行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

勝てなかった悔しさと、負けなかった安堵と。スコアレスドローで7位ターン SC相模原戦

2024-06-30 23:05:31 | カターレ富山
0-0のドロー。
6月の公式戦8試合のラスト、そしてリーグ戦前半最後の試合となった今節。
3連勝をかけて中2日で臨んだカターレでしたが・・・正直言って、やはり中2日という準備期間の短さはあったと思います。
相手の相模原も監督交代などでゴタゴタした部分もあったかとは思いますが、それでも。同条件でない比較もどうかとは思いますが、やはり、水曜に対戦したリーグ最下位の岩手とは力の差があり。1週間のインターバルという相手に対して、ホーム連戦とはいえ、中2日というディスアドバンテージの影響は、決して無視できないものでした。
ただ、それでも。
田川のスーパーセーブなどもあって、無失点に抑え込み。勝利こそならなかったものの、最低限・・・と言うには、いささかマイナス寄りではあるものの。勝ち点1の価値は、それはそれで。
上位の沼津や福島が敗れ、さらに混迷の様相を呈している順位争いのなか、7位で前半戦をターン。
リーグ戦は、新たな局面を迎えることとなります。

試合前には、先日山口への移籍が決まった下堂が挨拶に訪れるというシーンも。
彼の新天地での活躍を祈念するとともに、いなくなったからとて露骨な戦力ダウンなどあってはならないと、チームの力を示して後押しせねばなりませんでしたが。
先の岩手戦より中2日、今シーズンこれまでも見慣れたところの、「誰が出場しても戦力が落ちないというコンセプト」にのっとり、今節もまたスタメンを変更しつつ臨むことに。
ただ、その意味においては。
CBが脇本と神山という前節は出場しなかったふたりとしたのに対し、中2日でありながらSBは安光と西矢を継続。タフさが持ち味のふたりではあるものの、それでもまったく影響なしとはいかないであろうなかで、どれだけしっかりとプレーできるか?。
そんなディフェンス陣の懸念を払拭すべく、井上が5試合ぶり、松本が9試合ぶりと、それぞれスタメン起用となった攻撃陣。彼らがいかに十全の働きが出来るかが問われました。

前節は前監督の退任直後という状態ながらも、それでも奮起し、松本を相手に2点差をひっくり返す逆転勝利をおさめた相模原。
後任にJ3を良く知るシュタルフ監督が就任。チーム方針、軸が定まったということで、気合のほうも再点火、今節にかける意気込みも強かったことかと。
それでなくとも、同勝ち点の富山との6ポイントマッチ。勝てば順位が入れ替わり、上位追撃への足掛かりとなるとなれば。相模原にとっても落とせない試合。
そんな気合というものは、試合序盤からしっかりとプレーに表れており。
やはり、いかにホーム連戦とはいえ、1週間のインターバルがあったチームと中2日のチームとでは、プレーのキレにも影響は不可避だったようで。
引き分けながらも相手を上回るプレーを見せた大宮戦、ワンサイドゲームかというほど圧倒した岩手戦・・・それぞれ、ホームの優位のほかに、日程的には対等という条件がありました。
けれど、今回に関してはカターレのほうが一方的に不利とも言える状況で。そんななかで、戦績、得失点などの面でほぼ互角という相模原が相手。
もちろん、言い訳にしてはならないとは知りつつも。
覚悟はしていたものの・・・相模原優位での試合展開が続きました。
そんななか、印象的だったのが相模原のスローイン。
相模原にとってのアタッキングサードでのスローインは、ロングスローを徹底的に、これでもかと。
ゴール付近へと投げ込まれるボールへの対応の難しさもさることながら。
その都度、いちいちタオルでボールを拭く時間をとられ、プレーが途切れることに。そのあたりでリズムを崩されては、守るほうもたまったものではないと。
なんというか、このところJ1で物議をかもしている町田の影響でも受けたか?ご近所だけに・・・とか、考えても詮無いことですが。
徹底的なロングスロー戦略には、辟易とさせられました。
ただでさえも、こちらが一方的に準備期間が少ない、連戦の影響をモロに受けているという不利があるなかで。
相手の相模原としては、やりたいプレーをやりたいようにやっていた印象があったなかで。どうしても、それに対応するかたち、どこか後手に回る展開が多かった印象は否めず。
もちろん、日程を言い訳にしてはならないところはありますが・・・だからといって、影響を無いものとすることもまた、現実的ではないーーー実力的に拮抗した相手であるからこそ、それを思い知らされる展開となったのでした。

ドローに判定決着があったとすれば、おそらく相模原の優勢勝ちという結果となっていた試合であったように思います。
もちろん、久々のスタメン出場となった松本、3日前の岩手戦でも活躍していた吉平らの頑張りもあり、やられっぱなしではなかったけれど。
ただ・・・やはり、決めきれない、決定力という部分では、どうにもこうにも。
それでも。
相模原の攻勢に晒されるなかにあっても、最後の最後でゴールは許さず。
遠目から果敢に狙ってきた、しかも枠を捉えていたシュートに対し、田川が飛びついてスーパーセーブ。そんなシーンが何度も見られました。
押される展開であっても、さらにはロングスローなどで集中力を乱されるようなことが続いても。
ゴールは、許さず。
ここであえなく失点していたとすれば、一気にガタガタと崩れて連続失点となっていた可能性もあったかと。さらには、次節以降に禍根を残すような負け方になっていたやもしれません。
しかし、そうはならなかった。そうはしなかった。
勝てなかったことは無念であるにせよ。
劣勢の試合展開をしのぎ切り、無失点に抑えたこと。その価値は、認められるべきで。
決して、「勝てなかったから無意味」などではなかったと。

