行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

痛恨の逆転負け。3失点でまたもアウェイで勝てず FC琉球OKINAWA戦

2024-03-31 13:43:16 | カターレ富山
1-3で敗戦。
得点力不足にあえぐカターレにとって、キャプテン吉平のゴールは、今シーズンアウェイ戦初勝利をもたらす福音になる・・・はずでした。
審判批判はみっともないし、本来は避けねばならないところではありますが・・・それでも。本当に、カードが妥当なジャッジだったのか?カターレ側のプレーではファウルとしてとらなかったところを、琉球の演技というかマリーシアという部分にだまされていたのではないか?とか。
ズルだろうがなんだろうが、勝つことが大事で、それに勝るものなど無いーーー身も蓋もないことを言えば、そうなるのかもしれませんが。実際、綺麗ごとだけで勝てるならば、こんな苦しい思いはしなくても良いはずで。
ルヴァンカップ・山形戦以来、GKとしてのキャリアを着々と積んでいた平尾ですが。
PKを阻止したのに詰められて失点、抗議でイエローをくらう、勇気ある積極的な飛び出しからのファインセーブであったはずが、PK。読み通りのセーブが弾かれて失点・・・どうにもこうにも、ツラい現実を突きつけられてしまいました。
上手くいかないときは、こんなものなのかと。
審判も運も、なにもかもが敵に回り、カターレの勝利を良しとしない。
3月の公式戦7試合が終了し、シーズンは新たな局面に突入していくこととなりますが。
未だ、不振は脱していないままです。

吉平と松岡の両サイド、2トップにはマテウスと松本というスタメン起用でしたが、全体としてみれば、ここ最近の起用傾向に沿ったメンバー編成であったように思います。固定化する意図は無くとも、その時々で調子の良いメンバーを起用するというスタンスそのものには変わりないと。
試合開始直後から、積極的なプレーでリズムをつかみにかかるカターレ。
前からのプレス、攻守の素早い切り替えなど、小田切監督の標榜するカターレのスタイルというものが、しっかりと出ていた立ち上がりであると言えたかと。
琉球のほうも、開始からしばらくはカターレのアグレッシブさに面食らっているような場面も見受けられましたが。それでも、徐々に落ち着きを取り戻すと、試合は次第に膠着状態に。
カターレの側としても、そりゃ、自分たちのやりたいサッカーがやりたいように出来ていたら言うこと無しだったでしょうが。そうでないなら、ないなりにどうしていくか、どう状況を打開していくか。
前半も半ばくらいにもなれば、「次の一手をどうするか?」という局面に入っていきました。

そんな局面を打開してみせたのが、キャプテン・吉平でした。
24分、ピッチ中央からやや左、ゴールまで距離もあるなか、前線の選手をめがけての放り込みクロスか?というシチュエーションで。
グラウンダーのミドルシュートが決まり、先制!
まさに、「虚を突く」という表現がピタリというか。元日本代表の経験もあるベテランGK六反 勇治にして、まさか撃ってくるとは思っていなかったようで。一瞬反応が遅れたところ、見事にゴール。
本当に、「そうだ、それだよ!」と膝を打つゴールでした。そんなゴールを待っていた!と。
もちろん、自分たちのカタチとして練習を重ねてきたゴールが決まれば、言うことは無し。もちろん相手もプロ、簡単には決めさせてもらえないでしょうが、1度でダメなら2度、3度と。愚直に繰り返していくこともやり方でしょう。
ただ、それもひとつ間違えば、単なるワンパターン攻撃の繰り返しで対処は楽、ということにもなりかねません。
自分たちのパターンにこだわることも必要である一方で、相手に狙いを絞らせない、ときには虚をつくような、良い意味で空気を読まないようなプレーも必要ではないかと。
吉平のゴールは、まさにその虚を突くゴールそのものでした。
勝利を目指すにあたり、正解はひとつじゃない。
もしもGKにしっかりと対応されてしまったなら、「GKへのパスかよ」などと誹りを受ける可能性のあった、シュートという選択。しかし、それを怖れるあまり積極性を欠いてしまうことがあっては、選択肢を自ら狭めるジリ貧状態にも陥りかねない。
勇気ある、突拍子もなさ。
開幕以来結果が出せていないカターレにして、なかなか難しいところもあろうかとは思いますが。
それでも。現状打破のためには、勇気をもって踏み出す。その大切さを教えられたようなゴールであったかと。
開幕戦のゴール以来、アウェイ戦では3試合連続無得点に陥っていたカターレにあっては。
1-0で折り返した試合後半。
勝利に向けて、さらに気を引き締めて臨み、アウェイ初勝利に繋げねばーーー。

・・・そう、思っていたはずだったのですが。
後半開始早々に、それが暗転してしまうことに。
51分、裏への抜け出しへの対処が一瞬遅れたところ、ペナルティーエリア内でファウルしたとしてPKを献上してしまうことに。
大山の腕が相手に当たった、とのことでしたが・・・そのくらいのプレー、流していなかったか?本当にファウルが妥当なプレーだったのか?
審判への不信を抱いてみても、判定が覆りもせず。
ここまで4得点の琉球のエース格・白井 陽斗がキッカーを務め、5得点目を狙うなかで。
八戸戦以来2度目のPKシチュエーションとなる平尾が、止めた!
・・・けれど、こぼれ球を狙って詰めていた富所 悠に押し込まれてしまい、ファインセーブがフイに。
3試合連続無失点の夢は消え、試合は振り出しに。
さらに、その直後の53分。
末木がこの日2枚目のイエローをくらい、試合時間残り30分以上で数的不利を強いられることに。勝利のためにどうしても得点が必要な中での不利は、精神的にもダメージの大きいモノとなってしまいました。
さらにさらに、弱り目に祟り目とでも言うのか。
抗議に対してなのか。平尾にまでイエローを出されてしまう始末。
もちろん、ダメージは精神的なもので済むだけの問題でもなく。
松本に代えてヨシキ、マテウスに代えてショウセイと、それぞれ意図しないタイミングでの交代を強いられ。
前半、連動してコンパクトにまとまった守備により、しっかりと琉球の攻勢を抑え込んでいたカターレ。
そのバランスが、予期しない事態によって一気に崩れてしまったようなかたち。
63分には、ワンツーから抜け出されて逆転ゴールを献上してしまうことに。
守備の甘さ、というよりは・・・ほんの一瞬、この日のジャッジが頭をよぎったのではなかろうかと。もう一瞬でも早く、いつも通りに相手に詰めていたら、決められなかったかもしれないゴール。ほんの僅か、しかしプロの試合では致命的な隙。
それを突かれて、いよいよ苦しく。

