朝日新聞デジタル4月5日(日)12時13分配信 高知県室戸市室戸岬町の三津大敷組合の定置網に、深海ザメの「メガマウス」とみられる魚がかかった。大阪市の水族館に引き渡す予定だったが、翌日までに網から逃げ出した。収容するために現場に来た水族館の担当者は「捕まえてみたかった」と残念がった。
【動画】定置網にかかった「メガマウス」と見られるサメ=三津大敷組合・山本幸生さん撮影
メガマウスは、巨大な口が特徴。だが、生えている歯は細かく、ジンベイザメなどと同様にプランクトンが主食だ。捕獲例が少なく、生態はよくわかっていない。
網にかかった魚は体長5メートルほど。同漁協の山本幸生副船長が1日、昼の水揚げの際に見付けた。「5、6年前にもかかったことがある。珍しいサメだから覚えていた」と山本さん。
貴重なサメを生きたままの状態で研究者に引き渡そうと、大阪市の水族館「海遊館」に連絡。2日朝には収容できる段取りをつけた。深海魚がよくかかる三津の漁師さんならではの判断だった。
ところが、引き渡す当日、網の中にサメの姿はなかった。どこからか、するりと抜け出したらしい。
日本ウミガメ協議会室戸研究基地の渡辺紗綾さんは「元気のいい個体だったので自力で逃げ出したみたいです」と話す。収容するために駆けつけた海遊館の田井康之学芸員も「網の中を撮影した動画だけではメガマウスとは特定できないが、十分その可能性はあった」。逃した大魚を惜しんだ。(根岸敦生)』
逃した魚は、大きかったの昔からのの諺通りです。 メガマウス高知県室戸市の主だったかも分かりませんね。
出典・ ja.wikipedia.org/wikiより
メガマウス Megachasma pelagios(英: Megamouth Shark)は、ネズミザメ目メガマウス科に属するサメ。
本種のみでメガマウス属 Megachasma を構成し、古い和名ではオオグチザメ(大口鮫)と呼ばれたが、現在はメガマウスザメ、もしくはメガマウスの名で呼ぶのが一般的。
学名のMegachasma pelagiosは、沖合の大口鮫を意味する。
分布・生息域
太平洋やインド洋など、熱帯から温帯の水深200m付近のやや浅い深海に生息している。
日本近海では目撃例と捕獲例が比較的多く、2011年現在、全世界で50例あるうち13例が日本におけるものであり、東京湾の海底谷でも発見されている。
形態
最大で全長709cm[2]。古い形態を保ったサメで、 現代に繁栄しているサメの形態とはかなり異なる点が多い。ネズミザメ目のサメの中では、ミツクリザメと並んで、原始的な形態を残しているといわれる。
北海道大学の仲谷一宏教授の研究によれば、特徴的な口を動かす顎の骨に付いている口を開ける筋肉が非常に発達していて、さらに柔軟な皮膚を利用して顎を伸ばし、前方に突出させて口を突きだして開け、ヒゲクジラの給餌方にも近い構造となっている。この構造は他のサメには現存せず、同じように口を突出させる機能を持つミツクリザメでもこのような作りにはなっていない。
プランクトンを主食にしているため、サメの特徴である歯はとても小さく、ヤスリ状の列になっている。口の内壁は光が当たると銀色に輝く。他のサメに見られない特徴として、上顎の歯が蛍光色に輝き、プランクトンをおびき寄せるといわれるが、確かめられてはいない。
生態
前述の通り、プランクトンを常食にし、特徴的な口は、プランクトンを飲み込み、濾過する。口が大きいので、誤ってプランクトン以外の生物を飲み込んでしまうこともある。
プランクトンを食べる大型のサメは本種の他には、同じネズミザメ目のウバザメと、最大のサメであるジンベイザメの3種である。巨大な体を維持するためにプランクトンを餌にするようになったのは、クジラと同じ大型海洋動物故の選択だったといえる。
