行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

大一番で勝利ならず。痛み分けのドロー決着  大分トリニータ戦

2016-09-26 20:10:00 | カターレ富山
0-0のドロー。
互いに3連勝中、その間それぞれ10点・9点と得点を重ねてきた両チームでしたが、双方ともに無得点。連勝がストップし、勝ち点1を分け合う結果となりました。
しかしながら、勝ち点3差を追う立場で、勝っていれば並べたところ、それを成し遂げられなかったカターレにとっては悔しい結果となりました。逆に、大分にとってみれば、メンバー総入れ替えだったとはいえ天皇杯3回戦を含んだ連続アウェイで勝ち点1は、悪くない結果であったかもしれません。
もちろん、敗れて実質勝ち点6ぶんの差をつけられて突き放されてしまった、という最悪の結果もあり得たわけで。それに比べたならば、苦しい状況が続く中にあっても「まだマシ」と言える結果ではあったのですが。
正直言って現状は、ネガティブにとらえてしまったならば、いくらでも悲観的に考えられる状況。しかし、望みが断たれてしまったわけではないこともまた、事実。
ならば。やるべきことはひとつ。
悲願成就に向けて、ぶれることなくやりつづけること。それだけです。

前節から4人を変更したスタメン。出場停止明けの萱沼、前節の活躍が認められての進藤、守備力のテコ入れとしての窪田は想定内として。前節の接触による負傷から大事をとって、ということでしょう、代に代わって吉井が出場することに。チームの中心選手たる代が大一番で欠場、というのは確かに痛かったですが・・・まだ、先もあること。残り試合を戦っていくうえで、彼の力が必要になってくるときは必ず来ます。なので、大事をとる判断はしっかり支持しようと。
大分は前節と変わらない、本気モードの編成。天皇杯は手を抜いた、というと語弊もあるかもしれませんが、それでもリーグ戦勝利を至上命題としていることは明らかでした。
試合は、そんな大分のペースで進行。
ボールポゼッション率で言えば、明らかに大分が上。パスを繋ぎながら攻撃の機会を窺い続ける大分に対し、カターレの側は守りから相手のミスを見逃さず攻撃に転じよう、というスタイル。
やはり、最終的に勝利したとはいえ、相手にガッツリと崩されて3失点してしまった前節・YS横浜戦の反省を踏まえて、ということだったのでしょう。それでなくとも、総得点数最下位であったYS横浜ではなく、トップであるところの大分が相手なのだから。慎重に行こうとするのも無理からぬことであったかと。

もちろん、粘り強い守備で相手に得点を許さなかったことは十分に評価すべき。
わけても、後半の82分の最大のピンチ。相手陣内深くから一気のカウンター、GKと1対1という状況を作られてしまったところ、永井が体を投げ出してビッグセーブして危機回避、という場面も。膠着状態が続く中にあっても切らすことなく維持し続けた集中力がものを言った場面でした。
ただ。
相手にボールを支配されても動じずにしっかりと堅守を貫く姿勢は良かったにせよ・・・「持たせ過ぎてしまったのがいけなかった。守備に労力がかかり、ボールを奪った後のプレーの質や攻撃にかけるパワーに影響して押し込まれる展開になった。」と窪田が振り返ったように、守りのなかでのメリハリというものが、もう少しなんとかならなかったのか?という印象です。
萱沼が「攻撃のところで単調になった部分が多かった。裏をシンプルに狙うだけではなく、ギャップを使うなどしてもっと連係した良い攻撃をしなければいけない。守備はうまくできたと思うが、やはりボールを奪ったあとの攻撃の工夫が必要で、自分自身にも足りないと思った。」とコメントしたことも、まさにその通りであったかと。

試合進行の伴って大分の側に攻め疲れが出てくるのでは?―――そのように考えていた三浦監督の読みは、当たっていたと言えば当たってはいましたが・・・。
前半に比べてプレーのクオリティが低下傾向にあった大分ではありましたが・・・一方で、カターレの側も、そこから盛り返して攻勢に転じていく力を発揮できず。
全体的に攻めの大分・守りの富山という傾向は、終始変わりませんでした。
チャンスもなくはなかったものの、決めきることは出来ず。わけても、ヘディングシュートがバーを直撃、至近距離からのシュートが上に逸れて決まらず、といった2どのビッグチャンスをフイにしてしまった進藤の悔しさはひとしおかと。

