行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

勝利への気迫が結果に結びつかず。終了間際に勝利をとりこぼす ガイナーレ鳥取戦

2024-10-29 00:54:30 | カターレ富山
2-2のドロー。
前節の福島戦で4失点の大敗、そこからのリバウンドメンタリティが問われる試合となりましたが、そのなかで。
勝利への気迫というものは、もちろんにじみ出ていました。
このところ先制点が奪えない試合が続いていたところ、前半のうちに先制し、さらには追加点も。
全員が一丸となって勝利を追い求めていたこと、そこに間違いはありませんでした。
しかし。
待ち受けていたのは、非情なる結末。
劣勢にも耐えてしのぎ続けていた試合終了間際、痛恨の極みという同点ゴールを決められてしまい。
5試合連続勝ちなし。
勝利への気迫が、結果に結びつきませんでした。

4失点という大敗をくらって4試合連続勝ちなしのカターレと、前節は4得点を挙げて競り勝ち、目下3連勝中の鳥取。順位に差こそあれ、客観的に見たとき、どちらに勢いが感じられるかは・・・推して知るべし、というところだったかと。
ただ、それでも。
その不都合な事実を誰よりも強く否定し、覆して見せねばならなかったのが、カターレ選手たち。
前節の試合後の挨拶時に、ともすれば罵詈雑言も飛び交うような状況を制し、自分たちは折れてはいないという意思を示したキャプテン吉平。
試合前のミーティングでは、その吉平が檄を飛ばしたようで。
なかなか勝てていない状況が続いているのも自分たちの力だけれど、3位と昇格を狙える位置にいるのもまた、自分たちの力だと。
よく言われるところの、「積み上げた勝ち点は減らない」ということ。
さらに上に行こうとするならば。
勝って自分たちの力で積み上げていくよりほかない。
普段は明るく快活で、チームのムードメーカーでもある吉平ですが。
今節は、試合前のアップ時から既に、引き締まった臨戦態勢という表情。勝利にかける気迫、揺るがぬ決意というものが見てとれたのでした。

前節からは4人を変更したスタメンとなりましたが。
そのなかでも目を惹いたのが、ショウセイと井上のスタメン起用。
このところは専ら途中出場だったショウセイがスタメンとなるのは、10試合ぶりであったとのこと。また、井上に至っては15試合ぶりのスタメンであったとか。
スタメンの松岡のぼか、控えメンバーにもマテウス、松本、伊藤らを配し。
このところ攻撃が好調の鳥取に対しても、受けに回るのではなく攻めて勝つーーーそんな監督の決意が見てとれる起用であったかと。
時折、雨がパラついていたりもしたものの、概ね曇り空。前節のように風に悩まされることもなし。
自分たちの力が、勝利への気迫が問われる試合。キックオフのときを迎えました。

開始直後に、挨拶代わりとばかりに松岡が左足を振り抜いてシュートで狙っていくなど。早々から、前節の敗戦を気にしている場合などではない、勝つことに全集中しているんだぜ!という姿勢を示してみせました。
後ろから丁寧につなぎつつ機を伺うというスタイルはこれまで通りながら。
スタメン起用に応えるかたちで、効いていたのがショウセイと井上。
その身長を活かしてターゲットとなっていたほか、前から前からの守備で相手にプレッシャーを与えていたショウセイ。そして、その走力でもってピッチを駆け、中盤を引き締めていた井上。
ともすれば、飛ばし過ぎ、オーバーペースか?というアグレッシブさも。自分がガス欠になったとしても交代出場する選手たちがなんとかしてくれる!というチームを信じる気持ちの表れだったのでしょう。
遠く鳥取県はAxisバードスタジアムまで応援に駆け付けたファン・サポーターにも、その好影響は感じられ。
スタメン起用、当たりじゃね?と、応援にもより一層力が入ったのでした。
確かにショッキングな敗戦を喫した前節ではあったけれど、それがなんだ!とばかりに。およそ150人が駆け付けたという現地、そして富山きときと空港にて開催されたPVでは、立ち見もでるほどの入りであったとか。
ファン・サポーターはあきらめてなどいない、応援よ届け!勝利のために!

そんななかで、23分でした。
セットプレーの流れから、松岡が相手陣内深くへと蹴り出すと。それにゴールライン際で反応した神山が中央へと折り返し、そこからボレーシュートで蹴り込んだのは、ショウセイ!
実に13試合ぶりというショウセイのゴールによって、欲しかった先制点を奪うことに成功したのでした。
シーズン開幕戦でのチームファーストゴールをはじめ、プロ初年度のルーキー選手とは思えないほどにチームの中心として出場してきた彼ですが。
夏以降は途中出場中心ながらも、絶え間なく出場を続けるなかで。
自身にかけられる大きな期待を感じながらも、なかなかゴールで応えることができないーーーそんなもどかしさというものも、やはりあったのではなかろうかと。
それでも、がんばり続けた。精進を続けてきた。
努力は裏切らないーーー今回のこのゴールが、いわゆる「ケチャドバ理論」として、最終盤のリーグ戦でのゴール量産につながってほしい。そう願ってやみません。

さらに、28分には末木にもゴールが!
このところ先制点を奪えない試合が続いてきたものの。その流れを切って捨てるよな、前半のうちに2得点!
ちょうど1年前の10月、同会場での鳥取戦にて。
試合開始早々にオウンゴールでリードを許してしまうというショッキングな展開だったものの。そのショックを振り払ってみせたのが、末木の同点ゴールでした。
彼にとって、2シーズン連続となるアウェイ鳥取戦ゴール。
あのときは、追いついてから松岡の逆転ゴールにつなげて見事に勝利を飾ったように。
こうなったらもう、勝つしかねーだろうがよ!
37分に失点を喫し、1点差とされてしまったけれど、それでも。
そもそも、そう簡単に勝てると思うほど鳥取を過小評価はしていない。ゼロで抑えられたらベストとはいえ、そうならなかったからといって動じているばあいじゃないだろうと。
勝つしかないなら、なおのこと!