相模原にとっても、勝ち点が変わらず得失点差も同じ、総得点だけの差の富山を追い越し、突き放すチャンスを逃してしまったかたち。まさに、両チームにとって痛み分けといった結果となりました。
他会場に目を向けると、好調だった上位陣・沼津や福島に土がつくかたちで足踏み。混戦に拍車がかかることとなりました。
だからこそ、勝ちたかった・・・本音ではありますが、覆水盆に返らず。勝てなかった事実は、覆りません。
一方で、首位の大宮は着実に勝利をおさめ、2位以下をさらに引き離す勝ち点3を獲得。
失うものは何もない!とばかりに開き直ったような最下位・岩手の挑戦を受け、その気迫に手を焼いて試合終盤までスコアレス状態が続き。あるいはこのままドローか?という考えも頭をよぎったことでしょうが。
その状況を打開してみせた、元日本代表・杉本 健勇。85分に値千金の先制ゴール。先制に成功すると、さらに89分にも追加点を挙げた大宮が勝ちきったかたち。
スコアレスドローに終わったカターレとの差が、そのあたりで出たのかと思うと、なんともやるせない気持ちにもなります。
首位のチームには、それ相応の強さがあるからこそ首位。カターレにはそれが足りない・・・それを認めるのは、つらいことではありますが。
1巡目全クラブとの対戦を終え、シーズン前半戦を終了。後半戦へと折り返すこととなります。
昇格プレーオフ圏外の、7位。
もちろん、今の順位ではなく最終順位がどうであるかが問われていることは、わかります。ゆえに、現状で一喜一憂すべきでないと。
ただ、それでも。
同勝ち点ながら得失点差によって昇格を逃した、昨シーズン。それを忘れていないからこそ。
現状把握について、能天気に、まだこれからこれから、などと安穏と考えているわけにはいかないかと。
最後の最後に泣きを見るなんて、もうたくさんだ。
最終順位が7位以下となっては、プレーオフでのチャンスすらなく即終了。そうなっても良いのか?良いわけがない。
現状を悲観しても仕方ないにせよ。さりとて、楽観するのもまた、違うかと。
一連の連戦を終え、新たなフェーズへと突入することとなるカターレですが。
だからこそ、これまでの積み重ねを活かしていかねばならない。
まずは、次戦のアウェイFC大阪戦を制し、後半白星スタートを成し遂げるために。
混戦を抜け出していくための足掛かり、ここで気を抜くわけにはいきません。

シーズンは、まだ半分だけれど。一方で、もう半分しかないのだから。


第19節 SC相模原戦

2024-06-28 22:14:51 | カターレ富山
延期となっていた岩手戦に快勝し、順位を11位から5位に押し上げたカターレ。
シーズン前半戦最後の試合となる今節、同勝ち点で並ぶ6位・相模原をホームに迎える直接対決。なんとしても勝利し、さらなる浮上への足掛かりとせねばなりません。
もちろん、狙うは3連勝。しっかりと勝ちきる強さを見せて、カターレが昇格を争うにふさわしいクラブであることを内外に示さねば。

1試合だけ延期となっていた富山ー岩手戦を消化したことで、暫定順位が解消され、同条件の順位付けとなったJ3リーグ。
そのなかで、ここまで18試合で7勝7分け4敗と、まったく同じ戦績である5位・カターレと6位・相模原。得失点が、カターレの21/16に対して、相模原の20/15。得失点差+5さえも両チームで同じであるなかで、辛うじて総得点の多さで1ぶんだけカターレが上回ることで、順位に差が出来ています。
これまでの18試合、ホームかアウェイかなどの差はあったとしても、それぞれ同じ相手と対戦してきての同じ戦績。これはもう、まったくの互角と言って差し支えないかと。
ここまで互角の相手、ドロー決着でさらに差が無く、という展開もなくはないでしょうが・・・そんなのは、願い下げ。
必ずや勝利し、さらにカターレが上に行く。
いわゆる、6ポイントマッチ。勝たねばならない理由しかありません。

この6月、相模原のニュースリリースに、衝撃が走りました。
昨シーズンから指揮を執り、2年目として戦ってきた戸田 和幸監督が退任。
監督キャリア初年度でもあった昨シーズンは、選手の大幅刷新で経験の少ない選手も多かったこともあり、18位と苦戦を強いられましたが。もしも単純に成績だけで判断していたならば、その時点で解任もありえたでしょうが、続投を決断。
すると、2年目の今シーズンは監督の方針が定着してきたこともあってか、主に守備面で大幅な改善が見られ。順位にしても、充分に昇格を争えるポジション、ならば、ここからだーーーそんな矢先であったはず。
他クラブの内情については、詳細が明らかにされていないのであれば、それを憶測であれこれ言うのも違うでしょうけれど。
それでも、「なぜ?」とは、多くの人が思ったことではないでしょうか。
そんななか、高橋 健二ヘッドコーチが暫定的に指揮を執った前節・松本戦では、2点をリードされながらも3点を獲り返して逆転勝ち。奇しくも、同じ日にカターレが長野に対して勝利したのと同じ逆転劇で試合を制しました。
そして、つい先日。
かつてYS横浜や長野で指揮を執り、その後タイに渡ってタイU20代表やブリーラムユナイテッドU20といったチームの監督を務めてきたシュタルフ 悠紀 リヒャルト氏が監督に就任することが発表されました。
J3の戦いというものを熟知するシュタルフ監督。その復帰戦として、今節の富山戦から指揮を執ることになります。
かつてYS横浜時代、彼のサッカー人生でもワースト級の屈辱を与えたカターレ。前節の2点差逆転勝ちどころじゃない。前半のうちに0-3という負けが確定していたような状況から、後半だけで4点を獲って試合をひっくり返したというのだから。
5点や6点を獲られて惨敗とかいう試合であったならば、力の差が大きかったからと悔しくても納得もできましょうが。さすがに一挙4失点で勝ち試合を落とすなんて、納得もできなかろうと。
そんな彼がリベンジを誓った、アウェイ富山戦。
のちに長野に移籍した際にもついていったほどの愛弟子・船橋 勇真(現群馬)のゴールによって、勝利を挙げると。単なるリーグ戦の1試合ではない、トーナメント戦の決勝で勝って優勝したかのような大喜びっぷりが印象的でした。カターレにとって抜きんでたレベルで好相性のチームであるYS横浜ですが、そのときの1敗がここまで唯一の敗戦となっています。
その後の長野在籍時もそうでしたが。絶対に負けたくない相手として、富山戦に闘志を燃やしていたシュタルフ監督。
今回、その彼のJ3復帰戦が富山戦というのも・・・なにか因縁めいているというか。
もちろん、カターレとしては譲る気などはさらさらなく。返り討ちにしてやるまでのこと。
カップ戦で積んできた経験は伊達じゃない。あらためて、カターレ富山の脅威を目の当たりにするがいいさ!と。

