行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

クラブ新記録・6連勝!アクシデントにも揺るがず勝ちきる AC長野パルセイロ戦

2022-06-26 23:40:11 | カターレ富山
1-0で勝利!
信じる思いが力となり、クラブ史上初の快挙を達成。これまでのクラブ最多記録であった5連勝を更新、見事に6連勝を成し遂げたのでした。
試合開始直後から自分たちのペースを掴むと、果敢にゴールを狙うアグレッシブさが奏功して先制。
その後、雷雨の影響で80分もの中断を余儀なくされたものの、再開されたあとも集中力が欠けることはなく。
再開後は長野の攻勢に耐え凌ぐ時間が続きましたが、最後の最後まで、ついにゴールを割らせませんでした。
今節もまた、虎の子の1点を最後まで守りきり、例によってウノゼロ勝利。
クラブ新記録の6連勝、さらに5戦連続無失点勝利と開幕からの連続得点をさらに更新と、まさに記録づくめの勝利を飾り、カターレの歴史に新たな1ページを刻んだのでした。

前節の劇的勝利の記憶も新しいなかで迎えた、連続ホームゲームとして開催された今節。
まだ6月だというのに、日中は夏本番を思わせるような30℃越えの暑さ。けれど、それに怯んでいる場合ではありませんでした。6連勝という新記録達成という目標の前では。
前節・沼津戦と変わらないスタメンで臨むこととなったカターレ。
チームが上手くいっている状態では、やみくもにメンバー編成をいじるようなことはするな、というのが鉄則ではあるものの。
それはつまり、相手にも好調・富山を研究し、対策を立てる猶予を与えるということにもなりますが。
たとえ相手が対策を練ってきたとしても。
それを乗り越えた先にしか、勝利は、連勝はありません。
同じであるからこそ、勝ちきる強さを示すこと。
必達目標をやり遂げる、覚悟が必要でした。

西日が差し込みピッチに長い影をおとすなかで、18時すぎにキックオフ。
試合終了間際のラストプレーにまでもつれさせてしまった沼津戦のこともあったからでしょうか。試合開始からアグレッシブなプレーで攻め入るカターレ選手たち。
その沼津戦で0本だったCKを、まずは1本など。攻めの姿勢を体現しながらの試合の入りとなりました。
沼津戦の苦戦の要因のひとつとして、対策をされていたシルバがうまく機能しきれなかった、ということもあったかと。それ故に、後半開始から末木に交代、結果的にその末木が決勝点のアシストをすることにもつながったのですが。
今節は、前線からのプレスを持ち味とするカターレのスタイルが機能しているように見受けられ。
今節も、やはりシルバからでした。
13分、中央で相手を引きつけながら右から上がっていった吉平にパスをつなげると。
その吉平が、ペナルティーエリア外という距離もいとわずに果敢にシュート!
相手ディフェンスに当たってコースが変わり、GKの軌道予測が逸れるかたちで、ボールはポストとの狭い間を抜けてゴールに吸い込まれ。
期待をかけていた吉平による先制ゴールが決まり、前半の早い段階から連続試合得点を更新、6連勝への道筋をつけることに成功したのでした。
これまで積み上げてきたところの自信がもたらした得点、と言うことも出来たかと。
積極的に狙っていったからこそ決められたゴールであって。ラッキー要素もあったにせよ、それすらも、まずためらいなくシュートしたからこそ。半端なシュートでは決まっていなかったであろう勢いとコースであったことを思えば。
このところの連勝が自信につながっていたからこその先制点であったことは、間違いなかったかと。

先制からそのままの勢いで一気呵成に、といきたかったところでしたが。
上空には、暗くどんよりとした雲が。そして、雷鳴。
主審の判断により、前半20分経過というタイミングで試合を中断。選手たちはロッカーへと引き上げ、観客はスタンド下のコンコースへと退避することに。
前日の金曜日も、同じくらいの時間帯に豪雨となりましたが。
降りだしてから間を置かず、すごい勢いで土砂降りに。中断の判断が妥当であったことを示すことにもなりました。
一昨年の8月、試合開始直前になって雷雨の影響で避難、開催の目途が立たず、結局後日あらためて延期開催となった八戸戦のことを思い出したファン・サポーターも多かったことでしょう。
そのときとは違い、既に試合が始まっている状態で。
最悪、このまま試合中止となって、のこりを後日開催で、というパターンも有り得たところでしたが。
それでも、だんだんと雨の勢いはやわらぎ。19時に状況判断をするというアナウンスが。
結局のところ、約1時間20分の中断を経て、19時40分より再開が決まり。
思わぬかたちで、文字通り試合に水を差された格好ですが、それでも。
勝利の要件を満たしている以上、勝ちきるよりほかありませんでした。

昨シーズンなど、前半後半それぞれの真ん中あたりで飲水タイムがとられ、そこから試合の流れが変わるということもありましたが。
図らずも前半の半ばでの中断となった、この試合。
長野としては、あまり良いとは言えない試合の入り、そこから失点までしてしまった。
けれども、ここでひとつ落ち着く時間が出来て、そこから巻き返すぞ!という流れにもなったかと。
Jリーグの監督のなかでも、その情熱というか意気込みというかをガッツリと出してくるタイプであるシュタルフ監督。その修正力への警戒は、怠ってはなりませんでした。
予想通りというか、再開後は長野がボールをコントロールする時間が増えて。カターレの側が集中力をもって対処、という場面が増えました。
もちろん、追加点を挙げて突き放し、試合の趨勢を決してしまうのが理想であったものの。
なかなか、そういった一方的な展開にまでは持ち込めない。
それよりは、いかにフィニッシュの部分で隙を見せないかが問われ。防戦に割く時間が増える展開が続きました。

