12月2日のリーグ最終戦まで、残すところあと2か月。リーグ終盤戦、残り10試合となったなかで、シーズン最大のヤマ場を迎えます。
首位・愛媛をホームで迎え撃つ今節。
14試合に渡って続いていた連続負けなしが、前節の敗戦で途絶えた愛媛ではあるものの。その敗戦を薬に、今節の勝利でもって連敗することなく持ち直すことができたなら。いよいよ、J3優勝・J2復帰に向けて視界も開けていくというもの。それだけに、あるいは連続負けなし期間には無かった厳しさでもって、今節の勝利に並みならぬ情熱をもって乗り込んでくることでしょう。
迎え撃つカターレ。
同じく連敗阻止をかけた一戦となるものの・・・取り巻く状況の深刻度は、「たかが1回敗れただけ、長いシーズンにはそんなときもある」という愛媛とは、比較になりません。
ここであえなく敗れて、ホームのファン・サポーターの期待に応えられなかったならば。
「やっぱり、今年もまたダメか」
敗戦の弁から残り試合を全力で!などと言っても響くことは無く、一挙に“終戦モード”に突入、のこり2か月を消化試合にしてしまうのではないかと。
まさに、崖っぷち。
背水の陣で臨み、土俵際に追い詰められながらも、そこから大逆転をかまさねばならない。首位を撃破し、「まだ死んでない」という証明を打ち立てねばならない。
ただひたすらに、勝利が求められる一戦となります。
前節の長野戦で今季3度目の被ハットトリックという、ガッカリどころではない敗戦を喫し、2位から5位に転落してしまったカターレ。
数字だけ見れば、再逆転が不可能という勝ち点差では決してなく、悲観するくらいなら勝つことだけを考えろ、というところではありますが。
ここまでのシーズン後半戦で、順位表におけるボトムハーフ、そして前回対戦では勝った、あるいは引き分けた相手に、前回対戦のリベンジを許すというかたちで敗戦を重ねてしまっている現状を思えば。
ここで、現時点でリーグでいちばん成功しているクラブ・すなわち首位である愛媛に、順位差・勝ち点差に違わぬ数字通りのチカラでもってねじ伏せられてしまったならば・・・いよいよもって、残り試合を戦うモチベーションをくじかれてしまうほどの致命的なダメージを被ることになったとしても、おかしくありません。
前回対戦のリベンジ、と言えば。
7月の愛媛との前回対戦では、せっかく大野の2ゴールでもってリードを奪ったにもかかわらず・・・愛媛にとってクラブ初というハットトリックをくらってしまい、手痛いどころではないショックの大きい逆転負けを喫してしまったのでした。
その対戦を含めて、前節の敗戦で止まるまで14試合に渡って連続負けなし、首位固めに勤しんだ愛媛に対し。
シーズン後半戦だけで言えば下位もいいところ、よもやの不振に陥ってしまったカターレ。前半の貯金も使い果たし、今節、もしも敗戦を喫してしまったならば、いよいよ再起不能では?という見方も。
IFの話をしても仕方ありませんが。前回対戦で、もしも首尾よく勝利をおさめていたら・・・。
覆水盆に返らず。
不振に陥った過去を嘆いてどうにかなるならば、いつまでもウジウジとうつむいていればいいでしょうが。
そうではないならば。
ホームのファン・サポーターに勝利を届け、「まだ死んでいない」と、首位撃破でもって知らしめたいならば。
シーズン全38試合の中でも、ここ一番、それこそ運命を左右する一戦。
必ずや制して、しぼみかけた希望の火に勝利・勝ち点3という燃料をくべねばなりません。
期待したいのは、大野。
今節の愛媛との再戦にあたり、前回対戦の反省を踏まえてミーティングをおこなったことでしょうけれど。振り返ったなかで、誰にも増して悔しさを噛みしめたのが、2ゴールを挙げて勝利の立役者になるはずであった大野ではなかろうかと。
ハットトリックをくらっての逆転負けという、思い出したくもないであろう不都合な現実。それを、前節長野戦で否応なく呼び起こされてしまったことも含めて。
前回対戦では逆転勝利を挙げたとはいえ、愛媛にとってみれば、ニンジニアスタジアムで2年連続で2ゴールを奪われた大野は、今回の対戦でも要注意選手であろうことは間違いなく。それでなくとも、前節敗れてしまった反省をバネに、勝利がマストである今節であるならば。当然のように、大野には厳しいマークがつき、得点を断固阻止せんと気合を入れてくるのではなかろうかと。
しかし、だからこそ。
その状況を跳ねのけてゴールを奪うこと。ただの1点以上の重みをもったゴールでもって、チームに、応援するホームのファン・サポーターの期待に応えてみせること。
他のプロスポーツに比べても、選手寿命というものが短いプロサッカー選手にあって。
そのキャリアにあっても、「どうしても勝たねばならない試合」というものは、確かにあります。大げさではなく、プロとしてのプライド、プロサッカー選手としての選手生命をかけてでも勝たねばならない試合というものが。
今節が、まさにそう。
その勝利のために、前回対戦からの“リベンジの鬼”とならねばならない大野。
覇気なく連敗を喫し、「頑張ってもダメなものはダメだった」などと、うつむいてこの先を過ごしていくのか。それとも、必勝の気概を勝利に繋げ、自身のプライドを示す歓喜につなげるのか。
後者でなくてはならないことは、言うまでもなく。
勝って前回対戦で敗れた借りを返さねばならないのは、もちろんとして。なんなら、大野にはハットトリック返しでのリベンジを期待したいところ。
まじめな話、僅差でひしめく上位にあって、得失点差で後れをとっているカターレにあっては、果敢に狙っていくべきところ。現に、FC大阪とは同勝ち点ながら得失点差で下回っているわけで。
だったら、前回対戦で敗れた借りを、のしをつけて返すくらいでなければ。
勝つのは最低条件。さらにそれ以上を目指す気概でもって、乗り込んでくる愛媛を完膚なきまでに返り討ちとしてほしい。本当に、そう願います。
首位が相手だろうが、最下位が相手だろうが。1勝あたりの勝ち点3という数字は変わりません。
それでも。
ここで負けてしまっては、単なる1敗以上の致命的なダメージを被ってしまう一方で。首尾よく勝ったならば、逆転昇格に向けて大きな大きな一歩となることは、間違いありません。
前節、不覚を取ってしまい敗れたクラブ同士の対決。そこから勝って持ち直すことができるのは、どちらか一方のみです。
言うまでもなく、それを為すのはカターレでなくてはならない。
なんなら、勝つことによって、ここまで貧乏神にでもとり憑かれたかのような不振の、禍の種を、愛媛に伝染させ、ババ抜きのババを押し付けるくらいでなければ。
愛媛には連敗をプレゼント。代わりにのこり試合をずっと負けなし、連勝で乗り切る活力を吸い尽くしてやろうじゃないかと。
ココが、正念場!
夏場のナイトゲームで不覚をとってきたカターレも、残り試合はデイゲームのみ。
だったら。
これまで落としてきた試合は戻らないけれど。勝つべき試合を勝っていく、それはこれから次第。
首位愛媛とは11差。けれど、まだ優勝だってあきらめちゃいない。この勝利をきっかけに大逆転への道を邁進していく、その覚悟が必要。そのための、今節の勝利。
だったら、勝て!!
勝って、必ずや勝ち点+3を!
首位撃破を成し遂げ、まだ終わってなどいないカターレの力を知らしめろ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!