行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

悲願成就!劇的結末でプレーオフ決勝を制し、J2復帰を成し遂げる 松本山雅FC戦

2024-12-11 03:11:09 | カターレ富山
2-2のドローながら、上位アドバンテージによってプレーオフ決勝を制したカターレ。
前半のうちに0-2のビハインド。そのまま時計は進み、残り10分という絶体絶命の状況。1点を返したものの、残り時間は幾ばくも無い。
そんなピンチを土壇場で覆してみせた、試合終了間際の同点ゴールーーーまさに劇的というよりほかない展開は、伝説として語り継がれることとなるでしょう。
10年越しの、悲願。
焦がれ続けてきたJ2昇格を、2014年以来11年ぶりとなるJ2復帰を、ついに成し遂げることができたのでした。

先のプレーオフ準決勝に続いて、決勝のこの日も、ホーム・県総はあいにくの雨模様。
それでも、12月7日ともなれば、あるいは雪が降っていてもおかしくない時期であることを思えばマシか、と。
そんな雨でも関係ない、とばかりに乗り込んできたアウェイ・松本山雅サポーターの数は、4000人とも。
アウェイ側スタンドを埋め尽くす、チームカラーの緑色。J3規模とはかけ離れた熱気と圧力。これまでの対戦からも予想できたこととはいえ、やはり壮観というか。
ただ、それでも。
これまでであれば、その迫力に気圧されたり、こちらのゴール裏との規模の差に卑屈になってみたりもしたかもしれませんが。
こと、ここに至っては。
かつてないほどに高まっている、カターレの昇格への機運。信じて応援するファン・サポーターにも、その覚悟というものが出来ているなかにあっては。
臆する必要などない。敢然と立ち向かっていくのみ!
あいにくの空模様のなかでも、それでも詰めかけた入場者数11847人。
多くの人の思いを、願いをかけた、運命の一戦。その火蓋が切って落とされました。

準決勝と同じ編成となったスタメン。誰が、ではなく、全員が持てる力を全て注ぎ、勝ちにいかねばならない試合。
脇本の縦パスに反応した神山から松岡へ、その松岡が積極的なシュートで強襲するも、ゴールならず。
そうして良い場面も作ったカターレではあったものの・・・どうにも、ペースは松本山雅の側に。
当然、勝つことでしか昇格が無いということがハッキリしている松本山雅の側にとっては、やるべきことはシンプルであり。まずは、先制点と。
もちろん、そうはさせじと、無失点状態を続けねばならないカターレ。
引き分けでも勝ち上がり・・・昇格につながるということは。無失点で、クリーンシートを達成してしまったならば、こちらの得点に関係ないということ。
そう、アドバンテージはこちらにあるのだから。
普段のレギュレーションとは違うプレッシャーを与えつつ、いかに相手のメンタルを削っていくか。そこで崩れたならば、しめたもの。得点機も生まれようというもので。そうしてゴールを挙げて、リードを奪ったならば。リーグ戦で1敗しかしていないという自信も相まって、ますますもって勝利が近づくーーー。
・・・そう、思っていたのですが。
その思いは、早々に打ち消されることに。
18分という早い段階で。
松本山雅の攻勢のなか、中央でボールを受けた元カターレのMF安永 玲央が、テクニックを見せた切り返しからグラウンダーのシュート。それがゴールに吸い込まれ、先制点を許してしまったのでした。
ゴール前の密集状態に気取られていては難しかったであろうシュートでしたが、それを決めきった安永の度胸というか。
松本山雅のシーズン最終戦となったアウェイ沼津戦で、スコアレスで迎えた試合終了間際。プレーオフ進出こそ決まっていたものの、このままでは4位から転落、ホーム開催の無い6位になってしまう、という状況であったなか。土壇場で起死回生の決勝ゴールを挙げて4位死守を成し遂げたのが、安永でした。
その「持っている男」っぷりを、この決勝戦でも発揮。カターレにとっては手痛い恩返しゴール、松本山雅にとっては、昇格に向けて勇気づけられるこれ以上ないファインゴールであったかと。
この先制ゴールによって、ドローでも可というカターレのアドバンテージが失われ。当然と言えば当然、負けたら終わりなのだから。
追う立場となったカターレ、なんとしても得点せねばならない状況に。

