連載・特集 » 浅野秀弥の未来創案
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浅野秀弥の未来創案
【数字で見る橋下政治】
2016年1月4日大阪日々新聞社
圧倒的な発信力あった
橋下前市長の昨年末の退任時に、いろいろな全国紙などのメディアで彼の活動総括を具体的な数字を挙げ、幾つも示されていてその情報発信力にあらためて驚かされた。
まず「ツイッターフォローワー数140万人」は、日本の政治家ではトップクラスで影響力が極めて大きい。この数は、大阪地区における大手新聞丸々1紙分に相当する。しかも、皆が進んで購読しているから、かなりの閲覧率になる。
続いて、記者会見終了後の立ち話を指すぶら下がり取材も「市長時代計674回」受けているそうだ。「報道機関からのチェックは、公人としての義務」というが、彼は発言の際意識的に「市長か、政党代表か、私人か」の使い分けを明らかにしない。パフォーマー橋下徹として露出することのメリットを最大限利用する手法は実に巧みだった。
党としての人気バロメーターである近畿各地の首長選挙は、今回のダブル選まで「17戦12勝5敗」。7割超の高い勝率で、堺市長選以外痛恨の敗戦は見当たらない。かつて知事選を松井現知事と戦って敗れ、その時点では敵同士だったはずの倉田薫・池田市長が、返り咲きを狙った今回の市長選で地元の維新系市議と手を結んだのもうなずける。
その高い勝率を勝ち取るため橋下氏は、市長職責より維新の会代表職を優先させた結果給与返済訴訟まで起こされたほどで、「庁内不在率は42%」に達している。もっとも、この訴訟も橋下氏は「市役所にいない時もメールで指示し報告を受けた」と主張、大阪地裁で「市政への損害は認められない」として主張を全面的に認め請求を退けたため同氏の勝ち。確かに同氏の「メール数は計2285通」にのぼる。知事や特別顧問、行政職員をはじめ維新関係の職員や議員などに思いついたらすぐ発信。遊説や街宣・演説会はこのペースから推測すると数千回になるだろう。
いろいろと橋下氏への批判はあろうが、今回のダブル選で大阪の自民党の府市議はもとより、国会議員を併せても「自分は橋下氏よりきめ細かく情報発信した」と胸を張っていえる議員が1人でもいただろうか?
あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。
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浅野秀弥の未来創案
【数字で見る橋下政治】
2016年1月4日大阪日々新聞社
圧倒的な発信力あった
橋下前市長の昨年末の退任時に、いろいろな全国紙などのメディアで彼の活動総括を具体的な数字を挙げ、幾つも示されていてその情報発信力にあらためて驚かされた。
まず「ツイッターフォローワー数140万人」は、日本の政治家ではトップクラスで影響力が極めて大きい。この数は、大阪地区における大手新聞丸々1紙分に相当する。しかも、皆が進んで購読しているから、かなりの閲覧率になる。
続いて、記者会見終了後の立ち話を指すぶら下がり取材も「市長時代計674回」受けているそうだ。「報道機関からのチェックは、公人としての義務」というが、彼は発言の際意識的に「市長か、政党代表か、私人か」の使い分けを明らかにしない。パフォーマー橋下徹として露出することのメリットを最大限利用する手法は実に巧みだった。
党としての人気バロメーターである近畿各地の首長選挙は、今回のダブル選まで「17戦12勝5敗」。7割超の高い勝率で、堺市長選以外痛恨の敗戦は見当たらない。かつて知事選を松井現知事と戦って敗れ、その時点では敵同士だったはずの倉田薫・池田市長が、返り咲きを狙った今回の市長選で地元の維新系市議と手を結んだのもうなずける。
その高い勝率を勝ち取るため橋下氏は、市長職責より維新の会代表職を優先させた結果給与返済訴訟まで起こされたほどで、「庁内不在率は42%」に達している。もっとも、この訴訟も橋下氏は「市役所にいない時もメールで指示し報告を受けた」と主張、大阪地裁で「市政への損害は認められない」として主張を全面的に認め請求を退けたため同氏の勝ち。確かに同氏の「メール数は計2285通」にのぼる。知事や特別顧問、行政職員をはじめ維新関係の職員や議員などに思いついたらすぐ発信。遊説や街宣・演説会はこのペースから推測すると数千回になるだろう。
いろいろと橋下氏への批判はあろうが、今回のダブル選で大阪の自民党の府市議はもとより、国会議員を併せても「自分は橋下氏よりきめ細かく情報発信した」と胸を張っていえる議員が1人でもいただろうか?
あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。