不倫議員があぶりだした政治家の税金泥棒ぶり
橋本健という神戸の市会議員が今井絵里子参院議員と不倫した事を週刊新潮がスクープ報道したのは7月下旬だった。
その週刊新潮が、今度は8月31日号で、橋本市議の政務活動費疑惑をすっぱ抜いた。
不倫疑惑は誰にでもありうるゴシップだが、政務活動費疑惑は政治家にしか起こり得ない疑惑だ。
そして国民にとって、政務活動費疑惑は、不倫疑惑などと違って、断じて許せない政治家の行状だ。
橋本市議の政務活動費疑惑とは、政策チラシを架空発注して、その経費を政務活動費からネコババした疑惑である。
橋本疑惑の報道から分かった事は、神戸市議は一人当たり、毎月38万円が支給されているという事実だ(8月27日東京 週刊誌を読む)。
驚くべき優遇だ。
給与の他に、これだけの月収があるのだ。
しかもこの手当は経費であるから税金がかからない。
そして、その使い道は議員に白紙委任されているのも同然のいい加減さがまかり通って来た。
政務活動費が、第二の給与と呼ばれるゆえんである。
問題は、この手当は市議に限らないということだ。
国会議員には文書通信交通滞在費という名目で、毎月100万円が支払われ、それに加えて毎月65万円の経費が「立法事務費」という名目で支払われる。
なんと、あわせて165万円が毎月銀行口座に自動的に振り込まれるのだ。
法律を作るのが国会議員の仕事であり、そのために高い給与(歳費)が支払われているのに、そしてJRのグリーン車は無料という特権を与えられているのに、この手当だ。
これを税金泥棒と言わずに何と言えばいいのだろう。
誰もが国会議員になりたがるはずだ。
ところが、これほどの疑惑にもかかわらず、国会で追及される事はない。
野党議員も同罪だからだ。
追及して、第二の給与がなくなってしまえば、元も子もないからだ。
確かに共産党の議員はこのような税金泥棒はしていないだろう。
しかし共産党は議員に支払われる経費に見ならず給与(歳費)までも一括管理して、共産党の活動費として使っている。
党の運営そのものを税金に頼っているのだ。
橋本不倫疑惑があぶりだしてくれた事。
それは、与党も野党も、この国の政治家たちは我々の税金にたかって政治をやっているということだ。
その政治が国民の為に役立っているのならまだ許せる。
しかし、我々が毎日目にしているのは、国民そっちのけの、政局に明け暮れた政治家の姿だ。
政権交代そのものが、国民には何のメリットもない、政治家たちの権力争奪でしかないのである。
こんな政治から決別し、国民の為に身銭を切ってでも本物の政治をする。
それが新党憲法9条が目指す政治である。
それは決してきれいごとではない。
それでも国民の為に政治をやりたいという立派な人物は、この世の中にはごまんといる。
そういう人物が政治家になれるような政治システムをつくらなければいけないのだ。
そして、その時は待ったなしに来ている(了)