ただ、失点からの立て直しも充分ではなかったであろう、26分でした。
直前に松本山雅のカウンター、ディフェンスが対応しきれていない、失点危険度の高い状況からシュートを放たれ。そのシュートこそ、なんとか田川が手を伸ばしてはじき出し、CKに逃れることが出来たのですが。
ただ・・・「ヤバいな」とは思いました。
そして、そんな嫌な予感というものは、当たる。
そのCK、松本山雅のキャプテン・菊井 悠介の蹴った精度の高いボールに、頭で合わせたのはMF樋口 大輝。
痛恨の、2失点目。
松本山雅にとってみれば、昇格を一気に手繰り寄せる会心のゴール。アウェイスタンドが沸き立つことに。
午前中から降っていた雨は、試合時間頃には止んでいましたが。カターレ側のファン・サポーターの心情としては、重く、どんよりと。
2点をリードし、余裕の出てきた松本山雅。それを崩すのは容易ではなく。
焦って雑なプレーをしてしまったのでは、それこそ相手の思うツボ。慎重を期さねばならないけれど、時間は有限であり。
スコアは動かず、0-2のままハーフタイムを迎えることに。

後半開始時に選手交代。瀬良に代えてヨシキ、布施谷に代えて伊藤を投入し、事態打開を図ることに。
まずは、1点を返すところから。
ボールを落ち着かせ、攻撃のリズムを作り出すヨシキ。ここ最近はなかなか出場機会がなかったものの、キレのあるドリブルで左サイドを駆ける伊藤。
交代の効果というものは、しっかりと出ていた印象。ならば、それをどうゴールに結び付けていくか。
ただ・・・なかなか、相手を崩しきるかたちにまでは持ち込めない。
リードをキープしつつ抑えきるという戦略の松本山雅に対し、攻撃の機会こそ前半よりも増えたものの。その増えた機会に得点できるかどうかは、また別の話で。
だんだんと、減っていく残り試合時間。
このまま終わるのか?
負けて、松本山雅の大応援団が歓喜する姿を見せつけられることになるのか?
1年前、同勝ち点ながら届かなかった昇格。
また、あの悔しさを味わい、J3のままになってしまうのか?

そんなこと、認めてたまるか!

ただひたすらに、昇格を信じて応援をつづけるゴール裏。
そんなの認めない、想像すらしてやるもんか!
ホーム県総で負けるなんてありえない!
苦しい試合なんて、それこそ何度となくあった。けれど、あきらめたりしなかった。乗り越えてきた。
これまでそうしてきたように、この試合だって!
そんななか、66分。キャプテンの吉平がピッチへ。
昇格を目指す気概をカタチに、ということでボーズ頭にした彼ですが、この決勝戦に、それを金髪に染めて。
1万人近くを集めつつも、ドローで勝ちきれなかった今治戦。その無念のあとには、やるせなさがあふれてでしょう、感極まって涙する姿もありました。そして、敗色濃厚であった岐阜戦には起死回生の同点ゴールを挙げ、勝ち点1をもぎ取る姿もありました。
そんな吉平が、この決勝戦に半端な覚悟で臨むわけがない。
イケる気がする・・・いや、やるんだ!

そして、80分。
再三にわたってキレキレなプレーでもって左サイドを制してきた伊藤が、中央へとクロスを上げると。
それに頭で合わせたのは、ショウセイ!
決して得意ではないというヘディングシュートでしたが、しっかりと決めて1点を返すことに成功。
重く沈んでいたようなスタジアムの雰囲気が、ガラリと変わりました。
直後にはマテウスに代えて松本を投入し、パワープレイの意図を明確に。
松本山雅の側も3人同時交代で守備固めに入るも、カターレの攻勢は続き。
攻め続けるカターレと、跳ね返し続ける松本山雅という構図が続きました。
87分には最後のカードとして坪川を投入、6分のアディショナルタイムへ。
あと1点、あと1点を、なんとしても獲るんだ!!
通常の試合と違い、上位アドバンテージによって引き分けでも勝ち上がり。いつもであれば追いついて同点というシチュエーションも、それが逆転勝利を意味します。一方、それが出来ねば、普通に負け。「次」は、ありません。
まさに、乗るか反るかの瀬戸際。
いや、だからこそ。
あと1点、あと1点を、なんとしても!!!

そして。
90+3分でした。
キレキレの躍動を見せていた伊藤への対処で、松本山雅としてはケアしきれなかった部分もあった左サイド。そこから、坪川が良いかたちで中央へとクロスを上げると。
その跳ね返りを、再三の空中戦で競り勝ってきた松本が、今回も制し。マイボールとしてこぼれてきたところを拾った吉平。その吉平がゴール前へと蹴り込んだボールは、相手に当たりながらも高く上がってゴール前へ。
その想定と違った上がりかたを見て、、ほんの一瞬だけボールへの対処に迷ったGK大内 一生。それを前に、長身を活かしたジャンプからの高い打点で、再び頭で合わせていったショウセイ!
ゴー――――ル!!!!
地鳴りのような歓声に包まれる、我らがホーム・県総。
値千金のゴールを決めたのは、地元出身・カターレ富山のエースたる碓井 聖生その人でした。
プレビューで書いた通り、このプレーオフ決勝戦という大舞台で決められたならば、それはショウセイにとって、プロとして、ストライカーとして大きな影響を及ぼすことになると。そう期待を込めていましたが。
そんな期待に、予測をはるかに上回る大仕事をもって応えてくれるあたり・・・本当に、ハンパない、並外れてしまっているよ!と。
ゴール裏のみならず、メイン、バックスタンドともに総立ち。まさに、興奮と熱狂のるつぼと化した県総。
残り時間僅かでリスタート、GKも総動員で最後の攻勢をかけてきた松本山雅でしたが。最後の最後まで集中を切らさず、しっかりと跳ね返したカターレ。
そして。
試合終了のホイッスル。
2-2のドローとなったスコアは、あまりにも劇的なカターレ富山J2昇格決定というかたちで決着を見たのでした。

