1-2で敗戦。
降格寸前のクラブと昇格寸前のクラブ、22位と2位という圧倒的な差。シーズンも最終盤のここに至っての実力差は、客観的にみれば覆すことの出来ようはずもない大差であり、最下位クラブが勝てる道理のない試合であったのかもしれません。
しかし。
それでも、勝たねばならなかった。勝つしかなかったのに。
0-0で前半を折り返しながらも、後半に2失点。1点を返してさらに最後まであきらめずにゴールを狙い続けたものの、現実は非情でした。奇跡の逆転勝利を許されるほど寛容ではありませんでした。
敗れた上で21位の讃岐が勝利していたら、今節での降格が決まっていたところ。その讃岐の結果が引き分けに終わったことで、辛うじて今節で確定してしまうことこそありませんでしたが・・・。
残り4試合で勝ち点12の差。4戦全勝が前提の上で、さらに讃岐が全敗せねばならず、その上で得失点差において上回らねばならない、と。
ただ単に、数字の上で決まっていないというだけの話であり。
首の皮一枚でつながっている、なんて状況ですらない。もはや切れてしまっているところ、ただ単に乗っかっているだけ・・・つつくどころか、息をふっと吹きかけただけでポロリと転げ落ちてしまうような状況。
それでも。
それでも、やるしかありません。
現実的には1%も無いかもしれない可能性であったとしても。
絶望を否定し続け、抗うしかないのです。
プレーオフ圏内への到達を成し遂げ、自動昇格となる2位へもあと僅かという松本。その期待が、1万2千人というJ2離れした平均観客動員をさらに上回る1万4千人を呼び寄せた今節。春先に対戦した去年や一昨年ですら圧倒されたのに、さらに輪をかけた、まさに大入り状態でした。
それでも。500人近いカターレのファン・サポーターが詰めかけ、アウェイ席を青く染めました。ホーム側に負けない・・・とは言えないまでも、大きな声援を送り続けたのでした。
時折雲ったりもしながらも、秋晴れの好天に恵まれた、絶好のサッカー日和のなかで執り行われた今節。
ただ、一昨年もそうでしたが、アルウィン特有のスタジアムを巻く風に注意を払う必要に迫られながらの試合となりました。前半は風下、ときにゴールキックが風で押し戻されたりと、慎重な対応が求められました。
そんななか、持ち味であるところの積極的なプレスで仕掛けていくカターレ。しかしながら、個々の技術、パス回しの精度など、トータルのクオリティ的には松本のほうが上であることが見て取れました。攻守ともにしっかりとした自分たちのスタイルを持っている、というか。攻撃陣にボールが渡ったときの雰囲気というか期待度というかが、やはり「やってくれそう」というオーラをまとっていたというか。カターレにとっては不足していることが明らかな部分だけに、余計に目についたということもあったのかもしれませんが。
いつものように、最終ラインからの飛び出しを狙う苔口になんとか合わせていこうと蹴り込んでいくスタイル。チャンスもあったし、やりたいことも伝わっては来ましたが・・・やはり、簡単にはいかず。
風の影響、アグレッシブな相手選手への対応などなど、やりにくさもあったことは事実でしょう。
けれど・・・どうにも、攻撃が単調になっていた感が否めません。
この試合に限ったことではないですが、もうちょっとバリエーションを増やしてほしかったところ。それこそ、水戸戦で2発のミドルを決めた前のように。一昨年のヨンドクが、おそらくは相手GKも「こんな向かい風の中では撃ってこないだろう」というなかでスーパーミドルを決めたりしたように。
双方ともに得点のないまま、前半は0-0で終了。
無失点はよかったけれど・・・やはり、得点がほしかったのが本音でした。相手優位の中での無得点であり、その優位さをはね除けて勝つには、試合の流れというものを味方につける必要があったところ。前半が終わった段階で、あからさまな劣勢とまでは言えなかったにせよ、無失点だからそれでよし、とは言えない内容ではありました。
勝つためにはどうしても得点が必要、そのために挙げねばならない先制点でしたが・・・。
スコアが動いたのは62分。気をつけなければならないと警戒していたはずのセットプレーから失点してしまったのでした。
ハンドの判定をとられてメンタル的な隙が出来てしまった状態から、FKをDF大久保 裕樹に頭で合わせられ、先制を許してしまうことに。それまでチャンスがありながらも決めきれないでいたところ、松本サポーターが一気にヒートアップした瞬間でした。
勝つしかない、どうしても勝たねばならない試合にあって、痛すぎる失点。
ただ、その4分後。
そのゴールを決めた大久保が、抜け出そうとする苔口を引っ張り、誰がどう見てもイエローというファウル。先ほどの失点につながったFKとピッチのちょうど対称の位置で、今度はカターレが同じくFKのチャンスを得たのでした。
しかし、それを決めきれず。
決定力の差と言ってしまえばそれまでではありますが・・・そのあたりもやはり、セットプレーに自信を持ち、実際にチャンスを多くの得点に結びつけている松本と、それができずにリーグワースト総得点のカターレとの違いとも言えたのかもしれませんが・・・。
そして、チャンスを活かせなかった代償を払わされる羽目に。