1-0のスコアのままに試合を折り返し、後半に入ると、守勢に回る傾向はさらに顕著になったような。
相手の攻勢に対して後手後手という苦しさというよりは、ある程度ボールを回させることでコントロールする、という傾向でしたが。
そうは言うものの。
こちら側から隙を見せてしまうようなことがあれば、そこは個々に高い実力を備えている選手の多い長野。見逃してはくれないでしょう。
FKの場面でキッカーを務めていたベテラン・宮坂 政樹にあっては、この試合がJ通算300試合出場の節目であったとか。
かつて山形に所属していたときに薫陶を受けた、イシさんこと石﨑監督が率いる富山との対戦。そして、その山形時代にチームメイトであった川西が、相手選手としてたちはだかる、と。
そういった気合の入っている選手にやられるようなことがあれば、一気に試合の流れを持っていかれてしまうことも懸念されただけに。
集中力を切らすわけにはいきませんでした。

それでも。
追加点を挙げて突き放す展開にまでは至らなかったものの、攻め込まれ続けて疲弊とまではいかず。
印象的であったのが、カターレの左サイドでした。
長野の選手の中でも特に警戒していたひとりである、船橋 勇真。
サイドチェンジを繰り返しながら、その彼にボールを預けて戦局の打開を図る意図が見てとれた長野でしたが。
それを、しっかりとケアしていたのが左サイドの安藤と姫野でした。
昨シーズン、その船橋にやられてしまうかたちで敗れてしまったYS横浜戦のことを、忘れてなどいません。
共に新クラブに移籍したシュタルフ監督と船橋、その信頼性。それに対し、石﨑監督を慕って富山にやって来た安藤と姫野がしっかりとマークして対処するという。
ある意味、指揮官同士の代理戦争とでも言わんばかりの、なかなかにエモいマッチアップでしたが。
もちろん、こちらがいい加減なプレーをして隙を見せては、それを見逃すことなく突くだけの能力があった船橋。だからこその徹底した対処で、それを与えなかった安藤と姫野。見ごたえがありました。

刻々と時間が経過しつつも、スコアは動かず。
水捌けの良いピッチ状態で、雨の影響が出ることはなかったけれど、それでも。
遠目からのシュートをブロックしよとしたらハンド判定、そこからPKで失点してしまった鳥取戦のこともあります。油断は、決して出来ませんでした。
攻勢が続く長野に対し、集中力を切らすことなくしのぎ続けるカターレという構図が続き。
ここ4試合連続でウノゼロ勝ちが続きましたが、今節もまた、1点を守り切ることが勝利への道、という傾向が続くことに。
そんななかで、試合終了間際には相手のGKまでもが攻撃参加---そんな場面も、何度も見てきましたが。
けれど、譲らず。
サボっている選手など、誰も居ませんでした。
高い集中力が途切れることは、最後の最後まで無く。
そして、試合終了のホイッスル。
見事に勝利し、クラブ新記録の6連勝を達成。最後までゴールを許すことなく、5試合連続のウノゼロ勝利としたのでした。

勝負のアヤというものは、有った試合だったと思います。
この試合の最大のトピックが、予期せぬ80分もの中断であったことは確かでしょう。
もしもそれが無かったとしたら、あるいは同じ結果にならなかったかもしれません。
あるいは、季節外れの暑さの影響が試合中にも残り続けるようなことがあったとしたら。それもまた、同じにはならなかったことかと。
実際、シュタルフ監督のプランとしても、自分たちのペースで富山にゆさぶりをかけ続け、後半の終盤に相手の運動量が落ちてきたような時間帯を見計らって一気に勝負を決める、というものであったとのこと。
しかし、そうはならなかった。
20分で中断され、その後は、ある意味70分の試合であったこと。
土砂降りの雨を挟んで気温が下がり、暑さの影響がほとんどなかったこと。
それらだけでも、だいぶ思惑通りにならない大きな要素であったかと。
さらにもうひとつ、カターレの勝因を挙げるならば。
経験の差という要素もあるかもしれません。
長野県大会で敗れ、天皇杯出場を松本に譲ってしまった長野。
天皇杯に出場し、試合最終盤にこらえきれずに逆転負けをくらい、神戸に痛恨の敗戦を喫したカターレ。その敗戦を教訓とし、ウノゼロ勝利を重ねてきた。
試合最終盤にプレーが雑になってしまうことがあったなら、あるいは長野の思うツボであったかもしれませんが。
そうならなかったのも、これまでの経験が活きたが故。そうではないかと考えます。
まぁ、それはそれで、別の勝負のアヤというものはあるのですが。
もしも神戸に勝利していたら、22日に天皇杯3回戦を戦って、その流れでこちらだけ中2日というハンデを背負って戦うこととなっていた。
そして、その3回戦で山口と対戦していたならば、山口からの期限付き移籍であるGKの山田は出場不可。齋藤が代わって出場というところだったでしょうが、そこからチーム連携の微妙なズレにつながってしまい・・・ということも、有り得たかもしれません。
まぁ、「もしも」という話をいくらしても、詮方ないことではあるのですが。
それでも。
いかなる要因があったとしても、それはそれ。
確かなのは、カターレが勝利したという事実。
これまで成し得なかった6連勝というクラブ新記録を樹立したという事実。
それが、揺らぐことはありません。

