行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

3連勝を飾るも、不満の残る結果に。ホーム戦勝利も、いまひとつな内容  Y.S.C.C.横浜戦

2016-06-27 21:56:46 | カターレ富山
1-0で勝利。
試合後のインタビューで決勝ゴールとなったPKを決めた苔口が「決めるところで決めないと、1得点では相手も気持ちが落ちず、「まだできるぞ」という気持ちで相手にサッカーをやらせてしまっているので、そういうところで2点、3点取れれば相手の気持ちも喪失すると思うし、そういったサッカーができれば一番いいのではないかと思う。」とコメントしていますが・・・まさに、そういった試合でした。
前節の相模原戦では、なかなか自分たちのサッカーを出せず、苦戦を強いられてしまいました。その反省を踏まえて、ホームでいまいちど仕切り直して力を発揮しなければならなかった試合。
単純に比較したものでもないでしょうが、やはり、相模原とYS横浜とでは力に差がありました。ガシガシと攻め込まれるのをしのぎ続けた相模原戦に比べたら、今節は明らかに自分たちが主導権を握っていた試合。
得点についても、積極的な抜け出しを敢行したところでの相手GKとの交錯、PK獲得ということで、それは評価できるものです。本来であれば北井が蹴る場面ながら、積み重ねてきたキャリアのなかでもJ公式戦では初めてという苔口がキッカーに。落ち着いて決めて、J通算50ゴールを成し遂げました。
ただ。その後が、続きませんでした。
相手にチャンスらしいチャンスを与えずに零封勝ち出来たことは、それはそれで素晴らしいことではあります。けれど、だからこそ、というべきか。力の差があったのは事実。ならばなおのこと、2点、3点と積み重ねて戦意喪失させるくらいでなくてはならなかったのに。
実際、そうできるだけの土壌がありながら、自分で自分の首を絞めてしまっているような展開が続き。パス回しをするのもいい、相手との競り合いで簡単に負けないしぶとさを発揮するのもいい。けれど、それを得点というかたちに結び付けられないままというのはどうなんだ?と。
これまでにもあったところの、“追加点を挙げることが出来ればもっと楽に試合を進められたし、自分たちの自信にもなったのに”という課題。
それが、今節もまた克服できなかった、と。
相手ではなく、自分たち自身を乗り越えられなかった。成長するチャンスを、自信をつけるチャンスを自分たちでフイにしてしまった―――そういった印象を残す試合であったように思います。
上位チームが揃って勝利し、団子状態ながら順位の変動は無し。内容がどうあれ勝ち点3を積み重ねるということの重要性が再認識された、とも言えます。
しかし。
YS横浜の頑張りを軽んじるつもりはありませんが、それでもやはり、下位チームにいたずらに手こずってしまった、という感は否めません。そんなことで上位との直接対決は大丈夫なのかよ?という疑念もぬぐえないかと。
「そうじゃない、カターレは強いんだ!」
そういう意気込みは、結果で示さねば。今回成し遂げられなかったところの「力の差を見せつける試合」で示さねばならないところ。
勝ち点3を得る、という最優先事項をクリアしたからこそ。
勝ったからそれでいい、なんて志の低い選手もいないでしょうが、だからこそ。
勝ち残りにこそ価値があるトーナメントではなく、一戦一戦の積み重ねであるリーグ戦なのだから。
自分たちには自信をもたらす一方で、対戦相手、さらにはリーグの他クラブに脅威を与えるような、そんな試合の積み重ねでなくてはならない―――そのことを、あらためて考えさせられる試合となりました。
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第14節  Y.S.C.C.横浜戦

