を挙げたならば。
低迷に苦しんだ今季に、「それでも」と言える価値を見出せたなら。
この勝利は、無駄になどならない。
逆に、あえなく敗れて「仕方ないね」で済ますことこそ、あってはならないこと。
今季ラストの今、プライドを示さずして、いつ示すのか?
後悔はシーズン終了後にすればよい。
その先取りをして力が発揮しきれないままに敗れるなど、あってはならないこと。

ならば、勝て!!!
リーグ最強の相手に勝って、終わりではない、来季の始まりを告げる勝利を!!!

勝たれ!!!富山!!!!!