行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

終戦。奮闘実らず力尽き、昇格の可能性が消える いわてグルージャ盛岡戦

2021-11-29 23:27:03 | カターレ富山
0-1で敗戦。
残り2試合になるまで、幾度も諦めそうになりながらも繋いできた昇格の可能性の糸でしたが・・・。
それが、ついにちぎれてしまうことに。
前半の段階で1人少なくなるというアクシデントに見舞われながらも、必死にプレー。
相手の攻勢を耐え凌ぎ、劣勢にも屈せず敢然と勝利を目指しましたが。
痛恨の失点、そして敗戦。
昇格ならず。そして、来季もまたJ3が確定。
・・・正直、なかなか気持ちの整理が出来ません。
割り切るには、受け入れるには、どうにもこうにもやるせない現実。
今はまだ、受け入れることは難しいですが、それでも。
残り1試合を、戦いきるために。
まだ、シーズンそのものは終わっていないのだから。

残り全勝が最低条件、しかも他クラブの結果次第の他力本願という厳しいなかにあっても、それでも。
ここで終わるものであれば、3連敗を喫したとき、熊本に前半で2点を先行されたとき、さらに宮崎に先制されたときに、すでに終わってしまっていたはず。
前節からの1週間で、宮崎戦の決勝ゴールをアシストした碓井までもが怪我で離脱という知らせも。
けれど。
あきらめるという選択肢は、ありませんでした。
そんななかで、前節との変更点として、陽次がスタメン起用されることに。
陽次と言えば、かつて岩手戦では4試合連続でゴールを決めたこともある“岩手キラー”。この負けられない、勝つしかない試合でも、その再現が期待されました。
そして、期待と言えば前節に同点ゴールを挙げた末木。その手応えを今節にも継続して連勝を果たすべく、是非とも活躍を!と。
この1週間で、来シーズンの新戦力として法政大学からMF安光 将作の加入が発表されました。やはり法政大学出身である末木にとっては、2学年下の後輩にあたります。
ならばこそ。トップチームのレギュラーとして第一線で活躍する姿を、正式契約となった後輩にもよく目に焼き付けてもらおう!そんな試合でもあったかと。

やはり11月も終わりとなれば、吹き付ける風は肌寒く。それでも雨の心配は無い良コンディションのなかでの試合となりました。
岩手にとってホーム最終戦にして、他会場の結果次第で昇格が確定する試合。座席のキャパシティ的には、コロナ禍の現状を鑑みれば、大入りと言える観客が詰めかけることに。
白のユニフォームの岩手に対し、アウェイながら青の1stユニフォームで挑むカターレ。
8戦連続負けなし、2連勝中と、現状でリーグいちばんの勢いを持つ岩手に対し、決然と挑みかからねばならなかったカターレであったなかで。
やはり前回対戦でも手を焼かされたFWブレンネルの個の力というものは脅威で、甘い対応など許されないところ。
チームとして培ってきた自信がそうさせるのでしょう、攻守にわたって圧力をかけてくる岩手に対し、こちらも負けじと跳ね返し続け。
ゴールポストに救われるなど危ない場面をありつつも、それでも守勢一辺倒にならずに、なんとか反撃の糸口をみつけていかねばーーーそういった展開で試合が進行しました。
ただ・・・。
気になったのが、審判のジャッジ。
そりゃ、贔屓目で観ていることは否定しませんし、ジャッジに文句をつけることそのものは、褒められたことではないことも承知。
それでも。
愚痴りたくなるほどには、岩手寄りの判定に思えてならず。
相手ではなく審判と戦うなど愚の骨頂、理屈ではわかっていても。
それでなくとも、負けられない、勝つしかない試合で。
公正であると信じたくても、それでも、と言わざるを得ない判定には、やはりモヤモヤとさせられてしまうことは確かで。
そして・・・その影響が、最悪のかたちで顕現してしまうことに。
林堂や安藤といった累積警告が3枚、出場停止までリーチがかかっている選手に自制を求めつつも、それを気にしていては勝たねば終わりの試合で次を考えても、という葛藤があったりしたものの。
そんなファウルトラブルに見舞われたのは、なんと末木でした。
シーズン前半は途中出場、後半からはスタメンに定着していた彼ですが、前節の宮崎戦でイエローを出されるまで、1度も警告を受けておらず。
ある意味、チームきっての縁遠さと思っていた彼が、30分、42分と立て続けにイエロー、退場となってしまったのでした。
どうしても勝たねばならない試合、それも岩手の手強さというものをあらためて実感してきたなかでの、数的不利。
しかも、1人少ないなかでの戦術の調整ということで、久々のスタメン起用ながらも良い動きを見せてチームを盛り立てていた陽次が引っ込まざるを得ないことに。
さらに言えば、この退場によって末木の次節出場停止が確定。ただでさえ、碓井の負傷離脱の影響もあるなかで。
これまでも負けてはならない試合で先制されて大ピンチ、などありましたが。試練というには、きつ過ぎるだろと。
いかんともしがたい、もやもやとした気分でハーフタイムを迎えることに。