2点をリードして勝利を確信していたであろう松本山雅にとってみれば、俗に言うところの「2点差は危険なスコア」というジンクスが、まさに当てはまったかたち。
手にしかけたJ2昇格が、終了直前でスルリと抜け落ちてしまった、と。
察するに余りあるほどのショック?
いや、察することくらいは出来ますよ。なにせ、かたちこそ違え、「あとちょっと」が届かなくて昇格を逃した無念は、カターレも経験済みなので。
そう、1年前の最終戦で、同勝ち点ながらも昇格を逃してしまったという無念があったから。
その悔しさをバネに、今シーズンを戦い抜いてきたカターレ。
ルヴァンカップでの躍進をはじめ、数々の修羅場をくぐりぬけてきた。シーズン終盤に失速する悪癖を繰り返すのか?という状況にあっても、敗戦をやむなしとはせず、必死の粘りでドローに持ち込むなど、喰らいついてきた。
そう、このプレーオフ決勝での劇的同点ゴールだって、マグレじゃない。
ホーム讃岐戦、アウェイ宮崎戦、ホーム岐阜戦ーーーざっと思い出してみただけでも、後半アディショナルタイムでの劇的同点ゴールというシチュエーションは、スラスラと出てくる。それだけの経験を積んできた。それがすなわち、3位カターレと4位松本山雅との最終順位での勝ち点差4ともなっていたかと。
つまり。
ビハインド状態でも、あきらめてしまうという選択肢など、端から無かったということ。
なかなか昇格プレーオフ圏入り出来ない状況が続いていた松本山雅は、シーズン終盤でそれまでの4バックというスタイルを捨て、3バックに変更。それが功を奏すかたちで最終盤の5連勝フィニッシュにもつながり、プレーオフ決勝までコマを進めることとなりましたが。
勢いそのままに昇格を勝ち取りたかったでしょうが・・・もしかすると、「付け焼刃」的な限界が露呈した、という側面があったのかもしれません。
決勝での紙一重の決着、その明暗を分けた要素は、やはりシーズンの積み重ねであったのではなかろうかと。
今シーズン、一貫して「覚悟」をもって臨んできたカターレ。その成果が、この決勝で紙一重の、ほんの少しの差となって表れたーーーそういうことなのかもしれません。

本来であれば、優勝を成し遂げての昇格決定、それでなかったとしても自動昇格を目指していたシーズンでしたが、それは叶いませんでした。
ただ、それでも。
今シーズンより導入された、J2昇格プレーオフ。それを制するかたちで、最後の最後で、見事に昇格をつかみ取ってみせたカターレ。初回となったJ2昇格プレーオフに、いきなり劇的フィニッシュという伝説を残してみせました。
優勝してシャーレを掲げることは出来なかったけれど。
記録としてはドローで、アドバンテージによる決着だけど。
それでも。
プレーオフ覇者として、優勝シャーレではなくとも、「J2昇格」のボードを高々と掲げてみせたセレモニー。
欲してやまなかったJ2昇格を、ついにつかみ取ったのでした。
長かった。本当に、長かった。
10年越しの悲願を成就、J2の舞台に戻ることとなったカターレ。
思えば、2014年11月1日。ホーム栃木戦で、勝利したにも関わらず降格が確定、3か月ぶりのホーム戦勝利にも笑顔はありませんでした。
一方で、今回。
記録としてはドローで、勝ったわけではない。けれど、アドバンテージによって、勝っていないにも関わらず昇格決定。ホーム県総に、歓喜の笑顔が広がりました。
皮肉というかなんというか。
それでも。
11年ぶりのJ2復帰ーーーそれは、夢でも幻でもなく、現実。
10年にわたって願ってやまなかった「そのとき」が、ついに訪れたのでした。

