1-1でドロー。
既に昇格の望みが断たれてしまったなかでの、消化試合としてのホーム最終戦。今更勝っても、という意見もあったかもしれませんが、それでも。
意地を見せねばならなかったはず。ファン・サポーターの期待に応えねばならなかったはず。
にもかかわらず。
4連敗という最悪な流れを、ドローで食い止めるのがやっと。それにしたところで、とても褒められるものではない内容で。
僅かに1敗しかせず、5連勝も成し遂げたホーム前半戦。それとはまさに真逆、僅か1勝に終わったホーム後半戦。
必勝の願いは届かず、今季の凋落を象徴するような結果に。
時折雨のぱらつくあいにくの天候もあったとはいえ、3000人にも届かない寂しい動員。
ホーム最終戦でも、希望をもたらすことは出来ませんでした。
13戦連続勝ちなしで最下位と、深刻な不振に陥ってしまっている鳥取。
しかし、ほかのどのクラブが笑ったとしても、今のカターレに笑う資格などありはしない。それは確かであったと思います。
実際のところ、試合はほぼ互角の展開。「勝ちに見放されている最下位が相手なら、さすがに楽勝だろ」なんて根拠なしの楽観論が通用する相手では決してなく。
むしろ、勝利への気迫といったものは、鳥取の側が上回ってさえいたかと。
逆に言えば。
この期に及んで・・・J2復帰失敗が確定、せめてホーム最終戦だけでも勝利せねば、という確固たる目的があった試合であったにもかかわらず。
悪い意味で、これまで通り。そんなカターレが順位だけで試合までも優位に進められるほど、甘くないのは当然のことでした。
相手に気迫がこもっていようと、それを跳ね除けてなお勝利を目指して突き進まねばならないことは自明。
にもかかわらず、相手を上回るだけの気迫を込めた攻撃が出来ていたのかと言えば・・・相も変わらず、ノーと言わざるを得ない展開でした。
ホーム最終戦までそれなのか、と。
こんな状況で試合を進めていても勝利などおぼつかない、そのうち痛い目を見る・・・そう思えてならなかったのですが。
そんななか。悪い予感は、的中することに。
14分、マークの甘さを突かれて上げられたクロスを合わせられ、失点。
堅守でならしたシーズン前半戦では見られなかったのに・・・失速した後半戦ではしばしば見られた、「なんでそんな簡単に決められちまうんだよ!」という失点の仕方。それを、また繰り返すことに。
たかが1点、すぐに取り返してやるさ!・・・そう言えたら良いのでしょうが、そう言えないのが最近のカターレであり。
0-1のまま敗れる可能性も低くはないなか、2失点目を喫した時点でもうアウト。そういった雰囲気が漂う展開に。遺憾ながら、見慣れた展開とも言えたかと。
全くチャンスがなかったわけではないものの、攻勢に出ていることが優勢と判断できるような・・・いわゆる得点のにおいというものが、全然感じられないような。
実際、こちらのカウンターはスピード不足、精度不足でまったく迫力なしな半面、相手のカウンターはこちらの対応がイマイチで危ないシーンに、というような。
これまでの反省というものが、この期に及んでも見られない・・・そんな失望感。
そのまま前半を終了しましたが、「これが後半なら負けているんだぞ!」ということが、本当にわかっていたのかどうか。
それでも、試合はまだ半分。手をこまねいていてもしかたない、勝負をかけねばどうにもならない。
そんな意志を示すべく、これまであまりなかった采配でしたが、後半開始に合わせて平繁を投入。「点を獲りに行く」という姿勢を明確にしました。
けれど、そんな姿勢に、いきなり水を差されることに。
開始からわずか3分で、イッキが負傷交代を余儀なくされるアクシデントが。勝負所を見極めての交代であったはずの2枠目を、使わざるを得ない状況に。
しかし、そんななか。
代わって入った北井が奮起。前半に攻め込まれて失点にもつながった左サイド、そこで持ち前の強気の姿勢を示すと、だんだんとカターレ側に流れが傾くことに。
先日、契約満了でチームを離れることが発表された北井。その彼が、持ち味を発揮するプレーぶりをホームのファン・サポーターに示しました。
そうだよ、彼のプレーで見たいのはこういうことなんだ!・・・そう思えた嬉しさの反面、それが見られなくなるという寂しさもあり。複雑な心境でした。
そして、その攻勢が実を結んだのが68分。
相手陣深くからのFKのチャンス、ファーサイドに流れたボールの折り返しを登崎が頭で合わせ、同点ゴール!