他会場では、首位の鹿児島が愛媛に0-1で敗戦。カターレ同様に開幕からずっと続いていた連続得点試合がストップしました。
そして2位いわきと3位松本との上位対決は松本が制し、勝ち点3を積み上げることに。
その結果、順位表こそ前節と変わらないものの、勝ち点29の首位・鹿児島に勝ち点28のいわき・松本・富山が並んで1差で迫るという、大混戦に。
もちろん、まだ折り返してすらいないなかでは、あれこれ言っても時期尚早というものではありましょうが。
けれども。
開幕で大きく躓き、駄目なのかというムードも漂っていたカターレ。それが、信じられない勢いで猛追、昇格戦線に割って入るまでになったこと。
実力で、優勝を狙うチームとしての格をつけた事実。
油断大敵、気を緩めるわけにはいかないけれど、それでも。
積み上げた実績は、嘘をつきません。
クラブ新記録を成し遂げたカターレ。その記録を、さらなる高みへと至らしめるために。
まずは、次節の福島戦。
油断なく、勝ちにいく。
戦いは続きます。

第14節 AC長野パルセイロ戦

2022-06-24 21:08:17 | カターレ富山
終了間際の劇的ゴールで勝利し、見事に5連勝を成し遂げた前節。連続ホーム戦となる今節、その連勝を6に伸ばしてクラブ記録を更新すべく、AC長野パルセイロを迎え撃ちます。

今シーズン、前年までYS横浜を指揮していたシュタルフ 悠紀 リヒャルト監督を招聘、チームを託すこととした長野。
同じリーグで戦っていたクラブから監督を引っこ抜いて指揮官に据える、という方法については、1年前にも同じことをしたクラブがあったな、なんて。
そのシュタルフ監督を慕い、前所属のYS横浜で主力を張っていたメンバー3人が、合わせて長野に移籍。これもまた、どこかで聞いたことがある話だな、なんて。
新たなクラブで心機一転となったシュタルフ監督ですが、迎える今節の富山戦には、相当の思い入れがあるのではないかと。
2019年のYS横浜監督就任以来、富山戦では5連敗。なかには、3点を先行したにも関わらず4点を獲り返されて大逆転負けを喫するという、屈辱的な敗戦もありました。
そんななかで、昨シーズンのアウェイ富山戦。
愛弟子・船橋 勇真の決勝ゴールによって、1-0で勝利。これまで1度も勝てていなかった富山に初めて土をつけることに。
その歓喜たるや、まるで優勝を成し遂げたかのような喜びようであったことが思い出されます。
そして、今節。長野の指揮官として、“前回勝利”の立役者・船橋を従えて乗り込んでくるシュタルフ監督。
ここ最近は5戦連続勝ちなしなど振るわなかったものの、前節は八戸に2-1と逆転勝利。連勝をかけて臨む、モチベーションの高い富山戦。
迎え撃つ側のカターレとしても、警戒を厳とせねばならないところかと。

前節、最後の最後、まさにラストプレーで決勝ゴールが決まり、5連勝を達成したカターレ。それは同時に、4戦連続無失点勝利、そして開幕からの連続試合得点の継続も意味していました。
当然、それらを途切れさせて良いはずがなく。継続、ただその一択でしょう。
2008年のカターレ富山発足以来、15シーズン目となる今シーズンですが。
前人未踏の6連勝に挑む戦い。
けれど、殊更に意識しても仕様のないことかもしれません。結果は、あとからついてくるものであろうし。
また、目先の記録更新だけが出来ればそれでいいかと言えば、そうではなく。
連勝は、目的ではなく過程に過ぎません。
言うまでもなく、優勝を成し遂げるための。
まだシーズンは半分以上残っている状況ではありますが・・・いや、だからこそ。
リーグ前半戦を首位で折り返しながら、後半に失速、優勝を逃してしまった昨シーズンの苦い経験を思えば。
勝つべき試合で勝ちきることの重要性。それでなくとも、現時点で首位・鹿児島との勝ち点差は4。追う立場であるならなおのこと、気を張って勝ちにいかねば。
5連勝とは言っても、前節を例に出すまでもなく、紙一重。
これがもしも、大量得点で圧勝が続いての連勝であったなら、「これまで通りにやれば、まぁ勝てるんじゃないか?」などという気の緩みを生み出してしまうかもしれません。そんななか、どこかでコロッと負けたが最後、歯車が狂ってドツボにハマる、なんてこともあるかもしれません。
幸か不幸か、4戦連続ウノゼロ勝ちのカターレ。連勝中であっても、決して手放しでほめられるような状況ではなく、課題も多いです。
それでも。
2連勝、3連勝くらいまでなら、運やめぐり合わせ、偶然やラッキーでも達成できるかもしれませんが。
JFL時代に5連勝を達成して以後、J参入してからは、カテゴリ移動を踏まえながらも2019年に達成するまで11年もかかりました。
偶発的に、おいそれと出来るものではないことを、良く知っています。
確かな力がなくては出来ない、それが5連勝と。
なんというか・・・二律背反というか。
油断や慢心が憚られるほどのギリギリでありながら、それでも自信を持つべき確かな力があってこそ、という連勝。
どちらが、ではなく、どちらも大事なことなのでしょう。
クラブ新記録の、6連勝。
必ずや成し遂げねばならない重要課題である一方で、それを意識して自分たちのやるべきスタイルがおろそかになっては元も子もないので引き締めねば、と。
どちらか、ではなく、どちらも重要。
その先に、結果としての連勝継続がある・・・そういうことなのでしょう。