結局、スコアレスドローで試合終了。
もしも引き分けに判定決着というものがあったとしたら、負け試合であっただろう結果でした。
もちろん、難敵・大分に苦戦することは想定内ではありましたが・・・それでも、勝つために必要な力を存分に発揮できていたかと言えば、さにあらず。
相手の攻めへの対処をしっかりやりきるという姿勢は良かったにしても、それで攻めの良いかたちが作れずじまいとなってしまっていたのでは、やはり勝てない。
もちろん全力を尽くして必死にプレーしていたのでしょうが・・・それでも、勝つために存分に力を発揮しなければならなかったところ、そこまでに至れなかった。

2位・大分との差は変わらず、他会場で勝利した鹿児島が同勝ち点で大分に並び。そして、首位・栃木が敗れたことで勝ち点1ぶんの差が詰まることとなりました。
前々節でカターレと同勝ち点で並んでいた長野が連敗・一気に後退してしまいましたが・・・ひとつ間違えば、それはカターレの姿であったわけで。
油断ならない戦いは続きますが、まだ、これから。
勝てはしなかったけれど、負けもしなかった。それによって、まだ可能性が続いている。
後悔など、シーズン終了後にいくらでも出来ます。
今やらねばならないことは、いかにして勝っていくか。充分とはとても言えないながらもしっかりと残されている優勝への可能性を、いかに高めていくのか。
望む望まざるにかかわらず、次節はやってきます。
連勝はストップしてしまったものの、だからと言って何もかも終わってしまったわけではない。
次に、勝利し。また連勝を積み重ねていくまでです。
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第23節  大分トリニータ戦

2016-09-24 21:08:55 | カターレ富山
もし負けていたならば、J2復帰という必達目標の達成に致命的なダメージを被っていたであろう前節。そこで踏ん張り、逆転勝利によって悲願成就への覚悟を示すことに成功しました。
とは言うものの。その前節挙げた貴重な勝ち点3を活かすも殺すも、今節の結果次第。
ホームに同じくJ2復帰を狙う2位・大分トリニータを迎え、今シーズン最大の山場と目される決戦に挑むこととなります。
勝敗如何によって、実質的に勝ち点6ぶんの価値がもたらされる直接対決。
もちろん現在首位の栃木との直接対決となる第27節の重要性も、今さら言うまでもないですが、それ以前の問題として。
この大分戦であえなく敗れてしまったならば・・・中3戦を経て栃木と対戦する頃には、さらに差が広がって天王山と呼べる状況にない消化試合に成り下がってしまう可能性も。
それを思えば。
勝利してこそ、次がある。
危機的状況を乗り越えて勝利した前節の経験を本当に活かすには、勝ち続けるしかありません。

前々節は上位クラブが揃って勝利して全く波乱が無かったのとは対照的に、前節は首位が引き分け、2位、5位、6位が敗戦という波乱。上位6チーム中5チームが相手に先制を許すという展開でした。
そんななかで、普通に2-0で勝利し、2位に浮上した大分。今節4連勝を達成して首位栃木を追う足場固めをしたいところ。
そこに待ったをかけねばならないカターレ。
大分にとっても勝ち点6ぶんの差をつけて富山を引き離すチャンス。5月にホームで行われた前回対戦で敗れている借りを返すべく気合を入れているはず。22日に行われた天皇杯の3回戦に進出したものの、主力は温存、リーグ戦に集中する方針をとっています。
とはいえ、準備期間に全く影響が出ないわけはなく、それでなくともアウェイ戦。さらに言えば、前節の試合が土曜であったカターレに対し、大分は月曜日。編成的なものはさておき、いろいろな部分で平等な条件ではないことになっています。
無論、それら要素は織り込み済みなはずで。それらを踏まえたうえで、さらに必勝を期して乗り込んでくるはずです。
それを迎え撃つカターレ。勝ち点差3を追いつかねばならない立場であり、勝っても得失点差で下回っているぶん順位で追い越すことは出来ないことかと。
それでも。上記のようにいろいろと平等ではない状況を、自分たちに有利に働いているものとして、しっかりと活かさねばなりません。