さらにさらにさらに。受難は止まるところを知らず。
72分、相手との接触の危険も省みず、勇気ある飛び出しによって相手のシュートを体を張って阻止した平尾だったのですが。
そのチームの危機を救うファインセーブであったはずのプレーが、相手をひっかけたとしてなのか、得点機会阻止なのか、またしてもPKの判定に。
いや、きちんとボールに行っていただろうがよ。阻止した後から相手が転んだ、それだけだろうがよ。
釈然としないジャッジに、またも晒されるなかで。
再び、白井がキッカー。
裏をかいてでしょう、1回目とまったく同じコースに蹴ってきた白井。しかし、今度もまたブロックした平尾が阻止・・・したかに思われたものの。
弾いたボールが、ゴール内へ。
痛恨の追加点。どうにもこうにも厳しすぎる、今季ワースト3失点目を喫したのでした。

絶対的な不利にあったなかでも。
それでも、試合を投げ出すことなく必死にプレーを続けたカターレ選手たち。
攻勢をかけ続ける琉球に対し、1人少ないカターレは当然のように劣勢を強いられたわけで。そんななかで、なかなか反撃に転じられない状況が続きつつも。
それでも・・・仲間を信じ、前線で体を張ってボールを収めようとするショウセイ。
やられっぱなしではなく、打開を期してシュートまでもっていく。
試合最終盤には、途中出場の伊藤にも決定機。
ただ・・・それを決めきるには、精神的なゆとりが足りなかったということか。ゴールならず、スコアを動かすことは叶わず。

そのまま、タイムアップ。
アウェイ初勝利を目指し、その道筋をつけたはずの試合で。痛恨というにもあんまりな逆転負けによって、またも勝利はなりませんでした。

なんというか。今回が、初めてではありません。
こういった、うまくいく方向にはなかなか進まないのに、悪い方向には簡単に転がる、という状況に置かれるのは。
7試合で、未だ1勝。上位との差は開くばかり。
状況的に、キツいです。弱音も吐きそうになります。
それでも。
それでも、逃げ出すわけにはいかない。
立ち向かってより、他ないのです。
精神的に、ただの1敗以上にキツい敗戦となってしまいましたが。
それでも、言い方を変えれば、1試合の負け・それ以上でもそれ以下でもないのです。
ショックを引きずる可能性はあるにせよ。
気にしている暇があったなら。同じ時間があるなら、後悔ではなく1分1秒でも現状を打破する方向への努力に時間を使うべきで。
今、やらねばならないことは何か?
勝てない現状を悔いて悲嘆にくれることでは、決してないはず。
次節、負けることで傷口が開くことを怖れるよりも。
勝つことで状況を打開すること。それ以外に考えることなど、無いはずです。

何度でも言います。
「勝つことでしか自信は身につかない」

嘆いている暇があるならば、勝つことのみに執心するべきで。
まずは、次節・ホーム北九州戦。
ここで無様を晒すようなら、いよいよファン・サポーターからの失望も雪だるま式に増大しかねませんが。
それを怖れるよりも。もっと怖いことは、勝てない現状を受け入れてしまうこと。
そんなこと、あってたまるかと。
優勝を目指す意思に陰りなど無いーーー言うは易く行うは難し?知ったことか。
ただ、やり抜くのみ。

勝たねば状況を打開できないなら。
やってやるだけのこと。
折れない、心。その覚悟。
今、見せずしていつ見せるというのか。

勝利を願うすべての人々に、勝って応えねばなりません。
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第7節 FC琉球OKINAWA戦

2024-03-29 21:56:12 | カターレ富山
3月の1か月間で公式戦7戦というハードスケジュール。その締めくくりとして迎える今節、タピック県総ひやごんスタジアムへと乗り込み、FC琉球OKINAWAと対戦します。
正直言って、ここまで思い通りの戦績を残せていないカターレですが。
後に振り返った時に、ここでしっかりと踏みとどまった、崩れてしまうことなく力を貯められたからこそ、躍進につなげることができたーーーそう言えるように。
まずは、今シーズンアウェイ初勝利を挙げねばならない今節。
これまでのままならなかった鬱憤を晴らすかのような快勝でもって、遠く沖縄の地から勝ち点3を持ち帰ってほしいです。