それでも。
数的不利からチームが瓦解、やられたい放題になって惨敗、などというケースも無理からぬ想定であったなかにあっても。
その不利を感じさせないほどに、敢然と立ち向かっていたカターレの選手たち。
決してワンサイドゲームなどではなく、あるいは岩手の選手たちも1人多いという認識ではプレーしていなかったかもしれません。
0-0のまま、時間が経過し。
ドローでもアウト。勝つしかない。
最後の最後まで気力を振り絞り、勝つしかーーー。
・・・けれど。
無情にも、先にゴールを揺らしたのは岩手でした。
85分、小野田  将人に自身初ゴールとなる先制点を決められてしまい。
一気に沸き立つ、いわぎんスタジアム。
あきらめるわけにはいかない、勝て!
その思いも、届かず。
無情の、タイムアップ。
その瞬間、か細くも繋ぎ続けていた昇格への糸は、切れ。
悲願成就ならず、来季もまたJ3となることが、確定してしまったのでした。

他会場で、勝てば優勝と昇格が決まっていたはずの熊本が敗れ。結果、宮崎が首位に返り咲いてシーズン終了。
それにより、目の前で岩手にJ2昇格確定を祝われる、というシーンを見ることはありませんでしたが。
「まぁいいさ、次を勝って、優勝で昇格だ!」とホクホク顔の岩手サポーターと、無念をにじませるカターレサポーターとの、明暗。くっきりにもほどがある、コントラスト。
勝負の世界の非情さというものが、まざまざと。

・・・正直言って、まだ気持ちの整理はつきません。
後悔、嘆きといったものは、いくらでも出てくるでしょうが。
けれども。
それらを実感するには、シーズン終了後にいくらでも時間がある。
悲願は、果たせずとも。
やるべきことは、まだ残っています。
シーズン最終戦・ホームでの鹿児島戦を勝利すること。
反省は、そのあとでいい。
まずは、その最終戦を全力で戦うこと。
戦いは、続きます。
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第29節 いわてグルージャ盛岡戦

2021-11-27 14:17:50 | カターレ富山
2021シーズンも残すところあと2試合。今シーズン最後のアウェイ戦として、昇格を争う直近のライバルとの直接対決、3位・いわてグルージャ盛岡と対戦します。
現在4位、残り2連勝が必須条件でありながら、のみならず今節最終戦を昇格確定をかけて戦う宮崎が勝利を逃すこと、そして次節、岩手もまた勝利を逃すこともまた必須条件となるという・・・他力本願の部分が多分にある中にしか、カターレの昇格の道はありません。
けれども。
たとえ厳しい条件であろうと、現時点で5位以下がその可能性が断たれてしまっていることを思えば。
可能性が残っているならば、それに賭けて、信じて勝ちきるだけのこと。やるべきことをやり遂げる、それだけのことです。
たとえか細くとも、道は続いている。ならば、突き進むまで。

この終盤戦の混戦の要因のひとつとして、カターレの、そして熊本の失速があったことが挙げられるかと。
カターレはよもやの3連敗からの4戦勝ちなし、熊本もまた3分けを含む4戦勝ちなし。お互いになかなか勝ち点3を積み上げられないもどかしい状況が続いたなかで、前節、ようやく5試合ぶりの勝利を挙げたのでした。
そんななか、ここ8試合連続負けなし、5勝3分けと順調に勝ち点を伸ばしていたのが岩手。
前節も讃岐を相手に前半で3得点を挙げて早々と試合の行方を決すると、反撃を1点に抑えての完勝。今節のホーム最終戦に向けて順調ぶりをみせつけました。
就任2年目の秋田監督の攻撃サッカーが成熟するかたちで冴えを見せ、自信を結果に繋げているなかで。
今節の直接対決で富山の息の根を止めつつ、宮崎の結果次第で昇格確定、その歓喜をホームで分かち合うべく、手ぐすね引いて待ち構えていることでしょう。

ただでさえ勝利以外は即終了というなかで。その上、あるいは2試合連続首位対決となった熊本戦、宮崎戦よりも、さらに厄介な相手となろうかという岩手。
プレッシャーがかかってあたりまえ。それでなくともアウェイ戦、いつも通りとはいかなくても仕方ない、という面もあるでしょう。
けれど、それでも。
いかに相手が難敵であろうが、いかにプレッシャーがかかるシチュエーションであろうが。
それを気にして実力を発揮できずじまいになっている余裕など、ありはしません。
心にもしそんな弱気が入り込むような隙間があるとしたら、そんなものは即、必勝の気概で埋めてしまえ!
むしろ、やるべきことが明確であるぶん、余計なことを考えなくて良い、それをデメリットではなくメリットと捉えるべき。
ここで、なまじ「勝利だけでなく引き分けでも可」とかいう状況であれば、あるいはそれが隙となって負けてはいならないのに敗れてしまう、ということにもなりかねないかと。
そうではなく、勝つしかないなら。
前節がそうであったように、たとえ先制されても追いつき、逆転だけを信じてプレーした結果が、勝利へとつながった。
そこに甘えがあったなら、先制された時点で意気消沈、そのまま敗れていたかも。
必勝を期す、今節。
もちろん、狙うは勝利のみ。
全身全霊をかけ、必ずや勝ち点3を奪い獲らねばなりません。

