1-3で敗戦。
他のどの対戦でも、負けて構わないなどということは無いにしろ・・・それでも、どうしても勝たねばならない試合というものは、確実にあるなかで。
それを、落としてしまった。
昨シーズン、ホームとアウェイでそれぞれ4失点という惨敗でシーズンダブルををくらい、今シーズンもホームで唯一敗れた相手。リベンジせねばならない理由しかなかったところ、試合開始早々に先制。勝ち筋をつけたにもかかわらず。
反撃の勢いにのまれ、逆転負け。
「ここぞ!」という試合で勝てないという、悪癖。
それが何をもたらすかは、8シーズン連続J2復帰失敗という事実でもって、嫌ほどわかっているはずなのですが。
今回も、また繰り返してしまった格好です。
5連戦と短いインターバルで臨んできた7月の試合も、今節に関して言えば1週ぶんの空きがあった、通常通りのスケジュールと言えました。
柳下の出場停止にあたり、右SBには大畑が移行して起用。林堂と今瀬のコンビでCBを務めることに。
そのほかの面々は、このところのレギュラーメンバーといえる選手たちが。
なかでも、調子を上げている大野にかかる期待が大きかったところ、試合開始早々にやってくれました。
4分、カウンターからの抜け出しで、オフサイドラインギリギリで受け取った大野が冷静に蹴り込み、先制。
先のホームでの対戦では無得点で敗れてしまっただけに。リベンジにかける今節にあって、その意気込みをかたちにした価値あるゴールとなったのでした。
もちろん、1-0で勝利出来ればそれに越したことはないのですが、さすがにそうもいかないだろうと。鹿児島の攻勢に耐えつつ、いかに突き放す追加点を挙げて優位に進めるか?
アドバンテージは認めつつも、気持ち的には同スコアの状態のように、気を引き締めねばならないーーーそう、思っていたのですが。
18分、藤本 憲明に同点ゴールを決められてしまい、気持ち云々ではなく試合は振り出しに。
かつて、鹿児島でのJ3得点王という実績を引っ提げ、J2、J1クラブへと個人昇格を果たした藤本。
カターレは今年15周年記念の施策を展開していますが、同じように鹿児島が周年企画として「歴代ベストイレブンを選出しよう」ということをやったとしたら、必ず選出されるであろう鹿児島の英雄的選手です。
その彼が、再び鹿児島でプレーすることとなった今シーズン。
ここまでアウェイでの1ゴールにとどまり、やきもきしていたファン・サポーターも多かったことでしょうが・・・その藤本が、遂に、ホームで決めたゴール。
それでなくとも勝たねばならない上位直接対決にあって、ただの1点では、ただの同点ゴールではなかったのでしょう。
鹿児島からすれば、これで勝たないでどうするよ!という、価値あるゴール。しかも、時間もまだ充分にあるとなれば。
1-1での折り返しとなった後半でしたが、試合の状況は変わらず。優勢な鹿児島に対し、なんとか活路を見出さんと踏ん張るカターレという展開が続き。
同点であり、次の1点次第でどうなるかわからないはずでしたが・・・明らかに、劣勢でした。
心身ともに充実、積極的なプレーで圧力をかけてくる鹿児島。
それに対して、我慢のカターレ。
ただ・・・まさに、その勢いの差が、次の1点に表れることに。
55分、プレスをかけられた今瀬が自陣でボールを掻っ攫われてしまうと、端戸 仁がミドルから強烈なシュート。それがゴール左隅の素晴らしいコースに放たれては、さしもの田川も阻止できず。まさにゴラッソというスーパーゴールをきめられてしまい、逆転されることとなってしまったのでした。
通常であれば、「あれは決めた選手を褒めるしかないゴールなんだから、気にせず切り替えていくぞ!」というところなのでしょうが・・・。
カターレ側の意気消沈は、見てとれました。そして、勢いづく鹿児島。
それでも!と奮起し、同点、逆転を目指さねばならなかったのですが・・・。
試合の趨勢を変えるには至らず。
心身の充実度がプレーに表れ、運動量が落ちない鹿児島に対し、反転攻勢をかけるには、いかにも力が足りていない印象のカターレ。
前回対戦で敗れた悔しさを晴らすべく挑んだはずの今節。
しかし、それを果たすには、どうにも勢いが足りない。
せめて・・・勝てないまでも、せめて同点に・・・。
その願いをも打ち砕くように。87分、試合を決定づけるダメ押し点を決められ、勝負あり。
リベンジを期して臨んだはずが、まんまと返り討ち。勝たねばならない上位直接対決にまたも敗れて、昨シーズンに続き鹿児島にシーズンダブルをくらうという屈辱に晒されることとなってしまったのでした。
勝ち点5差であった鹿児島を突き放す絶好の機会でもあったにもかかわらず、敗れて逆に2差に詰め寄られることに。順位にこそ逆転されなかったとはいえ、6ポイントマッチを落とすショックの大きさを、まざまざと突きつけられた格好です。
首位の愛媛が松本と引き分けたため、勝ち点1止まり。負けた上に勝ち点3ぶん突き放されるという最悪の結果こそ免れましたが・・・やはり、それをラッキーなどとは受け取れません。
シーズン後半戦の初戦、黒星スタート。
「シーズンダブルをくらうようなクラブが、優勝に値するのか?」
そんなことをいちいち気にしていては、にっちもさっちもいかなくなります。それはわかってはいるのですが。
それでも・・・。
リベンジを期した試合で、返り討ち。そして、それを今シーズンで取り返す術は無い。
極論を言えば、シーズン最終戦を終えた段階で首位でありさえすれば良い、ということですが。
それでも。
その過程が重要ではない、などということは、あるわけがなく。
今節は、たまたま順位では変わりはなかったけれど。
悲観しても仕方ないとはいえ、それでも。今節の結果から、目を背けるわけにはいきません。
残り18試合「しか」ないのだから。
今節に限らず、“どうしても勝たねばならない”という試合は、今後も必ずあります。
むしろ、状況がより厳しさを増した状態で迎えるであろうことは、容易に想像できるくらいで。
そのときも、また負けてガッカリ・・・それでいいのか?
いいわけがない。
これまで、その繰り返しであったJ3での8シーズン。
ここでくじけてしまった結果がなにをもたらすのかが、充分すぎるほどにわかっているだけに。
今年は、今年こそは違うんだ!
その意思を示すには・・・やはり、結果で、勝利で示すよりほかありません。
この敗戦を、どう受け止め、どう改善につなげていくのか?
シーズン折り返し、残り試合は限られているということを、しかと再認識すべき。
優勝を目指すには、勝つしかないのだから。