6月の1カ月間で公式戦8試合という超ハードスケジュールとなったカターレですが。今節が8戦目、一連の連戦の締めくくりでもあります。
ホーム連戦とはいえ、前の試合から中2日という条件は、1週ぶりの試合である相手の相模原よりも条件的に不利であることは事実。
ただ、それでも。
ことここに至っては、そんな状況に怯む者などいないでしょう。
誰が出場しても戦力が落ちないというコンセプト。そのためにチーム一丸となって突き進むまでのこと。
岩手戦で出場のなかった選手がスタメン起用となるであろうなかで。
期待したいのは、松岡。
ベンチ入りしながらも出場のなかった岩手戦ですが、仲間の奮闘ぶりは目に焼き付けていたはず。だったら次は、自分の番だと。
ときにパス交換のセオリーを破っても、行くべきところは行く!という覚悟を見せ、それを得点につなげたキャプテン吉平。
相手の動きをしっかりと見極めながら、いかに的確に利き足・左足シュートに持ち込むか。そのミッションをしっかりと完遂、2試合連続ゴールを挙げたヨシキ。
そして、待望のプロ初ゴールを挙げて肩の荷が下りた感のある布施谷。
それぞれがやるべき仕事をしっかりとやりきって奪い獲った、岩手戦の3ゴール。
ならばこそ。
今度は、松岡の番。
ときに、吉平ほど強引に行ってもいい。ヨシキの状況判断力も、参考となったことでしょう。そして、移籍後ずっとゴールに飢えていた布施谷が、遂に決めたこと。その気持ち、察するところでしょう。
ホームのファン・サポーターの期待に応えるゴールを。そして、自身の成長を促す意味でも、1ランクアップするような、一皮むけるようなゴールでもって、チームに勝利をもたらしてほしいです。
自身の成長が、チームの勝利にもつながるーーーそのサイクルを、確たるものとしていくきっかけをつかむ試合としてほしい。そう願います。

3連勝への、挑戦。
今シーズンも折り返し地点となりますが、引き分けの多さ、連勝の少なさという課題が残るこれまでであったかと。
もっとできるはずーーー手応えは、ある。ならばそれを、結果にフィードバックしていかねばならないわけで。
その意味でも、連勝必須。
もちろん、ここまでほぼ互角という相模原を相手には、簡単ではないかもしれないけれども。
それでも、やる。
勝って、連勝をさらに継続。
そんな覚悟を力に変えて、結果に結び付けていかねばならないならば。
やってやるだけのこと。
勝つだけのこと。
昇格プレーオフ圏内に入ったからとて、油断も慢心もしない。
あくまで、狙うは条件付きではない自動昇格。そう、優勝だってあきらめてはいない。
ならば。
シーズン前半最後のこの試合、勝って折り返す以外にありますまいよ!

昨シーズンは1分け1敗で勝てなかった相模原に、リベンジを!
シュタルフ監督の相模原初勝利は、別の機会にどうぞ。勝ちを譲る気などさらさらない!今回もまた、返り討ち!
勝てば、負けない!
同勝ち点対決を、6ポイントマッチを制し、さらに上へ!

勝たれ!!!富山!!!!!


追伸
怪我からの復帰が待ち望まれていた下堂ですが、なんと、レノファ山口への完全移籍で、チームを離れることが発表されました。
元々は当時地域リーグであった高知ユナイテッドでキャリアをスタートし、J3の八戸、そしてカターレと、キャリアアップを遂げてきた選手。のし上がってきた選手。
八戸時代に師事した志垣監督の招へいに応えるかたちだとも言われますが、せっかくのチャンス。活かさない手は無いということでしょう。
ただでさえ他のプロスポーツ選手に比べても短い傾向にある、プロサッカー選手の選手寿命。そんななかで、チャンスなんてそこらに転がっているものでもなければ、躊躇を待ってくれるものでもない。自分でつかみ取るよりほかないのであって。
ならば。
もちろん葛藤もあったでしょうが、それでも下堂本人の決断であるなら。
望まれての移籍、個人昇格であるならば。寂しいですが、応援する以外にないでしょう。
新天地での活躍を祈念します。