1カ月間で5連戦を含む7戦という、ただでさえキツいスケジュールですが・・・そのなかにあっても、カターレ富山は、割をくったというか、不利な状況を強いられた側のクラブであったように思います。
贔屓の引き倒しというか、応援するクラブだからという目で見ているからでは?と言われそうですが、そうでもなかろうと。
どのクラブもホーム&アウェイ2回戦総当たりということに変わりはないし、それを言うなら、今節の相手である琉球なんか、どの試合も飛行機移動の遠距離アウェイに該当するじゃないか、という意見もありましょうが。
この3月を見ても、琉球が不利だったとは思いません。
まず、ルヴァンカップの影響からの編成変更により、第3節が先送り。7試合ではなく6試合という時点で、既に差がある。そして、その6試合のうち4試合がホーム戦。それはアドバンテージと見て良いかと。
それを言えば、7試合のうち3試合がホーム、そのうち2試合が調整が難しいであろう水曜の試合だったカターレ。さらに、アウェイでも八戸やら沖縄やら遠いところを当てられて。
それでなくとも、開幕から間もないデリケートな時期にそんなスケジュールをぶつけられては、「どのクラブもホーム&アウェイでお互い様」とは言えないでしょう。
明らかに、カターレの側の不利があろうかと。
言っても仕方ないし、それを言い訳にすることもできないことは承知。けれど・・・それでも、釈然としない気持ちは、あります。

前節の沼津戦に敗れ、今季初黒星を喫した琉球ではありますが。
それでも、ここまで2勝2分け1敗、ルヴァンカップ1回戦でJ2・藤枝を撃破した試合も含め、好スタートを切ったと見て良いかと。
前節の沼津戦の敗戦とて、4連戦の4戦目、中3日という条件でしかもアウェイという日程的な不利もあった、ということであれば。
不利な日程でなかなか戦績が振るわない、忸怩たる思いをしてきたカターレにとってみれば、「ほら見ろ」と言いたくもなります。
それでも。愚痴を言ってどうにかなるならそうすればよいですが、そんなことはなく。
お互いにとって今節は、連勝を目指しながら果たせなかった前節からの反省を踏まえて臨む試合。連戦対応ではない普段通りの1週ぶんあったインターバルを経て、いかに勝利につなげるのか?という試合。
雪の降る寒さに悩まされた3月の試合でしたが、この7試合目は一転して25℃を超える夏日となる予報。アウェイに乗り込む側としては調整も大変でしょうけれど。
日程の不利を嘆いても仕方ないというならば。
むしろ「キツいからこそやってやろうじゃないか!」と開き直るくらいのポジティブさで、逆にテンションを上げるモチベーションとして挑まねば。

2018年に攻撃的サッカーを掲げた金 鍾成監督の下でJ3優勝、J2昇格を成し遂げた琉球。
降格を経て再びJ3を戦うこととなった昨シーズン、1年での復帰を目論むも、低迷し昇格争いに絡めず。
昨季途中から再び金監督に指揮を委ね、続投となった今シーズン。ここまで既に4ゴールを挙げている白井 陽斗を筆頭に躍動する若手と、DF藤春 廣輝(前G大阪)、GK六反 勇治(前横浜FC) といった実績あるベテランとの融合を図り、持ち味の攻撃サッカーに磨きをかけていく、ということのようで。
前節こそ首位に立つ沼津に敗れたものの、ここまでは及第点かそれ以上。1試合消化が少ないことで現状8位という順位ながらも、さらなる上昇が見込めるならば。今節のホーム富山戦を返り討ちで制し、それにつなげていかねば!というところでしょう。
昨シーズンの同カードは、ホームでもアウェイでも敗れてシーズンダブルをくらう羽目に。そのリベンジをきして待ち構えていることかと。

カターレとしては、昨年11月の対戦で、史上初めて沖縄の地で琉球に勝利。今節は、3得点を挙げて快勝したその試合の再現、あるいはそれ以上の勝利をもって、2018シーズン最終戦、昨シーズンのダブル、そして今節と、同カード連勝を4に伸ばさねばなりません。
前節は、川崎フロンターレ仕込みの福島攻撃サッカーに苦戦を強いられつつも、無失点でしのぎ切りました。
もちろん、無得点に終わって勝てなかったことは無念ですが、それでも。
昨シーズンであれば、どこかでほころびを突かれて失点、そのまま敗れていたであろう試合展開でした。しかし、そうはならなかった。させなかった。
その甲斐ああっての、2試合連続クリーンシート。
だったら。やはり攻撃サッカーの琉球相手でも、やってやるしかないでしょうよ。
ここまで7得点を挙げている一方で、6失点もしている琉球にあっては。
なかなかうまくいかない攻撃からリズムを乱し、それが失点につながってしまう、というケースもあり得ることかと。だったら、それを狙わない手はありません。
良い守備、粘り強い守備の継続は、もちろんとして。
いかに、効果的な攻撃を得点につなげるか。そして勝つか。
これまでの反省を踏まえ、ここまで3得点という不本意極まる現状を打破するゴールを・・・なんなら、この1試合で3得点以上を挙げるゴールラッシュでもって、相手をねじ伏せてほしいです。

前節は中3日でスタメン変更なしという強硬策に出たものの・・・無失点は良しとしても、無得点は、どうにも期待外れに終わってしまいました。
攻撃陣の奮起が不可欠となるなか、期待したいのは松岡と伊藤の両アタッカー。昨シーズンのアウェイ琉球戦でゴールを挙げた2人に、2シーズン連続ゴールを期待します。
かつて所属していた琉球との凱旋試合に臨んだ駿太のクロスを決めて、先制ゴールを挙げた松岡。背番号8の継承者として、引退表明から強い覚悟で試合に臨んでいた先輩・駿太に花を持たせる勝利に貢献してみせたのでした。
伊藤にとって、前の試合の岐阜戦で先制ゴールを挙げながら、試合終了間際に追いつかれてヒーローになり損ねるという無念を経て臨んだ試合。2点目を挙げたマテウスのゴールからわずか4分後、駄目押しとなる3点目を奪って試合を決定づけてみせました。
両名とも、今シーズンここまでリーグ戦ではまだ無得点。前々節、前節と連続スタメンとしてゴールを期待されながら、それに応えることが出来ませんでした。
このままでいいわけがないーーー他の誰よりも、彼ら自身がそれを痛感しているはず。
ここは、いつも以上にアグレッシブに、ゴールを狙ってほしいです。
For the teamも大事でしょう。けれど、もっとエゴを見せてほしい。
自分がチームを勝たせる!という、良い意味での身勝手さを、良い意味での空気の読めなさを、ゴールにつなげてほしいです。
無失点に抑えるには、チーム全員がまとまって相手の攻勢をしのぎきることが重要。
いっぽうで、得点なくして勝利なし。無得点では、勝てません。
遠慮なしに、勝ちに行く。
なにも、カターレの点取り屋はショウセイだけじゃない。彼ひとりをケアしていればオッケーなチームなどではないんだぜ!それを、勝利につながるゴールでもって証明してほしいです。