期待したいのは、末木。
前節の同点ゴールに続き、今節でもまたフル稼働でもって、勝利につながる活躍をしてほしいです。
末木にとって、熊本戦で決められなかったシュートを宮崎戦で決めてみせた、というように、因果というか因縁というかがつながったようなここ2試合でしたが。
そういう見方をするならば・・・今節もまた、あるいはそんなつながりがあることもあり得るかもしれません。
元同僚対決となったなか、キャプテンとして富山に凱旋してきた代を迎え撃ち、決勝ゴールを挙げた林堂のように。
今節の因縁といえば、かつて富山でプレーした岩手のMF脇本 晃成と末木との対決というところかと。
脇本の移籍と入れ替わりで末木が加入というかたちではありますが、それでも。
2016年、大卒ルーキーでありながら開幕スタメンの座を勝ち取り、富山生え抜き選手として活躍を続けていた脇本。そのサッカーIQの高いクレバーなプレーぶり、そして「そこで脇本!?」という意外性のあるゴールなど、カターレ在籍時には印象的なプレーを見せていました。
そんな姿に、現在の末木がかぶって見えるというか。
やはり大卒1年目から活躍し、2年目の今シーズン、今ではチームの主力として期待を集める選手になっています。
あるいは、あと数年もすると、脇本がそうであったように、末木もまたカターレを離れて自分の道をみつけようとするのかもしれません。
けれども。
今現在、カターレの選手とライバルチームの選手として。
同じではない。何故ならば、脇本が在籍時には成し遂げられなかったところのJ2昇格を、今シーズン、末木が成し遂げるからだ!
逆など無い、それを確定させるべく挑む、今節の直接対決。
2試合連続ゴールでも、アシストでも。
末木の躍動でもってカターレを活性化させ、勝利に繋げてほしい。そう願います。

“5点獲って勝て!!!”
そう激を飛ばしたならば・・・あるいは、同じく勝利を願うカターレサポーターにすら、「なに言ってんだ?」と言われるかもしれません。
あるいは熊本、宮崎以上に勢いのあるチームを相手に、無謀が過ぎるだろう?と。
けれど、前言撤回するつもりはありません。
なぜなら、本気でそう願うから。
可能性の残っている上位4クラブ中、得失点差+7に過ぎないカターレと上位3クラブとでは、現時点で大きく開きがあります。たとえ同勝ち点となったとしてもその差で下回ってしまうのでは?というような。
けれども。
冷静に考えたならば。
もともと、勝利された時点でカターレの結果を問わず終了とる宮崎ですが。
それが引き分けで終わったならば、勝ち点51止まり。カターレの最大勝ち点と同じ。
現在+12である宮崎が引き分けで変わらなかったとしても、7から5をプラスした12とすれば追いつく。
同勝ち点、同得失点差としても、総得点数で1だけ上回ることとなり、カターレが上回ります。
そして、岩手に対しても。
現時点で岩手の+14に対してカターレの+7。その差は絶望的なようにも見えますが、そうではありません。
それは、直接対決であるということ。
もしも5-0で勝利したならば、岩手+9に対し、カターレ+12と一気に逆転。
それでも最終節、カターレが勝たねばならない状況には変わりは無いものの。
「負けはしたけれど僅差、最終戦は引き分けでもいい」と、「引き分けでもいいはずだけど、もし連敗してしまっては・・・」と、どちらの心理状態にすることができるか。カターレにとって後者であることは言うまでもなく。
それによって、僅かな可能性も変動することでしょう。
・・・もちろん、捕らぬ狸の皮算用。妄想も大概にしておけ、と窘められるかもしれません。
しかし、これだけは言えます。
たとえ可能性が低くとも、無茶な要求でも。
その可能性は、決してゼロではありません。
これまでの勝敗を、勝ち点を覆すことは、不可能。可能性ゼロです。それについては、なにひとつとして出来ることはありません。
それと、他試合の結果を都合よく作り変えるなんてことも、不可能。
けれども。
5-0での勝利、たとえ無茶と言われても、可能性そのものはあります。決してゼロではありません。
ならば、やるしかないでしょう。
1-1後半を迎えながらも立て続けに3点を加えられて完敗を喫した今治戦の逆をやってやる、その覚悟で。そう思えば、決してあり得ないことなどではないはずです。
2年前の岩手戦では、今とはチームが異なるとはいえ、それでも5-0で勝利しています。
出来ないと決めつけてかかるなんてことは、する必要などありません。
もし、そうして5-0で勝つことができたあかつきには。
次節、ショックを引きずるかたちで岩手が勝利を逃すこともあり得るとするならば。
そうして、1%でも昇格の可能性を上げることが出来るならば。
やるしかないでしょう。
可能性があることは、すべてやる。
たとえ1%でも可能性を上げるなら、なんだってやりきる。
強い信念を持ち、必ずや勝たねば。

クラブ初のJ2昇格に向け、その機運の高まっている岩手。
最終戦のチケットは完売状態、岩手ファン・サポーターの熱が高まるなかで、完全アウェイ状態で臨むこととなるでしょう。
けれども。
あるいは今節で昇格が決まるかもしれない岩手ですが、その咬ませ犬となる気など、毛頭ありません。
むしろ完勝でもって、カターレの昇格に、J2復帰に賭ける気概を見せつけ、「自分たちにはまだ早かったのか?」と意気消沈させるくらいでなければ。
後に振り返った時に、カターレの昇格は奇跡などではなく必然であったーーーそう言われるためにも。