まさに、完勝。前節の勢いそのままに圧倒し、連勝を成し遂げる いわてグルージャ盛岡戦

2024-06-27 19:39:42 | カターレ富山
3-0で勝利!
ルヴァンカップの影響で延期された試合として、この日のJ3試合開催は、この富山-岩手戦だけ。あるいは、J3の他クラブが参考として試合を視聴していた、というケースもあったかもしれません。
ただ・・・その試合展開が、まさに驚嘆すべき内容で。
びっくりするくらいに、カターレが岩手を圧倒。
90分を通じてほぼ一方的な試合とし、付け入る隙を与えず完勝。平日ナイトゲームに駆け付けたカターレファン・サポーターに、連勝をプレゼントしたのでした。

今節の平日ナイトゲームに2千人あまりという動員数は、いささかばかり寂しい数字のようにも思えましたが・・・やはり、J1神戸との対戦が異質だったというだけで。よくよく考えたら、8千人オーバーという数字が、平日ナイトゲームにそぐわないほどの数字であっただけだということであって。
とはいえ。
そんななかにあっても、数とすれば少なかったにせよ、岩手サポーターの方も来場。
もしも逆の条件で、平日ナイトゲームにアウェイの地まで行けるか?と問われたならば・・・それでなくとも、今回は日程変更の開催であり。そんな条件のなか、よくぞおいでくださいましたと。本当に、頭の下がる思いです。

土曜のアウェイ長野戦から中3日、その試合からスタメンを5人変更して臨むことに。
GKの田川、両SBに安光と西矢というあたりは、想定通りとして。
故障者が相次いだということで、最大の懸案であったところのCBをどうするのかが注目されましたが。
長野戦では川上の負傷を受けて急遽出場となった鍋田。その彼がスタメン起用までは、わかるとして。
相方として、これまでSBとして出場してきた大迫が起用されることとなりました。
昨年まで所属していた沼津では、CBとしての出場もあったとのことですが。カターレでは、キャンプ時に試していた程度だったとか。
今回の非常事態を受けてのスクランブル起用。中2日で次戦・相模原戦も控えているとなれば、そこに脇本や神山を回す、ともなれば、そういった判断もアリだったということだったのでしょう。
ボランチには、末木とガブが。大怪我からの復帰以降、その影響を感じさせないほどに安定したプレーぶりを見せてきたガブですが。意外なことに、今回がJ初スタメンであったとのこと。言われてみれば、これまでリーグ戦では途中出場、スタメンでの出場はカップ戦だったか。
アタッカー陣では吉平、ヨシキ、布施谷が並び、1トップにショウセイを起用。そのあたりはフレキシブルな起用として、そういうのもアリだよね、と何の疑問も違和感もなく。
これまでも柔軟な選手起用で連戦を乗り切ってきたなかで培われてきた、選手起用への信頼。大迫のスクランブル起用についても、不安ゼロとは言わないまでも、信じて応援するだけのことだろ!と。
一方の岩手は、8試合ぶりの勝利を挙げた長野戦、勝てなかったながらもスコアレスドローに持ち込み勝ち点1を得た今治戦の流れを受けて、今節も固定メンバーをスタメン起用としていたようで。せっかくの良い流れ、ヘタにメンバーをいじることで、そこからほころびがでてしまうという事態を嫌った、ということでしょうか。
ただ・・・結論から言えば。そんな両チームの方針が、試合の明暗を大きく分けることとなったのでした。

ナイトゲームは18時、あるいは19時開始の試合がほとんどであるなかで、今節は19時30分のキックオフ。
そのキックオフから、カターレのペース。いつも通りのサッカーが出来ていました。
誰が出場しても戦力が落ちないというコンセプトは、今節にも健在。中3日の試合ながら、その影響は感じられず。急造CBコンビとなった鍋田と大迫にしても、良い意味で普通というか、とりたててギクシャクすることもなく。
一方で。
試合後、岩手の神野監督が「中3日をスタメンを入れ替えずに臨んだが、コンディションをうまく調整できず、前半から押し込まれるシーンが多かった。」とも語りましたが。やはり、精彩を欠いていた印象がありました。
なかなか状況が上向かずに下位に低迷、ついには監督交代に踏み切った岩手。いろいろと難しいなかでのシーズンとなっていることは察しますが、それでも。
間違いなくJ3クラブのなかでいちばんハードな日程を戦っているカターレに言わせてもらうならば。
「いまさら、過密日程でコンディション調整がうまくいかなかったとか、なにを言っているのか?」と。
今回の対戦については、カターレ側の一方的な都合での日程変更であり、そのあたりはすまんな、というところではありますが。
それにしたところで・・・岩手だって今シーズンここまで、ルヴァンカップや天皇杯できつめなスケジュールをこなしてきたのではないのか?
ルヴァンカップ1stラウンドでは、J2栃木を下して1回戦突破、2回戦に進出し、セレッソ大阪に0-1の惜敗。
天皇杯では1回戦で北海道代表・十勝スカイアースに勝利、2回戦でJ1柏に敗れて大会敗退となっていますが。
J3クラブのなかでは、カップ戦の数をこなしてきたほうのクラブなはず。
ルヴァンカップで1試合で敗退したクラブも少なくなかったなかで。天皇杯では、そもそも都道府県代表として大会に出場できなかったクラブすらあったなかでは。
J2の山形と清水、J1の神戸と札幌に至ってはホーム&アウェイで対戦してきたカターレにあっては。いまさら過密スケジュールがどうとかで、泣き言を言わないでほしいと。
試合中にも、ファウルで笛を吹かれた場面で、「今の、J1相手の試合だったら何事もなかったかのようにスルーされるところだぞ!」とツッコんだりしましたが・・・そうだ、これはあくまでJ3リーグの試合だった、と思い返してみたり。
なんというか・・・同じJ3リーグ所属クラブの対戦にあっても、なにか目線が違っている。そんな印象を受けました。