勝負の後半。
65分には、ショウセイに代わってマテウス、井上に代わって松本を投入。
正直なところ、ショウセイと井上は2人ともにしっかりと効いていただけに、代えるにしても、もう少し引っ張ってもいいのでは?と思いましたが。
それでも、そこは小田切監督の判断。
この4戦連続勝ちなしのあいだにも、本当は攻撃カードとして古川を起用したかったところだったけれど、守備にかける交代のために使えなかった、なんて試合があったりしました。
勝負所とふんで、積極的にしかける決断をした監督。
そして、74分には松岡に代えて伊藤、吉平に代えてヨシキを投入。いよいよもって、次の1点を狙いにいくことに。

しかし・・・事は、思い通りには進みませんでした。

鳥取のほうも、田中 恵太や長谷川 アーリアジャスールといった経験豊富な選手を途中出場させて攻勢をかけてくるなかで。
だんだんと、後手に、劣勢を強いられ始めることとなったカターレ。
交代した攻撃ポジションのせんしゅたちも守備に追われ、なかなか良いかたちで攻勢につなげることができない。
80分には、大山が足がつってしまったということで、脇本と交代。最後のカードを切ることに。
ただ、劣勢の影響は大山ひとりではありませんでした。
河井にも疲れが出て中盤の機能が低下し。
さらに決定的だったのが、末木。
足がつってピッチに倒れ込むシーンがあったものの、もう交代できない。
大事な試合最終盤、なんとしてもリードを死守せねばならないなかで、中盤が機能不全。劣勢も極まれりというなかで。
90+1分。
まさに、こじ開けられたというべきか。
MF高柳 郁弥に決められてしまい、痛いどころではない同点ゴール。
そして・・・無情のホイッスル。試合終了。
茫然自失。
力尽き、倒れ込み立ち上がれない選手たち。
2-0は危険なスコアなんて言われたりもしますが・・・2点差を溶かされ、勝たねばならない試合で、目前であった勝利をとり逃すことになってしまったのでした。

5試合ぶりの勝利を目指し・・・理屈抜きに、ひたすらに勝利への気迫をこめて臨んだ試合。
状況的に見ても、どうしても勝たねばならない試合でした。
前日、岐阜と対戦した2位の今治が敗戦。しかも、前節のカターレかよ!なんてツッコミをいれたくなるような、よもやの4失点の大敗で。
ここで勝てば、一気に3差に詰められる。ならば、勝たねばならない理由しかないだろ!
そこに来て、2点リードという、勝つべき試合。
だのに。
今シーズン14試合目というドローゲームにして、勝ち点1。
3を積み上げねばならなかったところ、2ぶんとりこぼす結果に。目前で白星を逃し、連続勝ちなしは5試合に伸びることとなり。
10月最初の試合は今治との上位直接対決、それを含めてどの試合も簡単なものなどなかろうけれど、それでも勝ってラストスパートをかけなきゃな!
ーーーそう、思っていたのに。
終わってみれば、まさかの10月未勝利。4試合、ただの1試合も勝てませんでした。
もちろん、相手のあること。どの試合も、必ず勝てる保証などありはしません。
吉平が言ったように、たとえ受け入れ難くとも、これが今の自分たちの力にほかならないのであって。
ただ・・・勝てなかったことと同じくらいにくやしかったのは。
試合後、吉平の表情が厳しいままになってしまっていたこと。
勝利の歓喜で満面の笑みをみせてほしかった、その顔が・・・こわばったままであったこと。
それが、つらかったです。

あきらめてしまうのは、簡単。もうダメだと投げ出してしまうのも簡単でしょう。
けれど。
そんなこと、あってたまるかよ!
吉平が言ったところの、もうひとつの部分。
厳しい状況になってしまっているのも自分たちの力(のせい)だけど、3位という昇格を狙える位置にいるのも自分たちの力(のおかげ)だと。
残り4試合で、勝ち点差5。
ただでさえ厳しい状況の中で、さらに対戦するのが4試合全部シーズン前半戦で勝てなかった相手ときている。
ただ、それでも。
信じて、応援し続けるのみです。
絶望なんて、してはいません。なぜなら、今シーズンのカターレ選手たちならやってくれると信じているから。
この先の4試合で、良いところなく無様に4連敗するのか?と言えば、そんな姿は想像できません。
それに比べたら、4連勝のほうが、どれだけも可能性が高いとさえ言えましょう。
こんなところで終わるようなカターレじゃない!

あきらめてなど、やるものか!
戦いは続いているのだから。


第34節 ガイナーレ鳥取戦

2024-10-27 01:32:05 | カターレ富山
3位という順位こそ変わらなかったものの。
前節、2位・今治が大宮を相手に引き分け、勝ち点1止まりであったなかで。チャンスを活かすかたちで差を詰めねばならなかったのに。
チームとしての熟練度が高まるシーズン後半戦に、いよいよ本領発揮ということだったのでしょうか。好調の福島に屈するかたちで、よもやの4失点大敗を喫してしまったカターレ。
連敗など論外というなかで迎える今節。やはりシーズン後半に勝ち星を積み上げ、目下3連勝中という鳥取と対戦することに。
リーグでも屈指の勢いを誇る鳥取ではあるものの。それに簡単に屈することとなっては、お先真っ暗と言わざるを得ないところでしょう。
なんとしても、踏みとどまり。
5試合ぶりの勝利でもって、自動昇格をあきらめない姿勢を示さねばなりません。

