まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

命と向き合う

2009-01-20 | 暮らし
恐ろしく重い課題だ。昨日のNHK「ようこそ先輩」で、「千の風にのって」の作詞、作曲者であり芥川賞受賞者である新井満氏が登場し、その課題をとりあげていた。すばらしい授業だった。観ながら涙が出た。

本当に子供達は純粋で、個人面談をし、ひとりひとりの役割は何か考え出すというもの。別れの疑似体験をするところは身につまされた。
あぁ。こんなの政治家に見せたいなあ。
漢字読み取りテストなんかしてないで、本当に大切な話をしてほしい。

また新井氏が体験した新潟の地震の恐怖を、100万の言葉を話しても、体験したことは伝えられないと言われた。

実は先日、講習会の夜に会食があって、久しぶりに会う仲間と歓談した。
クロさんの奥さんが癌で亡くなった後、どうしても声をかけられなかった。
いつも親しく話すのに、気になっていたけれどわたしの薄っぺらな慰めなんかほしくないに違いないとも思っていた。
けれど、その会食のとき真剣に話を聞くうちに、涙が出て止まらなかった。
2年前に奥さんを亡くして失意の底から、夜眠れなくて身体を疲れさせるために走り始めて、ホノルルマラソンに出るまでの話に泣けた。

癌は脳卒中とかと違って執行猶予があっていいよと言いながら、何回も奥さんと抱き合って泣いたであろうと想像するとまた泣けた。
絶対に、良いわけがない。きっと納得し受け入れなくてはならないので、そういう気持ちになったのだと思う。わたしの憶測の範囲だが、もし脳卒中であれば、長い間苦しまずないですんだと、奥さん思いのクロさんなら、その時もそう言って受け入れるのではないかと思えた。
なぜなら、どんな形でも別れることの悲しみは比べようもないと思えたから。

昨年真剣に万が一のことを考えたから余計に気持ちが寄ってしまった。
新井氏の100万の言葉より・・である。

そう思うと毎日をうかうか過ごしてもいいものだろうかと、ふと考えてしまった。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
比べようがないのかも・・・ (みやび)
2009-01-29 20:32:19
お久しぶりです
どんな病気でも先に逝かなければならない悲しみや、不安、悔しさ・・・計り知れないものです。
それを言葉にさえ出来なかった主人でした。
言えないだけに心の内を・・・と考えると。。。。

また、突然の死も何も残せなかった悔しさや情けなさがあるだろうし。
残された家族もまたどちらにしても襲って来る悲しみや寂しさは同じで比べようがないもかも・・・・

介護の現場で命と向き合うこともあり、心痛めたことも多々あります。
健康で一日を過ごせることに、感謝ですね。
返信する
本当に (まこ)
2009-02-01 20:59:55
みやびさん
本当に、みやびさんはたくさん命と向き合う経験をされたと思います。
その分、わたしよりずっと逞しく優しくもあると思います。けれど、寂しさや辛さは、何年経っても癒えないのでしょうね。思い出すたびにいろいろな思いがこみ上げると思います。
けれど、生きていかなくてはなりません。
会えば必ず別れがあります。
それとて、みんなにあると思います。
見送るか、見送られるかは分かりませんが、辛い別れがあるんですね。より強く、逞しく生き抜きましょう。そして、寂しいときはみんなと会いましょう。
泣きたい時は泣きましょう。
返信する

コメントを投稿