2017年8月7日大阪日日新聞
人の心をおしはかること―。世相を反映した大阪発の新たな土産品「忖度(そんたく)まんじゅう」が、販売開始から1カ月半で約1万3千箱を出荷するヒット商品となった。森友学園問題などを通じて注目を集めた「忖度」の思いをストレートに表現できるため、「取引先との話題づくりにうってつけ」「大阪らしい土産」と購入者の評判も上々。土産店などでは品薄状態が続く。
予想外の大ヒットに困惑する稲本社長。「ぜひ忖度を」と願う=大阪市福島区のヘソプロダクション
商品化したのは、大阪市福島区の企画会社「ヘソプロダクション」。これまでも“大阪愛”を前面に出すユニークな商品の開発に力を入れてきたが、今回は「忖度」にちなんだ商品ができないか、という取引先との会話がきっかけで企画した。
本ミノル社長(41)は「特に時事ネタにこだわったわけではないが、ここまで売れるとは…。年末の流行語大賞の時期が心配」とうれしい悲鳴。「一過性でなく、大阪といえば忖度まんじゅうという商品に根付いてほしい」と願いを込める。
忖度く饅頭面白いアイデアです。
やわらかい白色の皮でこしあんが包まれており、表面には大きく「忖度」の刻印。9個入りで税別680円。包装紙にも「人の心を…」と言葉の意味を添えた。
しばらくは欠品の謝罪で忙しくなりそうだが、稲本社長は「品薄が続くが、生産体制を強化し対応するので、ぜひ忖度してほしい」と懇願している。