得点力不足が足を引っ張ってしまっている感のある、今シーズンここまで。
けれど。
いつまでも、変わらないわけじゃない。
変えられないわけじゃない。
勝つことこそが、現状打破への道。それを、勝ち点3奪取でもって、証明せねば。
日程の不利、それは間違いない。
けれど、それに屈しない。むしろ、逆襲への土台と、基礎としていくためにも。
今節の勝利は、必須。
負けない試合ではなく、勝つ試合。
勝ち点1ではなく、勝ち点3。
貪欲に、奪い獲れ!!!

遠く沖縄から、価値ある勝ち点3を!強さの証を、持ち帰れ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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連勝ならず。無失点に抑えるも無得点に終わり、スコアレスドロー 福島ユナイテッドFC戦

2024-03-26 02:34:24 | カターレ富山
0-0のドロー。
待望のシーズン初勝利を挙げた金沢戦から中3日。勢いをつなげる連勝を期して挑んだ福島戦でしたが。
スコアレスドローに終わり、連勝ならず。
どうにもこうにも、評価しづらい試合でした。
昨シーズンは全試合で5つだった引き分けが、6戦目にして早くも4。しかも無得点で、となれば・・・正直、焦るなと言うほうが無理があるかと。
シュート数だけで言えば相手を上回るも、決めきれずに無得点。今季ここまでわずか3得点という決定力の低さを、今節もまた改善できずじまいでした。攻撃の質や迫力といった部分では、明らかに福島のほうが上でした。
福島のレベルの高い攻勢に晒されたなかで。昨シーズンであれば劣勢に耐えきれずに失点、敗れていたであろう試合。
しかし、それでも。
攻撃力に自信を持つ福島をしっかりと抑え込み、最後まで得点を許さず。シーズン初の無得点に追い込み、アウェイの地で1ながらも勝ち点を獲得することが出来ました。苦戦を強いられながら、それでも相手に3を与えなかった。その部分は、しっかりと評価せねばなりません。
劣勢に晒されつつも、負けなかった試合。
一方で、ノーチャンスだったわけではなく、勝機はあったのに勝ちきれなかった試合。
連勝ならず、勢いを繋げられなかった試合。
敗戦を免れ、連続無失点を成し遂げた試合。
・・・どうにも、賛否の分かれる評価の難しい試合となったのでした。

“勝った次の試合は、ヘタにメンバーを変えないほうが良い”というのは、およそサッカー界で古今東西普遍的なセオリーではありますが。
それでも・・・5連戦の5戦目、連続ホームなどではなく、バス移動を伴うアウェイ戦にあって。
前節・金沢戦から中3日で、まったく同じスタメンで臨むこととなるとは、さすがに予想外でした。
相手の福島は前週末の松本戦メンバーに戻していることを思えば、裏の裏をかいた、ということになるのかどうか。
ともあれ。
連勝を目指して臨むという指針そのものに変更があるわけではない以上は。監督の決断を信じて応援するのみであったかと。

やれ雨が降った、雪が降った、風が強い、低温だ、などなど・・・ピッチコンディションの厳しさとの戦いでもあった、今季これまでですが。
第6節にして、ようやくまともな状況下での試合となったようで。
連勝をかけて、今季アウェイ初勝利をかけて臨んだ、福島戦。
ただ・・・予想はしていたものの、やはり福島の攻撃的サッカーに手を焼くことに。
近年のJ1において、強豪クラブとして名を馳せてきた川崎フロンターレ。そこでコーチを務めていた経験をもとに、今シーズンより福島の指揮を執ることとなった寺田 周平監督。
福島のクラブ自体が川崎と提携していることもあって、新戦力に川崎からの移籍選手を加えたりと。フロンターレ譲りの攻撃サッカーを展開する基盤をしっかりと構築した上で臨む今シーズンの福島、とも言えるのかと。
そのコンセプトを体現し、前週の松本戦に続くホーム戦連勝を成し遂げるべく。
福島の選手たちに気合が入っている様は、そのままプレーに表れて見えました。

試合序盤こそカターレが攻め入るようなシーンが多めであったものの。
時間が進むにつれ、だんだんと福島が持ち味を発揮。パス回しの正確さ、ボールへの寄せの厳しさなど・・・もちろんカターレも人数をかけてサイドに追い詰めてコースを切るなど、対応はしていたものの。なかなか自分たちのペースで一気呵成に!という攻撃の形までは持ち込めず。
川崎から加入のDF松長根 悠仁が引き締まったデイフェンスを見せれば、中盤ではMF針谷 岳晃、前線ではFW森 晃太といった経験豊かな実績のある選手が攻撃へのアグレッシブさを見せ。福島の選手たちそれぞれが持ち味を発揮、必死に喰らいついていくカターレでしたが、相手の勢いを上回って攻勢をかけ続けるには、やはり難儀していました。
そんななかで、29分には森のシュートがバーに弾かれて難を逃れるという、肝を冷やす場面も。