2016-06-25 21:38:38 | カターレ富山
前節はアウェイで相模原を破り、順位の近いチーム同士の対決を制して連勝、4位にまで順位を上げたカターレ。ホームに戻る今節、今季3度目の挑戦となる3連勝をかけて、YS横浜を迎え撃ちます。
勝利こそ成し遂げたものの、内容的には決して満足のいくものではなかった相模原戦。今節は勝つのはもちろんとして、内容的にもしっかりと相手を上回る、文句なしの勝利を挙げねばならないところかと。
3度目の正直としなければならない、3連勝への挑戦。前回は秋田との首位攻防戦に敗れ、そこから2敗1分けと痛い足踏みを喫してしまったのでした。
今度こそは、勝ち切らねば。負けは論外として、引き分けもダメ。勝つのは最低条件、それも前節のようにセットプレーからやっと1点、というものではない、きちんと自分たちのやりたいサッカーを体現した上で、望むべくは最低2得点以上。
決して高望みとは思いません。優勝を目指すなら、勝つことを当たり前にしないと。連勝を普通にしないと。
現在、首位と勝ち点差2の4位のカターレですが、上位進出、その先の優勝を狙うにふさわしいチームであるという格を見せる試合としなければなりません。

現在3勝2分け8敗で13位と、下位の甘んじてしまっているYS横浜。しかしながら、だからといって楽勝かと言えば、決してそんなことはないでしょう。
前節はアウェイで琉球戦に臨み、前半18分に挙げた先制点を守り切るかたちで勝利。そう、カターレが今季1度目の3連勝を狙って対戦しながら勝てず、引き分けてしまった琉球を相手に。気温30度を超えるコンディションのなかでしっかりと戦い抜いて琉球にホーム初黒星をつけた経験は、大いにモチベーションアップにつながっていることでしょう。
シーズン開幕から間もない時期であったとはいえ、第2節のアウェイ相模原戦でも勝利しています。前節、カターレがあれほど苦しめられてしまった相模原を相手に。
確かに、今季ここまで総得点が僅かに5でリーグ最少という致命的なまでの決定力不足が足を引っ張ってしまっているところはあります。
しかし、逆に言えば、そういう状態にあっても3勝している、とも言えるわけで。
首尾よく先制点を奪ったならば、「あとはどうにかなる!」という自信をもってプレーするのではないでしょうか。前節の琉球戦がそうであったように。・・・いや、その成功があるだけに、今節にかける連勝への意気込みというものも強くなっていることでしょう。
もちろん、そんな展開を許してはならないカターレ。そういった展開ということで言えば、試合開始早々にセットプレーから失点、それが最後まで尾を引いてしまうかたちで敗れてしまった栃木戦のような苦い経験があります。どうあっても、それを繰り返すわけにはいきません。
繰り返すわけにはいかない、ということで言えば・・・。
昨季の対YS横浜戦は2勝1分け。負けなしではあるものの、その1分けが、どうにも苦い経験として残っています。
あのときも、6月のホーム戦でした。2連敗の流れを断ち切り、どうしても勝たなければならなかった試合。にもかかわらず、攻め込みながら得点できないことを繰り返すうちに、逆に先制点を奪われる苦しい展開。前半のうちに追いついたものの、結局勝ち切れず。そうやってモヤモヤしたまま次節の試合なしを挟み、続くJ22戦でもスコアレスドローで勝てず。さらに次の山口戦では・・・史上最悪の逆転負けを喫し、優勝への可能性が致命的なまでに後退してしまったのでした。
再び迎える、6月のホームYS横浜戦。繰り返すわけにはいきません。今度こそ、しっかりと勝ち切らねばなりません。
勝って連勝を伸ばし、カターレが優勝を狙うに足るチームであるという証を打ち立てねばならないのです。

苔口や萱沼らの攻撃陣、点を獲るべき選手が得点して勝つのが理想であるのは間違いないところですが。
個人的に、今節期待したいのは國吉。今季ここまで全試合にスタメン出場しているチームへの貢献度は言うまでもないとして。SBとしての守備はもちろんのこと、攻撃でも今季初ゴールを期待したいところです。
前節、決勝ゴールを挙げてヒーローとなったのは北井でしたが、そのお膳立てをした陰の立役者は國吉でした。フリーの状態でボールを受けたところ、遠目であったけれど果敢にシュート。相手にはじかれ入りこそしなかったもののCKを獲得。そのチャンスにキッカーとして精度の高いボールを上げ、それが得点につながりました。
ゴールに向かっていく姿勢が見事に結果につながったという成功体験を今節も継続、今度は自らがヒーローとなるような活躍をしてくれたら言うことはありません。
実際、守りを固めるYS横浜に対してそれを崩さんと攻め入るカターレ、という展開になるのではないかと予想されます。
そんなときに、いたずらに攻めあぐねて決めきれず無得点、なんて展開はなんとしても避けねばなりません。
そういったときに、敵陣深くに切り込むだけでなく遠目からも積極的に狙っていく―――國吉の左足がうなりを上げるような展開に持ち込めば、相手も狙いを絞り切れずに苦労し、そこに隙も生まれましょうから。
当然のことながら、勝つためには得点せねばなりません。そのための攻撃に厚みを与える國吉の積極的な攻撃参加が見られるような展開になることを願います。