ツラいことのほうが多かった、この10年。
それでも、信じて応援し続けてきて、良かった。
本当に、報われた。
長く険しい道のりでしたが、ついに、成し遂げた。
今シーズンを戦い抜いた選手・スタッフ、そしてカターレを支え、応援してきたすべての人たちに感謝を。そして、おめでとう!と。
新たな戦いとなる来シーズンに向けて、しばしの休息。
歴史に残る戦いとなった今シーズン、本当にお疲れさまでした。
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J2昇格プレーオフ 決勝 松本山雅FC戦

2024-12-06 16:57:52 | カターレ富山
2月のシーズン開幕から月日は流れ、12月。長かった2024シーズンですが、それをさらに伸ばすかたちとなったJ2昇格プレーオフ。準決勝FC大阪戦を制し、決勝進出を果たしたカターレ。
いよいよ、ラスト。泣いても笑っても、今シーズンの決着がつく一戦となります。
ホームに松本山雅FCを迎え、昇格を勝ち取るためにすべてを賭けて戦う決勝。カターレ富山にとっての、J3最後の戦いに臨みます。

リーグ戦の最終戦から1週間後、リーグ3位から6位までの4クラブ、その思いがぶつかりあうこととなったJ2昇格プレーオフ準決勝。
先制ゴールを挙げながらも前半のうちに追いつかれ、その後は防戦一辺倒とも言える苦しい展開を強いられたカターレ。それでもFC大阪の猛攻をしのぎきり、ドローながらも上位アドバンテージによって勝ち抜け。ホームの期待に応えて決勝進出を果たしました。
同時刻に開催債れた、準決勝のもうひとつのカード。リーグ最終戦での終了間際劇的決勝ゴールによって、ホーム開催権を得た4位・松本山雅と、前の試合の段階で6位だったながらも、最終戦にしっかりと勝利して5位フィニッシュとした福島。
リーグ戦の勢いを継続したい両チームの対戦であったなか、先手をとったのはアウェイの福島。10分という早い段階で、「ミスター福島ユナイテッド」とでも言うべきベテラン・樋口 寛規のゴールによって先制。決勝進出には勝つしかないなかで、幸先良くリードを奪うことに。
追う展開となった松本山雅ではあったものの、追加点を許すことなく粘り強く前半をしのぎ切ると。後半は反転攻勢、攻撃が活性化するなかで65分に同点ゴールを挙げて追いつくことに成功、試合を振り出しに。
その後スコアは動かず、1-1のドローで終了。逆転勝利を挙げることは出来なかった松本山雅ではあったものの。ここでもまた、上位アドバンテージによって決勝進出となったのでした。
結果として、決勝は3位・カターレ富山と4位・松本山雅という、リーグ戦上位クラブ同士の対戦となったのでした。
欲を言えば、お互いにスッキリと勝って、存分に実力を示しながらの決勝進出としたかったところではありましょうが。
ただ、それでも。
同日に開催されたJ1昇格プレーオフ準決勝では、5位の岡山と6位の仙台が、それぞれホームの大声援を受ける相手に3点差をつける大勝で下剋上という、衝撃的な展開もありました。
リーグ戦終了翌週にすぐに開催されたJ2昇格プレーオフと、3週ぶりというインターバルがあったJ1昇格プレーオフとでは、一概に同条件として比較したものでもないのでしょうけれど。
とはいえ、そんな予想外どころではないことも起こり得るのがプレーオフの恐ろしさ。
史上初の開催となったJ2昇格プレーオフ。過去の傾向もなにもないなかで、ひとつ、準決勝をドロー勝ち上がりが2試合、という結果が出ましたが。
これが決勝にどう影響するのか。
なにぶん、誰も見たことのないJ2昇格プレーオフ決勝だけに。その行方は、はたして。