やはり、ポイントは先制点でしょう。
前節のような開始わずか3分で失点、さらに追加点などという愚を繰り返してはならないのは言うまでもないとして。
失点しても諦めることなく勝利を目指し続けた姿勢そのものは大いに評価すべきですが、だからと言って失点しても逆転さえすれば平気、などと割り切れるほど簡単な話でもなく。ましてや、前節は勝ち慣れていない最下位のYS横浜だったから、という部分も少なからずあったということを失念してはなりません。上位で試合巧者の大分を相手にリードを許す展開は、やはり避けねばならないのは必定でしょう。
相手の攻撃をしのぎながらチャンスをうかがい、虎の子の1点を守り切って勝った前回対戦のように。相手の良さを出させないようにしのぎながら、かつ自分たちの良さを活かすような粘り強いサッカーが求められることかと。

期待したいのは、代。
前節は2試合連続ゴールとなるヘッドで反撃の口火を切る活躍をして勝利に貢献したものの・・・本職であるDFとしては、3失点してしまったのは苦い経験であったかと。
その反省をしっかりと今節に活かし、リーグ最多得点を挙げている大分であるからこそ無失点に封じ込めるという気概が、絶対に必要不可欠。この1週間で準備してきた大分対策をしっかりと出し切ることが求められます。
一方で、3試合連続ゴールも狙ってほしいところ。
このところのセットプレーから得点を挙げることが出来ている、練習の成果を試合につなげることが出来ているという手応えを、是非とも今節もまた結果につなげてほしいところです。
実際のところ、オフェンス力に自信を持つ大分が相手では、こちらが一方的に攻め立てる展開は想像しづらく。だからこそ、ここぞという場面・・・つまりはFKであったりCKだったりのチャンスで確実に仕留めることの重要性が、より増す試合になるのではないかと。
そこで、ここ2試合でしっかりと結果を出している彼がまたもゴールを決めることができたならば。確実にチームは上向き、試合の流れを引き寄せることにもつながるのではないかと。
もちろん、本職たる攻撃陣の奮起も絶対に必要なわけで。
なかでも、累積警告により前節出場停止という悔しい思いをしていたぶん、萱沼のこの試合に賭ける意気込みは強いことかと。得点王争いのライバルたちがゴールを積み重ねた前節。もちろん萱沼も負けてはいられません。1点と言わず2点、2点と言わず3点を挙げるくらいの気合でもって、チームを勝利に導くのみならず自身も得点王を目指す覚悟を示してほしいです。

お互いに3連勝で臨み、連勝を4に伸ばすことを目指した戦いとなる今節。
絶対に負けられない、勝たねばならない試合。カターレにとって、これまで成し遂げられていない4連勝の壁を打ち破らねばならない戦いでもあります。
ここぞ、という試合を落としてしまうという経験は・・・今シーズンで言えば、勝てば首位という秋田との無敗対決で敗れてシーズン初黒星を喫し、続く栃木にも敗れて連敗、なんてことがありました。
そんな失敗体験もあり、それでなくとも相手は実力のある大分。楽観など出来ようはずもありません。
しかし、それでもやらねばならない。
もう残り試合も少ないこの終盤戦、この大一番に勝たずして、J2復帰への道は無い。
そんなとき、寄る辺となるのがこれまでの経験でしょう。そう、絶対にあきらめない執念が大逆転勝利につながった、前節の経験のような。
やってやれないことなんて、なにもない。それを知るからこそ。
ならば、やってやれ。
前節の結果のように、上位クラブだからといってどこも万全、というわけじゃない。難敵撃破を成し遂げて、昇格戦線に食いついていかねば。
不可能なんてないことを証明した前節に続いて。強豪だからと言って勝てないわけではないことを、勝利でもって知らしめねば。
狙うは、連勝のみ!
勝って、前節勝利の勢いは本物であるという証を、ホームのファン・サポーターの前で打ち立てろ!!