そんななかで、後半は監督の指示の下、「ボールを奪ってカウンターを狙う戦い方」 に変更。それにしっかりと順応したカターレ選手たちの頑張りもあって、ピンチもありつつもチャンスもあるという、イーブンな展開に。
たしかに、キツい。ヘタに気の抜けたプレー、不用意なプレーをしてしまえば、たちどころに付け入られてピンチを招いてしまうのでは?という危うさが。
ただ、一方的にやられっぱなしでもなく。
試合を通して良い働きをしていたと感じたのが、河井。
中盤で的確にボールをコントロールしてチームのリズムを作り出すーーーそんなボランチの役割を、的確に遂行し続けました。
福島の攻勢に晒され、そのプレッシャーに負けるかたちでパスが繋がらない、という状況に追い込まれていたとしたら。それこそ、一方的な試合展開になっていたであろうところ。
チーム最年長、積み重ねてきたキャリアは伊達じゃない。この試合の影のMVPであったように思います。

最終的に、試合終了のホイッスルが鳴るまでスコアは動かず。
連勝を期して臨んだ今節でしたが、果たせず。これでアウェイ戦は3試合連続無得点という、どうにも厳しい現実を突きつけられることとなってしまったのでした。
スタッツの上では、福島のシュート数6に対し、カターレは10。CKのチャンスも、福島の4に対して7と、上回っていました。
ただ・・・率直な印象としては、「そんなにチャンスがあったっけ?」てなもので。
客観的に見ても、優勢だったのは福島のほうでしょう。
そんな印象を抱いたのも・・・ひとえに、セットプレーのチャンスを活かせなかったから。
今季ここまで、わずかに3得点。
流れから奪った3得点、と言えば聞こえは良いけれど・・・逆に言えば、CKをはじめとしたセットプレーからの得点が、まったく無いということでもあります。
チャンスそのものが無かったわけでは、ない。
けれど、それを活かした得点がなかった。さらに言えば、相手を脅かすほどの迫力をもったプレーではなかった、と。
昨シーズン、優勝した愛媛と並ぶリーグトップタイの総得点を挙げたカターレ。今シーズン、その力を継続して発揮できているとは・・・残念ながら、現時点ではとても言えない数字。
また、昨シーズンは得点が多い代わりに失点も多い、といった特徴があったとも言えます。最終的には、そのあたりが足を引っ張るかたちで、得失点差で及ばず涙をのんだ。いえ、過ぎたことを言っても詮無いことではありますが。
その一方で。
今シーズンここまで4失点。
今節も、相手の攻勢に耐える厳しい状況に置かれつつも、それでも最後までしのぎきって無失点に抑えました。
これが、もし昨シーズンであったなら。
おそらく、どこかでほころびが生じ、最後までもたずに失点、敗戦につながっていたのではなかろうかと。実際、昨季14敗のうち、そんな敗戦は少なくありませんでした。
それを思うとき。最後まで集中を切らすことなく守り切った経験は、これからの糧ともなっていくことでしょう。

なんというか・・・難しい。
あちらを立てればこちらが立たず、というか。
決定力の低さ、総得点の少なさは、早急に改善せねばならない課題。失点しても負けるとは限らないけれど、無得点では勝てないこと確定なのだから。
他方、昨シーズン足を引っ張ってしまっていたところの不用意な失点が、明らかに改善している。今節にしても、決められてもおかしくない攻勢に晒されながらも、それでも守りきり、無失点。連勝はならなかったけれど、連続クリーンシート。そのあたりは、評価されてしかるべきかと。
得点力アップは待ったなし。最重要課題であることは間違いなく。
ただ、それに気を取られるあまりにせっかくの良いディフェンスが継続できないのでは、本末転倒というもの。
どこに気持ちをもっていくか、というところでしょうか。
今節の福島は、強かった。
相手の強さを、自分たちの至らなさを認めることは、つらいことです。
それでも。
謙虚に、真摯に。目の前の現実にしっかりと向き合っていかねば。

勝ち点3を得られず、負けこそしなかったものの、上位との差をほとんど詰められなかった。その事実は、「まだ始まったばかりだし」「アウェイで引き分けはOKだろ」などとうそぶいて軽んじてはならない。そう心にしっかりと留めねば。
目の前の戦績に一喜一憂すべきでない、もっと大局を見据えて、などと言いますが。
勝てなかった現実から、逃げてはならない。その言い訳にしてはならないかと。
一喜一憂と言いますが、目の前の試合の積み重ねが、優勝への道である以上は。
やはり、勝たねば。
劣勢をしのいだ実績は自信としていくべきである一方で。勝てずに終わった無念は、決して軽んじてはならないところ。

もっと、できるはず。
もっと、やれるはず。
まずは、次節。次も遠く沖縄まで出向くアウェイ戦とはなりますが。
アウェイでも、勝つ。連続無得点などという実績には速やかに別れを告げ、得点への執着と自信・手応えとを、結び付けていかねば。
不本意と言わざるを得ない状況にあっても、揺るぐことなく。
ただひたすら、勝利を追い求めていかねば。
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第6節 福島ユナイテッドFC戦

2024-03-23 15:14:02 | カターレ富山
前節の北陸ダービー・金沢戦で、ようやく、と言っていいでしょう。今シーズン初勝利を挙げたカターレ。
やはり昇格・優勝を目指すにあたっては、勝っていくことの重要性は言わずもがな。それを再確認した勝利でもあったかもしれません。
その初勝利から中3日。連戦の5戦目として、アウェイ・とうほうみんなのスタジアムに乗り込み対戦することとなる、福島ユナイテッドFC戦。
もちろん、狙うは連勝。そして、今シーズンまだ勝ててないないアウェイ戦での勝利にほかなりません。
前節、あらためて実感した勝利でしか得られない自信と手応え。それを、確たるものとするためにも。勝ち点3を持ち帰らねばなりません。