期待したいのは、吉平、安藤、姫野の元藤枝3人衆の発奮。
長野がシュタルフ監督に託して目論むチーム強化を、1年先行してやっているカターレが、“成功例”として見せつけてやろうじゃないかと。
讃岐戦で決勝ゴールを挙げた吉平、宮崎戦で決勝ゴールを挙げた安藤、そして昨シーズンのホーム長野戦で2ゴールを挙げて勝利に貢献した姫野・・・と、その試合は吉平にもゴールが。
石﨑監督の信頼も厚い彼らが、カターレ富山の主力として躍動していること。それを、“後発”の長野に見せつけてやろうじゃないかと。
そして、もちろん5戦連続無失点勝利にもおおいに期待したいところ。
守護神・山田にかかる期待は大きいですが、それを叶えてほしいです。
昨シーズンのワーストゲームとなってしまった、アウェイ長野戦。
こちらのやりたいことがほとんどできないままに、あれよあれよと失点を重ね、屈辱的な0-4負け。ホームでは3-0でやり返したものの、だから良しではなく。
長野にとってもリベンジマッチである今節ですが。山田をはじめとした守備陣の堅守でもって、相手に得点のにおいがしないと思わせるような、そんなプレーでもって昨シーズンのネガティブ要素の払拭に繋げられたら、と。

6連勝は、あくまでも通過点。目指すべきではあっても、最終到達点ではなく。
では、最終到達点とは?
言うまでもなく、リーグ制覇、優勝にほかなりません。
そのために越えねばならないハードルであるというならば、当然のように飛び越えるまでのこと。むしろ、躊躇する理由がない。
勝ちながら、強くなる。今節もまた、課題に取り組む道半ばではありますが。
それでも。
不可能なんて無い。あきらめなかったからこその、前節の劇的勝利。
やれば出来る。
6連勝だって、出来ない理由なんてなにひとつ無い!!

難敵長野も、成長のチャンス!
撃破の先に、さらなる飛躍を!!
6月リーグ戦を、全勝無失点で駆け抜けろ!!

勝たれ!!!富山!!!!!

終了間際の劇的ゴール!夜の県総に歓喜、5連勝を達成 アスルクラロ沼津戦

2022-06-20 21:59:20 | カターレ富山
1-0で勝利!
「試合終了を告げるホイッスルが鳴るまで、なにが起こるかわからない」とは言うものの・・・あるいは、あきらめてしまっていた人もいたかもしれません。4連勝止まりでクラブ最多タイ記録の5連勝には届かずじまい、と。
けれど、そうはならなかった。
まさに、試合終了直前。最後の最後に、ドラマが待っていました。
怪我から復帰の大野が久々の出場、そして劇的すぎる決勝ゴール!
土壇場で1止まりであったはずの勝ち点を+3とし。
3年ぶりとなる5連勝を達成し、今シーズン初のホームナイトゲームに詰めかけたファン・サポーターに歓喜を届けることが出来たのでした。

劣勢を強いられながらも粘り強くプレーを続け、少ないチャンスをものにして勝利を掴んだ前節・宮崎戦。
その前節からの変更点として、大畑に代わって今瀬をスタメンに起用。DFの控えメンバーとして、髙山がリーグ戦で初のベンチ入り。
同じく控えとして、ホーム岐阜戦での負傷以来長らく戦線から外れていた大野が帰ってきたのでした。
一年でいちばん日照時間の長いこの時期、西日がスタジアムを染めるなかでのキックオフ。5連勝をかけた試合が始まりました。

別のクラブであるから当たり前、とは言うものの。
正確なパスワークや前線の選手たちによる圧力などで、キツイ防戦を強いられた宮崎戦のことを思えば。ぬるい、というわけではなかったものの、まだいくらか自分たちのペースを保てる猶予があったかと。
お互いに相手の出方を見ながらの、攻め入り方を模索しながらのせめぎ合いとなりました。
ただ・・・それ故に、というか。
そこで相手を圧倒するほどの力をガっと見せつけつつ、首尾よく先制!となれば、言うこと無しだったものの・・・それだけのクオリティでの攻撃は、なかなか叶わず。
守備においても、決定的な破綻は無く、集中して守れてはいたものの・・・かと言って、相手にチャンスそのものを与えないような強固な守りになっていたかといえば、そうでもなく。
不合格と言えるほど悪くはない半面、合格と言えるほど良くもない。
なんとももどかしい展開が続き、どちらにもスコアが動かないままに試合が折り返したのも、ある意味妥当とも言えたかもしれません。