失点が自分のミスからのものであったぶん喜べない、とは言ったものの、それでも。ルーキーイヤーのシーズンホーム最終戦にして、記念すべきプロ初得点をマークしたのでした。
あるいは無得点負けも十分にありえたなか、試合を振り出しに戻すことに成功。
ただ。
同点から一気呵成に逆転、とまで繋げられる勢いがカターレにあったなら、もしかしたらシーズン後半戦の低迷もなかったのかもしれません。
言い換えれば。それが出来ないのが、今のカターレ。
一進一退と言えば聞こえはいいかもしれませんが、それは、こちらの逆転にかける勢いが不足しているということにほかならなかったわけで。
そんななか。
ゴール裏から、敬介のチャント。サブメンバーとして控える彼の出場を呼びかけるもの。
「(フィールドに出ていない選手ではなく)戦っている選手たちに集中しろ!」といった声も上がったりしましたが・・・個人的な見解としては、どちらも間違ってはいないように思えました。
確かに選手起用は監督に一任されたもので外野がどうにかできるわけでなく。ともすれば、実際に戦っている選手たちの士気を削ぐことにもなりかねない。
けれど。是が非でも逆転したい、そのための攻撃的ポジションの選手としての交代という、現実的な判断。なにより、10シーズンにもわたって彼のカターレでのプレーを見てきたからこその、コール。
間違っていた、感情に任せた暴走だった、とは思っていません。
42分、その敬介が満を持して登場。
「1-1の難しいスコアで、攻めれば攻め返されて危ない場面もあった。自分が点を取って勝てたら万歳なのかもしれないけれど、これまで11年、攻撃だけでなく守備で貢献しようと思ってやってきたのもある。きょうも少しでも守りに貢献しようと思ってやっていた」
とのこと。
それでも、やはり。持ち前のアグレッシブな姿勢を貫く全力プレーは、間違いなく、これまでずっと見てきた彼のプレーそのもの。
これがラストプレーとは・・・正直、まだ実感が沸きませんでした。
結局、そのままスコアは動かず、1-1で試合終了。
連敗を4で食い止めることにこそ成功したものの・・・それで良しと出来るなら、どんなに良かったことか。
最悪ではなかったというだけで、ホーム最終戦にまで、ファン・サポーターの期待に応えることは出来ず。それが現実です。
もう残り1試合ありますが、実質的にシーズン終了。やりきれない思いは、やはり強いです。
今の段階で総括するのはまだ早いと思うので、ここでいろいろと書くことはしませんが。
ただ・・・終わっちまったな、と。
試合後、最終戦セレモニー。
衛藤、飯田、敬介の引退表明した3選手があいさつ。その眼には光るものが。
他のプロスポーツと比しても決して長くない、むしろ短くすらあるプロサッカー選手生命ですが、それをベテランと呼ばれる領域まで全力で駆け抜けてきた選手たち。
その活躍の舞台にカターレ富山を選んでくれたこと、そして共に戦ってくれたことは、忘れえぬ思い出です。
いままで、本当にありがとう。そして、おつかれさま。
既に昇格の望みが断たれてしまったなかでの、消化試合としてのホーム最終戦。今更勝っても、という意見もあったかもしれませんが、それでも。
意地を見せねばならなかったはず。ファン・サポーターの期待に応えねばならなかったはず。
にもかかわらず。
4連敗という最悪な流れを、ドローで食い止めるのがやっと。それにしたところで、とても褒められるものではない内容で。
僅かに1敗しかせず、5連勝も成し遂げたホーム前半戦。それとはまさに真逆、僅か1勝に終わったホーム後半戦。
必勝の願いは届かず、今季の凋落を象徴するような結果に。
時折雨のぱらつくあいにくの天候もあったとはいえ、3000人にも届かない寂しい動員。
ホーム最終戦でも、希望をもたらすことは出来ませんでした。
13戦連続勝ちなしで最下位と、深刻な不振に陥ってしまっている鳥取。
しかし、ほかのどのクラブが笑ったとしても、今のカターレに笑う資格などありはしない。それは確かであったと思います。
実際のところ、試合はほぼ互角の展開。「勝ちに見放されている最下位が相手なら、さすがに楽勝だろ」なんて根拠なしの楽観論が通用する相手では決してなく。
むしろ、勝利への気迫といったものは、鳥取の側が上回ってさえいたかと。
逆に言えば。
この期に及んで・・・J2復帰失敗が確定、せめてホーム最終戦だけでも勝利せねば、という確固たる目的があった試合であったにもかかわらず。
悪い意味で、これまで通り。そんなカターレが順位だけで試合までも優位に進められるほど、甘くないのは当然のことでした。
相手に気迫がこもっていようと、それを跳ね除けてなお勝利を目指して突き進まねばならないことは自明。
にもかかわらず、相手を上回るだけの気迫を込めた攻撃が出来ていたのかと言えば・・・相も変わらず、ノーと言わざるを得ない展開でした。
ホーム最終戦までそれなのか、と。
こんな状況で試合を進めていても勝利などおぼつかない、そのうち痛い目を見る・・・そう思えてならなかったのですが。
そんななか。悪い予感は、的中することに。
14分、マークの甘さを突かれて上げられたクロスを合わせられ、失点。
