1-3で敗戦。
得点力不足にあえぐカターレにとって、キャプテン吉平のゴールは、今シーズンアウェイ戦初勝利をもたらす福音になる・・・はずでした。
審判批判はみっともないし、本来は避けねばならないところではありますが・・・それでも。本当に、カードが妥当なジャッジだったのか?カターレ側のプレーではファウルとしてとらなかったところを、琉球の演技というかマリーシアという部分にだまされていたのではないか?とか。
ズルだろうがなんだろうが、勝つことが大事で、それに勝るものなど無いーーー身も蓋もないことを言えば、そうなるのかもしれませんが。実際、綺麗ごとだけで勝てるならば、こんな苦しい思いはしなくても良いはずで。
ルヴァンカップ・山形戦以来、GKとしてのキャリアを着々と積んでいた平尾ですが。
PKを阻止したのに詰められて失点、抗議でイエローをくらう、勇気ある積極的な飛び出しからのファインセーブであったはずが、PK。読み通りのセーブが弾かれて失点・・・どうにもこうにも、ツラい現実を突きつけられてしまいました。
上手くいかないときは、こんなものなのかと。
審判も運も、なにもかもが敵に回り、カターレの勝利を良しとしない。
3月の公式戦7試合が終了し、シーズンは新たな局面に突入していくこととなりますが。
未だ、不振は脱していないままです。
吉平と松岡の両サイド、2トップにはマテウスと松本というスタメン起用でしたが、全体としてみれば、ここ最近の起用傾向に沿ったメンバー編成であったように思います。固定化する意図は無くとも、その時々で調子の良いメンバーを起用するというスタンスそのものには変わりないと。
試合開始直後から、積極的なプレーでリズムをつかみにかかるカターレ。
前からのプレス、攻守の素早い切り替えなど、小田切監督の標榜するカターレのスタイルというものが、しっかりと出ていた立ち上がりであると言えたかと。
琉球のほうも、開始からしばらくはカターレのアグレッシブさに面食らっているような場面も見受けられましたが。それでも、徐々に落ち着きを取り戻すと、試合は次第に膠着状態に。
カターレの側としても、そりゃ、自分たちのやりたいサッカーがやりたいように出来ていたら言うこと無しだったでしょうが。そうでないなら、ないなりにどうしていくか、どう状況を打開していくか。
前半も半ばくらいにもなれば、「次の一手をどうするか?」という局面に入っていきました。
そんな局面を打開してみせたのが、キャプテン・吉平でした。
24分、ピッチ中央からやや左、ゴールまで距離もあるなか、前線の選手をめがけての放り込みクロスか?というシチュエーションで。
グラウンダーのミドルシュートが決まり、先制!
まさに、「虚を突く」という表現がピタリというか。元日本代表の経験もあるベテランGK六反 勇治にして、まさか撃ってくるとは思っていなかったようで。一瞬反応が遅れたところ、見事にゴール。
本当に、「そうだ、それだよ!」と膝を打つゴールでした。そんなゴールを待っていた!と。
もちろん、自分たちのカタチとして練習を重ねてきたゴールが決まれば、言うことは無し。もちろん相手もプロ、簡単には決めさせてもらえないでしょうが、1度でダメなら2度、3度と。愚直に繰り返していくこともやり方でしょう。
ただ、それもひとつ間違えば、単なるワンパターン攻撃の繰り返しで対処は楽、ということにもなりかねません。
自分たちのパターンにこだわることも必要である一方で、相手に狙いを絞らせない、ときには虚をつくような、良い意味で空気を読まないようなプレーも必要ではないかと。
吉平のゴールは、まさにその虚を突くゴールそのものでした。
勝利を目指すにあたり、正解はひとつじゃない。
もしもGKにしっかりと対応されてしまったなら、「GKへのパスかよ」などと誹りを受ける可能性のあった、シュートという選択。しかし、それを怖れるあまり積極性を欠いてしまうことがあっては、選択肢を自ら狭めるジリ貧状態にも陥りかねない。
勇気ある、突拍子もなさ。
開幕以来結果が出せていないカターレにして、なかなか難しいところもあろうかとは思いますが。
それでも。現状打破のためには、勇気をもって踏み出す。その大切さを教えられたようなゴールであったかと。
開幕戦のゴール以来、アウェイ戦では3試合連続無得点に陥っていたカターレにあっては。
1-0で折り返した試合後半。
勝利に向けて、さらに気を引き締めて臨み、アウェイ初勝利に繋げねばーーー。
・・・そう、思っていたはずだったのですが。
後半開始早々に、それが暗転してしまうことに。
51分、裏への抜け出しへの対処が一瞬遅れたところ、ペナルティーエリア内でファウルしたとしてPKを献上してしまうことに。
大山の腕が相手に当たった、とのことでしたが・・・そのくらいのプレー、流していなかったか?本当にファウルが妥当なプレーだったのか?