必ず、勝つ!!!
昇格に、J2復帰にふさわしいチームはカターレであると、直接対決の文句なしの結果でもって、知らしめろ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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不屈の闘志で生き残る!逆転勝利で望みをつなぐ テゲバジャーロ宮崎戦

2021-11-22 20:55:46 | カターレ富山
2-1で勝利!
どうしても勝たねばならない、まさに背水の陣で臨むこととなった3試合ぶりのホーム戦。
首位・宮崎を相手に敢然と戦うも、先制点を奪われてしまう苦しい展開。
しかし、あきらめなかった。
後半の2ゴールで逆転、リードを守り切り5試合ぶりの勝利。
依然として厳しい状況にあるにせよ。不屈の闘志で生き残り、昇格の可能性を残したのでした。

今季最多4131人が詰めかけ、大一番を見守ることとなった今節。
前節スタメンとは前線を変更し、マテウスがスタメン復帰、高橋とのFWコンビを組むことに。
姫野が末木との2ボランチを組むかたちとなり、中盤でのボール回しを強化。
それも的確にパスを繋ぎながら自分たちのかたちを作り出す宮崎への対策と言えました。
その策が功を奏してということでしょう。
前半は一進一退、ややカターレ側が優勢か?というなかで進行。
熊本戦のように一方的に押し込まれるかたちではなく、危ないシーンをつくらせないうちにしっかりと対処。そのなかでチャンスをうかがう、と。
ただ・・・先制したのは、宮崎のほうでした。
前節・熊本戦では開始早々、そして前半終了間際という嫌な時間帯に失点して窮地に追い込まれましたが。
今節もまた、その嫌な時間帯。前半終了間際に低めのゴールキックをハーフラインあたりでカットされると、一気に攻め込まれ。
その流れのなかから、ペナルティーアークのさらに外、かなり距離がありながらもMF前田 椋介が思い切りよくシュート。それがゴールに突き刺さるかたちで、先制点を奪われてしまったのでした。
これで、なんと5試合連続で先制点を奪われてしまうということに。
そのなかでも、なにか、前節を彷彿とさせる展開。
前半終了間際というタイミング、そしてエアポケット的失点というか、「そこからシュートするのか!?」という想定外、相手にとってのファインゴールに屈しての失点。ある意味、前節の失点のニコイチとでも言いましょうか。
相手は違うながらも前節との共通項は、首位との負けられない対戦ということ。
負けは論外というなかで失点し、相手に勝利の要件を満たされてしまうという・・・。
前節と同じく苦しい状況に追い込まれ、前節と違って今度こそ勝てねば即終了。
厳しい状況で試合を折り返すことに。

前節と似通った、対首位チーム決戦。ならばこそ、後半に逆襲に転じた展開も同じとせねばなりませんでした。
途中交代で、前節熊本戦を敗戦の危機から救った大野を投入。
すると後半開始から早々、6分という時点で。大野の放ったシュートがポスト直撃でゴールならず、という惜しいシーンが。
前節はバーに弾かれたのがゴールインしてしまって失点したっていうのに、今回は入らないんかい!とツッコんだりもしたものの、それでも。
反撃の狼煙としては、上々。後半逆襲への機運を高めるプレーでした。
ゴール正面で直接FKのチャンスを得てキッカーは林堂、という場面も。そう、岩手戦で決勝ゴールとなった素晴らしいFKを彷彿とさせ。
決まりはしなかったものの、カターレ側に勢いがあることは、明らかでした。

そんななか、迎えた66分。
まるで、フィールド上の位置としては前半の失点シーンの再現かとでも言うかのように。
陣地が変わった後半、今度はカターレ側、末木が同じような位置から左足を一閃!
見事に強烈なシュートを決め、同点に追いついたのでした。
前節、前半唯一のチャンスであった場面でやはり末木が果敢に狙っていったものの、GK正面で阻まれてしまいましたが。
その再現とはならなかった。今回は決めてみせました。
今シーズン初ゴールがやはり宮崎戦であった彼が、今節でも決めて、試合を振り出しに戻すことに成功したのでした。
前節との共通項が見られる展開にあっても、それでも。
失点しながらも後半逆襲で追いつく、というとこまでは同じでも、同じで終わってはならない。勝たねばならないのだから。

すると、試合も終盤の87分でした。
押せ押せムードのなかで、CKのチャンス。その流れのなかから途中出場の碓井が中央の混戦へとボールを出すと。
それに反応したのは、林堂!
力むことなくあくまで冷静にボールにちょんと触れると、それが針の穴を通すかのようにゴールへと吸い込まれ。
逆転ゴール!今季最多動員の観衆のボルテージも最高潮!
これもまた、前節との比較でカウンターに当たる部分であったかと。
前節の先制点を奪われてしまった場面。何度見返しても、林堂が転ばされたファウルをとらねばならない場面であったと思います。
それが見逃され、転ばされなければ林堂も対応してシュートも撃たれなかったところ。
もし、と言い出しても仕方ありませんが、それでもやはり、無念でした。
そして、泣きっ面に蜂とでも言うか。
別の場面で、今シーズン通算3枚目、累積警告による出場停止までリーチとなるイエローカードをくらってしまい。
当然、この大事な時期に出場停止となるわけにはいかない。さりとて、それを意識しすぎてプレーが委縮してしまっては、消極的ともとれるような姿勢で勝てるほど甘い相手との対戦であるはずもなく。
集中せねばならない一方で、意識外に割り切ることも出来ないというなかで。
前節のやるせなさを跳ね返すかのような、値千金逆転ゴール。痺れました。