10位に浮上したカターレに対し、11位となっている福島ではあるものの。消化試合が1試合少ないということで、単純な比較とはなりません。
福島のここまでは、開幕戦の岐阜戦でこそ4失点の大敗を喫したものの、第2節の宮崎戦でシーズン初勝利。第3節が空いて、ルヴァンカップ1回戦ではJ2・熊本と対戦。開始4分にいきなり失点、35分に追加点と苦しい状況に追い込まれつつも、怯むことなくゴールを狙い続け。最終的には敗れたものの、試合終了間際に1点を返す意地を見せ、敗戦のなかからも収穫を得たようで。それが奏功するかたちだったのか、ホーム開幕戦として迎えた第4節では、難敵の松本を1-0で撃破。その勢いを加速して連勝を挙げるべく臨んだ前節・第5節の長野戦でしたが。後半の60分に先制したまではよかったものの、76分に追いつかれ。さらには試合終了間際の89分に逆転ゴールを喫し、手痛い敗戦となったのでした。

ここまでの福島、戦績だけを見れば、勝ったり負けたりを繰り返しているようにも見えますが。ゆめゆめ侮ることなど出来ません。
なにしろ、勝敗に関わらずここまで全試合で得点を挙げています。試合運びには課題があるかもしれませんが、攻撃力にはしっかりと自信を持って臨んでいると見てよいのではなかろうかと。
カターレのほうは、ここまでルヴァンカップも90分では無得点だったことを思えば、公式戦6試合中3試合で無得点。リーグ戦に至っては1試合1点が3試合あるだけで、複数得点も獲れていない。それを得点力不足と断じてしまうほどには、悪い印象ばかりではないにせよ・・・それでも、もうちょっとどうにかせねば、というのが本音。
守備を固める相手に苦慮しつつの結果、という面もありますが。今節の福島のように攻撃に自信を持つチームに対したとき、どう出るか。それを跳ね返す守備、お株を奪うかのような攻撃力を発揮し、逆にやりこめるくらいでなければならないところ。
「惜しかった」や「あれを決めていれば」は、いらない。
いかに、決めきるか。そして相手の反撃を許さずシャットアウトするか。さらに良い守備を更なる得点につなげていくか。
前節の終了間際にやられて敗れた嫌なイメージを抱えているであろう福島。それに対し首尾よく先制し、追うかたちを強いることができれば。さらに勝機は高まるのではなかろうかと。
ここまで物足りない得点力が爆発するような展開を期待したいところです。

5連戦の5戦目というカターレ。ホーム開幕奈良戦、ルヴァンカップでホーム山形、アウェイ八戸、ホーム金沢、そして今節のアウェイ福島。移動距離の多さ、中3日という条件もあいまって、いささか厳しいスケジュール。
それに対し、第3節が未消化の福島にとって、今節が4連戦の4戦目。ホームでルヴァンカップ・熊本戦、ホーム開幕松本戦、比較的近いアウェイ長野、そして今節と、移動距離の省エネっぷりが見て取れるスケジュール。
とは言うものの。メンバー入れ替えでやりくりをしつつも、4連戦の4戦目ともなれば、いかに移動の少なかった福島とて、疲労の蓄積具合などを考慮に入れつつのメンバー編成には難儀することではないかと。前節の長野戦では、中2日であった松本戦から6人を変更して臨んだようで。あるいは、ホームに戻る今節は、松本戦準拠のメンバーに戻す、ということもあるのかもしれません。
ベンチに設置された可動式の屋根が強風によって飛ばされるような悪条件に見舞われつつも、しっかりとウノゼロ勝利を勝ち取ってみせた前回ホーム・松本戦。その勝利を再び!と意気込んで待ち構えているのではなかろうかと。
対するカターレも、中3日でしかもアウェイとなれば、やはり前々節・八戸戦のメンバーにガラリと変えて臨むこととなると思われ。
八戸戦メンバーにしてみれば、5バックに手こずり、無得点の敗戦を喫した悔しさは忘れていないところ。さらに、やはり5バックで守りを固めてきた金沢に対し、前節のメンバーはしっかりと勝ちきってみせた。だからこその、今節。「ならば俺たちも!」との発奮を、是非とも勝利につなげてほしいです。そして、「誰が出場しても変わることのないクオリティを維持できる」というコンセプトが名実ともに確かなものであることを、勝って証明せねば。

期待したいのは、マテウス。前節は出場無しだったこともあり、スタメンでの出場が濃厚でしょう。
ルヴァンカップ・山形戦では、格上・J2のレベルを経験。J3レベルであれば抜けていたであろうシチュエーションでも止められるなど、その差というものを実感したのではないかと。そこから中3日で連続出場した八戸戦であったものの。体力的には問題ないとのことでしたが、ゴールを挙げるという結果を出すことは叶わず。今季初得点は、またもお預け。チームも敗れるという悔しい思いをしました。
彼自身としても、巻き返しを期す今節。勝利への意気込みを力に変え、是非ともチームを勝利に導いてほしいです。
昨シーズンのアウェイ最終戦・宮崎戦では、ハットトリックの大暴れ。それ以来のアウェイ戦ゴールでもって、今シーズンここまで3戦連続で勝てていないアウェイ戦に勝利をもたらしてほしい。そう切に願います。
そして、同じく前節・金沢戦では出場のなかった安光にも期待。
攻撃は最大の防御。得点力に自信を持つ福島に対し、攻守にわたってサイドを支配するプレーでもって、封じ込めてほしいです。相手に得点機を与えない守備はもちろんとして。こちらの決定機を創出するクロスもまた、彼の持ち味。それらを、存分に発揮してほしいかと。
覚醒の昨シーズンを経て、今やチームの主力といえる安光。連勝を目指すカターレにこの人あり!との存在感を見せつける活躍を期待します。