必ず、勝つ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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勝利への執念が史上最大の大逆転を呼ぶ!惨敗のはずが一転、勝ち点3に!  Y.S.C.C.横浜戦

2016-09-19 20:54:43 | カターレ富山
4-3で勝利!
“試合終了時に1得点でも多く相手から奪っていたほうのチームが勝利”・・・あたりまえ、というか、サッカーという競技に詳しくない人にすら何の疑問も抱かせないような、あまりにも「常識」であるルール。
点差そのものは勝利の確定条件ではないものの、得点を重ねることで可能性を高めていけば、より勝利に近づく。
失点しても直ちに敗戦となるわけではなく、終了までに相手を上回る得点を挙げればいいだけ。ただし、失点が重なればその難度は飛躍的に高まってしまうけれど。
そういった、誰でもわかる、あたりまえの「常識」。
いや、だからこそ。
それが嫌ほどわかっているからこそ、そんな「常識」を、ここまで打ち砕いた試合はありませんでした。

2年ぶりとなったニッパツ三ツ沢球技場でのアウェイ戦。8月21日に行われた富山県選手権決勝の14時開始という例外はあったものの、このところ夕方・夜の試合がほとんどであったなか、久しぶりの13時開始の試合となりました。
9月に入ってだいぶ過ごしやすくなってきたと思いきや、曇り空ではあったものの気温は30度と汗ばむようなコンディション。アウェイであることも加味すれば、ペース配分などを含めて慎重に試合を進めなければなりませんでした。
・・・そのはずだったのに。
Y.S.C.C.設立30周年記念試合として、いつにも増して気合の入っていたYS横浜。最下位だからと侮るわけにはいかないということは、わかっていたはずなのに。
試合開始直後、攻め入った最初のターンともいうべき攻撃が阻止され、相手の反撃。そこで、目を疑うくらいにあっさりと効果的なパスをつながれ、あれよあれよという間にいきなり失点。気合の入っていたYS横浜のなかでも、初スタメンということでさらに気合の乗っていたMF 北原 大奨に先制ゴールを奪われてしまうことに。開始からわずか3分で。
さらに。そのショックを受け入れる暇すらなかった直後の4分、またしても北原に決められ、0-2。まったく同じように、守るべきポイントで甘さが出て、というまずい失点の仕方。
悪夢のような連続失点で、いきなり2点のビハインド。
・・・いや、ちょっと待て。最下位だからと侮るなかれ、とは言ったけれど、それでも、だぞ?ここまで21試合でわずかに7得点というYS横浜にいきなり2点?
なんだこれ?
いや、ちょっと待てよ。なにがなんでも勝たねばならない試合じゃなかったのか?そりゃそうだ、ここで負けてまた突き放されたら・・・前節、揃って勝った上位陣であったことを思えば、致命的なんてもんじゃないぞ?
勝つためには3点獲らなくちゃならないけど・・・どうやって?決定力不足が嘆かれているカターレだぞ?そう簡単に獲れるわけ・・・いやいや、だから、獲らなくちゃ負けなんだって。負けたら終わるかもしれないんだって。
なんだこれ?
このブログのプレビューでも「事故のような失点はカターレにも起こり得る。想定外の失点をした場合、決定力不足を引きずった状態では勝ち星を落とすことになりかねない」という旨のことを書きましたが・・・それが、悪い意味で的中したように思われました。
まずは1点を返し、同点に追いつき、さらに逆転を目指さねばならなくなったカターレ。当然ながら、点を獲りにいかねば話にならないところでしたが・・・。
幸先の良い得点に気を良くしてモチベーションの上がったYS横浜に手を焼かされ。反撃の得点どころか、シュートまで、有効な攻撃にすらなかなかつなげられないありさま。
ここぞという場面で推進力を発揮できない、パスミスが重なる、行くべきところで前にボールが出せないなどなど・・・。
前半のうちに最低でも1得点は挙げておきたかったところ、わずかシュート3本ではそれも叶わず。3点獲らねば勝てない試合で、ただ時間が過ぎるかたちで前半が終了しました。

ハーフタイムを挟んで、後半開始時に一気に2枚代え。
敬介に代えて窪田、西川に代えて進藤。機能しなかった攻撃的選手をスパッと代える決断。「後半も同じメンバーでいくと、相手が「このメンバーならいける」という気持ちを持ち続けてしまう可能性があると思った。1人だと気づかないかもしれないから、2人交代して「(富山が)変えてきた」という不安を与えたかった。」という三浦監督のメッセージでもありました。
その指示を逆転へと繋げるべく、窪田はボール回し、進藤は積極的な上がりと、それぞれ持ち味を出そうと努める姿が。
「2-0は危険なスコア」とはよく言われるし、やはり“次の1点”を早めにこちらが奪うことで試合の流れも変わる―――そんな期待をしていたのですが。
52分、2ゴールを挙げた北原が負傷退場というアクシデントが。今日のヒーローとなるべき選手の無念の途中交代に、闘争心にまた火が付いたYS横浜。
直後の53分、鮮やかなカウンターからMF 大泉 和也が3点目のゴール。後半開始から間もなくというタイミングで、カターレが決めなければならなかったはずの“次の1点”が、YS横浜にもたらされたのでした。

