2-1で勝利!
試合前にはカターレ富山創設15周年レジェンドマッチが開催され、これまで積み重ねられた歴史に思いをはせるシーンもありました。
そして迎えた八戸戦。
石﨑前監督と、チームコンセプトを受け継いだ小田切監督との直接対決。
接戦となりましたが、譲らぬ気迫で上回ったカターレが勝ちきり、ホーム負けなしを継続。
クラブの歴史にまたひとつ、勝利を積み重ねてみせたのでした。
レジェンドマッチの和気藹々とした雰囲気もひと段落して。次は真剣勝負。今現在を戦うカターレの、今季初のホームナイトゲームとなった今節。
前監督として手の内を知り尽くす八戸・石﨑監督に対し、田川と坪川以外の9人は当時からのメンバー。真っ向勝負で挑む対戦となりました。
試合の入りは集中したカターレが押し気味に、その後相手の反撃を受けつつも、なんとかしのぎつつチャンスをうかがうーーー前節の岩手戦と同じような試合展開に。
やはり、相手がどことかは関係なく、いかに自分たちのスタイルを崩すことなく集中してプレーできるか?今節もまた、そんな部分が問われた試合であったかと。
そんななか、前節同様に均衡を破って先制したのはカターレでした。
39分、陽次の技ありヘッドが決まり、スタジアムが沸くことに。
スタメンに起用された柳下からのクロスに合わせてのゴール。柳下にとってはディフェンスラインの間に蹴り込むかたちは、あらかじめ狙っていたもの。その意を汲み、ゴールを背にしながら後頭部に当てての陽次のヘッドには、驚かされました。
前節、イエロー2枚で退場となってしまった大山。その無念を思えば、代わってスタメンとなった柳下にとっては、いやがおうにも気合の入る試合であったことかと。
そして、2試合連続ゴールの陽次。連勝に向けて、勇気の出る見事な先制点でした。
そして、次の1点もカターレにもたらされることに。
71分、ペナルティエリア内で倒された吉平が得たPKを、自ら決めて追加点。
先日の天皇杯での選手一巡PK戦、そして前節の絶体絶命ピンチをしのいだPK阻止など。このところ、いつになくPKに縁のあるカターレにあって。
今節も、決めたと思ったら、先に動いていたと判定されて蹴り直しというアクシデントもありましたが。
ただ、カターレにとっては先の京都戦で経験済みのシチュエーション。
2度目のキックとなった吉平でしたが、動じませんでした。相手GKとのメンタル勝負。どちらの強い気持ちが勝つか。
そこでより強い気持ちを見せたのが、カターレのPK絶対決めるマン・吉平。
1度目と同じ正面に蹴り込むという強心臓っぷりで、見事に決めきってみせたのでした。
思えば、石﨑監督在籍時にも、前所属・藤枝との古巣対戦でPKを決めたことがあったっけ。
イシさんがいなければ今の富山にいる自分もいない、と吉平。その思いを、サッカー選手としてプレーで示してみせたのでした。
恩返しゴールで2得点。さらに勝利を近づけたカターレでしたが。
前節同様に・・・と言ってはなんですが。
今節もまた、2点目を挙げてから程なく1点を返されてしまうことに。
75分、鋭いカウンターから妹尾 直哉に決められてしまい、1点差に。
楽に勝てる試合などない。その事実を、またも突きつけられることに。
それでも。
勝利への意志が揺らぐことはなかったカターレ。
終盤の苦しい時間帯にあっても、怠慢なプレーになってしまうことはありませんでした。
積極性を失うことなくハードワークを貫くーーーそれもまた、石﨑前監督の教え。
それを、プレーでもっていかんなく体現してみせたカターレ選手たち。
4分あったアディショナルタイムも、誰一人として気を抜くことはなく。
前節に続き、今節もまた2-1でしっかりと逃げ切りに成功。
価値ある勝ち点3を獲得し、2連勝。
そして平均勝ち点を2とする勝ち点30を積み重ねることとなったのでした。
前節終了時に2位であった鹿児島が、鳥取に0-1で敗戦。先のホーム戦で鳥取に勝てなかったカターレとしてはとやかく言えませんが、痛恨の敗戦で勝ち点差が開くことに。
そして、前節の対戦であわやというほど苦しめられた岩手が、4連勝を狙っていた松本を撃破。
一方、6戦連続負けなしでじわじわと浮上してきた岐阜が6位に。
上位陣が苦戦するなかで、カターレ同様に2点差から1点を返されるも逃げ切った愛媛が2位浮上、首位との勝ち点差2は変わらず。
あらためて示された、今季J3の混戦模様。
そのなかで、我慢強く、粘り強くプレーし、2連勝。首位を堅持したカターレ。
勝ちきることの意義を、その影響の大きさというものを、再確認させられました。
15周年のカターレの歴史と伝統、それをあらためて実感したレジェンドマッチ。
そして、決意を新たに臨むことになるJ3優勝からのJ2復帰。
まだ、道半ば。
されど、着実に進んでいます。
天皇杯2回戦を含め、6月を負けなしで乗り切ったカターレ。
上位陣との直接対決が組まれる試練の7月。気を張らねばならない試合が続きます。
勝って兜の緒を締めよ。
単独首位が、あたりまえになっていくためにも。
勝ち続ける意思を、さらに強固なものとせねば。