ただ。
優勢に、それこそ一方的なほどにカターレペースで試合を運んでいたからとて。
それが勝敗に直結するかどうかは、また別の話。
ゴール無くして勝利なし。
いかに、勝ちきるか。
実際、優勢に試合を進めながらもゴールにはなかなか結び付かずに時間が経過。
それでも。
そんな状況に喝をいれたのが、キャプテン吉平でした。
38分、やや遠目の位置から果敢にグラウンダーのシュート、それが見事に決まり、先制に成功しました。
カターレの流れ的に言えば、その場面ではボール付近にいたヨシキが触ってもうワンタッチ、ツータッチかけるようなシチュエーションでしたが。
それを半ば強引に遮り、気迫を込めてシュートを選択、それがしっかりと決まったと。
スタメン起用メンバーの平均年齢が23.55歳と、カターレ史上で見てもとりわけ若いメンバー編成であったなかで。年長にあたる吉平が、締めるところは締める!とばかりにストライカーとしての本領を発揮。欲しかった先制点に繋げてみせたのでした。

1-0で試合を折り返し、後半へ。
リードしてハーフタイムと言えば、5試合前のアウェイ札幌戦以来。なにかずいぶんとひさしぶりのような気もしましたが。
ともあれ。
先の長野戦のように、2点差をひっくり返すような試合だってあり得ることを思えば。いかに優勢だとはいえ、ゆめゆめ油断するわけにはいかないぞ!と。
状況の打開を図るべく交代選手をとうにゅうしてきた岩手ではあったものの。それでも、カターレペースの試合展開は変わりませんでした。
岩手の側とすれば、ただでさえ厳しい日程のなかでのアウェイ戦、さらに追う立場としての疲労もあろうなかで。
それでも、カターレ側に攻め疲れで緩む、なんてことは期待しないでくれよ、と。交代選手の起用も踏まえたならば、試合終盤になっても運動量が落ちるということは考えられない。消耗戦に持ち込まれたとして、有利なのは依然としてカターレ側だぞ、と。

優勢な試合を制して勝つことは大前提、いかに勝つかが問われるなかで。
67分、待望の追加点が。
中央でボールを奪取したヨシキがそのまま攻め上がり、独特のリズムで相手をけん制しつつ左足!GKのブロックをかすめてボールはゴールへ。
2試合連続ゴールとなるヨシキの追加点により、リードを広げると。
さらに、84分には布施谷!
途中出場の伊藤がドリブルで持ち上がったところ、中央にいた布施谷へと繋ぎ。足の止まりかけていた相手ディフェンスの反応よりも早く蹴り込み、ゴール!
プロ2年目にして、待望のJ初ゴール。勝利を決定づけるような布施谷の得点に、湧き上がる県総!
試合はそのまま3-0で終了。
終わってみれば、カターレのシュート19本に対し、岩手は0。ワンサイドゲームにもほどがあるのでは?という圧巻の試合ぶりで大勝したのでした。

正直言えば、決定機をモノにできていたならば、あと2点か3点くらいは獲れていた試合。それができなかったところは、まだまだだな、とも思いますが。
それでも。
自分たちのサッカーを貫き、しっかりと勝ちきったこと。
いかに最下位とはいえ、けっして油断することなく挑まねばならなかった試合。実際、岩手は前の試合では一方的な試合展開でありながら今治とスコアレスドロー。カターレだって、決めるべきところを決めきれなければ、その二の舞になっていたかもしれない。
それを、しっかりと勝ちきった意義。長野戦の逆転勝利、そこで得た勝ち点3の価値を、しっかりとつないでみせたこと。連勝をなしとげたこと。
相手だけでなく、自分たち自身と向き合う試合でもあったなか、それを勝ちきったのは大きいです。

1試合ぶん未消化だった状況が解消し、勝ち点3を加えたことで11位から一気にジャンプアップ。昇格プレーオフ圏内・5位にまで順位を上げたカターレ。
もちろん喜ばしいけれど、浮かれるわけにはいきません。
昇格プレーオフ圏で満足するのではなく。
自動昇格の2位はもちろん、いかに大宮に独走されているとて、優勝を諦めてなどいないのだから。
次節は、中2日で同勝ち点の相模原との直接対決。
ここが、踏ん張りどころ。
しかと気合を入れて、3連勝につなげねば。
必勝を期し、戦いは続きます。

第16節 いわてグルージャ盛岡戦

2024-06-25 18:52:58 | カターレ富山
2点のビハインドをひっくり返す大逆転劇で勝利したアウェイ長野戦から中3日。
相次ぐCBの負傷など、懸念材料もありながらも、それでも。それでもなお、流れがカターレに来ているという実感があります。
もちろん、狙うは連勝。それ以外ありません。
暫定最下位の岩手が相手ではあるものの。侮ることなく、恐れることなく。
カターレがその力を存分に発揮したならば、必ずや勝利という結果もついてくるはず。
信じて応援するのみです。

カターレがルヴァンカッププレーオフラウンドに進出した影響で、本来は6月9日に行われるはずであった第16節・岩手戦が、水曜日開催で組み込まれることに。
J3でプレーオフラウンドに進出したクラブはカターレのみ。当事者たるカターレは、ともかくとして。岩手としてみれば、対戦相手の都合で一方的にスケジュールを変更された、ということにもなりますが。
この試合のあと、お互いに中2日で次節・第19節を戦うことに。
岩手、相模原と連続ホーム戦というカターレは、まだしも。アウェイ富山から中2日でアウェイ大宮とは、岩手にはいささか以上に厳しいスケジュールを強いることになっているようで。こちらの都合に付き合わせてすまんな、という気持ちも。
とはいえ。
同情はするけれど、容赦はしない。
普通じゃないスケジュールになったのも、ひとえに、カターレが普通以上に頑張った成果であって。あくまで可能性だけであったはずのスケジュール変更を、現実のものとしてみせた。それゆえの、今節。ならば、そこになんの負い目もあるものか。