堅守でならしたシーズン前半戦では見られなかったのに・・・失速した後半戦ではしばしば見られた、「なんでそんな簡単に決められちまうんだよ!」という失点の仕方。それを、また繰り返すことに。
たかが1点、すぐに取り返してやるさ!・・・そう言えたら良いのでしょうが、そう言えないのが最近のカターレであり。
0-1のまま敗れる可能性も低くはないなか、2失点目を喫した時点でもうアウト。そういった雰囲気が漂う展開に。遺憾ながら、見慣れた展開とも言えたかと。
全くチャンスがなかったわけではないものの、攻勢に出ていることが優勢と判断できるような・・・いわゆる得点のにおいというものが、全然感じられないような。
実際、こちらのカウンターはスピード不足、精度不足でまったく迫力なしな半面、相手のカウンターはこちらの対応がイマイチで危ないシーンに、というような。
これまでの反省というものが、この期に及んでも見られない・・・そんな失望感。
そのまま前半を終了しましたが、「これが後半なら負けているんだぞ!」ということが、本当にわかっていたのかどうか。
それでも、試合はまだ半分。手をこまねいていてもしかたない、勝負をかけねばどうにもならない。
そんな意志を示すべく、これまであまりなかった采配でしたが、後半開始に合わせて平繁を投入。「点を獲りに行く」という姿勢を明確にしました。
けれど、そんな姿勢に、いきなり水を差されることに。
開始からわずか3分で、イッキが負傷交代を余儀なくされるアクシデントが。勝負所を見極めての交代であったはずの2枠目を、使わざるを得ない状況に。
しかし、そんななか。
代わって入った北井が奮起。前半に攻め込まれて失点にもつながった左サイド、そこで持ち前の強気の姿勢を示すと、だんだんとカターレ側に流れが傾くことに。
先日、契約満了でチームを離れることが発表された北井。その彼が、持ち味を発揮するプレーぶりをホームのファン・サポーターに示しました。
そうだよ、彼のプレーで見たいのはこういうことなんだ!・・・そう思えた嬉しさの反面、それが見られなくなるという寂しさもあり。複雑な心境でした。
そして、その攻勢が実を結んだのが68分。
相手陣深くからのFKのチャンス、ファーサイドに流れたボールの折り返しを登崎が頭で合わせ、同点ゴール!
失点が自分のミスからのものであったぶん喜べない、とは言ったものの、それでも。ルーキーイヤーのシーズンホーム最終戦にして、記念すべきプロ初得点をマークしたのでした。
あるいは無得点負けも十分にありえたなか、試合を振り出しに戻すことに成功。
ただ。
同点から一気呵成に逆転、とまで繋げられる勢いがカターレにあったなら、もしかしたらシーズン後半戦の低迷もなかったのかもしれません。
言い換えれば。それが出来ないのが、今のカターレ。
一進一退と言えば聞こえはいいかもしれませんが、それは、こちらの逆転にかける勢いが不足しているということにほかならなかったわけで。
そんななか。
ゴール裏から、敬介のチャント。サブメンバーとして控える彼の出場を呼びかけるもの。
「(フィールドに出ていない選手ではなく)戦っている選手たちに集中しろ!」といった声も上がったりしましたが・・・個人的な見解としては、どちらも間違ってはいないように思えました。
確かに選手起用は監督に一任されたもので外野がどうにかできるわけでなく。ともすれば、実際に戦っている選手たちの士気を削ぐことにもなりかねない。
けれど。是が非でも逆転したい、そのための攻撃的ポジションの選手としての交代という、現実的な判断。なにより、10シーズンにもわたって彼のカターレでのプレーを見てきたからこその、コール。
間違っていた、感情に任せた暴走だった、とは思っていません。
42分、その敬介が満を持して登場。
「1-1の難しいスコアで、攻めれば攻め返されて危ない場面もあった。自分が点を取って勝てたら万歳なのかもしれないけれど、これまで11年、攻撃だけでなく守備で貢献しようと思ってやってきたのもある。きょうも少しでも守りに貢献しようと思ってやっていた」
とのこと。
それでも、やはり。持ち前のアグレッシブな姿勢を貫く全力プレーは、間違いなく、これまでずっと見てきた彼のプレーそのもの。
これがラストプレーとは・・・正直、まだ実感が沸きませんでした。
結局、そのままスコアは動かず、1-1で試合終了。
連敗を4で食い止めることにこそ成功したものの・・・それで良しと出来るなら、どんなに良かったことか。
最悪ではなかったというだけで、ホーム最終戦にまで、ファン・サポーターの期待に応えることは出来ず。それが現実です。
もう残り1試合ありますが、実質的にシーズン終了。やりきれない思いは、やはり強いです。
今の段階で総括するのはまだ早いと思うので、ここでいろいろと書くことはしませんが。
ただ・・・終わっちまったな、と。
試合後、最終戦セレモニー。
衛藤、飯田、敬介の引退表明した3選手があいさつ。その眼には光るものが。
他のプロスポーツと比しても決して長くない、むしろ短くすらあるプロサッカー選手生命ですが、それをベテランと呼ばれる領域まで全力で駆け抜けてきた選手たち。
その活躍の舞台にカターレ富山を選んでくれたこと、そして共に戦ってくれたことは、忘れえぬ思い出です。
いままで、本当にありがとう。そして、おつかれさま。