今シーズンの松本山雅とのリーグ戦での対戦は、1勝1敗。それぞれホームクラブが勝利するかたちとなりました。
4月の第11節の対戦では、1-3で敗戦。
奈良からエース候補として加入しながら怪我に泣かされていたFW浅川 隼人。その怪我明け復帰戦でもあった試合で、開始8分という早い段階にいきなりゴールを挙げてアピールすると。
30分に陽次の今シーズン初ゴールで追いついたまではよかったものの・・・52分に田川の自陣でのボール処理ミスを逃さなかった浅川に、再び決められてしまい。終盤にはさらに1点を追加され、アウェイで苦い敗戦を喫したのでした。
そのリベンジマッチとなったのが、ホームでの第25節でした。
その前の試合、アウェイ北九州戦で、0-2の敗戦を喫していたカターレ。夏の中断明け初っ端でいきなり躓いたかたちであったなか、連敗でシーズンダブルをくらうなどもってのほか、という状況での対戦でした。
41分に安光が先制ゴールを挙げてリードして折り返すと。後半も主導権を譲ることなくカターレのペースとし、ヨシキのゴールで差を広げ。さらに試合終了間際の90+4分には、井上のカターレ初ゴールでダメ押し。リベンジ達成、3-0という快勝を飾ったのでした。
ただ。
その前回対戦からも、もう既に3か月以上も経過した後の再戦とあっては。
これまでの対戦は参考程度とし、一旦白紙に戻して臨む必要があるかと。
長らくプレーオフ圏内になかなか届きそうで届かない時期が続いていた松本山雅であったものの、終盤戦にチーム状態が安定すると、リーグ戦ラストは5連勝フィニッシュ。右肩上がりに4位にまで順位を上げてのプレーオフ進出となりました。
方や、カターレのほうは終盤戦に連続勝ちなし時期が続いて足踏みをしてしまったものの。それでもドローながらも勝ち点を積み重ね続けたことが、3位フィニッシュの要因。最終的に松本山雅とは勝ち点4ぶん上回ったかたちとなりましたが、これが連続勝ちなし時期のドローで得たものだとするならば。その時期に耐えきれず敗戦、あるいは連敗とでもなっていたら、3位も無かった可能性も。
確かに、5連勝、最終戦での劇的アディショナルタイムゴールでの4位確定、プレーオフ準決勝では追いついてのドローなど、勢い的に優位なのは松本山雅と見る向きもあろうかとは思いますが。
それでも。
粘り強さ、ここ一番のしぶとさで3位につけたカターレ。リーグ最終戦では最強・大宮を破っています。
いや、それを言うならば、大宮にシーズン初黒星をつけたのは松本山雅、とも言えるわけですが・・・それでも、シーズン集大成の最終戦で黒星をくれてやったのは、ホーム2敗目をくれてやったのは、カターレにほかならず。
シーズン3敗しかしていない大宮、そのホームで2敗をつけた両チームながらも。
今シーズン、ホーム敗戦がいちばん少ないのは、大宮ではなくカターレ。
福島に喫した1敗以外、リーグ戦では負けていません。そして、プレーオフ準決勝でも負けませんでした。
福島が再び県総に来襲する可能性が無くなった、今。
カターレを止められるチームなど、無いのだ!プレーオフ決勝だろうが、例外無く!

こと、この最終決戦に至っては・・・期待する選手というか、誰が出場することになろうが、その選手たちにクラブの命運を託す以外にないわけで。
そのなかでも、あえて期待の選手を挙げるならば。
やはり、今シーズンのチームMVPに推挙したとして異論は無いであろう、安光でしょうか。チームMVPどころか、シーズン終了後のJ3アウォーズでのリーグベストイレブン選出も有力ではなかろうかと。
リーグ戦のホーム最終戦となった八戸戦、そして最終戦となった大宮戦の2試合連続で先制ゴールを挙げ、勝利に大きく貢献してみせました。その勝負強さ。
当然、松本山雅も警戒は厳としてくることでしょう。それでなくとも、前回対戦は安光の先制ゴールをきっかけに3失点して敗れているのだから。
それだけに。ここでもし、松本山雅を相手に再び安光が先制ゴールを挙げるかたちで、試合の主導権を握ったならば。
昇格には勝つ以外にない松本山雅にとって、先制されることのダメージは言うまでもないですが。そんななかにあっても、他のどの選手に決められるよりも心的ダメージが大きいのが、安光のゴールではなかろうかと。
だったら。
狙わない手は無いでしょうよ。
引き分けでも勝利扱いとはいえ。ドロー狙いだけに徹して逃げ切るなんてのは、さすがに虫が良すぎるかと。
勝つしかない松本山雅が、いつにも増してアグレッシブに来ることは確実。その勢いを逆手にとって、こちらがやり返してゴール挙げ、勝利に近づいていかねばならないならば。
闘争心を前面に出し、気迫のこもったプレーを得点に、勝利につなげてきた安光。
その力を、この大一番に遺憾なく発揮してほしいです。
そして、攻撃陣ではショウセイに期待。
もはや今シーズンのカターレを象徴する選手のひとりと言えるショウセイ。なんなら、今年がルーキーイヤーであることを忘れてしまうほどの存在感。
2月のゴーゴーカレースタジアムこけら落としのオープニングマッチで、衝撃の2ゴール。そこからリーグ戦全試合出場、ルヴァンカップでは3ゴールの活躍、上位カテゴリクラブに対してさえ後れをとりませんでした。
そんなシーズンの集大成にして、ラストマッチ。
ここで、決めてほしい。この先も続くプロとしてのキャリアにおいて・・・ストライカーとしての資質に大きな大きな影響を及ぼすであろうゴールでもって、その成長に比類なきブーストをかけてほしい。そう願います。
守備陣で期待したいのは・・・やはり、田川でしょうか。
期限付き移籍期間を延長して臨んだ2シーズン目。今シーズンもカターレの正GKとして活躍してきた彼ですが。
自らのミスが失点に、敗戦にまでつながってしまった、アウェイでの松本山雅戦の苦い記憶。前回対戦でクリーンシート、一定のリベンジは果たしたけれど。
ここでまた、この決勝戦で再び、松本山雅を完全に抑え込んでほしいです。
引き分けでも勝ち上がりですが、得点のほうは攻撃陣の奮起に期待するとして。
ゴールの番人として、無失点に抑えきること。ここしばらく失点してしまう試合が続いていますが、それだけに。この大一番で無失点を、クリーンシート達成を願います。
防御は最大の攻撃。相手に得点を許さなければ、負けることは無い・・・いや、この試合に関して言えば、「守り切ることで、チームを勝たせることが出来る」ということならば。無失点をやり遂げるしかないでしょうよ。
我らの守護神・田川の覚醒でもって、松本山雅の攻勢をシャットアウトしてほしい。そう、切に願います。