今季ここまで5試合あったホームゲームはいずれも13時開始でしたが、今節は17時開始。いつもとは違う時間帯です。
しかし。やるべきことは、変わりません。
勝って、応援するファン・サポーターに勝利を届け、ともに歓喜を分かち合うこと。それ以上でもそれ以下でもありません。
下位だからと言って、決して油断ならない相手。
それでも、やるべきことは、変わりません。
連勝を狙うYS横浜を返り討ちにし、カターレが連勝を続ける。それ以外にありません。
前節、内容が悪くても勝利したけれど。その結果を真に活かすには、今節の勝利があってこそ!
ならば、勝て!!!
勝って、3度目の正直を、3連勝の壁を乗り越えろ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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粘り強いサッカーを貫き価値ある勝利。連勝で4位浮上  SC相模原戦

2016-06-21 05:32:53 | カターレ富山
1-0で勝利!
混戦のJ3にあって、勝つことがいかに大事かをあらためて示された試合となりました。
前節の大敗からの巻き返しを目指して気合の入った相模原に対し、監督が「トレーニングなどと比較すると、彼らの力の半分も発揮できていないなと感じた。」と評するような内容。
シュートがなんとか枠を外れて胸をなでおろす、永井の好セーブが無ければどうだったか、というような危ない場面が目立った一方で、決定的に脅威を与えたような場面は少なく。相手の13本に対して7本、そのうち枠内は2本だったか、というシュート数からも劣勢にあったことは明らかでした。
それでも。
せっかく先制しながら同点に追いつかれてしまい勝利ならなかった盛岡戦と同じ轍は踏みませんでした。
連敗を避けるべく攻勢を強める相模原の攻撃にさらされながらも、最後まで集中力を切らさず。虎の子の1点を守りきり、零封勝ち。
内容的にはいまひとつではあったものの、それでもなんとかする気概を勝利に結びつけられた。この成果を自信と力に変え、次なる勝利のための糧としていかねばなりません。

前日は「もはや真夏だろ!?」という暑さであった関東地方ですが、この日は厚い雲に覆われ、試合中には雨もぱらつくコンディションの中での試合となりました。そのわりには試合前には念入りに散水され、むしろ滑りやすいのでは?というピッチ状態でしたが。
前半から相手にペースを持っていかれ、なかなか自分たちのサッカーが出来なかったカターレ。
0-3と大敗した前節の反省を受け、ホームで巻き返そうとしていた相模原。もちろんその気迫もあってのことでしょうが、それだけではなかったようで。
衛藤が「自分たちのプレースピード、サポートのスピードが、トレーニングでうまくやれているからなのか少し余裕を持ち過ぎるところがあった。」と振り返っているように、ある意味自分で自分の首を絞めてしまっていたようなところもあって、そこからペースがつかめなかったらしく。そのあたりはまだ未熟というか、確たる自信をもってプレーできていないチームの課題であることが浮き彫りとなったかたちでしょうか。修正しなければならないところです。
それでも。
先制点を挙げたのはカターレ。
中盤で相手ボールをはじいたところを拾った國吉が遠目から果敢にシュートを狙っていったところ、相手DFに当たってCK。ゴール前に上げたボールに代とGK川口が競ってこぼれたところ、すかさず北井が押し込み見事にゴール。今季初得点を挙げました。
このところSBで起用されて以前よりも得点機会は減った彼ですが、それでもFW、MFとして培ってきたところのしっかりと点を獲る意識は持っていて。そのことが、人数は揃っていた相手よりも先んじてボールに飛び込みゴールにつなげられた―――なんとも頼もしいことです。
さらに突き放す追加点を奪うことが出来ていればよかったのですが、後半も相手ペースは変わらず。チャンスもあったものの、それを決めきるか決めきれないかという点では、いささか力不足を感じさせる結果となってしまったかと。
とはいえ。
なかなか思い通りにならない展開にあっても、じっと耐えてしのぎました。
試合最終盤、相模原は身長188㎝のFW服部 康平を入れてパワープレーを敢行。これが機能し、ボールを集められることに。
先の盛岡戦では、同じような場面でやはり長身の土井 良太にその高さを活かしたヘッドで決められてしまい、勝利を逃してしまっただけに。その反省を踏まえてのプレーがもとめられましたが、そこはきちんとしのぎきり。もちろん疲れもあったでしょうが、集中を切らすことなく同点ゴールを許しませんでした。

