0-2で敗戦。
前回ホームゲームで長野に快勝、リベンジを果たして意気も上がっていたところ、よもやの八戸戦開催中止。
それでも、とカターレファン・サポーターは県総に集ったはずです。
朝方の雨もなんの、必ずや、長野戦にも勝るとも劣らない気概を見せて、見事に連勝を成し遂げてくれるだろうと。
しかし。
その期待は、裏切られることに。
試合開始から僅か2分足らずで、いきなり先制を許してしまい、リードを奪われることに。しかも、相手の上手さというよりは自分たちの拙さが原因という、苦い失点によって。
先の沼津戦の敗戦は、前の藤枝戦の課題でもあった試合の入りがなっていなかったが故に失点、さらに追加点を奪われてのもの。
その反省をもとに集中して臨んだ長野戦では、逆に早い段階で先制に成功。その後も相手にペースを渡すことなく圧倒し、完勝と言える勝利を挙げました。
であるならば。
やるべきことは、火を見るよりも明らかであったはず。
隙を見せることなく集中して試合に入り、早い段階で先制して主導権を握ること。それに尽きたはず。
にもかかわらず。失敗を繰り返すかたちで、相手に優位を奪われ。
いや、事の本質は、別のところでしょうか。
ことサッカーに於いて、得点・失点は水物です。どんなに苦戦を強いられていても、ふとしたタイミングでチャンスが舞い込んで得点が生まれることもあれば。逆に、どんなに気をつけていたとしても、100%完璧に無失点というわけにはいかず、痛い失点を喫することもあるでしょう。
今回にしても、そう。
試合開始早々の失点は、確かに痛すぎるものではありましたが。
それでも。
もし、先の沼津戦の敗戦というものを、本当にしっかりと反省して次以降の試合、それこそ今節を含む試合にフィードバック出来ていたならば。
もちろん、同じ失敗はあってはらなないこと。けれど、その懸念を無くすことはできない。
ならば、どうするか。
失点したらしたで、どう対処するか。
先の敗戦の反省を本当に活かすというならば、すぐに反攻への態勢を、チームとして気持ちを入れる必要があったのではなかったかと。
ショッキングな失点ではあったにせよ、その時点で負けが決まったわけでもなんでもない。それを、どう勝ちにつなげるかのアクションを起こさねばならなかったところ。
しかし。
「先制されたからって、なんだ。すぐにでも同点、逆転につなげてやるからあわてるなよ」という気概を見せつつプレーせねばならなかったのに。
せっかく先制したからには勝つ!と気合が乗っていた鳥取の頑張りもあったでしょうが、それでも。
それでも、どうしても崩せない、反撃に転じられないほどに鉄壁なディフェンスをされていたわけではなく。
なのに・・・焦りや動揺もあったということか。もし十全に力を発揮したならば手に負えない相手では決してなかったであろうところ、自分たちのプレーのクオリティが至らず、どうにも得点につながるチャンスをつくれず。
ハッキリ言って、未熟としか。
先の沼津戦でもそうであったろうに。自分たち自身の自信なさ故か。どうにもこうにも、「なっていない」プレーが続き。
そして・・・そんなプレーのツケを払わされることに。
前半のうちに同点、逆転が叶わないならば、せめて0-1で折り返さねばならなかったアディショナルタイム。
しなくていいファウルで相手に良い位置でFKのチャンスを与えてしまい。
そのキックは壁に当たるかたちで防いだものの、その緊張のエアポケットとでも言うように。
直後、ちょうどいい具合に相手選手の前に跳ね返ったところを蹴り込まれ、痛恨の2失点目。いずれも嫌なタイミングで決められた失点により、2点のビハインドを負うこととなってしまったのでした。
2点獲られても3点を獲り返すサッカーをしろ!
その願いも虚しく、後半になっても思うようなプレーが出来ずに時間が進み。焦燥感のようなものがついて回る雰囲気というものが、振り払えないままに。
長野戦と同じスタメンで臨んだ試合でしたが・・・その時の良いイメージがあったぶんだけ、逆に今節の精彩を欠くプレーぶりが浮き彫りに。
高橋や久々の出場となる戸高らを投入するも、それまでの流れを一変させるには至らず。むしろ、途中出場の花井が僅か15分ほどで交代してしまうなど、ちぐはぐさが目立つばかり。
一方の鳥取にとっては、事前に用意していたであろうブロックをつくってしっかりと守り切るというミッションを着実に遂行していくだけで。それを打ち砕く、揺さぶって崩すといった力強さは、どうにも発揮しきれず。
今節もまた献身的にボールを追うなど必死のプレーを続けていたマテウスの頑張り、報われてほしいと願いましたが・・・叶わず。
4分あったアディショナルタイムにもスコアが動くことはなく、タイムアップ。
開幕からのホーム無敗記録が途絶え、今季2試合目の零封負けを喫して敗れてしまったのでした。
「勝負は時の運」「勝つ試合もあれば負ける試合もある」「うつむかず、切り替えて次に頑張ればいい」
・・・本当に、それでいいのでしょうか?
