2-0で勝利!
下位に低迷、無得点試合が続いていたりと、厳しい状況にある長野が相手。さりとて、前節に同じく苦境が続いていた最下位の岩手に苦戦を強いられたことを思えば。油断など出来ようはずもありませんでした。
しかして、今節も、なかなか思うようにはいかず。
2試合連続となったPKで幸先良く先制することに成功したものの、なかなか追加点を挙げて引き離す展開には至らず。攻撃の流れがどうにも得点にまでは結びつかず、もどかしい状況が続くことに。
後半、勢いを盛り返してきた長野に手を焼き、その傾向はさらに顕著に。
そんななか、帳尻合わせというわけでもないでしょうが・・・ペナルティエリア内でファウルをとられ、PKのピンチ。ここで同点にされては、勝ち越しどころか、ヘタをすれば逆転負けすらあるのではないか?という雰囲気すら漂うなかで。
しかし。
立ちはだかったのが、我らが守護神・田川。
見事に読み勝ち、ブロックに成功。大ピンチをしのいでみせました。
3連勝がかかった試合最終盤・アディショナルタイムには、再びPKのチャンスが。
キッカーを務めた松岡がしっかりと決めて、シーズン初ゴール。
そのダメ押し点で勝負あり。見事に勝ちきり、3連勝・6試合連続無失点・8試合連続負けなし・ホーム無敗継続を達成したのでした。
日中は、猛暑日のうだるような暑さ。試合時間ごろには雲もかかっていくぶんマシにはなったものの、湿度75%、気温31.4℃というコンディションは、選手たちにとってキツかったことと思います。
それでも、隣県長野から駆け付けたファン・サポーターを含めて4497人が詰めかけたこの試合。期待に応えるべく、気合を入れて勝利を目指さねばなりませんでした。
昨シーズンは、最後まで達成できなかった3連勝。今シーズンもここまで2度失敗しているだけに、今度こそ!との意気込みで臨んだ今節ですが。
継続性を重視してということでしょう。前節から変更なしのスタメンで臨むことに。
一方で、控えメンバーにはここ2試合少しだけ出場していた荒井に代わり、松岡が入ることとなりました。
ここ最近、スタメンからのみならずサブメンバーからも外れていただけに。途中出場から爪痕を残さんと、意気込んでいたことでしょう。
試合開始からしばらくは、カターレのペース。いい意味で、いつも通りの試合展開を繰り広げました。
選手たち個々人がそれぞれにやるべきプレーをしっかりと。安易なミスもなく、的確な、やりたいサッカーが出来ていたかと。
ここ最近続いているところの、連続無失点。それも、各選手の意識の高さがあってこそ。
その意味で、今節の導入部も問題なし。あとは、しっかりと得点に、勝利につなげていくのみ!
そんななか、15分。
相手陣内左サイド深くで競り勝ったショウセイが中央のヨシキにパス、それを受けたヨシキのシュートが、阻止しようとスライディングしてきた相手の手に触れてハンドの判定。PKに。
前節も前半にPKのチャンスを得て、それを先制点・・・結果的には決勝点につなげて、勝利をおさめましたが。今節も、前半に同じようにPKからの先制チャンス。
前節、リーグ戦22試合目にして初のPK得点だったというのに。2回目がすぐ次の試合だっというのも、なんともはや。
前節に引き続き、「PK絶対決めるマン」のキャプテン吉平がキッカーを担当。
記憶に新しいどころではない状況では、相手GKも吉平の一度モーションをストップさせて蹴り込むフォームなど、当然のように想定していたことでしょう。
そんななかで、前節と同じフォームから同じコースに蹴り込んだ吉平。
コースを読まれてはいたものの、勢いに勝るかたちでしっかりとゴール。2試合連続のPK得点でもって、価値ある先制点を得ることが出来たのでした。
前半を優位に進めたカターレですが。
やはり、チームの勢いというものの差は、あったように思います。
前回対戦以来、連続無失点を継続しつつ負けなしを続けるカターレ。
同じ期間に、1度も勝てずにいた長野。最近は3試合連続無得点。
そのあたりの意識の差は、プレーの差となって表れていたかもしれません。
ただ、それでも。
手をこまねいていたばかりではなかった長野。
後半開始時に2枚替えを敢行。MF西村 恭史・MF忽那 喬司を投入して修正を図ると。
それが奏功するかたちで、徐々に試合のペースを掴んでいくことに。
反攻の勢いを跳ね返すだけのパワーを発揮して追加点につなげられたら良かったカターレでしたが、どうにも・・・。チャンスそのものが無かったわけではないけれど、かと言ってそれを得点につなげられず。相手のペースを奪うほどには良いかたちでプレーすることが出来ていませんでした。
そんななか、64分。
ペナルティエリア内でヘッドで折り返されたところ、ゴール前でもつれるかたちで神山がファウル。PKを献上してしまうことに。
おいおい、帳尻合わせってわけでもないだろうに・・・。
それまでも、ファウルをとるべきシチュエーションでとらない、かと思えば取るに足らないような接触でファウル判定など、どうにも主審のジャッジに信用が置けないような場面が続いていましたが、ここでかよ、と。
後で知ったところによると、今シーズンのアウェイ琉球戦でPKがらみの2失点を含む3失点で敗れましたが、そのときと同じ主審であったとか。
今回、こちら側にもあったから良しというわけでもなく・・・また、PKで試合を左右されてしまうのかと。
ただ、それでも。
大ピンチにあっても、田川を信じていました。
同点になっても負けるとは限らない?それで良しなんてことはねぇよ!