2位と3位との直接対決となった今治戦は、ある意味例外かもしれませんが。
このところ、讃岐にしろ宮崎にしろ福島にしろ、シーズン後半戦になって本領を発揮、上り調子となっているクラブとの対戦が続いていたカターレ。
やるか、やられるか。
「やる」側のチームの攻勢に対して、引き分けでなんとかこらえてきたけれど、ついに決壊してしまって4失点大敗を喫してしまった「やられる」側カターレという構図。
今節の鳥取も、間違いなく「やる」側のクラブ。
序盤戦の出遅れが足を引っ張るかたちで、ここまで13敗を喫している一方で。夏以降は驚異的な巻き返しを見せて、3連勝3回を含む9勝2敗。今節、3度目の正直で4連勝を狙う試合となります。
前節に関しても、松本を相手に4-3と撃ちあいを制して勝利。4失点で敗れたカターレとはまさに対照的。
ここまで13勝は、14勝のカターレとひとつしか違わず。カターレの側が13引き分けとやたらに多いドロー決着があるぶん、差がついているかたち。もし負けてしまえば、その勝利数すら並ばれるとなれば。
もしも第三者が勝敗予想を立てたとしたら。上り調子の鳥取と落ち目の富山とでは、間違いなく鳥取の勝利を推すことでしょう。
プレーオフ圏内たる6位・福島まで勝ち点差3という位置につけ、混戦の中位グループからの抜け出しを図る鳥取にとっては。4月の前回対戦では敗れている富山ではあっても、当時とは全く別のチームと言っていい状況ともなれば。勝つべき未来しか見ていないことでしょう。

大目標であったJ3優勝を、大宮にさらわれ。今治との直接対決をモノにできず、前節の差を詰めるチャンスを逃し、逆に拡大。
これまでのプライドであったリーグ戦ホーム無敗もストップし。
今度はなにか?これまで維持していたところの「たとえ負けても連敗をしない」まで失うつもりか?
直近3分け1敗は、1勝3敗も同じ。このシーズン終盤にそんな体たらくでは・・・今こそプレーオフ圏内最上位・3位だけれど、連敗によってズルズル後退、気が付けば圏外なんてことも、無いとまでは言えず。
たとえ圏内に残ったとしても、上り調子のクラブに勝てないリーグ戦を踏まえたならば、一発勝負のプレーオフで勝ち残れる道理は無いーーー。
現状を悲観してしまえば、どれだけでも悪く捉えることが出来ましょうけれども。

そんなこと、知るか!

今、大切なのは折れない心であって。
上り調子のクラブが相手?それがどうした。なんでカターレの息切れ感だけにフォーカスせねばならんのかと。
そもそもの話。
偶然やラッキーだけで3位にいられるほどに、今シーズンのJ3はヌルゲーだったのか?という話。
全く資質の無い場違いクラブが、ここまで勝ち点55を積み上げられるなんて。そんなことあり得るのか?
化けの皮が剥がれた、メッキが剥がれたなんて思うのは勝手だが。
なんで、カターレをオワコン扱いされねばならんのだ、と。
ここで踏みとどまり、4連勝を狙う鳥取を返り討ち!その力が、本当に無いのか?
そんなことないでしょう。
これまでリーグ戦33試合戦ってきたという条件は、カターレも同じ。
むしろ、カップ戦なども含めたならば、今シーズンJ3でいちばん多く公式戦を戦ってきたのがカターレとさえ言えるのであって。
その経験が無駄であってたまるかと。
ここでカターレが巻き返す余力が無いなど、認めてたまるか!

古い話になりますが。
長くJ3にいるカターレになりますが、そのなかでも一際苦しかった2018シーズン。
開幕から不振を極め、ゴールデンウイークには最下位、そして監督更迭の憂き目に。
そんなどん底の状態から。
当時の安達監督の下での再出発、そのなかでのリーグ戦初戦となったのが、アウェイでの鳥取戦でした。
当時新加入にしてキャプテンを務めていた今瀬の必死のシュートブロック、椎名の決勝ゴールなどもあり、3-2と競り勝っての白星でした。
理屈云々じゃない、とにかく勝つんだーーー気迫を前面に打ち出し、チームがただひたすらに勝利を追い求めた。そして勝った試合でした。
当時を知る選手は、前述の今瀬と椎名、そして陽次を含めた3人だけですが。
今、求められているのは、あのときのような試合ぶりにほかならないだろう、と。

ガムシャラに、勝ちにいく。
2018年が古い?ならば去年はどうなのかと。
ちょうど1年前の10月、同じくアウェイでの鳥取戦。そこでは開始早々の8分にオウンゴールでリードを許すという痛すぎる展開となりましたが。
それに屈することなく反撃の機会を伺い続け、前半のうちに末木のゴールで追いつくと。
迎えた後半、松岡が決勝ゴール。気持ちを前面に打ち出して吠えた姿が印象的でした。
ならば。
今節も、ゴールを決めて吠えてもらおうじゃないかと。チームを勝利に導いてもらおうじゃないかと。
そして、前節意地のゴールを決めてみせた吉平にも期待したいところ。
ゴール裏に挨拶に来たときに、決して折れない姿勢を強調した彼の意思。それが口先だけの方便ではないことを証明するには、やはり勝利があってこそ。
キャプテンとしての重圧というものは、プライドの重さでもあるということ。
力を、発揮してほしい。
そして、勝ってほしいです。

前節4得点を奪って勝利したクラブと4失点で敗れたクラブとの対決?それがどうした。
1試合の結果で全てが決まるトーナメントじゃあるまいし。
リーグ戦は、積み重ね。
カターレにだって、伸びしろが無いわけでは決してなく。
上り調子のクラブとの対戦?カターレがここから上り調子にならないと、どうして言えようか。
11月24日のシーズン最終戦まで、残り1カ月を切りました。
どういった結果になるにしろ、1か月後にはリーグの最終結果が出ることになります。
残り5試合で5連勝。
落ち目のクラブにそんなの無理?
そんなわけあるか。
出来るかどうかじゃない。やるかやらないか。
もちろん、やる。
まずは、今節。
流れを変えるなんて、1試合でじゅうぶんだ。
ならば、勝て!