敗戦という苦い現実から、目を背けるようなことは、あってはなりません。
なぜならば、カターレは優勝を目指すクラブだから。
優勝を目指すクラブが、そんなどのクラブでも構わないような一般論に甘んじてしまっていいのでしょうか?いや、良くない。
次に頑張る?次っていつだ?
今節は、前の試合、その前の試合から見た「次の試合」であったはず。
そこで、勝利という結果を残せなかったということ。反省を活かせず、同じ失敗を繰り返してしまったということ。
言うまでもなく、リーグ戦は連続性に基づいたものです。
立場が人をつくる。立場がチームをつくる。
もちろん、試合開始時点で最下位であったからといって、それだけで鳥取に勝てるかというと、そうではなく・・・実際、敗れてしまったわけですが。
それよりも。
2位であったカターレが、それにふさわしいだけのパフォーマンスを発揮できていたのか?・・・実際、出来ずに敗れてしまったわけですが。
連続性というものに、ちょっと認識が甘くはないか?と。
よく、「目先の試合にいちいち一喜一憂しない」と言いますが。
それはあくまで、それまでの積み重ね、連続性に基づいた上での話であって。
積み上げてきた評価というものが、そんな簡単に崩れていいものかと。
もちろん、最下位のチームが2位のチームに勝つアップセットというものは、あるでしょう。
けれど、それを「勝負は時の運」とか言っていては、積み重ねを否定することにもなりかねません。
これまでの積み重ねの否定---リーグトップの得点力のカターレが無得点、リーグワースト失点の鳥取に無得点。
ほとんどの試合で得点してきた流れがストップし、ホーム無敗もストップし。
積み重ねてきたこれまでは・・・同じ失敗を繰り返すというかたちで簡単に崩れてしまうほど、脆いものなのか?と。
とりとめもなくちょっとキツイ書き方にもなってしまいましたが。
それでも、それは期待の裏返しにほかならないわけで。
優勝できたらいいな、なんてのほほんと考えてなどいないから。
優勝を目指すクラブと本気で信じているからこそ、それに見合うクラブであってほしいから。その一念に尽きます。
反省を活かせず敗れた、連続性が機能したとは言えないーーーそんな書き方もしましたが。
それも、これまでの経験があるから言うのであって。
ほんの1年前のことを思い出すならば。
去年、試合開始直前になって八戸戦が予期せぬ開催中止。1試合空いて、連続ホーム戦となったウイークデイ開催の熊本戦に敗れました。
相手の熊本にとっては中2日で連続アウェイというキツイスケジュール。一方、開催中止もありながら、連続ホーム戦であったカターレ。にもかかわらず、敗れた。
そこからガタガタと調子を落とし、絶不調であった9月。
果ては、絶対に勝たねばならない戦いであったはずの最下位・セレッソ大阪U23に敗れて白星を献上してしまった、ということも。
もちろん、去年は去年であり、今年は今年。無理やりこじつけて考える類の問題ではないことは承知。
けれど。
「今年はこれまでたまたま上手くいっていただけで、本質的にはこれまで通りで、所詮こんな程度じゃないのか?」
そんな揶揄をされてしまうこと、それそのものが、我慢できないのです。
当然。
カターレは優勝を目指すクラブであると、信じているから。
その信じる気持ちを揺らがせるようなことなど、あってほしくなどないのだから。
だからこそ。
この敗戦を、軽んじてほしくはありません。「次に頑張る」との口先だけのセリフでやり過ごしてほしくはありません。
痛い敗戦で4位に転落となりながらも、まだ致命傷とまでは言えない状況。
それでも、次なる福島戦、ここであえなくシーズン初連敗など喫しようものならば、「やっぱり今年もダメなのか」と一気に期待もしぼんでしまうこと請け合いでしょう。
まさに、正念場。
だからこそ。
次とは、これまでの積み重ねがあってこその、次。
優勝を目指すクラブとしてのプライドを、是が非でも取り戻さねばならない戦い。
この敗戦を悔しく思うならば。
同じ失敗を繰り返す余地など、あってはなりません。