昨シーズン3位だったカターレと15位だった福島ですが、総敗戦数だけを見たならば、14敗のカターレと15敗の福島で、ひとつしか違いがありませんでした。
両者を分けたのが、勝利数。19勝を挙げたカターレと12勝だった福島。
それを思い出しても、いかに勝利を挙げるかが大切かということを思い知るというもの。
待望のシーズン初勝利を挙げた前節。ならば、即座に2勝目を、連勝を挙げて上位追撃、さらには“指定席”としての首位の座へ。その足掛かりとせねば。
それでなくとも、昨シーズンの同カードでは敗れている福島が相手とあれば。
リベンジとなる勝利を成し遂げ、アウェイでも勝つ!という意気込みを結果に結びつけねば。

連戦を戦うカターレの、底力を見せるとき!
メンバーそれぞれが力を出し切り、強いカターレを見せつけろ!!!
アウェイ戦を制し、勝ち点3を持ち帰れ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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エースが決勝ゴール!北陸ダービーを制しシーズン初勝利 ツエーゲン金沢戦

2024-03-22 03:41:16 | カターレ富山
1-0で勝利!
史上初・J公式戦を舞台に行われた、カターレ富山対ツエーゲン金沢の北陸ダービー。
前節の敗戦により4試合連続勝ちなし、連勝を狙う金沢に屈することがあれば、順位までも入れ替えられてしまうというプレッシャー。さらには春分の日とも思えないほどの寒さにも見舞われるという、厳しい条件下での試合となりましたが。
試合の主導権を握りながらも、なかなかゴールにまでは結びつかないもどかしい展開。
それでも、じっとチャンスを伺い続け、集中を途切れさせなかったカターレ。
そして。
今やカターレ富山のエースとして期待を背負うショウセイが、大事な試合でやってくれました。
先のルヴァンカップ・山形戦に続き、今節もまたホーム・県総を沸かせるゴール!
守っても、公式戦3戦連続出場となった平尾をはじめとした守備陣が奮闘。見事、クリーンシートを達成することに。
自分たちの力を信じ、真摯にプレーを続け。そして掴み取った、今シーズン初勝利。
寒空のもと駆けつけたファン・サポーターに、歓喜と興奮を届けたのでした。

先月の18日に開催された金沢ゴーゴーカレースタジアムのオープニングマッチより、約1か月ぶりとなる再戦。ツエーゲン金沢との北陸ダービーの本番として、ホーム・県総で迎え撃つこととなったカターレ。
その前回対戦が、2月とは思えないほどに温暖な気候、青空の下での試合であったのと比べては。
3月も20日、春分の日とも思えないほどに肌寒い、冷たい雨の降る中での試合となりました。
「普通、逆だろ!」とツッコみたくもなるような気持ちも・・・よく考えたら、シーズン開幕戦からこっち、天候不良を嘆いてばかりいるな、などということに気づいて愕然としてみたり。
天候不良を戦績が振るわない言い訳としてはならないものの・・・それでも、4戦連続未勝利という状況は、やはり看過できず。
迎える今節、もしそれに加えて北陸ダービーを落として5戦連続勝ちなしになっては、言語道断というもの。
なにがなんでも勝つ!そんな決意とともに挑むことに。

お隣・石川県から駆け付けたファン・サポーターがアウェイ側スタンドに陣取り、その区画をチームカラーの赤に染めるなかで。
やはり、悪天候、さらにはテレビの生中継もあっては、観客数は3047人。目標の7000人から見れば、アウェイブーストを含めてすら半数以下。いささか以上に寂しい数字に、天候不良を恨まずにはいられなかったところ。
前週のルヴァンカップでは、リーグ戦と違ってスポンサーボードがないことに違和感を感じたりもしましたが・・・今節は、強風を考慮してそのボードも立てずに倒された状態。
さらには大旗の使用禁止、横断幕も設置不可と。先週とは違った意味で、違和感のある寂しいスタンド。
それでも。
いつもと違う違和感を感じつつも、今節はれっきとしたリーグ戦にして初の北陸ダービー。勝たねばならない理由しかありませんでした。

前節・八戸戦の敗戦からわずかに中2日。準備期間の不足は否めないにしても、勝たねばならないホーム戦、しかもダービーとあっては、言い訳にもできません。
前節より9人を入れ替えたスタメン。平尾と末木が連続出場、安光が今シーズン初めてスタメンを外れる、大山や伊藤の初スタメンなどありましたが、要は1週前のルヴァンカップ・山形戦のメンバーをほぼ踏襲するかたちとなりました。
メンバーを入れ替えても戦力が落ちないという強みを活かすかたちでの編成。あとは勝利という結果につなげてくれ!と。
同じく連戦ではありつつも、前節から中3日の金沢。
前節のアウェイ宮崎戦にて、今シーズン初勝利ーーー昨年8月以来の勝利だった金沢にとっては、連勝をかけて臨むこととなった北陸ダービー。スタメン変更は2人に留め、継続性を重視して臨むことに。