10年ひと昔と言いますが。
2014年にJ2から降格して以来、J3で10年。
もう、いいでしょう。
成績低迷、業績落ち込み、ユニフォームから胸・背中スポンサーが無くなるなど、いろいろなキツい経験を経て。
それでも、頑張ってきた。
頑張り続けて、今やJ2時代をも超えて、過去最高の収益を記録するまでに成長してきた。昇格へのファン・サポーターの思いというものも、かつてないだけの機運、熱量というものをひしひしと感じます。
だったら。
もう、報われてもいいでしょう。
このプレーオフ決勝戦で、カターレか松本山雅のどちらかが歓喜し、どちらかが涙することとなります。いずれの結果になったとしても、来シーズンの再戦はありません。
そんななかで。
「あとちょっと」が届かなくてJ3残留が決まってしまったーーーそれは、カターレが去年既に経験してきたこと。
カターレが勝って松本山雅にそれを味わせたとして、「1年前に通ってきた道」だとしか言いようがなく。
カターレが負けることで2年連続で繰り返す必要など、微塵も感じません。
雨予報というあいにくの条件での試合となるなか、大挙して押し寄せる松本山雅サポーターによって、過去最多かという動員が見込まれていますが。
相手が何人来るかで、カターレの未来が左右されることはなく。
去年の経験を踏まえて「1周前」を行くカターレが、お先に失礼、J3からの“あがり”を成し遂げる。それ以上でもそれ以下でもない。ただそれだけのことです。

実に48試合を数える、カターレの今シーズン公式戦。
ルヴァンカップで初戦敗退、天皇杯予選となる県選手権で敗退、さらにプレーオフ不出場という最少限の試合数であった場合、40試合止まりとなることを思えば。まさに120%の頑張りをもって駆け抜けてきたシーズンと言えます。
そんなシーズンの、最後の戦い。現行メンバーで臨む、ラストゲームとなります。
この試合で、駆ける。この試合に、賭ける。
勝って、J3からの卒業、未来を切り拓く一戦とする!
思いは、ひとつ。
10年間も願い続けてきたJ2昇格を、今こそ成し遂げる!

時は、来た。

渾身の力を込め、思いを込めて。

勝たれ!!!富山!!!!!


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執念の「分け」残り。上位アドバンテージでPO決勝進出 FC大阪戦

2024-12-02 19:51:31 | カターレ富山
1-1のドローながら、プレーオフ上位アドバンテージによって勝利。
史上初の開催となったJ2昇格プレーオフ。誰も経験したことのない、負けたら終わりの一発勝負という、ヒリつくような緊張感のなか。ホームで迎え撃つリーグ戦3位のカターレと、アウェイで勝つ以外にないという、6位のFC大阪との対戦。
首尾よく先制したまでは良かったものの、前半終了間際に追いつかれ。後半は防戦一辺倒となったなか、守りを固めてドローに持ち込む選択をすることに。
猛攻をかわし続ける、まさに綱渡り状態。時計が遅々として進まないようなプレッシャーが、延々と続くなかで。それでも集中力を切らすことなく、気力を振り絞って耐え続けたカターレ。
スコアは動くことなく、1-1のままに試合終了。上位は引き分けても勝ち上がりというレギュレーションであるプレーオフ。そのアドバンテージを活かしたカターレが、決勝にコマを進めることになったのでした。

各地で同時に開催されたリーグ最終戦、その終了から1週間。
3位・カターレ富山のホームゲームとして、6位・FC大阪を迎えてのJ2昇格プレーオフ準決勝。朝から雨が降り続くあいにくの天候でしたが、5101人が会場に詰め掛け、決戦の行方を見守ることとなりました。
最強撃破を成し遂げた大宮戦からの継続性を重視ということなのでしょう。ほぼ同じような選手起用となったなかで、鍋田に代わって脇本、河井に代わって末木がスタメンに名を連ねることに。
同時刻に4位・松本山雅と5位・福島との対戦が、もうひとつの準決勝として開催されるなかで。いよいよ、ホーム県総は運命のキックオフのときを迎えました。