鳥取から、勝ち点3を奪取せよ!
自動昇格圏2位を、あきらめてなどやるものか!
必ずや勝利し、歓喜の雄叫びを!

勝たれ!!!富山!!!!!

惨敗。ホーム負けなしがストップし、2位との差も拡大 福島ユナイテッドFC戦

2024-10-23 07:43:29 | カターレ富山
1-4で敗戦。
記録というものは、永遠に続くわけではなく、いつかは途切れるものーーーそれはわかっているけれど。
それでも、信じていました。
今年のカターレであれば、残り3試合も負けなしとしてホームゲームシーズン無敗を達成してくれると。
しかし。
盲信というほどではなく、負ける可能性がある以上は、それを受け入れねばならない事態も覚悟していたはず・・・だったのですが。
負けるにしても、負け方というものがないだろうか?と。
もちろん、相手の福島が手強かったこともあるけれど。
なぜ、これまでの失点パターンを繰り返してしまうのかと。
なぜ、追いかけねばならない展開で力を発揮できず尻すぼみになってしまうのかと。
ひとえに、カターレの至らなさが噴出したかたちの、惨敗。その代償は大きく、前日に引き分けた2位・今治を勝って追わねばならなかったのに、逆に差を広げられ。その差6。いよいよ厳しい状況に追い込まれることに。

いつのなったら夏が終わるのか?という10月も下旬に差し掛かろうかというなかで、前日から10度くらいも気温が下がった試合当日。この時期らしいといえばそういう状況ではありましたが。
前日と言えば、その前日の同時刻ごろには土砂降りの雨であったことを思えば、多少の肌寒さ程度は、まあ、と。
ただ、誤算(?)だったのが、横断幕掲示禁止、大旗使用禁止になるほどの強風に見舞われたこと。
それはつまり、ロングボールを蹴り込む戦術が使えない、パスサッカーに自信を持つ福島の側の有利を意味してもいました。実際、勝機と見てでしょう。コイントスで福島が陣地変更を選択、カターレにとって前半は逆風にさらされることともなりました。
スタメンは前節・宮崎戦をベースとしつつも小変更。このところ戦列を離れていた大山が久々のスタメンとして右SB。前線には陽次に代わって吉平がスタメン復帰。そして、前節も途中出場していた古川が、この夏のカターレ加入以来初めてのスタメン出場となりました。

やはり、想定通りというか。的確なパス回し、個々の選手の技術もあいまって、手堅いサッカーを繰り広げる福島。
それに対してしっかりと堅い守りからボールをつなぎ、攻勢に出ていかねばならなかったカターレ。
前半のうちは、鍔迫り合いというような時間が続き。隙を見せることなく、いかに自分たちの優位に試合を進めていくかが問われました。
ただ・・・。
正直、カターレの側としては、力を十全に発揮しきれていませんでした。
細かな繋ぎのミス、意図と違う蹴り出し、判断の遅れなど・・・どうにも、シャキッとしない。
そんな良くない状況が、積もり積もって。よく言うところの、ボディーブローのように効いてきた、というところでしょうか。
39分、CKの流れからFW塩浜 遼に押し込まれて先制点を奪われてしまうと。
前半終了間際の45分にも、カウンターから繋がって前線に走り込んでいたFW森 晃太が迷いなく蹴り込み、追加点。前半だけで2失点と、一気に苦しくなってしまうことに。
失点に良いも悪いも無い、と言われるかもしれませんが、それでも。
自分たちが、どうにもモタモタとして得点につなげられないなかで。相手の福島は、得点というものをしっかりと意識し、そのためにプレーしていた。
そのあたりの差をみせつけられたような失点とあっては。やはり、厳しい状況と言わざるを得ませんでした。

それでも、ハーフタイムで修正を図り、後半は風上となるならば。さらには途中交代のショウセイや松岡、そして久々に戦線復帰となった伊藤らの活躍いかんによっては、まだまだあきらめる状況にはない、と。
ホーム無敗を、途切れさせてたまるかよ!たとえ苦しくとも、逆転勝利は難しくとも、最低限追いつくことでドローに持ち込まねば。今治もドローであるなら、引き離されることだけは避けなければと。
しかし・・・期待とは裏腹に。
後半に入っても、戦局を一変させるほどの劇的変化は、起こりませんでした。
カターレ側に良い場面も、無かったわけではないけれど。2点を先行した福島の側の余裕というものを削ぐほどのものではなく。
それもこれも、前半の戦いの延長線上のものでしかない、というか。
風上に立ったにもかかわらず、それを味方にする戦術は、無し。
愚直に練習でやって来たことを繰り返す、と言えば聞こえはいいけれど。
言いかえれば、それしかやっていない。
なによりも。
追う立場だというのに、ゴールに迫っていく勢い、迫力というものが、依然として福島のほうが強く見えるとはどういうことなのか?と。
頑張っていることは頑張っている。
だけど、それは勝利のための頑張りか?
パスをつなぐのも、最終的に得点につなげるためではないのか?なにか、パスを繋ぐというタスクをこなすのが目的のようにさえ見えるのだが?