「4点獲れよ!!」「勝つんだろ!!」
応援するスタンドから声を荒げて叫んだワタシではありましたが・・・自分でも、「無茶なことを言っているな」という自覚はありました。
しかし、それでも。
負けたら致命的―――それがわかっていたからこそ。諦める、負けを受け入れるなんてことは意識から追いやりました。そんなことを考えている暇があったら点を獲れ、と。
決定力不足をひきずったチームが、どうやって?そんなことも、考えないようにしました。やるしかないのなら、やれ!と。
すると、61分。
前節、CKからヘッドで叩き込むかたちで久しぶりのゴールを挙げた代が、2試合連続ゴールを決めて1点を返すことに成功。
依然苦しい状況ではありましたが、それでも。後半は試合の主導権がカターレに移ることに。
相手の疲れもあったかもしれませんが、それにも増してカターレ側に気迫が見られるように。
反撃を「焼け石に水」で終わらせない、という意気込みが感じられました。
そして、86分。
中西との連携から、大島がシュート。それを見事に決め、期限付き移籍加入後初ゴールとなる得点で2点差に詰め寄りました。
成長を期し、覚悟をもってカターレの一員となった大島の記念すべきゴール。しかし、感慨は意識の外へ。なぜなら、勢いをそのまま維持して次なる得点へと繋げねばならなかったから。
残り時間が少ない状況でしたが、それも意識していませんでした。残り何分がどうか、とかじゃない。次に決めることが大事なんだ、と。
「同じ負けでも0-3負けの惨敗ではなく追い上げての1点差惜敗ならいいや」などという考えは、微塵もありませんでした。とにかく、次だ、と。

試合も最終盤、90分。
押せ押せの勢いで必死の攻めを貫くカターレ。気力を振り絞った戦い。
そして。
ペナルティーエリアで中西が倒され、PKを獲得。割れんばかりの歓声を上げる、駆けつけたカターレサポーター。
いや、まだだ。まだ喜ぶのは早い。
絶対的優位な状況を手に入れただけで、事を成し遂げたわけじゃない。
キッカーは、キャプテンマークを巻く衛藤。
ベテランの冷静なキックが決まり、ついに同点に!
こうなったなら、もう。
アディショナルタイムに入った試合の行く末を、食い入るように見つめるサポーターたち。
その心に、「よくやった、3点差を追いついての勝ち点1なら満足だ」なんて気持ちは、ありませんでした。
みんながみんな、思っていたはずです。
「こうなったら、4点獲れ!勝て!」と。

そして。
悲鳴にも似た、自分たちでも何を言っているのかよくわからない叫びをスタンドから送り続けるなかで。
最後の最後まで闘志を失わず、執念で奪い取ったFK。キッカーは國吉。
時間的にももう後がない、ラストチャンス。
誰が、何を、どうしたか―――両の目で確かに見ていたはずでしたが、ハッキリとは捉えられませんでした。
事実としてあったのは・・・そう、カターレのゴールが認められたこと、ただそれだけ。
興奮のボルテージが限界を振り切り、半狂乱となるカターレサポーター!
「まだだ!まだ終わってないぞ!」
戒めてはみたけれど、そんなことで収まる興奮ではなく。
そして、タイムアップ。
やってくれた。
ついに、やってくれた。
諦めることはしてこなかった。けれど、それでも。
「理屈」ではあり得ても、「常識」ではあり得ない―――そんな大逆転が、達成された瞬間でした。