2022シーズンはクラブ史上初めてJ2で戦った岩手ではあったものの、わずか1年でJ3に逆戻り。1年で即復帰とはならなかった昨シーズンを経て、巻き返しを期して臨んだ今シーズンだったのですが。
シーズン初勝利まで6試合を要すなど、序盤から苦戦が続き。4月には、福島を相手にJ3記録ともなった0-9負けという空前の大敗を喫してみたり。
低迷のなかで、監督交代を決断。第14節から神野 卓哉氏が監督に就任することに。
新体制となってからは、YS横浜戦、相模原戦とリーグ戦では連敗スタートとなったものの。
続くはずであった第16節・富山戦が開催延期になりましたが・・・むしろそのスケジュール変更が、いい契機となったということだったのでしょうか。
天皇杯2回戦・柏戦こそ0-2で敗れたものの、続く第17節・長野戦で今季最多3ゴールを挙げる逆転勝ち。8試合ぶりの勝利を手にしました。
そして迎えた、前節・今治戦。
シュート数にして1本対13本と、圧倒的な劣勢を強いられるも、それでも。粘り強い守備によって、最後までゴールは許さず無失点に抑え込み。連勝こそならなかったものの、攻勢をかける今治に屈することなくスコアレスドローに持ち込んだ意義は、決して小さくありません。
復調傾向を確かなものとすべく、今シーズンアウェイ初勝利ををかけて富山に乗り込んでくる岩手。
ここで勝てば、最下位脱出という目に見える成果があるというなら。それをモチベーションに、全力をもって挑みかかってくることでしょう。
受けて立つカターレにしても。暫定11位という不本意な状態を抜け出すためにも、勝利は必須。
お互いに1勝1分けという上り調子で迎えることとなる今節ですが、譲るわけには断じていかない。
アウェイ戦ここまで未勝利という岩手。先の長野戦でやっと2勝目というカターレも、他人事ではないだけにその苦労は察しますが。
それでも。
カターレがリーグ戦ホーム無敗ということもまた、事実であり。それをストップされる気など、さらさら無いと。
上位追撃のために、勝利が必須というカターレにあっては。全力をもって返り討ち。それ以外ないでしょうよ。

現状のカターレにおける最大の懸念事項と言えば・・・やはり、相次ぐCBの負傷離脱でしょう。
今瀬、下堂に続き、前節は川上まで。これまで連戦のなかでもチームがしっかりとやってこれたのも、出場する選手たちが頑張ってきたから。誰が出場しても戦力が落ちないというコンセプトの下、各々がベストを尽くしてきたから。
それが、こうも立て続けに離脱とあっては・・・正直、厳しいかも、と。
ただ、それでも。
CBメンバーの序列的には下位・出場機会の少なかった鍋田ではあったものの。緊急出場となった前節、その気迫のプレーが逆転勝利を呼び込んだと言っていい大活躍。
そんな頑張りを見せられては、今節、そして週末の相模原戦も、連戦とはなるものの、期待せずにはいられないでしょう。
選手が足りないから穴埋め、などではない。勝利を目指すチームの、れっきとした戦力。そのプライドをもって、今節もまた勝利に貢献してほしいです。
そして、相方となるであろう脇本の活躍にも期待。
かつて在籍した岩手との古巣対決。やはり、思うところはあるところでしょう。
岩手でJ2昇格を果たした喜び、そして即降格となってしまった苦しみ。そして現在、不振にあえいで最下位に低迷する岩手には・・・やはり、複雑な思いもあるかと。
とはいえ。
今現在は、カターレに再び戻ってきた身。古巣・岩手に立ちはだかる壁。
プロ2年目・鍋田の奮起にも期待する一方で。ここは、経験ある自分がしっかりと支えねば!という決意とともに試合に臨むのではなかろうかと。
そんな思いがプレッシャー、重りになってはいけないけれど。それでも、2失点を喫した前節の反省を踏まえねばならないなら、なおのこと。緊張感をもって、気を引き締めて臨まねばならない。
徹頭徹尾、しっかりと相手を封じ込め。なんなら、岩手にチャンスらしいチャンスも与えないくらいで。
連勝に向けて、まずは良い守備から。失点の心配のないなかで、どう勝ちきるか?そんな試合が見たいです。

最下位が相手なら余裕で勝てるだろーーーそれほど簡単なものであれば、どれだけいいか。
一筋縄ではいかないのが、我々の良く知るJ3リーグであって。
劇的な逆転勝利も、ここでコロッと負けてしまったりすれば、何の意味もない。むしろマイナス。もちろん、そんなのは願い下げ。
ここが、踏ん張りどころ。
地に足をつけ、しっかりと勝ちきること。連勝を成し遂げること。それ以上でも以下でもない。
首位の大宮であろうが、最下位の岩手であろうが。勝って上にいかねばならないというならば、相手云々ではない。自分たちがどう勝ちきるか。ただそれだけです。

勝ちきる強さを、勝利に、連勝に!
上り調子を、確たるものに!
平日ナイトゲーム、応援するファン・サポーターの期待に応え、必ずや勝利を!
強くあれ、カターレ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!