前々節・讃岐戦と前節・宮崎戦は、図らずも同じような時間帯に同じように得点、それが決勝点となるかたちで勝利してきました。
0-0で折り返した後半開始から10分ほどのタイミングで、中盤でのボール奪取から速攻カウンター、機を逃さず決めきってゴール、と。
当然のことながら、対戦相手はそういったカターレのデータを収集、対策を講じてくるわけで。
2試合ともに、反攻の起点となったのがシルバ。それを受けるかたちで川西なり安藤なりが決定的な仕事をして、得点に結びつけた、と。
なかなか思うようにいかずにいた試合展開も、沼津側の各選手に対する対抗策が効いていた結果とも言えたのかもしれません。
あらためて感じる、リーグ戦の難しさ。
5連勝を目指す戦いとなったものの、それを成し遂げるには、対策を講じてくる相手を上回る力を発揮してこそ成し得るもの。
わかっていたはずですが、それを改めて認識させられたというか。

それでも、勝たねばならない。
シルバに対してのマークがきついことで上手くいかないというならば、と、後半開始時に末木に交代するという策に出た石﨑監督。
64分に吉平に代えて大野、77分に姫野に代えて高橋と、いつもよりいくらか早いタイミングでの交代。
あまりうまくいっていない状況で、その流れを変えるためにフレッシュな選手を投入する―――選手の途中交代とは、そもそもそういうものではありますが。
その意図をしっかり体現できるかは、各選手の腕の見せ所であり。それが的確にできるということが、すなわちチームの深み、総合力の髙さにつながります。
交代して入った大野が前線でターゲットになる、高橋が裏への抜け出しを企図してプレッシャーをかけるなど、それぞれに持ち味を発揮。
対抗策を講じられたら、別プランで対抗。そういった意図がしっかりと見てとれたかと。

ただ・・・なかなか、主導権の掌握にまでは至らず。
なんとかしっかりとしのげていたから良かったものの、沼津のCKが6回に対し、カターレは0回とか。
対応が追い付かないレベルでの劣勢でこそなかったものの、それでも相手にチャンスそのものを与えないほどにはプレッシャーを与えられていなかった、というか。
じりじりとした展開が続き、時計は進み。
試合開始時にはまだ明るかったスタジアムも、気が付けば完全にナイトゲームのそれ。
試合は、最終盤へ。

どちら側も決定機を作り出せないままに無得点、スコアレドローで試合終了か―――そういった雰囲気が、限りなく高まっていくなかで。
応援を続けるなかで、「それでいいのか?」と自問していました。
このままスコアレスドローとなった場合、どうなるか?
敗戦が最悪の結果とするならば、たとえ勝ち点1になろうが上積みがあったほうが良いに決まっている。
上手くいく試合ばかりではない。たとえ勝てずとも、無失点試合を継続して4試合連続無失点とする価値はあろうし。
最低限、連続負けなしを更新するということを果たせたならば。
・・・けれども。
今一度、自分に問いました。「それでいいのか?」と。
自分の中で、結論は出ていました。

「それじゃ、駄目だ!」

現在4位のカターレは、上位を追撃せねばならない身。必要なのは勝ち点1ではなく3であることは自明。
それに・・・連続無失点であったとして、連続負けなしを更新したとして。
それは、開幕からの連続得点試合のストップを受け入れてまで守らねばならないものなのか?と。5連勝達成という目標をあきらめてまで受け入れなければならないものなのか?と。
違うだろう。
ここでもしも、それを受け入れてしまったら。
きっと、繰り返しになってしまう。
去年のアウェイ沼津戦で敗れ、シーズン後半戦も行くぜ!という勢いに水を差されてしまったことと、同じになってしまう。きっと、のちのち響くダメージの端緒となってしまう。
それじゃ、駄目だ。
絶対に、勝たねばならないんだ!!

気づけば、試合も最終盤も最終盤、アディショナルタイム。
3分?たった3分かよ!
けれど、あきらめるわけにはいかない。
どうしても、勝たねばならないんだ!

・・・そして、それは起きました。

互いに蹴り出すボールの応酬のなか、末木が思いを込めて、信じて、ヘッドでボールを前線へと押し出すと。
後方からのそのパスを、駆け上がっていた大野が勢いのままに強烈なボレーで叩き込み、ゴール!!!
鮮やかすぎるシュートに、コロナ禍での大声自粛もなにもあったもんじゃない。これで魂が揺さぶられないカターレファン・サポーターなどいるものか!
沼津ボールでのリスタートとなったものの、ほぼカタチだけ。ものの数秒で、試合終了のホイッスル。まさに、ラストプレーでした。
劇的にもほどがある幕切れで、見事に勝利したカターレ。
クラブ最多タイ5連勝を成し遂げ、連続得点試合も更新。守っても、4戦連続無失点のウノゼロ勝利。
ホーム県総が、熱狂のるつぼと化したのでした。

第5節の岐阜戦以来、怪我の影響で戦線を外れていた大野ですが、復帰戦となったこの試合で、見事に大仕事をやってのけました。
開幕戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者となったときに語っていたことですが、今シーズンは川西に教えを乞うかたちで、実戦にありそうなシチュエーションを想定しながらの練習をしているとのこと。普段の練習からそういった意識を常に持っておくことで、本番である試合においても活きてくる、と。
今回のゴールは、まさにそういった努力のたまものであったかと。
もしも、慌てて状況に対応できずにシュートとなってしまっていたなら、きっとジャストミートできずに明後日の方向に、ということになっていたことかと。
走り込みながら後方からのボールを迷いなく蹴り込む技術と胆力というものは、出場できない間もくさることなく努力を続けてきた成果にほかならないでしょう。
まさに、値千金のゴール。感服しました。