かつて・・・2012年から2014年までの3シーズンにわたって、逆転勝ちそのものが1回もないシーズンが続いたこともありました。
昨年のホーム山口戦で喫した2点差をひっくり返されて5点奪われた最悪のものをはじめ、勝ち試合を落とす逆転負けは幾度もありましたが。
その意味で。
どう考えても負け試合となっていたであろう0-3の状況から、後半だけで4得点を挙げてひっくり返すとは・・・。
YS横浜側にとってみれば悪夢としか言いようがない敗戦でしょうが・・・気持ちは、わからなくはありません。
なかなかリードした状況というものに慣れていないなか、勝ちにつなげるためにどう試合運びをするのか?そこに、経験不足がゆえの隙が出来てしまったところがあるのではないかと。
かつて、ぶっちぎり最下位でJ2から降格した経験があるカターレだからこそ、わかります。同じようなことで、幾度苦杯をなめたことか。
もちろん、気をつけねばならないとわかりきっていたのにあっさりと失点してしまった点をはじめ、手放しで喜ぶわけにもいかないでしょう。反省すべき点は、速やかに正さねばなりません。
それでも。
絶体絶命としか言いようのないピンチを乗り越えて、勝利したこの経験。
カターレは、まだ終わってなどいない―――その覚悟を示す勝ち点3であったかと思います。
まだ、成し遂げたわけではありません。道半ばです。
けれども。
諦めることなく戦い続ける執念というものを、しっかりと最上の結果に結び付けてみせたこの経験。
これを勇気と力に変えて、次節以降も勝ち続けねばなりません。


・・・まったく、こういうことが起こるから、サポーターというものはやめられない!!
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第22節  Y.S.C.C.横浜戦

2016-09-16 19:09:24 | カターレ富山
前節、攻撃的なスタイルを貫くプレーぶりで挑みかかってきた藤枝を、粘り強い勝利への意志を見せて撃破。リーグ戦再開の初戦を勝利で飾りました。
しかしながら、上位陣が揃って勝利したことによって勝ち点差は変動せず。わけてもひとつ下の5位・長野とは勝ち点差だけでなく得失点差まで同じところ、総得点で辛うじて上回っているに過ぎない状態。予断を許さぬ状況が続いています。
そんななか、前節の勝利を糧として連勝し、揺るがぬ自信を得ていくために。必勝を期してアウェイ・ニッパツ三ツ沢球技場へと乗り込み、Y.S.C.C.横浜と対戦します。

現在、リーグ最下位のYS横浜。前節の敗戦により、下から2番目の鳥取ともども、数字の上で残っていた優勝の可能性が消滅しました。
最下位を相手に確実に勝利して勝ち点3を積み重ねたい、というのがもっともなところではありますが、だからと言って楽に勝てるかと言えばそうではないでしょう。
YS横浜にとっては、ただでさえ勝たねばならないホーム戦であるのに加え、今節はY.S.C.C.設立30周年記念マッチなのだとか。特別ユニフォームも用意されるらしく、いつにも増して気合を入れて臨むことは確実でしょう。
とはいえ、相手には相手の事情があるように、カターレにもカターレの事情がある。
言うまでもなく、J2復帰という必達目標の成就。
気合の入っている相手だからと言って遠慮などしている場合でなく。むしろ、こちらの悲願のために相手を飲み込むくらいでなければ。

前回対戦は6月29日の第14節。前半のうちにPKで幸先よく先制点を挙げたものの、追加点を挙げるチャンスをことごとく逃し、結果的には1-0の辛勝。
YS横浜にとっても、「苦戦はしたけれど、どうにもならなかった敗戦ではない」というイメージで今節に臨むのではないでしょうか。
前節の藤枝戦にしても、主導権を握った後半などは特に、更なる追加点のチャンスがありました。そこできっちりと決めることができていれば、もっと楽な試合になっていたはず。
課題であるところの決定力不足が尾を引いてしまっている状態、とも言えます。最終的には最後の最後まで得点を目指す意識が、相手のミスを見逃さずに追加点に繋がりはしましたが。
藤枝にとって想定外であったであろう、事故のような失点。それが、カターレには起こらないなど、どうして言えましょうか?
そういった想定外の事態を含めてなんらかのかたちで失点を喫した場合・・・決定力不足を引きずった状態では、勝ち星を落とすことにつながりかねません。
もちろん、そうあってはならないのであって。
前回対戦のような、勝てる可能性をいたずらに低くしてしまうような試合展開を繰り返すわけにはいきません。
それでなくとも、勝ち点差が少ない上位争いを勝ち抜いていくためには、少しでも得点を重ねて得失点差のプラスを多くしていく必要もあり。
決して侮ることなど出来ない相手ながらも、勝つからには全力をもって大勝するくらいの気構えが不可欠です。