どんな内容であっても勝ちさえすればそれでいい、なんてのもいささか暴論ではありますが。やはり、内容が伴わない勝利では後に続くものが足りず、どこかでツケを払う羽目になることでしょうし。
しかし、その一方で。
6位と7位との直接対決であった今節は、同時に差の小さい上位クラブに対抗していくためにも重要な試合でもありました。1試合ぶん消化の少ない条件が同じ鹿児島が首位、その鹿児島が引き分けたことで勝ち点差は4から2に減少。これがもし負け試合であったなら、たとえ鹿児島が引き分けていたとしても5に広がっていたところです。たとえ内容が良くなくとも、勝ちきった意味というものは大きく。
今節、スタメンとしてフル出場した敬介が語っています。「自分たちのサッカーができなかったが、そういう試合は1年を通して必ずでてくる。そこで試合を落とさなかったのは強さが付いてきているのだと感じる。」と。
たとえ自分たちのサッカーが出来ていたとしても、結果に結び付けられなければ勝ち点は奪えません。ちょうど、内容では上回っていたのに試合開始早々の失点が最後まで響いて敗れてしまった栃木戦のように。
勝てたからそれで良し、ではなく、なぜ勝てたのかをいまいちど冷静に振り返り、その強みを今後に活かしていくことが求められるでしょう。
勝てた手ごたえを、更なる勝利へと繋げていくために。
苦戦を制したこの経験を自信に変え、チームの勝ちに結びつけていかねば。
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第13節 SC相模原戦

2016-06-19 03:46:19 | カターレ富山
成果と課題の両方が出たものの、勝ち点3を、4試合ぶりの勝利を得ることができた前節。
停滞からの脱却を、躍進への力とするために。
勝てば順位が入れ替わる6位・SC相模原と対戦します。

前節は大分に0-3と完敗、連続負け無しが8でストップするとともに首位から陥落してしまった相模原。暫定順位ではあるものの、それだけで6位になるというのだから、いかに混戦であるかというところでしょうか。
ただ、言い訳をしようとすれば出来たのがその試合。
他のチームの試合がなかった11節と12節の間、地震の影響で延期されていた第5節の試合がホームであった大分。そこで勝利し、気分良く連続ホーム戦に臨むことができた格好。ただでさえ慣れない環境のアウェイ戦であったのに、1週間のインターバルで多少なり試合勘が鈍っていたかもしれない相模原としては、ある意味対等ではなかったかもしれません。
加えて、開幕から主力として出場し続けてきたMF岩渕 良太を出場停止で欠いていた影響であるとか。
敗れてしまったことを教訓として、しっかりとホームで立て直しをかけて待ち構えているならば・・・難しい試合となってしまうのではないかと。
説明不要の元日本代表GK・川口 能活をはじめ、菊岡 拓朗、深井 正樹といった、かつてカターレも苦しめられてきた経験豊富な選手たちも、黙ってはいないことでしょう。

ネガティブに考えてしまうと、カターレにとってマイナス要因が続々と出てきてしまう相模原戦。
昨季は1分け2敗で勝利なし。なかでもアウェイ戦は5失点を喫した惨敗でした。そのときとはメンバーが違うとはいえ・・・先述したようなJ経験豊富な選手もさることながら。今季の相模原を率いるのが、昨シーズンまで琉球を指揮した薩川監督。その薩川監督にも、1勝も挙げることが出来ていないカターレ。
首位返り咲きを狙う相手にとっても重要なこの一戦ですが、そういった試合を落として、相手に利する結果としてしまったことも何度も。秋田との無敗対決に敗れてしまったことも、記憶に新しいところです。

