2024シーズンJ3リーグも、いよいよラスト。全38試合の最後として、今季J3優勝の大宮アルディージャと対戦します。
優勝の大宮と3位のカターレは、いずれも既にシーズンの順位が確定しており、この試合の勝敗で変動することはありません。
もしも普段と同じようなシーズンであったなら。最終戦には引退や契約満了が発表された選手を起用、最後の花道を用意して和やかに、ということもあったかもしれませんが。
優勝を決め、試合後にそのセレモニーを用意している大宮は、さておくとして。
普段と同じではないのが、カターレ。
最終戦だけれど、最後じゃない。
昇格プレーオフの負けられない戦いを前に、最強との対峙。
消化試合ではない、先を見据えた真剣勝負。もちろん、必勝を期して臨みます。
かつてJ1で戦っていたクラブの、リーグ2例目となる1年での即帰還。しかも、ここまでわずか2敗というぶっちぎりの成績でもっての、文句のつけようのないかたちで。
これまで数々の降格クラブが1年での即復帰を目標に掲げてきましたが。実際にそれをやってのけたのは、過去に大分トリニータの1例のみ。
早くても数年はJ3の洗礼を受けることになるのが通例であるなかでは、まさに驚異的な戦績でもっての復帰を果たしたと言えるのが、今シーズンの大宮アルディージャでしょう。
ホーム松本戦・アウェイ沼津戦の僅か2試合しか負けておらず、シーズン後半戦初戦であったその沼津戦の敗戦を最後に、17戦連続無敗を継続中。総得点71は、ぶっちぎりでリーグトップであるほか、総失点30もまた、FC大阪と並んでリーグ最少。
まさに、2024シーズンJ3を完全制覇した、とも言える内容であったかと。
その大宮、これまでのNTT東日本から海外資本であるレッドブルにオーナーが変更されることでも話題を集め。
来シーズンからはRB大宮アルディージャとしてリスタートすることが決定。これまでの大宮アルディージャとしての体制は、今節の富山戦をもって幕を閉じることとなります。
シーズン最終試合ということに加えて、歴史の区切りでもある最終試合。
優勝が確定しているなかで、消化試合とも言える状況ではあるものの。それでもしっかりと必勝を期して臨み、勝って有終の美を飾る気満々で臨む試合になるのではなかろうかと。
1年でのJ2復帰という理想を体現した大宮に対して。
いわゆる「J3沼」というものにハマってしまい、もがいてももがいても抜け出せないクラブの筆頭格とも言えるのが、最長の鳥取に次ぐカターレ。実に10年、その苦しみを味わい続けてきました。
昨シーズンの「同勝ち点でありながら、得失点差で涙」という状況をはじめとして、毎年のように「イイ線を行きながらも結果的に昇格できませんでした」という意味においては・・・2014年から続くJ3リーグの歴史のなかで、カターレほどにもがき苦しんでいるクラブは無いのでは?と。
今シーズンもまた、終盤戦に伸び悩んで勝ち点を思うように積み上げられず。2位までの自動昇格圏に入ることが出来ず、3位止まりで終わることが確定してしまったのでした。
それでも。
例年であれば、最終節でもってシーズン終了であったところですが。
今シーズンは、初めてJ2昇格プレーオフが実施され。残り1枠を勝ち取ることが出来れば、まだ可能性が残されているという状況です。
前節の八戸戦で8試合ぶりの勝利をおさめ、勝ち点3を積み上げたカターレ。
なかなか勝てない時期が続き、つらい思いもしてきましたが。それでもあきらめることなくしぶとく戦い続け、ラストプレーで追いついた試合も複数回。ドロー決着で1となりながらも勝ち点を積み上げてきたことが、シーズン3位確定につながることになったのでした。
プレーオフを戦うにあたり、3位から6位までの4クラブが出場することになりますが。そのなかで、順位によって明確なアドバンテージがあります。
上位クラブは、引き分けでも勝ち上がり。
勝てない試合も多かったながらも、ここまで敗戦数6は、大宮に次ぐリーグ2番目の少なさというカターレ。そのカターレに、引き分けでも可という。
そして、上位クラブ側のホームゲームとして開催。3位であれば、準決勝、決勝のいずれもホームで戦えるということ。
ここまでホーム1敗は、首位大宮と同数・・・いや、カターレの1敗は確定として、今節の大宮戦の結果次第ではリーグトップにも。
3位にしかなれなかった、けれど、3位であるからこそ。
最終だけれど、終わりじゃない。
「最強・大宮」に敢然と挑み、昇格プレーオフを勝ち抜くモチベーションにつなげねばならないカターレにあっては。
いつもと変わらず、あるいはいつも以上に気を引き締めて臨まねばならない一戦となります。
大宮戦に大きな思い入れをもって挑むことになるだろう選手が、瀬良。
かつて大宮U15、U18に所属していた彼にとっては・・・あるいは、その時期にはボールパーソンを務めてトップチームの試合を見ていた、なんて経験もあったりするのでは?