71分、セットプレーからのボールに飛び出した廣永が触れずに流れてしまうという致命的なミス。それを逃さなかったDF飯田 真輝に決められてしまい、2点差に。
GKとしての対応のまずさからの失点は初めてではないだけに、廣永にとってはもちろん、チーム全体にとっても痛すぎる失点でした。
それでも。
勝つしかない。たとえ2点差となろうと、意気消沈している場合ではないことは明白。その思いを、反撃につなげました。
73分、大西のゴールが決まり、1点を返すことであきらめない気概を体現。
苦しい中にあっても運動量を落とすことなく、くらいついていきました。
ただ・・・やはり、松本のほうが試合巧者であった、ということでしょうか。
失点にも崩れることはなく、相変わらずのカターレを上回るボールさばき、テクニックでもって、なかなか良い形を作らせてもらえませんでした。
リードしている松本のほうは無理をして攻め込んでくることもなく、しっかりと守りを固めている状態。それを崩そうにも、パスコースも切られ、ボールをなかなか前に運べない展開。ロングボールで通そうにも、風の影響への考慮もあり、おいそれというわけにもいかず。
勝つためには追いつくだけでなく、逆転が必要。あと2点は獲らねばならないのに、攻めきれないまま時間が経過。
そして。
3分あったアディショナルタイムの最後の最後、前線に上がっていたテホンのシュートが枠をとらえられずゴール脇を抜けていったところでタイムアップ。
勝たねばならなかった試合で敗れ、勝ち点無し。
必勝を期した戦いに敗れてしまったのでした。
あるいは・・・前回対戦の第10節くらいでこの試合内容であれば、「敗れはしたけれど、意地は見せた。次こそ勝てるように頑張れよ!」くらいは言えたかもしれません。
けれど。今は、場合が場合。
讃岐が引き分けに終わったことで今節での降格決定こそならなかったものの、絶望的状況がさらに少し悪化しただけで、なにも得ることができませんでした。
TOP OF 北アルプスの優勝の可能性が消滅。ひとつ、取り返しのつかない現実を突きつけられたと言っていいでしょう。
しかし。
残留の可能性がゼロでないならば。
それがどんなに低いものであろうが、どんなに困難であろうが、やるしかありません。
ほぼ不可能と、あきらめてしまうことは簡単でしょう。投げ出してしまえば、つらさからは目を背けることができるかもしれません。
ですが。
それは、できない。それは、したくない。それは、しない。断じて。
意地を張るだけの自己満足?
結構。それの何が悪い?
意地は、張り通します。なにがあっても。
降格寸前のクラブと昇格寸前のクラブ、22位と2位という圧倒的な差。シーズンも最終盤のここに至っての実力差は、客観的にみれば覆すことの出来ようはずもない大差であり、最下位クラブが勝てる道理のない試合であったのかもしれません。
しかし。
それでも、勝たねばならなかった。勝つしかなかったのに。
0-0で前半を折り返しながらも、後半に2失点。1点を返してさらに最後まであきらめずにゴールを狙い続けたものの、現実は非情でした。奇跡の逆転勝利を許されるほど寛容ではありませんでした。
敗れた上で21位の讃岐が勝利していたら、今節での降格が決まっていたところ。その讃岐の結果が引き分けに終わったことで、辛うじて今節で確定してしまうことこそありませんでしたが・・・。
残り4試合で勝ち点12の差。4戦全勝が前提の上で、さらに讃岐が全敗せねばならず、その上で得失点差において上回らねばならない、と。
ただ単に、数字の上で決まっていないというだけの話であり。
首の皮一枚でつながっている、なんて状況ですらない。もはや切れてしまっているところ、ただ単に乗っかっているだけ・・・つつくどころか、息をふっと吹きかけただけでポロリと転げ落ちてしまうような状況。
それでも。
それでも、やるしかありません。
現実的には1%も無いかもしれない可能性であったとしても。
絶望を否定し続け、抗うしかないのです。
プレーオフ圏内への到達を成し遂げ、自動昇格となる2位へもあと僅かという松本。その期待が、1万2千人というJ2離れした平均観客動員をさらに上回る1万4千人を呼び寄せた今節。春先に対戦した去年や一昨年ですら圧倒されたのに、さらに輪をかけた、まさに大入り状態でした。
それでも。500人近いカターレのファン・サポーターが詰めかけ、アウェイ席を青く染めました。ホーム側に負けない・・・とは言えないまでも、大きな声援を送り続けたのでした。
時折雲ったりもしながらも、秋晴れの好天に恵まれた、絶好のサッカー日和のなかで執り行われた今節。
ただ、一昨年もそうでしたが、アルウィン特有のスタジアムを巻く風に注意を払う必要に迫られながらの試合となりました。前半は風下、ときにゴールキックが風で押し戻されたりと、慎重な対応が求められました。
そんななか、持ち味であるところの積極的なプレスで仕掛けていくカターレ。しかしながら、個々の技術、パス回しの精度など、トータルのクオリティ的には松本のほうが上であることが見て取れました。攻守ともにしっかりとした自分たちのスタイルを持っている、というか。攻撃陣にボールが渡ったときの雰囲気というか期待度というかが、やはり「やってくれそう」というオーラをまとっていたというか。カターレにとっては不足していることが明らかな部分だけに、余計に目についたということもあったのかもしれませんが。