執念の大逆転劇!負け試合を覆す、価値あるアウェイ戦勝利 AC長野パルセイロ戦

2024-06-23 18:55:29 | カターレ富山
3-2で勝利!
昨シーズンの同カードではハットトリックを決められて敗れるなど、ただでさえイメージの悪いアウェイ長野戦。そのなかで、前半のうちに早々と先制を許してしまい追う立場に。
まずは同点、そして逆転を!そう期待を込めた後半だったものの。開始直後に出端をくじかれる追加点を決められ、逆にリードを広げられてしまうことに。さらにはCB川上が負傷退場、想定外のタイミングで鍋田が緊急出場など、まさに泣きっ面に蜂状態。
また、苦手のUスタでは、今回もダメなのかーーー。
しかし。
そんな窮地に陥ってからが、むしろ本番でした。
後半から出場のショウセイがシュート、そのこぼれ球を安光がクロス、ヨシキのヘディングシュートへと繋げて1点を返し、反撃の狼煙を上げると。
相手決定機を体を投げ出して阻止した、鍋田の魂のディフェンス!
それに触発されるように、直後には末木の今季初ゴールによって、同点に!
もちろん、同点で良しとして終わらせる気など無い。
現地に詰めかけたカターレファン・サポーターの大声援を受け、躍動する選手たち。
すると、試合終了間際の90+1分、途中出場の伊藤がシュート!
鮮やかな軌道を描いたボールがゴールに決まると、アウェイ側スタンドのボルテージも限界突破!
劇的な大逆転で、勝ち点3をもぎ取ったカターレ。苦しい状況にもあきらめることなく勝利を追い求めた頑張りが、見事に勝利として実を結んだのでした。

首位を独走する大宮にも敢然と立ち向かい、勝利こそならなかったものの勝ち点1をもぎ取った前節のカターレ。
だからこそ。
もしここであっけなく敗れるようなことがあれば、その大宮戦の奮戦も価値のないものに堕してしまうことでしょう。
もちろん、そうあってはならない。
いかに、継続性を発揮するか。それが、苦手のアウェイ長野戦にあっても。
月始めに対戦した相性最悪・アウェイ沼津戦では、先制を許してしまったその1点を最後まで取り返せず、0-1で無念の敗戦となりました。
それを繰り返すわけには、断じていかない。順位浮上に向けては、なんとしても勝ち点3を奪い獲る必要がありました。
隣県対決ということで、遠くのアウェイはなかなか行けなくても、長野には行くというカターレファン・サポーターも多く。前売りの段階で600人を超え、当日はそれ以上であったという、アウェイスタンドを青く染めた「現地組」。その声援を受けては、チームも気合を入れて必勝を期さねばなりませんでした。

しかし、必勝の思いとは裏腹に。
27分、長野のFKの場面で。ライン際から折り返されたボールを杉井 颯に頭で押し込まれてしまい、先制を許してしまったのでした。
ゴール正面で競り合う選手たちを超えて、そのままゴールラインを割るかと思われたFKで蹴り出されたボール。そのとき、一瞬の判断ミスが命取りとなりました。
実際にはラインを超えておらず、ギリギリで池ヶ谷 颯斗が折り返すと。それをまんんまと決められてしまった、と。
もちろん、チャンスをしっかりとモノにした長野、ということではあるのですが・・・それよりも、自分たちの判断の甘さが招いた自業自得感があり、どうにもこうにも苦い失点の仕方となってしまった印象です。
その直後にも、失点の起点となったFKの位置と同じようなところから直接狙われるも、なんとか田川が掻き出して難を逃れるという危ないシーンも。
追う立場となったカターレですが・・・どうにも、相手ディフェンスに手を焼き、相手陣内に侵攻する攻撃につながらない。
ハス交換から機を窺い続けるという、いつも通りといえばいつも通りという展開ながら。それが、どうにも効果的な攻めになっていない。
パスを繋ぐことそのものは結構としても。それが、得点のにおいのする攻撃につながっていたかと言えば、さにあらず。
練習でやってきたパターンと言えばそうなのでしょうが・・・あまりにも、練習通りというか。実戦で、一瞬の隙さえ逃すことなく相手ゴールに迫っていくぜ!という迫力が、出せませんでした。
もちろん、前節の大宮戦で上手くいったからといって、それが即、別のクラブ相手にも通用するかと言えば、決してそんなこともないのでしょうけれど。相手だって研究もすれば、対策も練ってくるでしょうし。
けれど、だからこそ。
それを踏まえてなお、相手の上を行く強さを発揮せねばならないのに。
少なくとも2点を獲らねばならないなかで、正直、あまり良くない展開が続いているなと感じ。相手よりもまず、自分たち自身でブレない攻めのカタチが見せられたらよかったのですが、どうにも。