57分に、一挙3枚替えで松岡、伊藤、ショウセイを投入。反撃への機運が高まった・・・はずだったのですが。
これから!という65分。
再び塩浜に決められてしまい、差を詰めるどころか広げられてしまうことに。
それでも、69分。
ゴール前の混戦から吉平が今季8ゴール目となるシュートを決めて、1点を返すことに成功。
喜びもそこそこに、急いでセンターサークルへ。あと3点、いや2点でも取り返さねばならないのだから。
ただ・・・やはり、点差から来る余裕の差というものは、大きく。
1点を返されたからとて、慌てる福島ではなく。それまで続いていた状況を変えてしまうには至らず。
それどころか。
75分、再び森。ダメ押しと言うには痛すぎる4点目を被弾。いよいよ、試合を決定づけられてしまうことに。
「まだ終わってねぇぞ!」
たとえこの試合が負けとなろうとも、得失点差の問題もあるならば。抵抗は無駄などではなく、むしろ果敢に点を獲りにいかねばならなかったのですが。
悪い意味で、その後も試合の趨勢はまるで変わらず。
反撃は1点止まり。4失点の大敗を喫し、開幕から続けてきたリーグ戦ホーム無敗の記録が、17戦目にして途切れることとなってしまったのでした。

記録は、いつか途切れるもの。相手の福島も手強く、敗戦そのものは、受け入れざるを得ないとはわかっています。
ただ、それでも。
同じ負けるにしても、やはり負け方ともいうべきものが。
シーズンも終盤に入り、各クラブともにチームとしての熟練度がアップ、質の高まったサッカーをしてきます。今節の福島のみならず、宮崎、今治、讃岐、みんなそうでした。
そんななか、カターレはどうなのか?
正直言って、「なっていなかった」と言わざるを得ない試合でした。
自分たちのスタイルを追求する、それそのものは良いとして。
問題は、それに囚われるあまり、大事なことがおろそかになっているように見えて仕方なかったということ。
つまりは、パスを繋ぐにしてもカウンターを仕掛けるにしても、それは何のためか?
決まっている。得点を挙げること。得点を挙げて、勝利すること。
その、いちばん肝心な得点を挙げるという部分について、「なっていなかった」と。
もちろん、頑張っていたことは頑張っていたでしょうが。
それが、福島のほうが貪欲に得点をねらってきていた、ということがハッキリとするに至っては。
もちろん、勝つつもりが無かったなんてことは、あるわけないにしろ。
それでも・・・劣勢に立たされ、跳ね返すだけの強さも発揮できずにあえなく大量失点で敗れた。
その結果、詰めねばならなかった今治との差を、逆に広げられることに。
頑張りは頑張りとして・・・やはり、結果を出せないことには話にならない。非情なようで、それが現実であって。

試合後、挨拶に来た選手たちに、ブーイング。
ただ、そのブーイングを制したキャプテンの吉平が、言いました。
「バラバラになる、壊れるのは簡単だけど、これが今の自分たち。ブレることなくやっていく」と。
言うは易く行うは難しーーーもちろん、吉平とてそれは百も承知だったでしょう。あるいは、「口先だけじゃなく結果で示せ」なんて思われる、そんなリスクも織り込み済みで。
それでも、言った。
それこそ、ここでバラバラになっては元も子もない。自滅していては、ライバルを利するばかりでひとつもメリットが無いと。
痛恨の敗戦を、最終盤に勝ち進むためのバネにできるかどうか。
いや、そうじゃない。
しなければ。
試練と言うには、あまりにもキツイ結果を突きつけられることにはなりましたが。
ここで、へこたれるわけにはいきません。
最終節で昇格を逃した去年を、また繰り返すのか?
冗談じゃない。
ここでへこたれていては、そうもなろうというものですが。
もちろん、そんなことは無い。
カターレは、まだ終わっちゃいないんだ。
信じて、貫くのみです。

戦いは、続きます。


第33節 福島ユナイテッドFC戦

2024-10-19 14:53:49 | カターレ富山
前節、試合終了間際の劇的同点ゴールによって敗戦を回避、辛くもドローとして勝ち点1を積み上げたカターレ。
連続負けなしがストップしてしまう敗戦が最悪の結果であったとするならば。勝てなかったながらも負けなかったことは・・・苦手のアウェイ戦で、勝ち点を1ながらも得られたことは、悲観すべき結果ではなかった、と。
ただ、それでも。
直接対決で勝てなかった、上回れなかった今治。その差が5に開いてしまった事実は、重く受け止めねばなりません。
3試合連続ドローという状況を、勝利で、勝ち点3獲得で更新していかねばならなない今節。
ホームに福島を迎える今節。
勝ちきれずドローであった前回対戦のリベンジは、もちろんとして。しっかりと勝つことで、リーグ戦ホーム無敗を継続せねばなりません。

福島との前回対戦は、リーグ開幕からおよそ1ヵ月・第6節でのアウェイ戦でした。
第5節の金沢戦でようやくリーグ戦初勝利したカターレ、そこから中3日という過密スケジュールで迎えた試合。
お互いに選手起用に苦慮しなければならない日程のなかで、結果はスコアレスドロー。相手のパスワーク、勢いに苦慮し、決定打と言うべき攻撃が出来ずじまいに終わってしまった試合でした。
スコアレスドローながらも、昨シーズンでは同じような展開ならば負けていたであろう試合。そこそ踏ん張って勝ち点1を持ち帰った、という部分は評価出来たものの。
その第6節までで、総得点がわずかに3点。しかも1得点が3試合という。
攻撃力の物足りなさというものが、ハッキリと露呈。
そして・・・負けなかったからそれで良し、ということにはならず。次の試合・第7節の琉球戦では、PK絡み失点を含みつつも3失点をくらって敗戦という、手痛いツケを払わされることとなったのでした。
今節も、あるいは似たような状況と言えるかもしれません。
3試合連続ドロー中のカターレ。
ともすれば3連敗でもおかしくなかったなかで、崖っぷちで残り、勝ち点1ずつながらも負けることなく積み上げ続けた。それ自体は、価値あることでしょうが。
一方で。
3試合連続で勝てていない、という事実は、やはり重く。それが、2位今治との勝ち点差拡大にもつながってしまったというならば、なおのこと。
ここで、あえなく敗れて連続負けなしストップ、そしてシーズン初のリーグ戦ホーム敗戦となることにでもなれば、そのダメージは如何ばかりか。
理屈じゃない、勝たねばならない試合。
心して、挑まねばなりません。

