1-2で敗戦。
どうしても勝たねばならない試合だったし、実際に勝てた試合でした。
どうしようもないほどに力の差があった、負けてやむなしだった、という試合でもなく。むしろ、総じてみればこちらのほうが優勢であったくらいで。
にもかかわらず。
敗れて、勝ち点0。上位争いで突き放される結果。
5年前とは様々な要素が違い、一緒くたに考えるのもどうか?という面もありますが、それでもどうにかしなければならなかった試合。勝てば、確実に自信になり、今後のモチベーションアップも当然のようになされていた試合。
にもかかわらず。
「ここぞ!という試合で勝てない」「連勝はなかなかできないにもかかわらず、連敗はいとも簡単に」というような、悪しきジンクス―――それを、またしても覆すことが出来ませんでした。
ガンバ大阪U23戦のあと、「人生観を変える」との名言を残した安達監督ですが。
皮肉なことに、ダメな意味でまったく変わらないっぷりというものを晒してしまったホーム2連敗。
ただでさえ甘くないJ3リーグ。それは、わかりきったこと。
正直、この状況を覆していくのは、相当に難しいと言わざるを得ないかと。
PKのチャンスを得ながら、それを決め損なってしまって先制出来なかったカターレ。
失敗した才藤を個人的に責めるのもどうか、というところではありますが。
ハッキリ言って、「またかよ!」と。
伝統的に、PKの機会がとても少ないカターレ。
それこそ讃岐との前回対戦の2014年あたりでは、シーズンを通して1度もなかった時期があったくらいで。
そして、その数少ないPKの機会にあっても、よく外す、決められていないという悪しきジンクス。それに、またしても囚われてしまったというか。
PKというものに対しての心構えの希薄さを、疑われても仕方ないかと思います。
因果応報、というにはあまりにも皮肉ですが・・・その直後。
明らかなこちらのクリアミスというかたちでCKを与えてしまい。
そこからの流れで、まるで帳尻合わせかのようにPKを献上。それをきっちりと決められることで先制を許してしまうことに。
同じ失点にしても、メンタル的にダメージの大きいものに。
そもそも、なぜ伝統的にPKが少ないのかと言えば。
カターレ富山伝統的な悪癖が故、ということでしょう。
つまりは、PKがとられるようなシチュエーションで勝負できていないということ。
「なにがなんでも決めて勝つ!なぜなら、得点しなければ勝てないからな!」
そんな、至極当然なことが、なっていないということでもあります。
実際、この試合においても、また・・・そこまでゴールに迫ったなら、勢いに任せて決めきれよ!というシチュエーションで、確実性を上げるという名目でしょう、パスを選択。結果、決めきれずにチャンスをフイに、とか。
パスを回した挙句に力ないシュートにしかならず、しかもGK正面。それはパスか?とか。
いつも言っていることですが、ゴールに芸術点はありません。
遮二無二、ガムシャラにゴールを奪い取る!という気迫が、とても足りていない―――そう見えてしまうサッカーを、ホームのファン・サポーターの期待がかかるなかでやっていていいわけがないのに。
0-1で折り返したハーフタイム。
いつもであれば控えのメンバーがウオーミングアップをしているところですが、このときは全員がロッカーに引き上げていました。
後半に逆襲し、同点、逆転を目指すという意気込みの表れだったのでしょう。
そうして、すぐに手を打つことに。
後半開始のタイミングで、高橋に代えて田中を投入。2ゴールを挙げて勝利に貢献した長野戦以来の出場となりました。
ここ最近このブログでも書いているところの、理屈抜きに戦い抜く力「そんなもん知らん」というものを、いちばん実践できているのが彼だと評価していますが。
その田中が、やってくれました。
後半開始からわずかに6分、いきなりの同点ゴール。見事に起用に応えてみせたのでした。
そんなあたりが、田中の田中たる所以だ!と、最上級の喝采を!
そのまま逆転につなげるべく、攻勢をかけるカターレ。
・・・しかし。
そこからが、つながらなかった。
攻めども攻めどもゴールには結びつかず。
逆に、J2時代からカターレサポーターにもおなじみの、兄弟が弟・徹也に勝ち越しゴールをゆるしてしまうことに。
ケガで長らく苦しみ、その復帰戦だったそうですが。ケガからの復帰でであるとか若手の初ゴールであるとか、そういったいわくつきの選手に決められてしまうのもまた、カターレの悪しきジンクスのひとつとも言えますが。
そして・・・悪しきジンクスを覆せずじまい、というのもまた、カターレ。
そのままスコアは動くことなく。1-2で敗れました。
ハンド判定では?というジャッジ、なんで同じようなシチュエーションでこっちばかりファウルをとるんだ、とか、あからさまに相手寄りな審判に物申したいところもありましたが。それこそ、不断は冷静な榎本が詰め寄るようなシーンがあったりとか。
それでも・・・状況を跳ね返せないのが悪い、と言われてしまえばそれまで。
自分たちのミスでチャンスの芽をつぶすところも、やはり多く。
それでも・・・自業自得、と割り切ってしまえるほど、現状には納得できません。
前節の八戸戦もそうでしたが。決して、負けてやむなしという状況であったわけではないのに。むしろ、こちらが優勢ですらあったのに。
そんな試合で勝ち切れない・・・負けて勝ち点0という。
無茶な要求をしているでなし、改善の余地が無いわけでなし。
なのに、結果は不本意極まる今季初連敗。
ただの1勝ではない、それ以上の価値があったはずの試合をみすみす落とす。してさらに気落ち、メンタルが沈み自信をつけるチャンスを逃す、と。
悪い意味で、いつも通りのカターレ。これまで見てきたカターレ。
5年前に必勝を期したはずの対戦で敗れた讃岐戦。あの時のままか?と問われて、今節の勝利でそれを明確に否定したかったのに・・・結果、あの時のまま。
ほとんどの選手が入れ替わった5年前と比較しても、とか言われたとして。
では、1年前ではどうか?
去年も、どん底状態から監督交代を経て持ち直し、「さあ、逆襲だ!」というタイミングで立て続けに連敗を喫し、その勢いが削がれてしまった、ということがありました。
それを、今年もまた繰り返すのか?と。
結局のところ、「今年もまたダメだったね」に落ち着くのか?と。
・・・そんなことでは、変わらない。
監督の掲げる、「人生観を変える」というキャッチフレーズ。
相手ではなく自分たちの弱さに負けている現状では、到底、それは成しえないだろうと。
雨の降るあいにくの条件のなか、その少なさにやるせない気分になったものの、それでも1774人の来場者がありました。
その期待に応えられず、ホーム3連敗。
7月のホーム戦は1試合しかなく、しかも金曜日という条件。現状のままでは、期待薄だから行かない、などと言われても言い返せないでしょう。
天皇杯2回戦を含めてアウェイ戦3戦を挟むこととなりますが。
勝てた試合、勝たねばならない試合を落とし続けて期待を裏切る・・・そんな汚名を返上したいなら。
しなければならないことは、単純にして明快。
勝つしかない。
今回、雪辱を晴らすことに失敗し、屈辱のアップデートという憂き目に遭いましたが。
勝たねば、いつまで経ってもそれが和らぐ、薄まることなど無いと知らねばなりません。
ならばこそ。
やらねばならないのは、アウェイ連勝からのホーム凱旋、そこでのホーム連敗阻止意外にありますまいよ。
ダメな要素だけを継続、なんてことをしている暇など、ありはしません。
今こそもとめられるのは、「そんなもん知らん」という図太さ。
次なる戦いは、すぐにやってきます。