期待したいのは、苔口。
前回対戦での決勝点となったPKが、自身J通算50ゴールに。ただ、試合後には「決めるところで決めないと、1点差では相手も気持ちが落ちてこない。『まだやれるぞ』という気持ちにさせてしまった」と反省も。
得点を挙げることそのものに優劣はなく、PKであろうが1点は1点。失敗するリスクもあるなかで決めるのだから、それをどうこう言われる筋合いは無く。
とはいえ。ストライカーであればやはり、自らの力を存分に示すかたちで挙げたゴールというものに、より価値を見出すのではないかと。
その意味で、今節は持てる力を存分に発揮し、同カードでの連続得点を決めてほしいです。
チーム最多得点の萱沼が今節は累積警告により出場停止ですが、だったらなおのこと。若手にばかりいい格好はさせないぞ!くらいの気合で、「カターレに苔口あり」と、存分にアピールする活躍を願いたいです。

通常であれば、開催時間の差異はあるにせよ、日曜日だけで全カードが組まれるJ3リーグ。しかし、祝日である敬老の日を含む今節は、17・18・19日の3日間に分散するかたちでの開催となります。
そのなかで、1カードだけ先行して土曜開催となる、このYS横浜‐富山戦。
ある意味、チャンスと言えます。ここでしっかりと勝利し、上位争いに食い下がる姿勢をアピールしたならば。
他のクラブに対してプレッシャーをかけることにもつながるはず。どうしても勝たねばならない試合を勝ち切る姿勢を示し、上位争いにまだまだ富山は健在、脱落なんかしないぞ!というアピールになるはず。
だったら。
勝たねばならない理由しかない。
相手を侮らず、さりとて驕らず。
真摯に勝利を目指す姿勢を貫き、勝ち点3に、連勝につなげねば。

気合の入る相手を跳ね返す強靭さを見せろ!!
J2復帰へのゆるぎない信念を、勝利への意志を力に変えろ!!!

勝たれ!!!!富山!!!!!
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粘り強いサッカーで雪辱なる!リーグ戦再開を勝利で飾る  藤枝MYFC戦

2016-09-12 23:45:25 | カターレ富山
2-0で勝利!
天皇杯の挑戦も終わり、リーグ戦の行く末に最大集中しなければならない状況で迎えた今節。気合を入れて臨まねばならないのは言うまでもないとして・・・やはり、前回対戦でしてやられてしまった藤枝に対して、きっちりとリベンジを果たすことが求められました。
セットプレーのチャンスをしっかりとものにするかたちで先制。なかなか追加点が奪えないなかにあっても集中力を切らさず、相手のミスを見逃さないしたたかさで試合終了間際のダメ押し点。そして、守ってはしっかりと無失点。
決して、100点満点の試合ではありませんでした。けれども、やり遂げねばならないこと―――難敵にも怯まずに勝利を求めたこと。それが結果に結びついたということ。
まだまだ予断を許さぬ状況は続きますが、それでも。この成功体験を糧とし、さらなる勝利へと繋げねば。

次節以降の残り日程がすべて13時か14時の昼にキックオフとなるなか、シーズン最後の17時開始試合となった今節。
完敗を喫した前週の鹿島戦の経験を無駄にしないためにも、やるべきこと・・・すなわちJ2復帰の道を邁進するその姿勢を、まずはホームで見せねばなりませんでした。
前回リーグ戦にあたる鳥取戦とも天皇杯の鹿島戦とも違う、少しずつメンバーの変更をして臨むことに。
ここ最近ベンチ入りも含めて戦列を離れていた國吉がスタメン復帰して左SB。反対の右SBに三上。アンカーの位置には窪田ではなく、鹿島戦でも同ポジションに起用されていた脇本。
西川が第10節栃木戦以来となるスタメン出場、シーズン途中加入の大島がリーグ戦では初スタメンとなりました。