アディショナルタイムが7分と、そんなところまで前節の再現かよ!というツッコミもあったなかで。
前節と同じではなかったのは、ドロー決着とならなかったこと。
最後まで集中力を切らすことなく全員がしっかりとプレーを続け。
そして、タイムアップ。
実に5試合ぶりとなる勝利。生き残りをかけて必ず勝たねばならないというプレッシャーを跳ねのけ、見事に首位を撃破してみせたのでした。

試合後、移籍以来初の富山凱旋となった宮崎のキャプテン・代がゴール裏まで挨拶に来てくれました。
4年にわたって在籍した富山でのプレーに、やはり感慨もひとしおであったのではなかろうかと。
それは、ファン・サポーターにとっても同様。チームを離れたのち、今回は最強のライバルとしての凱旋。フクザツな気持ちもありつつも、それでも元気に、息災にプレーを続けてくれているそのことに、嬉しさの気持ちのほうが大きかったです。
代がその挨拶を終えると、入れ替わりにヒーローインタビューを終えた林堂がゴール裏に。その際、ふたりがしっかと抱擁するシーンが。
愛媛時代のチームメイトであるというだけでなく、同じDFの選手として切磋琢磨した間柄。その後、代が富山へと移籍し、入れ替わりとなるかたちで林堂もまた富山へ。
そして、富山の地での直接対決。万感の思いがあったことかと。なんとも美しいシーンでした。

首の皮一枚程度のか細い昇格可能性の糸ですが、熊本もまた5試合ぶりの勝利を挙げたことにより、さらにプチプチと何本か繊維が切れることに。
残り全勝が最低条件となることは変わらない一方で、目標としてきた優勝の可能性が完全に絶たれることとなり。
残り全勝を成し遂げたとしてもなお、宮崎、岩手の両チームが取りこぼさねば可能性が消えるという、完全に他力本願な状況に。
それでも。
どれだけ厳しい条件であったとして、可能性そのものが消えたわけではないのであれば。
今節とて、勝たねば終わりだった。実際、前半終了時点では負け試合であったところ。
けれども、屈しなかった。勝利への不屈の闘志でもって、逆境を跳ね返してみせた。
ならば。
やるべきことは、明らかなのだから。
残り2試合、必ず勝つ。
信じて、貫くのみです。
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第28節 テゲバジャーロ宮崎戦

2021-11-20 11:31:58 | カターレ富山
今シーズンも残り3試合、それを全て勝つことでJ2復帰への道筋をつけねばならないカターレ。
4戦連続勝ちなしという状況にあっても、あきらめるという選択肢はありません。
3戦3勝、ひとつの取りこぼしすら許されない、連勝以外に無い状況にあっても、あきらめるという選択肢はありません。
ホームに迎えるは、現在暫定首位のテゲバジャーロ宮崎。
2015年の山口以来のJ3参入から即優勝という栄光をかけ、今節の勝利でそれに王手をかけるべく乗り込んできます。
返り討ちとし、希望を繋げなければならないカターレ。
持てる力を全て出し切り、ただひたすらに勝利をもぎ取るべく、戦いに挑みます。

このシーズン最終盤に3連敗、そして引き分け。4試合連続勝ちなしで、その間僅か勝ち点1では、本来であればとっくの昔に脱落してしまっていたはずの状況。
前節、前半終了時点で0-2、首位の熊本に反撃すらおぼつかないほど圧倒されて迎えたハーフタイム。
あるいは、気持ちが切れて後半が消化試合になっていたとしても不思議はなかったことでしょう。座して死を待つのみ・・・昇格失敗という現実を突きつけられるだけであったかと。
それでも。
そんななかにあっても、決してあきらめなかったカターレ。
2点差を追いつき、ドロー決着。
勝つことだけが求められた試合でそれを成し遂げられなかったものの、それでも負けなかったことで可能性を消さずに残したのでした。
今節、代わって首位に立った宮崎との上位直接対決。
今度という今度は、負けは論外として、引き分けすらも許されません。
けれども。
逆に、やるべきことがクリアになった、という見方も出来るかと。
勝つしかないなかにあっては、「負けたらどうしよう」とか雑念を挟むような隙が、もはや無い。勝つことのみに最大集中しなければ。
それでなくともホーム戦。
2週連続アウェイ戦で、3週ぶりのホーム。その前回ホーム戦では無得点で敗れています。
勝利に飢えているのは、選手たちのみならず、カターレファン・サポーターとて同じこと。
是が非でも勝利し、期待に応えねばなりません。