筑波大学を経て、今シーズンからカターレ富山の一員となり、プロとしてのキャリアをスタートさせた瀬良ですが。
あのとき見ていたNACK5スタジアムのピッチに、Jリーガーとなって立つことになるーーー思いもひとしおというところではなかろうかと。
シーズンには病気で離脱という不本意な時期もありましたが、ここ最近はスタメンに抜擢され、力を発揮しているだけに。
凱旋試合に、大いに期待したいところです。
そして、同期にあたるショウセイの奮起にも期待。
大宮とのホームでの前回対戦は、1-1のドロー。昨シーズンまでカターレに在籍していたアルトゥール シルバの恩返しゴールによって先制されてしまったものの、ショウセイの同点ゴールによってドローに持ち込んだ試合となりました。
超J3級の圧倒的な力を発揮してぶっちぎり優勝を果たした大宮。けれど、カターレが成し遂げなければならないJ2昇格を果たしたあかつきには、来シーズンも対戦しなければならない相手ということでもあります。
そんな相手に、臆していてはならない。
ルーキーながら、今節出場すればリーグ戦全試合出場となるショウセイ。今シーズンカターレの中心選手のひとりで間違いありません。
だからこその、奮起。エース格としての自覚と責任が求められるなか、結果を残すこと。困難なミッションではありますが、是非とも、果敢に挑みかかってほしいです。
大宮との前回対戦は、6月の1カ月間に8試合という超ハードスケジュールの最中でした。
ただ、それでも。
ルヴァンカップ・プレーオフラウンドでの札幌2連戦、そして天皇杯2回戦・神戸戦というJ1勢3連戦を経ての対戦となった大宮戦では。
あるいは、それらJ1との試合に臨むためのブーストがかかっていたということか。
超J3級という大宮にも、まったく怯むことなく挑みかかり。シュート数をはじめ、むしろカターレのほうが圧倒するほどの内容としたほどでした。
結果的には引き分けに終わって勝てなかったものの。その経験が、その後の躍進、3位まで順位を上げる原動力のひとつになったことは間違いないでしょう。
夏移籍で八戸時代に2ゴールを決められて勝ちをさらわれた「カターレキラー」でもあるオリオラ サンデーの加入など、大宮も当時と同じではありません。優勝した自信、そして現体制最終戦を勝利せねば!というモチベーションで挑むであろう今節、勝つのは容易でないことは明らか。
それでも。
この対戦が、プレーオフにも影響するであろうことは、確実。そう、J1勢との対戦が大宮戦にも影響を与えた前回対戦のように。
今シーズンのホーム戦で唯一敗れることとなった福島戦ですが、その福島が前の試合で対戦していたのが、ホームでの優勝決定戦となった大宮。そんな強度の高い相手との対戦が、敗れたとはいえ大きな自信と力となり、ホーム無敗であった富山戦で勝つ原動力ともなったのではないかと。
そのように、カターレもまた、大宮をプレーオフ勝ち抜きのために「利用」してやろうじゃないかという話。
だったら。
勝敗が直接順位に影響する試合ではない、消化試合ではあるけれど。
昇格プレーオフを勝ち抜くための「勝化試合」
昇格のための「昇化試合」
だったら、勝つしかないでしょうが!
終わりだけど、終わりじゃない。
カターレの未来のため、勝って次につなげろ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!
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