山形戦で見ているメンバーたちに不安はなく、選手たち自身にしても、やれる手応えはしっかりと持ってのプレーであったでしょう。そのあたりに不安や懸念はなかったものの。
ただ・・・いかんせん、風の影響を考慮しながらのプレーには、苦労させられている様子が見てとれました。
同じく風の影響に苦しみながら、相手の5バックの守備を崩しきれずに無得点で敗れてしまった、前節・八戸戦。メンバーに変更こそあれ、チームとしては、その課題にしっかりと向き合わねばならなかったところ。
カターレとの前回対戦や開幕3戦の大量失点を経て、守備重視にシフトした金沢。それが功を奏したかたちで前節の勝利があったということで、それを今節にも活かすべく臨んでいたようで。
奇しくも、金沢が採る5バック体制は、八戸戦で苦しんだだけにカターレにとって乗りこえなければならない課題でもありました。
総じてみれば、カターレペースではあった前半でしたが。
やはり、風の影響でスルーパスが伸びすぎて繋がらないシーンなど、相手の対応以外の部分で苦労する場面も。
それでも、真摯にプレーをし続けて状況を打開せねばなりませんでしたが。

どちらかと言えばカターレ優勢、それでも決定的に試合を支配するには至らない。0-0で試合を折り返すのも妥当か、という試合展開の中で。
それでも、勝たねば。
ドローではダメ。ここまで1勝も挙げられていない状況を、なんとしても打破せねば!と。
そんななかにあっても。スタメン起用となったCB神山は、冷静でした。
「勝たなければいけない試合だったので、おそらく全体的に攻撃に頭がいってしまうと思ったので、自分はリスク管理をしなければいけないと思っていた。 」
そんなコメント通り、視野を広く保ちつつプレーを続けたなかで。
いかに5バックの隙を突くかーーーその課題に向き合い続けた、後半も半ばのことでした。
71分、その神山から目の覚めるようなスルーパスが前線へと送られ。それが即座に反応した伊藤につながると、相手を引きつけつつアウトサイドキックで真横にパス。それを受け取ったショウセイが、迷いなく蹴り込む!
見事に決まり、先制に成功!我慢比べの状況を打ち破るゴールでもって、勝利への道筋をつけたのでした。
それにしても、ショウセイ。期待に、見事に応えてくれました。
前節、八戸のオリオラ サンデーに、やられてはならないとわかっていたはずなのにやられてしまった。そのくやしさ。それは翻って、エースたるもの、相手の警戒を振り切ってでも決めねば!といことでもあり。
ならば、カターレのエースとは、ショウセイにほかならず。期待に応える活躍ぶりには、大いに勇気づけられました。
金沢にしても、前回対戦で2ゴール1アシストと大暴れされたショウセイへの警戒は、厳としていたはず。PKの末に敗れたとはいえ、ルヴァンカップの八戸戦では実質スコアレスドロー。そして前節・宮崎戦では無失点勝利。守備の改善にも手応えを感じていたなかで、やられてはならない相手エースに決められた。やはり、ショックは小さくなかったのではないかと。

もちろん、1点を獲ったから、勝ち筋をつけたから安泰というわけでもなく。
どうしてもかたねばならない試合であるからこそ。いかに勝ちきるかが問われました。
先制されたからとて、勝ちを諦めるわけでもなんでもない金沢。途中出場の実績あるFW杉浦 恭平や、元カターレの大谷 駿斗らを中心に食い下がる。
それでも、終始冷静さを失わなかったカターレ。ボランチの末木・河井のコンビ、そしてCBの脇本・神山のコンビには落ち着きがあり、相手の攻勢にも慌てることはありませんでした。
そして、左SBとしてリーグ戦では初出場・初スタメンとなった西矢。やはり、プロデビュー戦となった先のルヴァンカップ・山形戦を戦い抜いた経験が活きたということでしょう。フル出場で奮闘、チームにしっかりとフィットしていたかと。

後半には雨は上がっていたものの、決して良好とは言えないピッチコンディションだったけれど。それでも、両チームともに警告なし。プレーが止まって変に間延びすることもなく、サクサクと試合が進行していったと思います。
1点をリードした状態だったとはいえ、油断は厳禁。なんらかのかたちで失点、勝ち点を減ずることがあっては、そのダメージは計り知れない。
油断なく、ぬかりなく。いかに、勝ちきるか。
そんななか、試合終了間際の4分あったアディショナルタイム。
最後の力を振り絞る金沢にCKを与えてしまい。
GKまでも上がってくるような、まさにラストプレーという状況から。途中出場のMF大山 啓輔にこぼれ球をゴール前密集地帯に蹴り込まれ、あわや!という場面。
しかし、そのピンチを平尾が体を張って阻止!
窮地を救うとともに、ホイッスルが鳴らされ。雄叫びを上げる平尾のビッグセーブに仲間が飛びついて祝福するなか、試合終了を迎えたのでした。

必勝を期して臨んだ北陸ダービーを制し、見事に勝利。待ちに待った今シーズンリーグ戦初勝利を、ようやく手にすることが出来ました。
内容が悪くてどうしようもないというわけではない、けれども勝てない・・・そんなもどかしい状況が続いてきましたが、それを価値ある勝利で食い止めてみせました。
勝ち点換算で言えば、2勝3敗と同じ。やはり、スタートダッシュ失敗と認めざるを得ないこの5試合ではありますが。
それでも。
他会場では、今治や大宮といった開幕連勝を続けていたクラブに待ったがかけられ。開幕からの全勝クラブがなくなりました。
絶対的な力を持ったクラブが、ノリと勢いだけで連戦連勝できるようなリーグではないーーー知っていた。けれど、それがあらためて示された格好。
となれば。
遅ればせながらも、今季リーグ戦初勝利を挙げたカターレ。
上位とは差があるものの、もちろん、まだまだあきらめる段階などではない。
まずは、勝利を挙げたからには。間断なく、次なる勝利を挙げて、積み重ねていかねばなりません。
勝って兜の緒を締めよ。
次なる第6節・福島戦は、中3日ですぐにやって来ます。
ホームで初勝利の次は、アウェイでの初勝利を目指して。
連勝を達成し、さらにそれを伸ばしてくためにも。
必勝を期して臨まねばなりません。
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