川崎フロンターレでコーチを務めていた寺田 周平監督の下、今シーズンを戦っている現在7位の福島。その川崎からの期限付き移籍選手を含めつつ、「フロンターレメソッド」とでも言うべきスタイルを徹底。
攻撃力に自信を深め、ここまで総得点49は、首位・大宮、2位・今治に次ぐリーグ3位。上位争いを繰り広げるに相応しい力を持ち合わせているとも言えるかと。
その攻撃力をもって白星を積み重ね、ここまで勝利数14は、3位であるカターレと同数ですらあります。
一方で。
得点が多い半面、失点も多く。特にここ最近3試合では、7得点を挙げている一方で10失点を喫しています。
前節は首位の大宮と対戦。相手を上回るチャンスを作りながらも2-3と競り負けて敗戦。目の前で大宮のJ2復帰確定をみせつけられることとなりました。
ここまでリーグ戦32試合で、引き分けは僅かに4。リーグ最少である福島。
その数少ない引き分け試合のひとつであった、富山戦。その借りを返して勝利を挙げ、再び昇格プレーオフ圏内へと返り咲くために。気合を入れて、今節の富山戦に乗り込んでくることでしょう。

勝ち数も多いけれど負け数も多い、という福島の特徴で思い出されるのが、ほかでもない、昨シーズンのカターレ。
最終的にリーグ戦38試合で、引き分け数が5であったことを思えば。ここまで4でリーグ最少という福島には、なにかシンパシーを感じるものが。
ただ、それは。
カターレがそうだったからこそ、理解できるというもの。
福島の失点の多さのなかには、“しなくていいはずだった失点”というものも、多分に含まれているはず。それに足を引っ張られることがなければ、もう少し上位につけているだろうに、と。
昨シーズンのカターレがそうだったから、わかる。
その昨シーズンの反省を経て、守備強化に注力してきた今シーズンのカターレ。
その甲斐あって、失点の少なさはリーグ2位、クリーンシート試合に至ってはリーグトップですらあります。
確かに、引き分けが多い。勝つべき試合で勝てなかったという結果も、少なからずあった。
それでも。
昨シーズン通った道だから、わかること。
数字として、明確にカターレのほうが守備が堅い。それを、攻撃力に自信を持つ福島にみせつけねば。
もちろん、得点を奪って勝利に結びつけねばならないという部分は、課題ですが。
そこは、それ。去年のカターレが苦い思いをしてきたところの“しなくてもいいはずだった失点”というものを突きつけるかたちで、得点に、勝利につなげてみせねばならないかと。

リーグトップクラスの攻撃力を誇る福島。だからこそ、ノせてはいけない。
3戦連続ドローというカターレにあって、得点力の改善は急務であるなかで。なんとしても、ゴールを奪って試合の主導権を握り、そこから勝利へと繋げねばなりません。
逆に言えば、首尾良く得点し、リードを奪ったならば。リーグ屈指の守備力を誇るカターレが、そう簡単にやられることなどありませんよ、と。
だからこそ、求められる得点。
期待したいのは、ヨシキ。
前節、最後の最後で松岡のゴールが決まったから良かったものの、危うく無得点で負けかけた。それも、CKのチャンスが12回もあったにもかかわらず、ことごとくフイにした挙句に、ということで。
もちろん、ヨシキだけの責任ではない、チームの問題であることは明らかですが。
それでも・・・プレースキックのキッカーとして、あまりにあんまりな決まらなさ加減には、忸怩たる思いもあったことかと。
12回もあったチャンス、その1回、2回でもしっかりとモノに出来ていたならば、勝ち点1にとどまらずに3に、勝利につなげることもできたのでは?と。
もちろん、終わったことをグチグチと蒸し返してもしかたないことですが。
悔しかったら、次の試合たる今節以降に、勝利という結果でもって見返すしかない。
攻撃力に自信があるチーム?それがどうした。
8月の沼津戦では、やはり攻撃力に自身のある沼津を1点に留め、逆に5得点という大量得点で粉砕したじゃないか。
要は、それを今節もまたやれば良いということ。
プレースキックのキッカーであるだけでなく、その沼津戦ではしっかりとチャンスに顔を出して得点に結びつけているヨシキ。ならば、その得点感覚というものを、今節もまた十二分に発揮してもらおうじゃないか!と。
そして、フロンターレメソッドのもとでパスワークから攻め込んでくる福島を止めるにあたっては、守備の安定と的確な判断が不可欠。
そのなかで、期待したいのが河井。
前回対戦時にも、劣勢の場面でも奮闘、その確かなテクニックでもって、相手の攻勢に立ち向かっていった彼のこと。
今節も、その豊富なキャリアに基づくプレーぶりでもって、チームを落ち着かせる役割をしっかりと担ってほしいところ。
いかに攻撃に自信がある福島とて、リズムよくペースを握れない時間が続けば、そのプレー精度にもほころびが出ようというもの。その隙を見逃すことなくカターレペースへと転じさせるような、そんなベテランらしいプレーを見せてほしいです。

リーグ上位クラブが昇格に向けて正念場、というシーズン終盤戦。それに加え、今シーズンはJFLへの降格が現実味を帯びてきているとあれば、下位クラブとて必死。
これまでのシーズンであれば、昇格が見えなくなった中位から下位のクラブのこの時期は、経験を積ませるために勝敗度外視で若手の起用、とかあったかもしれませんが。
こと今シーズンに至っては、どこも必死。下位の讃岐や宮崎に危うく負けかけたのも、もちろん偶然やマグレなどではなかったことかと。
どのクラブであっても、シーズン終盤戦ともなれば、成熟度が高まっています。同時に、対戦相手の研究も進んでいる。序盤戦などとは比べ物にならないくらい、チームとしての真の実力が問われる時期、とも言えましょうか。
しかし、だからこそ。
対戦相手が手強くなっていること、容易には勝てなくなっていること。それらは事実として。
カターレだけが一方的に苦戦しなければならない、そんな謂れはありません。
相手から見たときに、「やはり自動昇格を現実的な目標としているクラブは、ワケが違うな」と畏怖されるような、そんなチームでなくては。
相手にとって脅威となるチームとして、その挑戦を跳ね返さねば。
カターレの行方を邪魔するクラブは、容赦なく叩き潰す。そんな強さを見せねばならない。それは、まぎれもない真実であって。

リーグ戦残り6試合。今治の結果如何では、最良である6連勝を果たしてすらも、2位以内に入れない可能性もありますが。
それでも。
カターレがやらねばならないことは、なにか?
言わずもがな、勝ち続けること。
相手云々じゃない。クラブとして、そこにブレなど一切ない、そんな強靭さを見せつけねばならないのであって。
プレーオフ圏内を目指して奮闘中の福島?
関係ない。
立ちはだかるならば、蹴散らすまで!