他会場では、いわきが2点のリードを守り切れずに痛恨のドロー、首位を鹿児島に明け渡すことに。そして、3位の松本は愛媛に敗戦。カターレは4位と変わらないものの、松本と同勝ち点。首位鹿児島と勝ち点差4にまで迫ることとなりました。
クラブ最多タイの5連勝。そして、今シーズンどのクラブも成し遂げていない5連勝。あらためて、成し遂げることができた意義の大きさというものを実感します。
きっと・・・優勝するクラブには、こういった勝利が必要なのだと思います。
昨シーズンのアウェイ沼津戦での敗戦が、後の不振につながってしまったことを思えば。
その逆、この勝利があったからこそ優勝に繋げることが出来たーーーシーズン終了後に、そう言えるように。
まずは、次節。
連続得点試合を継続するとともに、連続無失点も更新すべく。
クラブ新記録を打ち立てるという強い意志とともに、勝利を目指さねば。


第13節 アスルクラロ沼津戦

2022-06-18 20:41:45 | カターレ富山
非常に重要な位置づけの試合と目されていた宮崎戦で、見事に勝利を飾った前節。その流れを継ぐべくクラブ最多タイの5連勝をかけて、今シーズンのリーグ戦で初のナイトゲームとして、ホームでアスルクラロ沼津を迎え撃ちます。
過去の対戦成績からすれば、なんとも分の悪い相手。気を引き締めて臨まねば、「連勝中だし、今回もなんとかなるだろ」などという甘い考えでいては、勝てるものも勝てなくなってしまうでしょう。
それでなくとも、上位チームが力を発揮している現状を覆していくには、勝利が不可欠。ならば、それを得るために全力を尽くす以外にはありません。
ホームで、強いカターレをファン・サポーターに見せつけ、そして勝つ。それがなにより重要です。

今シーズンここまで12試合で、5勝1分け6敗の沼津。端的に言えば、「勝ったり負けたりしているチーム」といったところでしょうか。
鹿児島や松本といったクラブに勝てなかったまでも0-1の惜敗であったり、長野や岐阜といったクラブには勝利していたり。決して、どうにも力の差がハッキリしていて上位進出できないというわけではなく。実力的に引けを取るわけではないけれど、それになかなか結果がついてこない、というところのように思えます。
序盤戦の躓きを取り返すように連勝しているカターレではありますが・・・どこかでなにかが違っていれば、あるいはカターレのほうが5勝1分け6敗、沼津のほうが7勝1分け4敗、ということもありえたかもしれません。
天皇杯は静岡県大会で藤枝に代表の座を奪われて不参加、その後、愛媛と引き分け、リーグ戦での再戦となったアウェイでの藤枝戦に敗れ、続く鹿児島戦にも敗戦。1分け2敗と結果が出せていなかったところ、前節のYS横浜戦に勝利し、4試合ぶりに白星を挙げました。
そして迎える今節。
ここまで通算成績7勝1分け2敗と相性の良い富山を撃破して連勝を目指すべく乗り込んできます。
また、ここまでアウェイ戦では1勝5敗と苦しんでいるだけに、その嫌なジンクスを払拭せんと、気合も入っていることかと。

前述のように、2017年の初対戦以来、カターレにとってどうにもこうにも相性の悪い相手である沼津。
前回対戦は昨年9月の第17節でした。
リーグ前半戦を首位で折り返し、後半戦初戦となった藤枝戦にも勝利。「よし、このまま行くぜ!」と気合を入れていたところに冷や水を浴びせられるような敗戦でした。
前半戦を2敗で折り返しながら、しばらく忘れていたはずの“負け方”というものを、突きつけられてしまったかたち。
その後もなんとか踏ん張ったものの、そこで生じたズレが、やがて3連敗などの致命的な結果へと結びつくこととなってしまい。
結果、悲願のJ2復帰を逃すことにつながってしまったのでした。
今節、もしもこれまでの戦績を踏襲するかのように、沼津にあえなく敗れてしまったとしたならば。
ここ最近積み重ねてきた4連勝も、連続無失点も、すべて無かったことになってしまうようなダメージを被ってしまうことになりはしないか?そんな危惧があります。
けれども。
ここまで7勝を挙げているカターレと5勝の沼津とでは、カターレのほうが上であると。その実績、そして自負があれば、これまでの戦績など関係ないものとしてはねつけるべきものです。
前節の宮崎戦も苦戦を強いられ、紙一重での勝利ではありました。
けれど、そんな辛勝にしてみたところで。
カターレのほうが勝ちなれていたから。カターレのほうが強かったからこそ勝った。
それは、偶然やまぐれだったかといえば、さにあらずでしょう。
偶然でしか勝てないようなチームが、4連勝なんて出来ません。
だからこそ。
強いのはカターレのほうだ、勝つのはカターレのほうだ、その揺るがぬ意志で、勝利を掴み取らねば。
それに、過去の戦績と言うならば、昨シーズンのホームゲームではカターレが3-0で勝利しています。花井の超ビューティフルゴールが月間最優秀ゴールに選ばれたりした快勝でした。
それを、今節も勝つことで思い出させてやろうじゃないかと。
ただでさえ、沼津にとってはここまで1勝5敗のアウェイ戦。「今回も負けたらどうしよう」という不安は、無いとは言わせません。
そこに降りかかる、カターレの全試合連続得点。そして連勝の勢い。
勝たねばならない理由しかみつかりません。