最終節に試合のない宮崎にとって、今節がアウェイ最終戦。シーズン開幕から間もない第3節の前回対戦で記念すべきJ初勝利を挙げた富山を相手に再び勝利することで、次節のホーム最終戦での優勝決定に結び付けたいところでしょう。
前節は、前の試合でカターレが敗れた岐阜を相手に4-3と逆転勝利。首位進出を果たしました。その勝負強さを今節にも発揮し、連勝を目論んで乗り込んできます。
J2ライセンスを取得しておらず、たとえ最終順位が昇格圏にあったとしても今シーズンの結果を以てしてのJ2昇格は無い宮崎。
そのことで、4クラブが降格することとなる今季J2、そのうち19位がその難を免れる可能性があるとして、ボーダー付近クラブより熱い視線を受けていたりもします。
けれども。
そうはさせじと奮起せねばならない、我らがカターレ。必ずや前回対戦のリベンジを果たし、最終順位で上回らねば。
まずは今節の直接対決に勝利し、次節の岩手戦も制したならば。次節の宮崎ー熊本戦の結果次第というところもありますが、それでも自力で上回ることが出来る可能性は低くなく。なによりも、可能性があることそのものが僥倖と言えるのであって。
伊達に首位に立っているわけでないチームを相手に、前回敗れてカターレに苦手意識もないであろう相手に勝つことは、困難ではありましょうが。
けれど、臆している場合などでは、決してなく。
むしろ、4点、5点を奪って圧勝する気概が必要。
なぜなら、現時点で得失点差で7の差があるから。
勝利・勝ち点3を奪うことが最低条件とはいえ、それを果たしたとしても、1点差勝利ではその差を2しか埋めることができません。せっかくの直接対決、複数点差をつけることで一挙に差を詰め、あるいは逆転するくらいでなければならないところ。
カターレの連勝が最低条件ながら、それを成し遂げた上でも、次節宮崎が引き分けでもカターレの最大勝ち点51で並ぶことに。そうすると意味を成すのが得失点差。
同勝ち点ながら得失点差で及ばなかった、という悲劇をなんとしても回避せねばならないことは、火を見るよりも明らかです。
そのためにも。
勝利は必須、その上でなお、圧倒して勝たねば。
もちろん、簡単なことではありません。首位が相手では、あるいはどの相手よりも困難という見方すらできるかと。
けれど。
ごちゃごちゃと雑念を挟む余裕など、もはやありはしません。
勝つことだけに最大集中せねばならないことは、言うまでもないのだから。
その上で、圧倒する。
やれるかどうか、じゃない。やるんだ。

期待したいのは、大野。
前節、敗色が極めて濃厚であったチームを救った立役者。当然、相手もカターレのトップスコアラーとして要警戒選手としてマークしてくることは間違いありません。
けれど、それでも。
あるいはプレッシャーに負けて自滅してのPK失敗も、無いわけではなかったなかで。
それをしっかり決めてみせたこと。
そして、相手の隙をみのがすことなくボールを掻っ攫い、同点ゴールを決めたこと。
その勝負強さを、そこで得た自信を、是非とも今節勝利の力としてほしいです。
2009年のJ参入以来、カターレでは2013年の苔口、そして昨年の武のふたりしか、シーズン10得点の大台に乗せた選手がいません。
ここまで9得点で、それにリーチのかかっている大野。
記録達成を成し遂げることはもちろん、なんならハットトリックでも決めてしまう気概でもって、貪欲にゴールを狙ってほしい。そしてチームを勝利に導くヒーローとなってほしい。切に願うばかりです。

現在はカターレを率いている石﨑監督にとって、宮崎は地域リーグ時代に指揮を執っていた古巣。
そして、宮崎のキャプテン・代 健司と言えば、言わずと知れた4年にわたってカターレに在籍していた選手。
いろいろな思いが錯綜する試合でもあります。
そんななかで、どうしても勝たねば、勝つしかないカターレ。
今治に続いて熊本にも勝利できず、同一シーズン全チーム勝利は成し遂げられなかったけれど。
それでも。
同一シーズン連敗で勝ち点0で終わるわけには、いきません。
宮崎に勝利し、全チームから勝ち点奪取を成し遂げたあかつきには。
J2昇格を成し遂げて、来シーズンのリベンジのチャンスを与えない・・・そう、勝ち逃げせねばなりません。

必ず、勝つ!!!
首位を撃破し、5試合ぶりの勝利でホーム・県総を沸かせろ!!!
難敵相手?それがどうした。
不可能なんて、ないんだぜ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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執念のドロー。窮地の中にも可能性を残す ロアッソ熊本戦

2021-11-15 22:52:05 | カターレ富山
2-2でドロー。
昇格戦線に生き残るためには、首位が相手であろうが関係なく勝利あるのみであった今節。
敗れて4連敗など論外であったなか、開始わずか5分で失点。熊本に勝利の要件を満たされた上に、素早い出足、鋭いパス回しに大苦戦を強いられ、反撃もおぼつかない有様。
あからさまに劣勢であったなか、さらに前半終了間際という痛すぎるタイミングで追加点を決められてしまい。
万事休す・・・敗戦を、今季終了を覚悟した者も少なくなかったと思います。
しかし。
あきらめなかったカターレ。
選手交代が功を奏し、だんだんと試合の流れを取り戻していった後半。
そんななかで、まずはPKで1点を返し、2試合続いた無得点から脱却。反撃の狼煙を上げると。
相手の隙を見逃さず、したたかに同点ゴールを奪うことに成功。試合を振り出しに戻し。絶対不利にも屈しない執念を見せました。
残念ながら逆転勝利にまでは至らず、ドロー決着。熊本戦連続勝ちなしを止めることは叶わず、17戦に伸びる結果に。
どうしても勝たねばならなかった試合を落としてしまったカターレ。
けれども。
もともと首の皮一枚程度のごくごく薄い可能性であったなか、さらにそれがプチプチと千切れる結果にはなりましたが。
それでも、まだ繋がっている。
完全に切れて終了の可能性も濃厚であったなか、挫けることのない、あきらめない執念で、それを繋ぎとめたのでした。

