0-1で敗戦。
残り2試合になるまで、幾度も諦めそうになりながらも繋いできた昇格の可能性の糸でしたが・・・。
それが、ついにちぎれてしまうことに。
前半の段階で1人少なくなるというアクシデントに見舞われながらも、必死にプレー。
相手の攻勢を耐え凌ぎ、劣勢にも屈せず敢然と勝利を目指しましたが。
痛恨の失点、そして敗戦。
昇格ならず。そして、来季もまたJ3が確定。
・・・正直、なかなか気持ちの整理が出来ません。
割り切るには、受け入れるには、どうにもこうにもやるせない現実。
今はまだ、受け入れることは難しいですが、それでも。
残り1試合を、戦いきるために。
まだ、シーズンそのものは終わっていないのだから。
残り全勝が最低条件、しかも他クラブの結果次第の他力本願という厳しいなかにあっても、それでも。
ここで終わるものであれば、3連敗を喫したとき、熊本に前半で2点を先行されたとき、さらに宮崎に先制されたときに、すでに終わってしまっていたはず。
前節からの1週間で、宮崎戦の決勝ゴールをアシストした碓井までもが怪我で離脱という知らせも。
けれど。
あきらめるという選択肢は、ありませんでした。
そんななかで、前節との変更点として、陽次がスタメン起用されることに。
陽次と言えば、かつて岩手戦では4試合連続でゴールを決めたこともある“岩手キラー”。この負けられない、勝つしかない試合でも、その再現が期待されました。
そして、期待と言えば前節に同点ゴールを挙げた末木。その手応えを今節にも継続して連勝を果たすべく、是非とも活躍を!と。
この1週間で、来シーズンの新戦力として法政大学からMF安光 将作の加入が発表されました。やはり法政大学出身である末木にとっては、2学年下の後輩にあたります。
ならばこそ。トップチームのレギュラーとして第一線で活躍する姿を、正式契約となった後輩にもよく目に焼き付けてもらおう!そんな試合でもあったかと。
やはり11月も終わりとなれば、吹き付ける風は肌寒く。それでも雨の心配は無い良コンディションのなかでの試合となりました。
岩手にとってホーム最終戦にして、他会場の結果次第で昇格が確定する試合。座席のキャパシティ的には、コロナ禍の現状を鑑みれば、大入りと言える観客が詰めかけることに。
白のユニフォームの岩手に対し、アウェイながら青の1stユニフォームで挑むカターレ。
8戦連続負けなし、2連勝中と、現状でリーグいちばんの勢いを持つ岩手に対し、決然と挑みかからねばならなかったカターレであったなかで。
やはり前回対戦でも手を焼かされたFWブレンネルの個の力というものは脅威で、甘い対応など許されないところ。
チームとして培ってきた自信がそうさせるのでしょう、攻守にわたって圧力をかけてくる岩手に対し、こちらも負けじと跳ね返し続け。
ゴールポストに救われるなど危ない場面をありつつも、それでも守勢一辺倒にならずに、なんとか反撃の糸口をみつけていかねばーーーそういった展開で試合が進行しました。
ただ・・・。
気になったのが、審判のジャッジ。
そりゃ、贔屓目で観ていることは否定しませんし、ジャッジに文句をつけることそのものは、褒められたことではないことも承知。
それでも。
愚痴りたくなるほどには、岩手寄りの判定に思えてならず。
相手ではなく審判と戦うなど愚の骨頂、理屈ではわかっていても。
それでなくとも、負けられない、勝つしかない試合で。
公正であると信じたくても、それでも、と言わざるを得ない判定には、やはりモヤモヤとさせられてしまうことは確かで。
そして・・・その影響が、最悪のかたちで顕現してしまうことに。
林堂や安藤といった累積警告が3枚、出場停止までリーチがかかっている選手に自制を求めつつも、それを気にしていては勝たねば終わりの試合で次を考えても、という葛藤があったりしたものの。
そんなファウルトラブルに見舞われたのは、なんと末木でした。
シーズン前半は途中出場、後半からはスタメンに定着していた彼ですが、前節の宮崎戦でイエローを出されるまで、1度も警告を受けておらず。
ある意味、チームきっての縁遠さと思っていた彼が、30分、42分と立て続けにイエロー、退場となってしまったのでした。
どうしても勝たねばならない試合、それも岩手の手強さというものをあらためて実感してきたなかでの、数的不利。
しかも、1人少ないなかでの戦術の調整ということで、久々のスタメン起用ながらも良い動きを見せてチームを盛り立てていた陽次が引っ込まざるを得ないことに。
さらに言えば、この退場によって末木の次節出場停止が確定。ただでさえ、碓井の負傷離脱の影響もあるなかで。
これまでも負けてはならない試合で先制されて大ピンチ、などありましたが。試練というには、きつ過ぎるだろと。
いかんともしがたい、もやもやとした気分でハーフタイムを迎えることに。
それでも。
数的不利からチームが瓦解、やられたい放題になって惨敗、などというケースも無理からぬ想定であったなかにあっても。
その不利を感じさせないほどに、敢然と立ち向かっていたカターレの選手たち。
決してワンサイドゲームなどではなく、あるいは岩手の選手たちも1人多いという認識ではプレーしていなかったかもしれません。
0-0のまま、時間が経過し。
ドローでもアウト。勝つしかない。
最後の最後まで気力を振り絞り、勝つしかーーー。
・・・けれど。
無情にも、先にゴールを揺らしたのは岩手でした。
85分、小野田 将人に自身初ゴールとなる先制点を決められてしまい。
一気に沸き立つ、いわぎんスタジアム。
あきらめるわけにはいかない、勝て!
その思いも、届かず。
無情の、タイムアップ。
その瞬間、か細くも繋ぎ続けていた昇格への糸は、切れ。
悲願成就ならず、来季もまたJ3となることが、確定してしまったのでした。
他会場で、勝てば優勝と昇格が決まっていたはずの熊本が敗れ。結果、宮崎が首位に返り咲いてシーズン終了。
それにより、目の前で岩手にJ2昇格確定を祝われる、というシーンを見ることはありませんでしたが。
「まぁいいさ、次を勝って、優勝で昇格だ!」とホクホク顔の岩手サポーターと、無念をにじませるカターレサポーターとの、明暗。くっきりにもほどがある、コントラスト。
勝負の世界の非情さというものが、まざまざと。
・・・正直言って、まだ気持ちの整理はつきません。
後悔、嘆きといったものは、いくらでも出てくるでしょうが。
けれども。
それらを実感するには、シーズン終了後にいくらでも時間がある。
悲願は、果たせずとも。
やるべきことは、まだ残っています。
シーズン最終戦・ホームでの鹿児島戦を勝利すること。
反省は、そのあとでいい。
まずは、その最終戦を全力で戦うこと。
戦いは、続きます。