こんなところで、これまで続けてきた連続無失点が終わってたまるか!
大ピンチであろうが、決まったわけじゃない。阻止すれば済むこと。
あの、ルヴァンカップで清水や神戸を相手にPK戦に挑んできた田川だ。あのときの緊張感を思えば、やってやれないことなんて無いはずだ!
キッカーは、ここまで11得点でリーグトップの浮田 健誠。けれど、決して気持ちでは負けてないはず!
田川なら、きっと!
すると。
右に横っ飛び、見事に神セーブ!大ピンチをしのぐ超ファインプレーでもって、チームを救ってみせたのでした。
もうこうなれば、勝つしかないだろ!
後半から投入された布施谷、松岡、松本らを中心に、攻め立てるカターレ。
絶好の同点チャンスを逃すことになった長野には、やはり少なからずショックはあったことかと。それに付け込むかたちで、一気に追加点を奪取・・・できればよかったのですが。
前線でボールを収めて攻勢に出る松本をはじめ、チャンスはしっかり作れていた。
けれど・・・どうにもこうにも、ゴールに結びつかず。
特に、松本に関しては効果的なボールキープやポストプレーから、決定機とも言えるシーンもあっただけに、それをモノにしてほしかったのですが・・・決めきれず。
それでも。
うまくいかなかったとて、勝利に向けた意思に陰りが出るものではなく。
いかに、勝ちきるか。
残り時間も少なくなっていくなかでも。集中力を切らすことなく、勝利へとフォーカスする。そんな意志を貫かねばなりませんでした。
時間は90分を過ぎ、アディショナルタイム。
左サイドを全力で駆け上がっていた布施谷にボールが渡り、シュートへ、という場面で。
スライディングで阻止に来た相手にひっかかるかたちで転倒、それがファウル判定。
前の試合から連続で、どころじゃない。同じ試合で2度目、PKに。
1回目に決めた吉平が、交代で既に退いたなかで。キッカーを務めることとなったのは、倒された布施谷ではなく松岡でした。
今シーズンのリーグ戦におけるPKそのものが、前節が初めてであったカターレにあっては。もちろん、松岡にとってもリーグ戦では初のこと。
先の長野のPKを、田川が阻止してみせたように。いかにキッカーが絶対的に有利とはいえ、必ず決まるわけではない。当然、プレッシャーもあったでしょうけれど。
それでも、決めた。
勝利を決定づけるようなゴールは、松岡にとって今シーズン初ゴールとなりました。
ゴールを決めた松岡の目には、光るものが。
ここまで、大きな期待をかけられつつも、なかなかそれに応えることが出来なかったなかで。スタメンを外れ、メンバー外となっていたり。
もどかしい日々が続くなかで、本人にしかわからない苦悩もあったかもしれません。
ノーゴールであった状況に終止符を打つこととなった、今回のゴール。
感極まるものがあったのでしょう。
ひとつ、肩の荷が下りたのではなかろうかと。
そして、試合終了。
クラブ記録を更新する6試合連続無失点を達成し、ホーム無敗記録もまた更新。
勝ち点3を積み上げ、今シーズン3度目の挑戦をモノにして、ついに3連勝を足し遂げたのでした。
他会場の結果、上位チームが揃って勝利したことで、勝ち点差を詰めることは出来ませんでしたが。それでも、もしもドローや逆転負けで勝ち点を落とすことがあったとしたら、取り残されてしまっていたところ。勝てた意義というものは、やはり大きいです。
連続負けなしを継続する勝利でもって、気分良くサマーブレイクへと繋げることができたカターレ。
次節まで3週ほど空くことにはなりますが、その間のモチベーション維持、さらにはモチベーションアップに向けて、大きな1勝となったことかと。
過密スケジュールをこなしてきた今シーズンにあって、貴重なリフレッシュ期間ともなりましょうが、だからこその奮起も必要で。
まだまだ、道半ば。
まだ、なにも成し遂げてはいないのだから。
次なる戦いに向けて、攻撃面のブラッシュアップをはじめ、課題は多いなかで。
サマーブレイクを有意義に過ごし、次なる戦いへ、さしあたっては次節・アウェイ北九州戦へ向けて、精進を続けねば。
小休止を経て、続いていくシーズン。
戦いは、続きます。