リーグ戦でのホームFC大阪戦は、2-0の勝利をおさめているカターレではあるものの。そのときの相手は、チーム最長在籍にして主力メンバーである元カターレの舘野 俊祐が不在であり、十全な体制ではありませんでした。事実、再戦となったアウェイでの対戦では、攻めあぐねて無得点に抑えられ、スコアレスドローとなっており。今シーズン3度目の対戦、簡単な試合になどならないであろうことは、明白でした。
リーグ最終戦では先制ゴールを挙げながらドローとなり、勝てば5位もしくは4位もあり得たなか、6位に順位を落としてのプレーオフとなったFC大阪。
昇格には勝利が絶対条件、かつアウェイ連戦でそれを為さねばならないという条件ですが、それがかえって闘志に火をつけていた部分というものはあったでしょう。
試合開始から、前へ前へと果敢にプレッシャーをかけてくることに。その傾向というものは予想通りであったものの・・・激しさという部分では、やはりリーグ戦での対戦以上の気迫を感じさせられました。
リーグ最少失点のFC大阪と、同3位のカターレ。お互いにそうそう簡単に得点できる相手ではないことは承知。それでもなお、勝つには得点が必須というなかで。
いかに相手を防ぎ切り、自分たちのチャンスを活かしていくか。
勢いという面では、引き分けが許されず勝つしかないFC大阪のほうが、やはり上。それをいなしつつ、自分たちの展開に持ち込まねばならないカターレ。
バチバチと火花散る、せめぎあいの時間が続くことに。

FC大阪が舘野の放り込みにFW増田 隼司が合わせて狙ってくれば、カターレのほうも前線のマテウスの繋ぎからショウセイがシュート、といった具合に。
それぞれが、自分たちのスタイルからどうやって得点に結びつけていくかを模索していくなかで。
試合が動いたのは、36分でした。
田川のロングフィードからの攻め上がりから、右サイドの松岡につながり。その松岡がペナルティーエリアやや外からシュート性のキック。そのボールがゴール枠から外れたかと思いきや、ゴールライン際でショウセイが足を伸ばしてギリギリから残すと。その折り返しを頭で合わせたのは、布施谷!GK永井 建成の頭上を越えたボールがゴールに吸い込まれ、ネットを揺らしました。
大事な大事な試合で、見事な大仕事。
勝つしかない相手に2得点以上を強いる、大きな先制点。ホームの声援を受けるカターレが優位に立つことになったのでした。

ただ、先制点を許したことが、かえってFC大阪を吹っ切れさせたというか。意気消沈することなく、逆に攻勢を強めてくることに。
距離に関係なく果敢にシュートを放ってくるなか、しっかりと田川がセーブ。防いでこそいるものの、FC大阪の時間帯がつづいていたなかで。
前半も終了間際のアディショナルタイムでした。
後方からのロングフィードに合わせて右サイドを走り込んできた増田が、そのトラップを右足のヒールリフトで前に浮かして守備の寄せをかわすという、素晴らしいテクニックを披露。虚を突かれて一瞬判断が遅れたカターレのディフェンスをよそに、ゴール隅を狙ったグラウンダーのシュート。それが決まって、同点に追いつかれてしまうことに。
この大一番で、そんなビッグプレーがでるのかーーーまさに、してやられた!というゴールでしたが。FC大阪にとってみれば、勝つためにやるべきことをやり切ったゴール。特別ではない、勝つためだ、と。
やはり、一筋縄ではいかない。
勝負の厳しさというものをあらためて突きつけられる形となったカターレ。同スコアで試合を折り返すことに。