シーズン初の3連勝から一転しての3連敗。負けたら終わりというなかでの首位・熊本戦。
やるしかない。やり切るしかない中で迎えた今節。前節のスタメンから変更を加えて臨むこととなりました。
前節の初出場に続いて鹿山が右SBに、そして椎名がスタメン復帰。
途中出場が多い高橋をスタメン起用、吉平と2トップを組ませることに。
いちばんのトピックは、加入からこのかたずっとスタメン出場を続けていたマテウスが、ベンチスタートとなったことでしょうか。
コンディション不良などではなく、戦略としての判断であろうことは、はっきりしていました。
おそらく、お互いに我慢比べのような展開となることを予想しての判断であったかと。
カターレは2試合、熊本は3試合に渡って無得点が続いています。そんななかで、さらにその時間が続いたならば。
個の力で状況を打破する能力を持ち合わせているマテウスが、膠着状態を打ち破る活躍をする機会、それを途中出場というかたちで実現しようとしているのでは?と。
そう、お互いに勝つためには無得点の呪縛を打ち破らねばならない試合。そして、相手を封じてそれを継続させねばならない試合。

しかし。
無得点が続けば、さしもの熊本にも焦りが出て隙も生まれるーーーそんな目論見は、試合開始早々に打ち砕かれてしまうことに。
熊本が縦の攻撃からゴールライン付近まで攻め上がり、中央へマイナスのボール、それに対応した林堂がFW岡本 知剛と接触、もつれて転んでしまうことに。
ペナルティーエリア内の接触プレーではあったけれど、PKではない。当然だ、林堂が一方的に転ばされるファウルだったのだから。
ファウル・・・だろ?
なのに、笛は吹かれない。
なぜ?と・・・その、一瞬の間に。
MF上村 周平が思い切りよく蹴り込んだシュートがゴールサイドネットに突き刺さり、先制されてしまうことに。
おい、またかよ!!
思い出されるのが、ホーム無敗がストップしてしまった鳥取戦の敗戦。開始わずか2分でいきなり失点、そこから勢いが増した鳥取を逆転することが出来ずに敗れた試合。
他の試合でも痛すぎる展開であろうに、あろうことか絶対に負けてはならない試合で、いきなりのビハインド。
無得点の呪縛から幸先よく解き放たれた熊本。4試合ぶりの勝利への機運が、一気に高まることに。
元よりしっかりとパスを繋ぎながら主導権を握るチームスタイルである熊本ですが、そのパスのキレ、プレッシャーをかける圧力の冴え、あらゆるところで圧倒されてしまったのでした。
反撃のチャンスどころか、満足に攻め上がることすらままならない状況が続き。
半面、面白いようにサクサクと繋がる熊本の攻撃。
必死にボールを奪っても、すかさず取り返されてしまって反撃に転じられない。
どうしてもゴールを挙げて同点、逆転を目指さねばならなかったのに、ゴールどころかシュートさえ満足にうてない時間が続き。
42分にスルーパスを必死に追った安藤が中央へとマイナスのクロス、それを走り込んできた末木がシュートしたものの、GK正面。結局、前半唯一のチャンスもものにできず。
ならば、せめて1点差で折り返してーーーその、前半アディショナルタイム2分でした。
ミドルから放たれたシュートがディフェンスに当たってコースが変わると、それがクロスバーを直撃、真上に上がると、落ちてきたところを狙ってきていたのは、先制点を挙げた上村。
結果として、対応しようとした戸根に当たってオウンゴールという形で失点。
こんなのアリか?という・・・無情な追加点を喫してしまったのでした。
そもそもミドルからシュートされること自体が問題とはいえ、コースが変わること、真上に跳ね上がること、それがゴールインしてしまうこと・・・どれをとっても、アンラッキーでは片づけられないほど、不条理にすら感じる、痛恨の極みという失点の仕方。
栄光へと走るチームにあっては、説明のつかない力がはたらいたとしか思えないゴール、勝ち方というものがあったりします。
かつて、カターレ発足初年度の2008年、J昇格に向けてひた走っていた時期のこと。
ホーム・横河武蔵野FC戦。先制を許しながらも前半のうちに追いつくと。
後半、カターレの初代エースストライカー・長谷川 満がハットトリックという大爆発。それもすべてヘッドで決めてのものという、「長谷川 満ダイビング祭」。
頼もしいどころではない背番号9の躍動に、驚きを通り越して思わず笑ってしまったーーーそんなことがあったりしました。
閑話休題。
つまり・・・「持っている」というチームは、ときにわけのわからないかたちであってもゴールに、勝利につながる力を発揮したりする。
それは、熊本がその有資格チームだということか?
では、カターレは・・・「じゃないほう」のチームで、このままあえなく3試合連続無得点で4連敗を喫し、シーズンも終了してしまうというのか・・・。