しかし、だからこそ。
これからのために、これまでを変えなければならないならば。
この試合のこそがチャンスととらえるべき。
これまで勝っていない、簡単に勝てるとは思えない難しい相手だからこそ。そこで勝つこと、成功体験を得ることの意味の大きさを、今一度胸に刻んで試合に臨む必要があります。
期待したいのは、萱沼。
前節の成果と課題の両方を今節に活かさねばならない、というのはチーム全員に当てはまることではあるものの。そのなかでも、ひときわ思いが強いのが彼でしょう。
2ゴールを挙げた前節ですが、それよりもハットトリックのチャンスがありながらものにできなかったという無念。それを、いつか、ではなくすぐに今節ぶつけるべきです。
当然、前節勝利の立役者に対し、相手も警戒してきます。けれども、だからこそ結果を出すべきで。それが自信に、成長につながる。その絶好の機会を逃すべきではありません。

6勝のうち5勝が1-0と、粘り強さが持ち味の相模原。無得点の時間が長くなれば、それだけで相手に利することとなるでしょう。
だからこそ。
得点するのは当然として、2点以上必須で。前節の0-3負けを思い出させて「また今回もダメかも」と心を折るくらい―――なんなら、昨季のリベンジ、5得点を奪ってやるくらいでないと。
難敵であるからこその、勝ち点3の意味の大きさ。
得られるリターンを最大限に享受するために。
ここぞという試合で、勝て!
勝つことでしか得られない自信、誇りを手に入れろ!

勝たれ‼富山!!!!!
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意地を見せた逆転勝利!ホームで4試合ぶり白星  セレッソ大阪U23戦

2016-06-14 23:24:04 | カターレ富山
2-1で勝利!
先の栃木戦同様に試合開始早々にいきなり失点してしまう展開も、そのまま敗れてしまったそのときの二の舞とはしませんでした。失点直後に萱沼のゴールで追いつき、さらには前半のうちに同じく萱沼が2点目を決めて逆転することに成功。
その後はチャンスもありながら追加点はならず、逆にピンチもありと、内容としては完勝とはいかなかったけれど。それでも、しっかりと勝ち点3を得た意味の大きさというものは、やはり間違いないです。
今季ここまでで、首位から8位までが勝ち点差4以内という混戦模様。勝ち切ることの大切さが改めて浮き彫りとなる結果となったのでした。

午前中は日差しも出ていたものの、試合時間には曇り空。しかし、30度近い気温に湿度44%、スタンドにいるだけで蒸し暑かったところ・・・ピッチ上の選手のコンディション管理の大変さは推して知るべし、というところでした。
試合開始直後の4分、CKで上げられたボールをクリアしそこなったかたちで、オウンゴールによって先制点を奪われてしまいました。オウンゴールとは言っても、アンラッキーさに頭を抱えてしまう類のものではなく。むしろ、相手にしてやられてしまったのがたまたまオウンゴール判定だった、というもののように思えました。嘆くならオウンゴールそのものではなく、簡単にCKのチャンスを与えてしまったことだろう?と。
よみがえる、栃木戦の苦い敗戦。あのときも開始早々、地に足がついていないような状態のまましてやられてしまい、その後は逆転を狙って優勢に試合を進めながらもついに追いつけず。無得点で敗れたのでした。
また同じか?同じ失敗を繰り返してしまうのか?
しかし。
今度は、違いました。監督が「目が覚めたというかスイッチが入ったというか」とコメントしましたが、まさにそんな感じで。
再開のキックオフから猛然と攻め込み、相手がボールウオッチャーとなってしまっていた隙を見逃さず。三上と北井の連携から、良い位置に飛び込んだ萱沼がヘッドで決めて、あっという間に追いついてみせたのでした。
もちろん、それだけでは単に試合を振り出しに戻しただけ。勝利には勝ち越し点が必須という状況で、今節はそれが成し遂げられました。
前半38分、衛藤から脇本につなげて上げたクロスに合わせたのはまたしても萱沼!同じくヘッドで2点目を挙げたのでした。