勝利のためには得点が不可欠ということで、このところ結果を出している安藤や吉平、起点となっている川西やシルバらの活躍にも、もちろん期待したいですが。
ここは、あえて、というか。碓井の活躍に期待したいです。
いかに相手の攻撃の芽を摘み、いかにこちらの攻撃に繋げていくか。
その舵取りを担う碓井には、万全のプレーでもって、チームにリズムを生む起点となってほしいです。
前線から吉平らが労を厭うことなくプレッシャーをかけてくれる、そこで相手が慌てたところを、しっかりと攻撃につなげること。
逆に相手の攻撃時には、そのリズムを崩して良いかたちにもっていかせないこと。
そういった縁の下の力持ち的な役割を、的確かつ確実に成し遂げてほしいです。
そして、相模原戦での決勝ゴールにつながったような、高精度のFKも、ゴールを挙げるには大きな武器。それを活かさない手はないでしょうよ。
前節はGKの山田の大活躍が大きな勝因となりましたが、今節は、良い意味で目立ってほしくない。ディフェンス陣と併せて、碓井の活躍によって山田が大きな仕事をしなくてもよい状況を作り出してほしい。そう願います。

2019年に達成して以来の、チーム最多タイである5連勝に挑む今節。
今シーズンここまで、4位のカターレよりも上位にいるいわきや鹿児島、松本にも成し遂げられていない、5連勝。
だからこそ、挑まねば。達成せねばならない記録です。
シーズン序盤の躓きで、優勝戦線から早々と脱落したかに見えた富山が、このところ猛追を見せている―――上位陣が好調なことで、今現在はそれほど目立っていないけれども。
4連勝しながらも前節敗れた鹿児島など、これまでどこも成し遂げていない5連勝。
それを富山がやってのけたとなれば。
カターレが優勝を目指すチームにふさわしいと、他クラブだって認めないわけにはいかないはず。
優勝の栄冠は、待っていても掴めやしない。自ら勝ち星を重ね、奪い獲らねばならないもの。
優勝にふさわしいクラブとして、その格を示す意味でも。
5連勝、やり遂げるしかないでしょう。

成せばなる!必ずや、5連勝!
優勝を目指すチームの格を見せろ!
勝ち抜く強さをホームのファン・サポーターに示し、夜の県総に歓喜を!!!

勝たれ!!!富山!!!!!

堅守が光り、無失点勝利!劣勢をしのぎ切り、4連勝 テゲバジャーロ宮崎戦

2022-06-13 22:05:16 | カターレ富山
1-0で勝利!
戦前の予想通り、手強かった宮崎に劣勢を強いられ、大変に厳しい試合でした。
それでも、勝った。
同じ条件でもう1試合やったとしたら、果たして同じ結果になったかどうか?
それでも、勝った。
勝つと負けるとでは天と地の差がある、と覚悟していましたが、その試合を見事に制して4連勝を達成。守っても3試合連続無失点勝利。
劣勢にあっても粘り強く戦う強さを身につけてきた感のあるカターレ。
順位を4位にまで上げ、今節の結果、鹿児島に代わって首位に立ったいわきまでの勝ち点差は5。
7あった首位までの差を2つ縮められたのも、勝たねばならなかった今節・宮崎戦を制したからこそ。
苦しい試合となってしまった反省も、もちろん必要ですが。それを勝ちながらのブラッシュアップとすることができるという、その意義の大きさよ。
止まることなく、走り続けねば。

通常であればアウェイ戦は白の2ndユニフォームを着用するところ、白を基調としたユニフォームの宮崎ということで、カターレブルーの1stユニフォームの着用となったカターレ。
残念ながら戦線離脱となってしまった鹿山に代わり、鎌田がスタメン復帰。そのほか、松本に代わって神山が入った以外は、前節と変わらないメンバーで臨むこととなりました。
試合は序盤から、予想通りに前線からのプレスの富山とパスサッカーの宮崎という構図に。
そのなかで、より力を発揮していたのは宮崎のほうでした。
各選手のポジショニングの良さ、ということでしょうか。マイボールとしてからのつなぎのスムーズさ、そこからの前線の選手たちの果敢に狙っていく姿勢。
そして、印象的だったのが、セカンドボールをしっかり奪取する的確さ。それによって、なかなかカターレの側は反転攻勢に出られず。
薗田 卓馬、工藤 壮人、岡田 優希の3トップには迫力があり、繰り出すシュートは、枠内を捉えている。甘さが出たり、不用意なミスがあってはやられてしまう雰囲気がプンプンと。
それでも。
そんな宮崎の攻勢に立ちはだかったのが、GKの山田。
すごい集中力で、身体を張ってシュートを阻止。いわゆる「当たっている日」という状況が見てとれました。
あくまで、そうではないか?という予想ですが・・・先の天皇杯2回戦、痛恨の逆転負けを喫してしまった神戸戦の経験が活きているのでは?と。
あの無念さが、ピンチになっても、いやピンチの場面でこそ、自分を奮い立たせて動かねばならないという認識に至っているのではなかろうかと。
そんな山田の奮闘もあり、どうにかしのげているものの。
なかなか有効な攻撃につなげるにまでは至らず。明らかに、宮崎のペースで試合が進み。
ほぼ防戦一方というなかでも、最後は決めさせず。なんとか無失点を続け、0-0で試合を折り返すことに。