いつものように、最終ラインからの飛び出しを狙う苔口になんとか合わせていこうと蹴り込んでいくスタイル。チャンスもあったし、やりたいことも伝わっては来ましたが・・・やはり、簡単にはいかず。
風の影響、アグレッシブな相手選手への対応などなど、やりにくさもあったことは事実でしょう。
けれど・・・どうにも、攻撃が単調になっていた感が否めません。
この試合に限ったことではないですが、もうちょっとバリエーションを増やしてほしかったところ。それこそ、水戸戦で2発のミドルを決めた前のように。一昨年のヨンドクが、おそらくは相手GKも「こんな向かい風の中では撃ってこないだろう」というなかでスーパーミドルを決めたりしたように。
双方ともに得点のないまま、前半は0-0で終了。
無失点はよかったけれど・・・やはり、得点がほしかったのが本音でした。相手優位の中での無得点であり、その優位さをはね除けて勝つには、試合の流れというものを味方につける必要があったところ。前半が終わった段階で、あからさまな劣勢とまでは言えなかったにせよ、無失点だからそれでよし、とは言えない内容ではありました。
勝つためにはどうしても得点が必要、そのために挙げねばならない先制点でしたが・・・。
スコアが動いたのは62分。気をつけなければならないと警戒していたはずのセットプレーから失点してしまったのでした。
ハンドの判定をとられてメンタル的な隙が出来てしまった状態から、FKをDF大久保 裕樹に頭で合わせられ、先制を許してしまうことに。それまでチャンスがありながらも決めきれないでいたところ、松本サポーターが一気にヒートアップした瞬間でした。
勝つしかない、どうしても勝たねばならない試合にあって、痛すぎる失点。
ただ、その4分後。
そのゴールを決めた大久保が、抜け出そうとする苔口を引っ張り、誰がどう見てもイエローというファウル。先ほどの失点につながったFKとピッチのちょうど対称の位置で、今度はカターレが同じくFKのチャンスを得たのでした。
しかし、それを決めきれず。
決定力の差と言ってしまえばそれまでではありますが・・・そのあたりもやはり、セットプレーに自信を持ち、実際にチャンスを多くの得点に結びつけている松本と、それができずにリーグワースト総得点のカターレとの違いとも言えたのかもしれませんが・・・。
そして、チャンスを活かせなかった代償を払わされる羽目に。
71分、セットプレーからのボールに飛び出した廣永が触れずに流れてしまうという致命的なミス。それを逃さなかったDF飯田 真輝に決められてしまい、2点差に。
GKとしての対応のまずさからの失点は初めてではないだけに、廣永にとってはもちろん、チーム全体にとっても痛すぎる失点でした。
それでも。
勝つしかない。たとえ2点差となろうと、意気消沈している場合ではないことは明白。その思いを、反撃につなげました。
73分、大西のゴールが決まり、1点を返すことであきらめない気概を体現。
苦しい中にあっても運動量を落とすことなく、くらいついていきました。
ただ・・・やはり、松本のほうが試合巧者であった、ということでしょうか。
失点にも崩れることはなく、相変わらずのカターレを上回るボールさばき、テクニックでもって、なかなか良い形を作らせてもらえませんでした。
リードしている松本のほうは無理をして攻め込んでくることもなく、しっかりと守りを固めている状態。それを崩そうにも、パスコースも切られ、ボールをなかなか前に運べない展開。ロングボールで通そうにも、風の影響への考慮もあり、おいそれというわけにもいかず。
勝つためには追いつくだけでなく、逆転が必要。あと2点は獲らねばならないのに、攻めきれないまま時間が経過。
そして。
3分あったアディショナルタイムの最後の最後、前線に上がっていたテホンのシュートが枠をとらえられずゴール脇を抜けていったところでタイムアップ。
勝たねばならなかった試合で敗れ、勝ち点無し。
必勝を期した戦いに敗れてしまったのでした。
あるいは・・・前回対戦の第10節くらいでこの試合内容であれば、「敗れはしたけれど、意地は見せた。次こそ勝てるように頑張れよ!」くらいは言えたかもしれません。
けれど。今は、場合が場合。
讃岐が引き分けに終わったことで今節での降格決定こそならなかったものの、絶望的状況がさらに少し悪化しただけで、なにも得ることができませんでした。
TOP OF 北アルプスの優勝の可能性が消滅。ひとつ、取り返しのつかない現実を突きつけられたと言っていいでしょう。
しかし。
残留の可能性がゼロでないならば。
それがどんなに低いものであろうが、どんなに困難であろうが、やるしかありません。
ほぼ不可能と、あきらめてしまうことは簡単でしょう。投げ出してしまえば、つらさからは目を背けることができるかもしれません。
ですが。
それは、できない。それは、したくない。それは、しない。断じて。
意地を張るだけの自己満足?
結構。それの何が悪い?
意地は、張り通します。なにがあっても。