勝負の後半戦。逆転を狙うFC大阪の攻勢は勢いを増し、カターレはなかなか反転攻勢につなげられない。耐える展開が続くことに。
59分に松岡に代えてヨシキ、マテウスに代えて松本を投入しましたが、攻撃のためというよりは、守備のための交代策というか。勝ち越し点を積極的に狙いにいくのではなく、なんとかボールをキープすることで相手の攻勢をしのぐ、というような起用であったかと。
あと・・・あまり言いたくないですが、どうにもこの試合の審判のジャッジに不服。
正直、FC大阪に荒いプレーが少なくないなか、ファウル相当であろうプレーが見過ごされ。
あきらかに押してるじゃないか!今、手を掛けていただろうが!
文句のひとつもふたつもみっつも言いたくなるなかで、出たイエローが前半では安光の1枚だけ。
審判のジャッジに文句を言うことはよろしくない、それはわかっているけれど。
どうにもこうにも、承服しかねるシーンが幾度も。
いうまでもなく、負けたら終わりの一発勝負というなかで。審判の不可解ジャッジで試合を壊されるなんてことは、絶対にあってはならないのに。
耐える展開のなか、どうにもこうにもストレスがたまる展開。
紛れというものは、あってはならない。
実際、1週前の大宮戦ではPKからの失点で1点差に詰め寄られ、それをどうにかこうにか逃げ切っての勝利、ということもあっただけに。
追い付かれて1-1というこの試合、それこそファウルでPKとかいうことにでもなれば、それは致命的ということにもなりましょう。
FC大阪の攻勢をひたすら耐え続けるなかで、フェアなのか?というジャッジ基準をも考慮しつつのプレー。スタンドから応援するだけでもメンタル的にキツかったというのに、実際にピッチでプレーするカターレ選手たちの心情は、いかばかりかと。

74分には、瀬良に代えて坪川、布施谷に代えて鍋田を投入することに。
攻撃カードとして伊藤や井上を入れる選択もあったなかで、これは明確な守備固めのサイン。
つまりは、ドロー狙いの逃げ切り戦略。
実際、残り20分ほどもあろうなかで、もうすでに相手陣内コーナーフラッグあたりで松本・ヨシキらでボールをこねくり回す、いわゆる「鹿島る」プレー。
普通であれば、85分から90分くらいで時計を進めるためにおこなうプレーを、残り時間がまだまだある状況で、もう?
これがもしも、自分たちが逆の立場で、勝つしかない状況で相手がそういったプレーをしてきたら。
そりゃもう、ふざけんな!とばかりにブーイングを飛ばしていたのではなかろうかと。
とはいえ。
上位アドバンテージとして、引き分けでも勝ち上がりというレギュレーションであるプレーオフ。それを踏まえた上での選択。別に、リスペクトに欠けたアンフェアなプレーというわけじゃない。カターレとしても、取り得る選択肢のなかで、やれることをやり切るという姿勢の表れであり。決して卑怯でもズルでもない。
それに・・・大量点差があってなお時間稼ぎ、などではなく。
なにかのこちらのミスでもあれば、途端に逆襲をくらうリスクもあるなかで。いまひとつジャッジに信用を置けないなかで、それこそなんらかのきっかけで‘PK、なんてこともないわけじゃない。
言わば、綱渡り状態。
続くFC大阪の攻勢。繰り出されるクロスに、ロングスローの雨あられ。
耐える、カターレ。しのぐ、カターレ。
ああ、なんて時間の長いことか。

結果として。
スコアが動くことは、ありませんでした。
終盤は、ほぼ一方的に攻められる展開ながらも。判断ひとつ間違えば致命的、そんなリスクにさらされ続けながらも。
それでも、集中力を切らすことなく耐え凌ぎ続けたカターレ。それが最後まで崩れることはなく、タイムアップを迎えたのでした。
1-1のドロー。試合としては、引き分け。
しかし、レギュレーションにより上位アドバンテージによってカターレの勝利となり、勝ち残りが、プレーオフ決勝進出が決定しました。
猛攻及ばず、ピッチに崩れ落ちる舘野、永井らFC大阪の選手たち。
決勝進出となったカターレと、敗退となりシーズン終了となったFC大阪。
まさに、明暗ここに極まれり。
こういう結末もあり得ると、頭ではわかっていましたが。本音を言えば、スッキリと勝ちきって威風堂々と勝ち名乗りを上げたかった、というところはあるにせよ。
それでも。
苦しい戦いを制したのは、カターレ富山。
ドロー狙いは消極的で潔くない?狙ったからといって簡単にドローにできるなら、どれだけ楽なことか。そんな甘い相手ではなかったことは、この試合に関わったすべての人の共通認識でしょう。
困難なミッションを完遂し、勝ち残った事実そのものに、なんの恥もあるものか。
胸を張って決勝進出。それこそが、カターレのやるべきことです。

試合後、舘野がゴール裏に挨拶に来てくれました。5月の対戦では出場停止で来られなかったところ、プレーオフというかたちで来られたというのも、なんとも巡り合わせというか。
古巣であり、チームを離れてからもカターレの動向をチェックしていたという舘野。地元でもある県総での対戦にフクザツな思いもありつつも、チームのためにしっかりとプレーし、大きな脅威としてカターレの前に立ちはだかりました。
敗退が決まった無念は、当然あることでしょう。それでも、カターレに絶対昇格してください!応援しています!との熱いエールをくれました。
もちろん、その思いに応えねばなりません。

残り、1試合。
最後の戦いを制し、必ずや昇格を果たす。

戦いは、いよいよクライマックスを迎えます。
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