欲しいのは、勝ち点3!
ホームに歓喜をもたらす、勝利を!
勝ち続けろ、カターレ!!!

勝たれ!!!富山!!!!

諦めない執念で、またも土壇場で追いつく!意地を見せたドロー決着 テゲバジャーロ宮崎戦

2024-10-14 06:42:01 | カターレ富山
1-1のドロー。
同日に先んじて開催された今治-YS横浜戦で、今治が勝利。試合開始時点で6差に離されていた勝ち点を、勝利してなんとしても3に戻さねばなりませんでした。
が。
結論から言えば、勝利はならず。勝ち点1を積み上げるにとどまり、5差に広げられてしまうことに。
いろんな意見はありましょう。
勝たねばならない試合を、落とした。いかに勢いがある相手とはいえ、確実に勝ち点3をモノにせねばならない試合で、それが為せなかった。
大事な終盤戦の戦いで、3戦連続ドロー。つまりは1勝2敗と変わらないじゃないかと。
けれども。
勝ち点3奪取に失敗したこと。差をひろげられたこと。数字の上では2敗と同じということ。それらが、事実であったとしても。
ドロー決着が、無価値だとでも?
そんなわけはない。
たしかに厳しい状況にはなっている。けれど、今節のドローが・・・勝利への意思を、執念を貫いた結果であることもまた、まぎれもない事実であって。
それが無価値などとは、言わせません。

ここ最近のメンバーをベースとはしつつも、ガブや陽次を投入し、変化をつけてきたスタメン。ホームでの前回対戦では、主導権を握られてしまい後手後手に回ってしまう展開であっただけに。リベンジマッチとも言える今節、なんとしても勝つ。そのための布陣であったかと。
試合は開始から、カターレのペース。
高い集中力でボールをコントロール、同時に相手の得点源であるところの武、橋本といった選手たちに仕事をさせず。
今節もまた、ヨシキがその運動量をもってピッチを縦横無尽。攻守にわたって相手を上回る働きぶりでもって、試合の流れを渡しませんでした。
そんななかで。
試合全体で、12本ものCKのチャンスを獲得。宮崎が0であったこととはまさに対照的に、ゴールに迫ることに。
ただ・・・それが、決まらない。
相手の守備の頑張りもあったでしょうけれど、それよりも。
どうにも、精度がいまひとつ。
せっかくのチャンスを活かすかたちで得点できていたならば、違った試合展開になるだろうにーーー押し気味に試合を進めていたからこそ、そんなもどかしさが。

0-0で折り返した後半開始時。
得点こそなかったものの前線から精力的に攻勢をかけていたマテウス。その彼に代わり、ハーフタイム明けと言うタイミングでショウセイを投入。カターレのエースに得点を、そして勝利を託すことに。
しかし・・・。
先にゴールネットを揺らしたのは、宮崎でした。
宮崎の攻撃時にも、攻め込まれながらもしっかりと対処し、決定的な仕事をさせてこなかったカターレ選手たちでしたが。
58分。
相手の攻撃時に、一瞬だけ寄せが甘くなったとき。ボールの跳ね返りが変わって宮崎の選手につながってしまうというアンラッキーも重なり、そのボールがフリーとなっていた武のもとへ。
ペナルティエリア外で距離があったものの、迷いなく蹴り込んだボールがゴールに突き刺さり。与えるわけにはいかなかった先制点を献上してしまったのでした。
知っていた。知っていたよ。武という選手が、そういった素晴らしいゴールを決められる選手であることは。
それまでの流れなど関係ない、チャンスとあらば、決めてみせるーーーそんな、ストライカーとしての資質。それが見事に輝いたスーパーゴールでした。
それまではしっかりと抑えていただけに・・・悔やまれる、一瞬の隙。
なにか、午前中に観ていたMLBのプレーオフ・ドジャースVSパドレスの試合を彷彿とさせました。
パドレスの先発・ダルビッシュが、ほぼパーフェクトというような素晴らしいピッチング。
ただ、そのなかで、たった2球だけ失投。その2球が、2本のホームランにつながり、結果的に敗れることに。
ほんのわずかな隙が、致命的な敗戦につながってしまうーーーそんなシーンを思い出してしまったのでした。
宮崎の右SBとして奮闘していた松本 雄真ともども、元カターレ選手の活躍は、それはそれでうれしいものがあったけれど。その思いと、立ちはだかる相手チームのメンバーという事実とは、微妙に相いれないものであり。
恩返しゴールと言うには、あまりにキツい失点。
大事な勝たねばならない一戦で、ビハインド状態に。

かつてのカターレのエースであった武にしてやられたからには。今のカターレのエース・ショウセイにやり返してもらわねばーーーそう思っていたなかで。
弱り目に祟り目とでもいうのか。
同点・逆転ゴールの期待をかけていたショウセイが、接触プレーで頭をぶつけるアクシデント。
途中出場であったにもかかわらず、脳震盪の疑いで途中退場となってしまったのでした。
脳震盪による退場の特例として、交代枠がひとつ追加されることに。それによって、フィールドプレイヤーの控えメンバー全員がピッチに入り。とりわけ、吉平と松岡のアタッカー2人にはゴールへの期待がかけられました。
もはや、なりふり構っている場合ではない。
持てる力を振り絞り、宮崎を攻め立てるカターレ選手たち。