それでも。
「今日はダメな日だ」と悲観することは、しませんでした。むしろ、前半が良くないということならば、ハーフタイムで修正する猶予があるじゃないか、という心持ちで。
前節の讃岐戦は、今節とは逆に前半の自分たちの時間帯を活かせずに0-0折り返しであったところ、後半開始早々にゴールを挙げ、それが決勝点となりました。
それがあっただけに。
試合は、90分を通じてのもの。だからこそ、悲観などしない、と。
すると。
讃岐戦のゴールは60分にシルバのボール奪取からの流れでうばったものでしたが。
またしても、起点はシルバでした。
55分、相手のゴールキックをピッチ中央で胸トラップでカット。それもただカットするのではなく、左サイドに流れる安藤に向けての的確なパスに。
それにしっかり反応した安藤と、一瞬判断の遅れた宮崎の選手。ふたりがかりでの対応というよりは、ふたりとも詰めきれずというなかで。
前が空いた状態から、ペナルティーエリア外であったものの、安藤のシュートには躊躇がなく。左足を振り抜いたグラウンダーのシュートがゴール左隅に吸い込まれ。
待望の先制点が決まり、連続得点試合を更新したのでした。
もちろん、決めきった安藤の決定力が賞賛されるべきことは間違いないという一方で。
彼ひとりの功績というわけではなく、それに至るまでの布石がありました。
52分、左からのクロスにゴール前で待ち構えていた川西がヘッド、叩きつけたバウンドが枠内を捉えていたものの、GKのファインセーブで阻止された、という場面がありました。
そして先制点のきっかけとも言えたゴールキックに至るプレー。枠外となってしまったものの、吉平のペナルティーエリアからも果敢に狙っていくシュートがありました。
そのように、ゴール付近からも遠目からも、どちらからでも狙うように印象付けていたこと。
もっと言えば、後半開始から、川西を1トップに置く一方で吉平を少し下げた位置にポジショニングするなど、フォーメーションに微調整を加えていたこと。
それらの戦略が功を奏するかたちで、見事にゴールに結びついた格好となりました。
ここ5試合連続で無失点という堅守を誇っていた宮崎のゴールをこじ開けての、連続得点試合更新。勝利への機運が、一気に高まりました。

ただ、宮崎もさるもの。
均衡が崩れたからといって意気消沈することなどなく。失点からのリスタートの流れから、お返しとばかりにペナルティーエリア外からのシュートでカターレゴールを脅かすなど、同点、逆転を目指して攻勢を強めることに。
72分には、この日最大のピンチが。
カターレ側陣内左サイドから中央へとグラウンダーのクロス、ゴール正面でつながれてしまい、それを蹴り込むだけ、という地を這うようなシュート。
その敵ながら見事な連携に、やられた!と思ったら。
しゃがみこんだ山田が間一髪で足に当て、超ファインセーブ!事なきを得たのでした。
突き放す追加点を奪えたら良かったことは言うまでもないものの、防戦に追われてなかなかチャンスも作り出せず。我慢の時間帯が続きました。

アディショナルタイムは3分くらいのところが4分になるか?・・・って、5分かよ!長げーよ!というツッコミもそこそこに。
攻める宮崎と、しのぐカターレ。
前節の讃岐戦でも見た光景であるところの、相手GKも攻撃参加する最終盤。
それでも。
最後の最後まで、得点を許すことは無く。
試合終了。
8試合連続負けなしにして5試合連続無失点、そして昨シーズンの8月からずっとホームで負けていなかった宮崎に、12試合ぶりという黒星をつけ。
我慢の試合を制し、3戦連続での1-0勝利。そして4連勝を達成したのでした。

本当に苦しい試合で、敗戦、ドローという結果でもおかしくなかったけれど。
それでも、勝った。
2度あることは3度ある、ではないですが・・・ラッキーだけで1-0勝利が3回も続かないでしょう。特に、この宮崎戦のような劣勢を強いられながらの試合であったならなおのこと。
難敵相手でも、退かなかったこと。勝利への執念を、絶やさなかったこと。
カターレの実力で奪い取った勝利であることは、間違いありません。

4連勝で首位を走っていた鹿児島が岐阜に敗れ、連勝ストップとともに手痛い首位陥落となった今節。
上位チームだからといって安泰などではないことが証明されたかたち。
それでなくとも、追う立場のカターレにあっては。
首位で折り返した昨シーズンにすらなかった、4連勝。けれど、あくまで過程であって、現状がなにかに保障されるわけでもなく。
3戦連続1-0勝利というように、まさに紙一重。油断など出来ようはずもありません。
それでも。
偶然やラッキーでは成し得なかった連勝であることもまた、事実。
過信、慢心はいけないにしても、得られてしかるべきの手応えや自信を取りこぼすこともまた、あってはならないこと。
まずは、次節の沼津戦に向けて。たゆまぬ努力の先にある勝利を目指し、精進していかねば。