雪で身動きが出来なくなって、父の見舞いに行けない状態だった。
父は志願兵となって戦争へ行って、終戦後商売をして、腎臓病になって田舎へ帰って、余生はのんびりと母と過ごしたが、今はベットに寝たままで。それでも、一生懸命生きてきたのだからいい方と言えばいい方なのだろう。充分長生きもした。人の手を借りなくては生きられないというのは、大変だけれど、元気な者でも人の手や支えがいるというもの。
何のためなどという、意味や形式を与えなくてはならない生き方などない。
いずれは死んでいくために、精一杯生きるというのも考えようによっては辛いかもしれないが、忙しく日々を暮らすことが出来ることは、最大の幸せである。
雪は今晩も積もるらしい。毎日雪かきをしながら、人生も同じように繰り返し繰り返し暮らしながら、なにかを残せる訳でもなく、徒労のように終わるのかもしれない。しかし、その一つ一つの動作の中に幸せがあるのかもしれない。仕事のできる喜び。人と語る喜び。大丈夫?と、声をかけあう喜び。
今日も無事で感謝、感謝。