ただ、それでも。
宮崎としては、1点を守り切る戦術にシフトしていたのかもしれませんが。
守る宮崎に対し、攻めても攻めても、遠いゴール。
そんななかで、下手をうって集中力に欠ける雑なプレーをしてしまえば、たちどころにカウンターの餌食となってしまっていたことでしょう。
たとえ得点が遠くとも、焦れて自分たちからピンチを招いて決定的な追加点を奪われる、などということになれば。本末転倒どころの話じゃない。
刻々と過ぎていく試合時間。
敗戦の気配が漂うなかでも、あきらめてしまうわけにはいかない。
両チームともに7戦連続負けなしで迎えた今節。相手の宮崎に継続を譲り、カターレはあえなく敗れて記録ストップ?そんなのは願い下げ。
そんな最悪な結果など、受け入れてたまるかよ!

そうしたなかで、いよいよ試合も最終盤。
試合時間も90分を迎え、残りはアディショナルタイムだけ、という状況で。
表示されたその時間は、+9分。
1点を守り切ろうとしていた宮崎にとっては、あるいは愕然とする長さの時間であったかもしれませんが。
ショウセイの負傷によって試合が止まっていた時間からすれば、妥当とも言うべき長さ。贔屓目抜きに、それは確かであったかと。
ならば。
ショウセイの無念を思えば、やらねばならないことは、決まっている。
なんとしてもゴールを挙げ、敗戦という結末を否定してみせること!

迎えた、90+6分。
精神的にも体力的にも限界を迎えるなかで、それでもあきらめないカターレ選手たちが、力を振り絞って波状攻撃を仕掛けると。
泥臭いどころじゃない。スマートなんてとても言えないような、必死の攻撃。相手ゴール前でもつれるように繋いで繋いで。
そのボールが、松岡の足元へ。
すると、もうなりふりなんて構っていられない。効き足ではない右足で蹴り込んだシュートが、ゴールへ!
まさに、執念としか言いようのない同点劇。敗戦直前の土壇場で、まさに起死回生のゴールが決まったのでした。
それでも、その喜びもそこそこに、すぐさまに帰陣する選手たち。
まだ時間は残っている!このまま逆転までーーー。
鳴らされた、試合終了のホイッスル。
辛くも敗戦を免れたカターレ。勝ち点3はならずも、1だけとはいえ、アウェイの地で積み重ねることとなったのでした。

今節勝利した今治に、リードをひろげられてしまう結果に。勝たねばならない試合を落とした、と言われてしまえば、その通りだと応じるより他ないのですが。
正直、2位を追わねばならない立場で勝ち点2ぶんを獲れなかったダメージというものは、やはり大きいと言わざるを得ません。
一方の、宮崎も。
前節の金沢戦に続き、2試合連続で先行しながら終了間際の同点ゴールで勝利を逃すという展開に。降格圏脱出を目指していたなかで勝ち点を取りこぼし、突き抜けられずじまいとなってしまった、と。
2試合連続でゴールを決めながら、2試合ともにヒーローになり損ねた武。その心中は、いかばかりか。
かつて、彼がカターレに所属していた2020年の第30節・セレッソ大阪U23戦のこと。
スコアレスで迎えた試合も最終盤、86分に先制ゴールを決められてしまい、敗戦待ったなしという状況で。
そこから、90+3分、そして+6分に連続ゴールを決めた武。土壇場でチームを救う、まさに救世主として大逆転勝利の立役者となったーーーそんな試合がありました。
時を経て、今節。
スーパーゴールを決められ、その健在ぶりをまざまざと見せつけられた一方で、終了間際劇的ゴールで、カターレから「恩返し返し」いうのもまた・・・巡り合わせとは、なんと奇なるものかと。
巡り合わせと言えば。
昨シーズンの同カード、カターレ史上最多6ゴールを決めた試合で。
ハットトリックを達成したマテウスの3ゴール目が、5得点目。そのあと、6得点目を決めたのが、松岡でした。
私見ですが、そのゴールは、いつもであれば決まっていなかったゴールであったように思います。
いつもであれば、松岡は同じ状況ではシュートではなくパスを選択していたと思います。そんなシチュエーションでした。
ただ、それを良しとせず、シュートを選択。それが6得点目につながった、と。
そして、今節。
得意のカタチから利き足の左足で放つシュートが理想であったとするなら、それとはかけ離れたシュートでした。
利き足でない右足であろうがなんだろうが、とにもかくにも決めねば!そんな気迫が乗り移ったかのようなゴール。
去年のあのゴール同様に。あれこれ考えながらのシュートではなかったはず。
同じスタジアムで、再びのゴール。
今節の得点から、なにか成長につながるヒントを得ていたら良いのですが。
状況は、芳しくない。3戦連続ドローは、1勝2敗と変わらないーーー。
数字が示す事実は、事実。それは間違いありません。
ただ、それでも。
本当に変わらないのか?
そうじゃないだろう。
負けずに敗戦ピンチを乗り越えての、連続ドロー決着。
それが、敗戦と同じであるものか。
たとえ歩みが鈍ろうとも、それでも進み続けている。それもまた、事実であり。
車輪、タイヤというものは、静止状態から動き出すのにいちばんパワーを消費する。
完全に静止してしまった状態から再び動き出す困難を思えば。
たとえ低速であろうが、進み続けている。止まっては、いない。
ならば。
再加速について、静止からのそれと比べては、比較にならないほどにスムーズかつ確実なものともなりましょう。
だったら。
たとえ望まぬ結果だったからとて。うつむく必要など、ありはしません。
やるべきは、再加速であり。
つまり、残り試合を勝っていくこと。それ以外になにがあるでしょう。

戦いは続くのだから。勝っていく。それだけです。