ハーフタイムを挟み、後半。
そのタイミングで、マテウスと松岡が同時に交代出場となりました。
ほんとは、もっと違う、しかるべきタイミングでの出場を予定していたろうにな・・・そんな感傷がぬぐえないなかにあっても。
もちろん、切り札を切るからには、やってもらわなくては。なんとしても。
すると。
あまりに一方的であった前半とは異なり。前線で頑張るマテウスの存在がカターレにリズムをもたらし、徐々に自分たちのペースに。
スピード、ポジショニングの素晴らしさもありながら、競り合いになっても簡単に負けたりしないテクニック。前回対戦時には居なかった彼の存在に、もちろん対策は練っていたでしょうが、それでも手こずっていた感のある熊本。
ただ、インパクトを与えたのはマテウスひとりではなく。
むしろ、予想外という意味では、松岡の存在のほうが大きくさえありました。
ルーキーイヤーである彼にとって、6月の今治戦以来となる、今季2度目の出場。
負けてはならないのにビハインドという苦しい展開、そして強力な熊本が相手・・・にもかかわらず。プレッシャーで萎縮するどころか、堂々たるプレーぶり。
臆することなくガシガシとやり合い、それでいて簡単にはボールを失わない。その勝負根性、度胸たるや。
「松岡って、こんなに良い選手だったのか!?」と、目を丸くしたカターレファン・サポーターも多かったのではないでしょうか。かく言う自分もそのひとりですが。
前半のような一方的な展開ではないーーーその、手応え。
そして、次なる一手として大野を投入。ここまでチーム最多得点の彼の活躍にかけることに。
すると。投入からものの数分で。
ロングボールに反応した大野が、競り合いのなかでペナルティーエリア内で倒され、PK。
前半のあのときとは違う。もちろん演技などではなく、倒され、最後は蹴られたような恰好であれば、それはPKで疑いなし、と。
大事な大事な得点チャンス。プレッシャーが無いと言えばウソ、という場面だったでしょうが、それでもしっかりと冷静に蹴り込み、見事にゴール。1点を返し、連続無得点の状況を止めてみせたのでした。

くどいようだけれど、負けたら終わりの試合。ならばこそ、一気に同点、逆転へと繋げねば!
もちろん、熊本相手には簡単なことではないことは百も承知。
けれども、カターレにはそれをやらねば、やり遂げねばならない理由しかない。
すると。
それは、思いがけない意外なかたちでした。
79分、相手陣内深くでディフェンスからGKへバックパス、それを読んでいた大野が掻っ攫うと、しっかりGKの動きを把握しつつ慌てることなくシュート、それがゴールに吸い込まれ、同点!試合を振り出しに戻すことに成功しました。
試合後の大野のコメントによると。
「前半は足もとでつなごうとして流れが悪かったが、その中でも吉平選手や高橋選手が前線から相手を追い掛けてくれたぶん後半は熊本にも疲れがきたのではないか。そこで僕やマテウス選手、松岡選手が入って大きなサッカーをしたから効果的だったと思う」
とのこと。
事実だけ見れば、熊本側の不用意なミスが招いた失点、ということなのかもしれないけれど。
これは、偶然ではないし、単なるラッキーではない。布石があって、それが実を結んでのこと。
重い先制点からのビハインド状態、ままならない攻撃。
けれど、あきらめなかった。高橋にしろ、吉平にしろ、勝負を投げ出すことなく頑張りつづけた。
そして、千載一遇のチャンスをしっかりとモノにした。それが同点ゴール。
かつての長谷川から始まったカターレのエースの系譜を継ぐ、現在の背番号9・大野。その背中が、いつもよりも大きく見えました。

勝たねばならない試合、振り出しに戻したとはいえ、気を抜けばいつまたどん底に突き落とされるか。
実際、西部の体を張ったファインセーブがなければやられていたピンチも。
一方、こちらも一気に逆転といきたかったものの、なかなか思うようにはいかず。
激しい競り合いのからの接触、ファウルなどで時間が止まっていたぶんが少なくなかったことで、7分もあったアディショナルタイム。
けれど、長いとは思えませんでした。1分1秒が惜しい、勝つためには。
最後の最後まで目が離せない、息詰まる攻防。
しかし・・・無情の、笛。
タイムアップ。
どうしても勝ちたい、勝たねばならなかった試合でしたが・・・勝てませんでした。

連敗は3でストップしたものの、上位直接対決3連戦の初戦はドロー決着。
勝てなかったこと、無念です。
けれども。
可能性は、潰えなかった。消えずに残った。
負けたら終わりというプレッシャーのなか、今季の負けパターンにハマってしまったようなキツ過ぎる展開で。敗色が極めて濃厚であったなかで。
それでも、屈しなかった。
執念で、希望の灯を消さなかった。
もちろん、状況が良化したわけではなく、悪化しているとさえ言えましょう。
けれども、それさえも、わずかであろうが可能性を残しているからこそ言えることであって。
可能性そのものが無くなってしまっていたならば、厳しいと感じることさえできなかったところ。

残り3連勝が必須、たとえそれを成し遂げてさえも至らない可能性もありますが。
それでも。
負け試合を、負けなかった。
絶望に抗い、屈しなかった。

まだやれる。やらねばならない。なんとしても。

戦いは、続きます。
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