まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

男は黙って

2017-01-07 | 暮らし

殿はよく言った。よくしゃべる人を見て、「しゃべり過ぎやなあ。」と。それが、肩にのしかかっている。言いたいことを半分にしようと思うことがある。「よくしゃべるなあ。」と、わたしに言っている時もあった。でも、黙っていると「どこか具合が悪いのか?」と、聞いてきた。

時折、黙って聞き手に回ると、壁か空気と間違えられているのか、話はわたしの周りで大盛り上がりになっていることがある。そこに参加しなくても、誰も気にしないのである。そこまで言ってもいいのか、わたしが聞いていることを知ってか知らずか、危うい話まで聞かされることもある。あまり黙っているとストレスになる。

世の中で、大切な話などほんの少ししかない。もしかしたら、一日中ひとことも大切な話などないのかもしれない。でも、人は他愛ない話をして気を紛らわせる。暇つぶしの井戸端会議は、昔からストレス解消にもなるのである。

「今度新年会しましょう。」と、町内の婦人会友達からメールが入る。みんな一緒に役員をした仲間で私より10歳ほど若いのでわたしは年長、いや今となっては長老だ。今度は我が家でする約束をしていたので楽しみ。ほんとは、みんな他愛なくしゃべりたいのだ。

殿は殆ど仕事の話もしないし、黙って本を読んでいた。男は普段はあまりしゃべらないものと思っていた。かといって、お酒を呑むと陽気に寒いダジャレを飛ばしていた。そういえば、「男は黙ってサッポロビール。」と、いうCMがあったっけ。キリンビールやアサヒビールではしっくりいかない。ましてや「男は黙ってバドワイザー」と、言ったらずっこける。良いCMだったなあ。黙っている男がかっこ良かったのは昔のことか。