ハーフタイムを挟み、後半へ。そのタイミングで、マテウスに代えてショウセイを投入する決断をした小田切監督。追い付き追い越すために点を獲る、それに向けての決意表明。
そうだ、前半のうちに追いつくことは叶わなかったけれど。ならば、後半の早い段階で・・・そう、開始から10分、いや5分以内に追いつくくらいの勢いでもって、反撃につなげなけrーーー
そんな思いすらもまとまり切らないうちに。長野のキックオフから始まった後半の開始から、ものの1分も経たないうちに。
山中 麗央に決められてしまい、追いつくどころか引き離されてしまったのでした。
その失点の仕方もまた・・・。
自陣右サイドでの山中と河井との競り合いで、その河井が接触から倒され。ファウルだ!と思いきや、それがスルーされ。
またも、一瞬の意識のエアポケット。
その一瞬が致命傷、そのままの勢いで押し切られるかたちでゴールにまで繋げられてしまったと。
これにも布石があって。
札幌戦にしろ、神戸戦にしろ。ここ最近のJ1クラブとの対戦では、J1基準のジャッジで笛が吹かれていました。カターレにとってみれば、いつも通りの感覚でいては、キツい当たりをされてもファウル判定されないということ。いやがおうにも、J1基準にアジャストする以外になかったということ。
それがどうだ。
いざ、J3リーグ戦に戻ってみれば。ジャッジ基準が、やっぱりJ3仕様じゃないか。
だったら、河井が倒されたシーンだって、J3基準ならファウルだったはずだろ?なのに、なんでこういうときだけ見過ごされてるんだよ!
・・・いや、どう言ったところでカターレ側の甘さと言われるだけでしょうが。
そんな苦い失点で、2点のビハインド。さらに言えば、その2点目を決めた山中と言えば、昨シーズンの同カードでハットトリックを決めた張本人でもあり。
およそ、カターレ側とすれば、おもしろくないどころの騒ぎではない展開を強いられることとなってしまったのでした。
さらに、追い打ちをかけるかのように。
52分、自陣ゴール前で接触プレーがあったかと思えば、担架が出場する事態に。川上が負傷退場、鍋田が緊急出場することとなりました。
静まり返る、アウェイ側スタンドのカターレファン・サポーター。
おいおいおいおい。
今瀬、下堂が負傷離脱中だというのに、今度は川上かよ!CBに受難過ぎるだろ!
弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂。
これで、このまま敗れては・・・ダメージが大きいどころの話じゃないぞ。
まさに、絶体絶命のピンチに立たされることとなってしまったカターレ。

ただ、それでも。
そんな危機的状況にあっても。むしろ、ここからが本番でした。
56分、相手ゴール前で吉平が体を張ってボールを収めると、そのこぼれ球をショウセイがシュート!それは相手GK金 珉浩のファインセーブで弾かれてしまいましたが。
1失点目の逆パターンとでも言うのか。長野がほんの一瞬だけ危機を脱した安堵感を感じていたなか、ボールはラインを割っていなかった。それを安光が折り返したところ、ゴール前に詰めていたヨシキが頭で合わせてゴール!
1点を返し、差を詰めることが出来たカターレ。そう、あきらめてなどいない!
その直後、カウンターから前線の近藤 貴司に繋げられてしまい、そのままシュートされてしまう!という場面で。
並走していた鍋田がしっかりと体を張ってコースを切り、ゴールは許さず。
そして、そのまた直後。またも鍋田が魅せました。
68分、リーグトップの11得点を挙げている長野のエース・浮田 健誠が裏へのボールに抜け出し、田川と1対1、まさしく絶体絶命という場面で。
背後から猛ダッシュで追いすがっていった鍋田が、渾身のスライディング!見事に阻止し、魂のガッツポーズ!
下手をすればPKにもつながりかねなかったシチュエーション。そのリスクを恐れて、ほんのわずかでも躊躇があったら、追いつけずに決められてしまっていたことでしょう。
決定的な3点目を決められていたかもしれなかったピンチを、阻止。まさに、試合の転換点であったかと。

ピンチの後にはチャンスあり、というのもサッカーのお約束ですが。
大ピンチを脱した直後の71分。
右サイドから西矢が中央へと上げようとしたクロスが、相手ディフェンスに当たって軌道が変わるも。それに冷静に対処したのは、末木。右足を振り抜いたシュートがゴールに突き刺さり、同点に!
末木の今シーズン初ゴールで、試合を振り出しに戻したカターレ。
ピンチ直後のチャンスを活かしたというシチュエーションもさることながら。個人的な見解ではありますが、その時間帯も良かったと思います。
まだ、70分過ぎ。逆転のチャンスは、もちろんある。そして、流れはカターレ側に大きく傾いている。
だったら、やるしかないでしょうよ!
80分には、古巣対戦となる坪川、そして得点の期待をかけて伊藤を投入。最終局面へと、舞台を整えるカターレ。

しかして、そのときが。
試合時間が90分を超えてアディショナルタイムに突入した、まさにそのとき。
相手陣内でのカターレのパス回しから・・・本当に、長野にとってみれば「なぜそこにいる?」という認識であったかもしれません。ペナルティーエリア内、角度にして45度といったポジションで、まったくのフリーでボールを受けた伊藤。
その伊藤が放ったコントロールされたシュートは、きれいな弧を描き。ゴール隅、サイドネットへと吸い込まれ。
信じていた、勝ち越しゴール。
サッカー専用スタジアムたるUスタで、ごくごく至近距離のアウェイ側スタンドからそんなシーンを見せられては。まさしく、狂喜乱舞のカターレファン・サポーター。この日一番の大歓声が上がりました。
そして。
川上の負傷などもあって7分あったアディショナルタイムでしたが、しっかりと油断なくプレー。最後の最後まで隙を見せず。
タイムアップ、試合終了。
あるいは、負け試合。昨シーズンの同カードに続き、Uスタでの嫌な思い出が上書きされかねない展開でしたが。
それを覆す、劇的逆転劇。
価値ある勝ち点3を手にしたカターレに、惜しみない賞賛が贈られたのでした。

総じてみれば、甘さの出た失点シーンなど、反省材料も少なくないことは事実ですが。
それでも。
ピンチにあっても、屈しなかった。
自分たちの力を信じ、それを勝利につなげてみせた。その手応えと、自信。
この経験は、今後に活かされていくはず。もちろん、そうしていかねば。
余韻に浸る間もなく、次戦の岩手戦はすぐにやって来ます。
言うまでもなく、狙うは連勝。
後にシーズンを振り返った時に、「あのとき長野戦での逆転勝利があったから」と言えるように。
さらなる飛躍を、期待します。