オスプレイの飛行試験場にされてしまった日本列島
オスプレイがエンジントラブルで大分空港に緊急着陸したのは先月(8月)の29日だった。
いつまで大分空港に不時着しているのかと思っていたら、きのう9月8日の報道で知った。
7日に岩国基地に向けて離陸しようとしたらエンジンから煙が出たので離陸できなかったという。
そう思ったら、きょう9日の東京新聞を見て驚いた。
きのう8日に、オスプレイがエンジンの整備を終えて大分空港を離陸し、米軍岩国基地に到着したと。
一体オスプレイに何が起こっているのか。
この10日の間に、我々はこのオスプレイの不時着について何も知らされて来なかった。
無理もない。
日本政府(防衛省)は米軍から何も知らされず、したがって、メディアはまともな報道ができない。
メディアが報じなければ我々国民は何もわからない。
それでも記事をよく読めばわかる。
もともとこのオスプレイは米軍岩国基地から沖縄の普天間基地に向かう途中にトラブルが起きて大分空港に緊急着陸したのだ。
修理が完成すれば普天間に向かわなければおかしい。
それが、修理後岩国に戻っている。
なぜか。
それを東京新聞はこう書いている。
「米海兵隊によると、(岩国への飛行は)本格飛行前に行うとしていた試験飛行を兼ねている」と。
つまり沖縄普天間に向かう「本格飛行」の前に、試験飛行としていったん岩国に戻ったということだ。
さらにいえば、きのう9月8日の下野新聞(共同通信)はこう書いている。
「試験飛行は当初は大分空港上空で行うと見られていたが、米軍は岩国基地までの飛行で兼ねるとしている」
これでつじつまが合った。
つまりエンジントラブルは深刻な故障で大分空港で完全に修理する事は出来なかったのだ。
しかしいつまでも大分空港に不時着しているわけにはいかない。
そこで仮り修理をして岩国にいったん戻そうとしたのだ。
ところが岩国に返ろうとして離陸したとたん煙が出た。
修理が不完全だったからあわてて再び応急修理した。
本来ならば大分空港上で試験飛行をしなければ危ないのに、大分住民の反発は必至だ。
しかも大分空港上空での試験飛行で不都合が起きたら大変だ。
どうせ試験飛行をするなら、いっそのこと岩国まで飛んで試験すれば手間が省ける。
こういう事なのだ。
何という日本軽視、日本人の人命軽視なのだろう。
いつのまにか日本の知らないうちに、日本全体がオスプレイの飛行実験場にされてようとしているのである(了)