昼は水深100mから200m程度のところにおり、夜間に浅いところまで浮上してくるとされる。腹部が白いことで、深海魚特有のカウンターシェーディング効果については疑問視されている。
発見
1976年にハワイ沖の海底ケーブルに絡まっていた雄個体が発見されたのが最初である。新種のサメとわかったが、それ以降は数年に一度のペースでしか見つからず「幻のサメ」といわれた。日本では1984年に静岡県で、浜辺に打ち上げられた個体が見つかったのが最初である。
捕獲及び目撃例は世界的に見ても極めて少なく、深海に生息することから死体が漂着するのも極めてまれで、未解明な部分が多い。雌個体は北半球でしか見つかっていない。
深海に生息し、大型であることから、本種にはダルマザメによる皮膚の食害跡も見られるほか、2011年に三重県沖で発見された個体には、寄生性カイアシ類が付着していた。
なお、本種はめったに取れないことと、肉質は水っぽく不味で、食用としては不向きとされる[3]。
日本での主な捕獲記録
- 1994年11月29日
- 福岡市東区和白浜。メスの個体(死体)が漂着しているのを、バードウォッチングをしていた人物が発見した[4]。メスのメガマウスは世界で初めてということもあり注目されたが、子供は見つからなかった。
- 2013年現在も、マリンワールド海の中道においてホルマリン標本が展示されている。
- 2003年8月7日
- 静岡県御前崎市御前崎沖の駿河湾。巻き網で捕獲。体長4.6 m、体重460 kgのオスの個体だった。
- 沼津港に水揚げされた後、東海大学海洋学部が解剖を実施。その後、東海大学海洋科学博物館において剥製が展示されている。
- 2005年1月23日
- 三重県度会郡紀勢町錦沖。巻き網で体長5.28 mのメスの個体が捕獲。
- 鳥羽水族館で剥製が展示されている。
- 2006年5月
- 神奈川県湯河原町沖の相模湾。体長5.6 m、体重1,200 kgのメスの個体。定置網にかかって死亡していた。
- 京急油壺マリンパーク(神奈川県三浦市)で解剖された。2007年4月19日から、標本として展示されている。
- 2007年6月7日
- 静岡県賀茂郡東伊豆町北川沖の相模灘。定置網でメスが混獲。
- 連絡を受けた下田海中水族館の職員が確認。輸送方法や飼育環境の準備を整えることができないため、飼育は断念。今後の調査のために標識をつけて放流した。
- 海中で元気に泳ぐ姿の撮影に成功したのは世界で2例目、日本では初めて[5]。
- 2007年7月9日
- 茨城県東沖700 km。巻き網船が体長約4 m、体重450 kgのメスの個体を漁獲。
- 11日に石巻魚市場(宮城県石巻市魚町)に水揚げされた。日本では12例目、世界では40例目となる[6]。
- 2011年1月14日
- 三重県尾鷲市沖合500 m。14日早朝、約5 mの個体が生きたまま定置網にかかっているのが発見された。
- 15日朝に大阪市の水族館が引き取りに来るまで網に入れたまま泳がせていたが、同日午前6時ごろにいなくなっているのが確認された。網が破られた形跡はなく、網の上を乗り越えたとみられる。
- 鳥羽水族館によると、生きたまま展示されれば世界初だったという[7]。
- 2014年4月14日
- 静岡県静岡市清水区の倉沢沖で由比漁港所属の第11光洋丸の定置網にメガマウスザメが入り、由比漁港に水揚げされた。
- この個体は世界で58例目、日本では17個体目となる体長約4.4mのメスで、東海大学海洋学部に運ばれ、外部形体が測定された。5月6日にゴー ルデンウイークの特別企画として、東海大学海洋科学博物館津波実験水槽前の広場で、東海大学海洋学部 田中彰教授指揮の下、公開解剖された。[8]。
脚注