審判への不信を抱いてみても、判定が覆りもせず。
ここまで4得点の琉球のエース格・白井 陽斗がキッカーを務め、5得点目を狙うなかで。
八戸戦以来2度目のPKシチュエーションとなる平尾が、止めた!
・・・けれど、こぼれ球を狙って詰めていた富所 悠に押し込まれてしまい、ファインセーブがフイに。
3試合連続無失点の夢は消え、試合は振り出しに。
さらに、その直後の53分。
末木がこの日2枚目のイエローをくらい、試合時間残り30分以上で数的不利を強いられることに。勝利のためにどうしても得点が必要な中での不利は、精神的にもダメージの大きいモノとなってしまいました。
さらにさらに、弱り目に祟り目とでも言うのか。
抗議に対してなのか。平尾にまでイエローを出されてしまう始末。
もちろん、ダメージは精神的なもので済むだけの問題でもなく。
松本に代えてヨシキ、マテウスに代えてショウセイと、それぞれ意図しないタイミングでの交代を強いられ。
前半、連動してコンパクトにまとまった守備により、しっかりと琉球の攻勢を抑え込んでいたカターレ。
そのバランスが、予期しない事態によって一気に崩れてしまったようなかたち。
63分には、ワンツーから抜け出されて逆転ゴールを献上してしまうことに。
守備の甘さ、というよりは・・・ほんの一瞬、この日のジャッジが頭をよぎったのではなかろうかと。もう一瞬でも早く、いつも通りに相手に詰めていたら、決められなかったかもしれないゴール。ほんの僅か、しかしプロの試合では致命的な隙。
それを突かれて、いよいよ苦しく。
さらにさらにさらに。受難は止まるところを知らず。
72分、相手との接触の危険も省みず、勇気ある飛び出しによって相手のシュートを体を張って阻止した平尾だったのですが。
そのチームの危機を救うファインセーブであったはずのプレーが、相手をひっかけたとしてなのか、得点機会阻止なのか、またしてもPKの判定に。
いや、きちんとボールに行っていただろうがよ。阻止した後から相手が転んだ、それだけだろうがよ。
釈然としないジャッジに、またも晒されるなかで。
再び、白井がキッカー。
裏をかいてでしょう、1回目とまったく同じコースに蹴ってきた白井。しかし、今度もまたブロックした平尾が阻止・・・したかに思われたものの。
弾いたボールが、ゴール内へ。
痛恨の追加点。どうにもこうにも厳しすぎる、今季ワースト3失点目を喫したのでした。
絶対的な不利にあったなかでも。
それでも、試合を投げ出すことなく必死にプレーを続けたカターレ選手たち。
攻勢をかけ続ける琉球に対し、1人少ないカターレは当然のように劣勢を強いられたわけで。そんななかで、なかなか反撃に転じられない状況が続きつつも。
それでも・・・仲間を信じ、前線で体を張ってボールを収めようとするショウセイ。
やられっぱなしではなく、打開を期してシュートまでもっていく。
試合最終盤には、途中出場の伊藤にも決定機。
ただ・・・それを決めきるには、精神的なゆとりが足りなかったということか。ゴールならず、スコアを動かすことは叶わず。
そのまま、タイムアップ。
アウェイ初勝利を目指し、その道筋をつけたはずの試合で。痛恨というにもあんまりな逆転負けによって、またも勝利はなりませんでした。
なんというか。今回が、初めてではありません。
こういった、うまくいく方向にはなかなか進まないのに、悪い方向には簡単に転がる、という状況に置かれるのは。
7試合で、未だ1勝。上位との差は開くばかり。
状況的に、キツいです。弱音も吐きそうになります。
それでも。
それでも、逃げ出すわけにはいかない。
立ち向かってより、他ないのです。
精神的に、ただの1敗以上にキツい敗戦となってしまいましたが。
それでも、言い方を変えれば、1試合の負け・それ以上でもそれ以下でもないのです。
ショックを引きずる可能性はあるにせよ。
気にしている暇があったなら。同じ時間があるなら、後悔ではなく1分1秒でも現状を打破する方向への努力に時間を使うべきで。
今、やらねばならないことは何か?
勝てない現状を悔いて悲嘆にくれることでは、決してないはず。
次節、負けることで傷口が開くことを怖れるよりも。
勝つことで状況を打開すること。それ以外に考えることなど、無いはずです。
何度でも言います。
「勝つことでしか自信は身につかない」
嘆いている暇があるならば、勝つことのみに執心するべきで。
まずは、次節・ホーム北九州戦。
ここで無様を晒すようなら、いよいよファン・サポーターからの失望も雪だるま式に増大しかねませんが。
それを怖れるよりも。もっと怖いことは、勝てない現状を受け入れてしまうこと。
そんなこと、あってたまるかと。
優勝を目指す意思に陰りなど無いーーー言うは易く行うは難し?知ったことか。
ただ、やり抜くのみ。
勝たねば状況を打開できないなら。
やってやるだけのこと。
折れない、心。その覚悟。
今、見せずしていつ見せるというのか。
勝利を願うすべての人々に、勝って応えねばなりません。