0-0のドロー。
引き分けに判定決着があるならば、優勢勝ちという試合でしたが・・・無論、そんなものは無く。勝ち点1止まりで連勝ならず、上位追撃に大きな一歩となるはずだった試合をものにすることができませんでした。
結果、勝たなければならない試合を落とすかたちで、さらに厳しい状況へと追い込まれることとなりました。
まるで舞台演出家でもいるのか?というように。目まぐるしく変わるコンディションのなかでの試合となりました。
雨でジトジトした新潟県を抜け、群馬県に入るころには青空。
試合開始前、晴れて良かったね、とポカポカした日差しの中で話していたくらいだったのですが。
それが、みるみるうちにどんよりとした雲に覆われ。
さらに、キックオフ時には台風か?というような強風に。その影響を考慮してコイントスで風上を選択する、といった具合に。
ボールが流されるほどの強風が続き、ピッチサイドのスポンサーボードが撤収されるほどのきつい状況。
そんななかで、前半の終盤には雨も降りだして。
合羽をもってきていないぞ、どうしよう?とか思っているうちに、ハーフタイムには土砂降りでスタンド軒下に退避。
と、思っていたら。
後半開始時には雨がやみ、さらにあれほど吹いていた風もやむ、という。
そんな難しいコンディションのなか、それでもやるべきことはひとつ。
必勝を期し、敢然と試合に挑んでいった・・・のですが。
鋭いカウンターアタックもしっかりと対応し、無失点。なかでも、ゴール前まで迫られるピンチのなか、相手のフェイントに引っかかることなく冷静に対処した脇本のプレーが印象的でした。
そこでバタバタしてしまっては相手の思うつぼ、というなかで、しっかりとカットしてボールを出して。彼の持ち味であるところのクレバーなプレーぶりが光ったばめんであったかと。
あまり群馬がガツガツとしかけてこなった、という部分もあるにせよ。
相手にしてみればボールを持たせていた部分もありましょうが、それでもしっかりとパスが回せていたカターレ。
耐えるところは耐え、攻撃するところは攻撃する、というかたちは、出来ていたと思います。
ただ・・・それが、結果に結びつかなかった。
監督としては、強風時に有利とされる風上をとったことで、それに見合った戦略を・・・ミドルからも果敢に狙うだとかを期待していたとのことですが、それが見られなったのが残念、と。
そのあたり、もうすこししたたかにゲームを進めるだけの余裕があったら、というところなのでしょうが。
どうしてもかたねばならない、というプレッシャーにさらされているのは確か。
けれど、それを踏まえてなお、しっかりと状況を読みつつ、チャンスを活かすプレーをやりきる・・・言うは易く行うは難し、ということではあるのでしょうが、そういった部分がいささか足りなかった、ということなのかもしれません。
このところ絶好調の大谷に連続試合ゴールの期待がかかっていたものの。
やはり、群馬のほうも要注意選手として徹底マーク。思うように仕事をさせてもらえませんでした。
それも、考えようではあるのですが。
中断前までであれば、大谷が途中出場してきても、「足の速い選手らしいし、とりあえず注意しておこう」くらいの認識だったのではないでしょうか。
それが、ほっておいてはやられてしまう、最優先に対策を講ずべき危険な選手へと。
プロ選手としての高みを目指す道のりで、ステージが上がった、という感覚かと。
もちろん、今節、抑えられて無得点となってしまったことは悔しくはありますが。
それでも。今後、さらに上のステージへと上り詰め、「しっかり対策しているにもかかわらず、やられてしまう」という選手に。さらに、「ヤツにやられてしまうのは仕方ない、そうさせないために他をケアするぞ」という選手になっていってほしい。そう願います。
伊達に上位につけているわけでなく、やはり手強かった群馬。
堅い守備、そして徹底したカウンター狙い。
点取り屋が相次いで離脱、という事情はあったでしょうが。ならば、と割り切ってのカウンター戦術に、選手たち全員が同じ方向を向いていた、ということなのでしょう。
それはすなわち、カターレの強さを認めたが故のことかと。
カウンター重視という割り切りがなければ、半端なことしていたのではやられてしまう、という危機感を与えていた、ということなのではないかと。
そうやってカターレが相手の脅威となれた、実績が認められたということは、誇らしくもありますが。
ただ。
だからこそ、勝ちたかった。
勝って、そんなリスペクトのさらに上をいく強さを証明したかったです。
引き分けに判定決着があるとすれば、カターレの優勢勝ちであったであろうこの試合。
しかし。
群馬としてみれば、勝ち点差4を1に詰め寄られかねなかったところ、それは阻止した。勝てなかったにせよ、勢いのある富山の追撃を阻むことができた。しかも、このところの課題であったところの守備面で、無失点という結果を残して。
それに、勝てなかったとはいえ、まだ逆転への勝機はしっかりと残されている。敗戦が最悪の結果だとすると、まずはOK、というところであったかと。
対して、カターレ。
内容では勝っていたのに、それを結果につなげることができなかった。2試合連続2失点は評価すべきですが、このところ平均3得点という攻撃力が振るわず、8月の藤枝戦以来の無得点。
2位の藤枝がドローであったことで、昇格圏への勝ち点差が変わることはなかったものの、それでも残り少ない試合数を1試合分消化してしまったというだけ、結果マイナスと。
なんというか。
内容で勝って、結果で負けたーーー同じドローでも、やはり追う側の辛さ。
やはり、勝ち点2を落とした、という感が強く、どうにも苦い結果となってしまいました。
それでも、と言い続けねばなりません。
直接対決で上位クラブを引きずり下ろすチャンスが無くなりはしましたが、それでも。
残り6試合、どうでもいい試合であるはずがなく。あきらめていいはずがなく。
その6試合のうちに、もう1ヤマ2ヤマあるのでは?とふんでいる安達監督。
そのヤマ場を、いかに勝利で乗り切るか。
他力本願も、自分たちの勝利の上であることが大前提であって。そこを、ゆめゆめおろそかにするわけにはいかないのであって。
戦いは、続きます。
勝利を信じて。その先を、信じて。応援を続けるまでです。