「勝つためにスタイルを捨ててまでやろうとは思っていない」という信念を貫く大石監督の下、ここまで9勝と結果にもつなげている今季の藤枝。
ハイプレスからの攻撃的サッカーという持ち味を、試合開始から遺憾なく発揮してきました。
素早い攻守の切り替えとともに虎視眈々と前へと抜け出る隙を伺い続ける攻めの姿勢。受け手に回ったカターレ、何度も手を焼かされることに。
ポゼッションは藤枝のほうが上、なかなかチャンスが作れないままボールを支配される時間が続き。
なにか、前週の鹿島戦のようだな、と思いました。カターレにしてみれば立場が逆ですが。
最終的なところでのピンチの芽は平出・代らがきっちりと潰して大事には至らなかったものの・・・それでも、気を抜いてはやられる、という切迫感はありました。それはそうで・・・だって、カターレは鹿島ではないのだから。
後方からのフィードが前線の選手に通って危ない!というところでなんとか事なきを得て。「鹿島だったらこれでやられていた」というシーンも。
無論、藤枝は鹿島ではないのだから比べても仕方ないのですが、それでも。
鹿島が、J1レベルが相手ではないとはいえ、「J3だから」と油断して良いわけでは決してなく。
逆に、攻めねばならない場面でなかなかうまくいかず。
「そこはシュートだろ!」とか「なんでそこで撃たないんだ!」とか・・・何度スタンドから叫んだことか。
一連の天皇杯関連3試合で決定力不足があらためて露呈してしまったカターレですが・・・リーグ戦再開にまで引きずって良いわけなどないのにもかかわらず、どうにもこうにもままならず。

スコアレスのままハーフタイムを迎え、勝負をかけねばならなかった後半。
57分という良いタイミングで、國吉の蹴ったCKを代が頭で合わせ、ゴール!価値ある先制点を叩きだしたのでした。
ここ最近出場していなかったなかにあって、いろいろと思うところもあったであろう國吉。しかし、そのなかにあっても努力と研鑽を積んできた成果が、ここぞという場面でしっかりと結果につながったことは、なんとも喜ばしい限りです。
もちろん、しっかりと決めて今季3ゴール目を挙げた代も。決まった後、スタンドに駆け寄って喜びをアピール。それに応えたファン・サポーター。これぞスタジアムの一体感!という熱い場面であったかと。
試合後のコメントでも選手たちが口々に「1点を挙げたことで楽になった」と言っていたとおり、プレーぶりにも余裕が生まれ、主導権はカターレに。
試合終盤になっても精力的に動き、西川、大島、萱沼らの前線のメンバーも労をいとわず守備にも貢献していた姿が印象的でした。
あるいは、中断期間のあやというものもあったのかもしれません。
8月21日の静岡県選手権で敗れ、今節が3週ぶりの公式戦であった藤枝。
対して、間断なく1週ごとに公式戦を戦ってきたカターレ。
後半にあからさまにキレがなくなっていった藤枝を見るに、やはり、そういった条件的なコンディションの差というものはあったのではないかと。
そんな差が決定的なかたちとなって表れたのが、試合終了間際の後半アディショナルタイム。
相手のGKへのバックパスを猛然と追ってかっさらった途中出場の中西が冷静に蹴りこみ、試合を決定づけるダメ押し点。
ラッキーと言えばラッキーなごっつぁんゴールとも言えますが、それでも。あるいは、そのままプレーを続けていても逃げきれたかもしれない。けれど、最後の最後までゴールへの意識をきちんと持っていたが故に生まれた得点。
今季ここまで無得点であった中西。なかなか得点できないことに悩んだりもしたそうですが、それでも頑張り続けてきたからこそのゴール。これをきっかけに、堰を切ったかのような量産体制につなげていってくれたらと思う次第です。

鹿島戦の逆の立場みたいだ、と思いましたが・・・まさに、そうであったようで。
前半のうちは良い時間帯もあったものの、しっかりと守る相手を崩せずに無得点。反対に、ここぞという場面でしっかり決められてしまい、敗れた―――試合はトータル90分。そのなかでなにが出来るかが肝要ということを思い知らされた、鹿島戦の敗戦。
それを受けての、この藤枝戦。
決めるべきシチュエーションで決められなかった、という課題もあって手放しでは評価できないものの、それでも。
敗戦も無駄にはならず、大なり小なり力になっていたのかな、と。

上位陣が揃って勝利したことで、中断前からの順位の変動が無かった今節。
もしここで敗れていたら大変なことになっていた、と青ざめてみたり。
しかし、それはそれ。
やらねばならないことに、何ら変わりはありません。
今節、そのやるべきこと・・・すなわち勝利することに敢然と挑み、結果につなげた。
満点をあげられる内容ではなかったけれど。それでも、やり遂げた。前回対戦で敗れたリベンジを、成し遂げた。
この経験をさらに次節以降にも引き継いで、そして勝っていくために。
勝って兜の緒を締めよ。
精進を続けねばなりません。
コメント
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