リードして迎えた後半。追加点、萱沼のハットトリックに期待がかかりましたが、チャンスはつくれどもものにはできず。
逆に、シュートを跳ね返されたボールを拾われてカウンターをくらい、永井の体を張ったセーブでどうにか事なきを得るという危ない場面もあったりして。若いセレッソU23とはいえやはり技術は高く、リードしているからといって気を抜くことなどできない展開が続きました。
とはいうものの。
それでも、チームとしての経験値の差というものは見て取れました。
ボールの競り合いでも、簡単には失わないカターレ。体をぶつけられてもそうそうひるむことは無く。そういった部分はやはり、U23よりも経験で勝っていた部分かと。普段はJ2首位を争うトップチームと練習しているならば、セレッソU23とてぬるいトレーニングはしていないでしょう。しかしそれでもやはり、練習と公式戦とはまた別物、ということかと。
なかなか普段通りには止められない、多少強引にいかなければならない。そこからファールがかさむ、と。
それがカターレの22、セレッソU23の4という直接FKの数というハッキリとした数字となって表れていたように思います。
経験、ということで言えば。
ハットトリックを狙った萱沼ですが、GKと1対1というビッグチャンスで慎重に蹴りこんだものの惜しくもバーに、という場面も。
決められなかったのは残念ですが、それでも。これまでであったならば慌ててしまって枠を大きく外してしまう、ということになっていたのではないかというシチュエーション。ですが、決めることはできなかったとはいえ、しっかりとやるべきことを判断して放ったシュートであることはしっかりと見て取れました。やみくもに撃ったシュートではない。
結果につながらなかったのは残念ですが、それでもしっかりとした意欲を見せていたシーンであったと思います。あとは、この経験をさらに確実性へと昇華していき、ゆくゆくは相手から「憎たらしいくらいに落ち着いて確実に決めやがる」なんて言われるような選手になってほしいです。

以前にもあった開始いきなりの失点を繰り返してしまった、後半のここぞという場面で突き放すことができなかったなど、勝利しながらも課題も残った試合。
それでも、失点してもうつむくことなく向かっていって同点、それを逆転にまでつなげた気概というものは収穫として大きいところ。
混戦模様の今季J3のなか、カターレは突出して力のあるチームというわけではありません。けれども、そこから優勝を狙っていくのであれば―――課題をしっかり検証し、収穫をさらなる力に変えていくということを、着実に進めていかねばならないところ。
失点直後の同点が実現できた理由に、監督は“スイッチが入った”と表現しましたが、「スコアレスの時にスイッチを入れて1点、2点と取っていけるチームが(昇格という)目標を掲げるにふさわしいチームだと思うが、登山と同じで焦って登ると酸欠になって遭難し、スタートに戻らなければならなくなる。」とも、冷静に受け止めているようで。
登山のたとえは言いえて妙というか。地に足を付けた積み重ねの重要性というものは、なるほどというところ。
ただ、単純に登山との比較にはならないところも、またあって。登山が自分自身との戦いに占めるウェイトが大きいのに対し、リーグ戦のそれは他クラブとの競争であって。酸欠で遭難、スタートに戻るなんてことをしていては他クラブにおいていかれてしまうのはもちろんですが、慎重にゆるゆる進んでいればそれでいいわけでもなく、遅れては先んじられてしまうのは変わらず。
そしてなによりも。
いちばん大きな差異と思えるのは―――登山は、様々な条件を勘案しつつ、ときに登頂をあきらめる勇気も必要。しかし、リーグ戦のてっぺんを獲るには、あきらめるという選択肢など存在しないということ。万難を排して向かっていかねばならないということ。
そのための、積み重ね。
負けても得られる教訓というものはあるでしょうが、それでも。勝つこと、結果を残し続けることのプライオリティが揺るぐことなどないのだから。
勝ちながら強くなる、ということ。
どの試合も万全の結果を残すことができたならば言うことは無いでしょうが、そうもいかないもの。
今節のように、課題も収穫もありながらも、それでも勝っていくことができたならば。
勝って兜の緒を締めよ、ということわざの意味を噛み締めつつ、次節以降の戦いへと向かっていかねばなりません。
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