2018日12月28日岸信介
安倍首相はいますぐ政治決着に向けた首脳外交を行え
韓国とのレーダー照射事件が起きたと思ったら、今度は中国との漁船立ち入り検査事件だ。
ことのはじまりは昨日12月27日の産経新聞の大スクープだった。
一面トップでこう報じた。
鹿児島県沖の日本の排他的水域で11月5日、違法操業の疑いで中国漁船が水産庁の立ち入り検査を受けた。
ところが中国漁船は命令に従わず、水産庁職員12名を乗せたまま半日以上逃走したというのだ。
もしこれが事実ならとんでもない中国の主権侵害だ。
レーダー照射事件と同様に断じて許せない問題だ。
本当だろうか。
他紙はどのように報じるだろうか。
それを見極めようとしていた矢先に、きのう菅官房長官がその日の記者会見でこれを認め、中国に抗議した。
本当だったのだ。
しかし、レーダー照射問題と同様に、中国政府が非を認めて謝罪するはずがない。
本国政府が知っていたのか、知らないところで起きた事件なのかも、最後まで不明のままに終わる。
その間に、本当の事を知らされない国民は感情的に反発し、二国間関係は悪化する。
だからこそ、このような問題は、表面化して大騒ぎになる前に、政治的決着をしなければいけないのだ。
確かに、報じられることが事実なら、私でも韓国や中国に怒る。
とくに違法操業をしておきながら水産庁の停船命令を無視し、挙句の果てに停船して検査をさせた水産庁の職員を、そのまま乗せて逃走したなどということは、許しがたいことだ。
しかし、安倍政権の対応は、とても問題を解決しようとしているようには見えない。
むしろ事態を長期化させ、国民感情を煽っているがごとくだ。
すなわち、レーダー照射事件は事務レベルの話し合いに任せたままだ。
中国漁船問題については、産経新聞のスクープ報道をあっさり認め、中国に抗議している。
当然のことながら、韓国も中国も反発する。
中国に至っては、即座に事実関係を否定し、おまけに違法操業していないのに日本の停船命令は不当だと逆に批判している。
とんでもない対応だが、これまでの中国を考えると当然の反応だ。
こうなってしまったら、お互いに国民の手前引き下がれない。
対立は長期化する。
最悪の事態だ。
もし、安倍首相が韓国や中国との関係改善を望むなら、いますぐ河野外相を派遣するなり、電話首脳会談をして、これ以上この問題を政治化しない、させないことを伝え、政治決着を図るべきだ。
それにしても、11月5日に起きた中国漁船の違法操業取り締まり事件が、なぜ今頃になって産経がスクープ報道したのだろう。
これは右翼の内部リークか、それとも中国の対応があまるにもひどいにも関わらず何も手を打とうとしない水産庁職員の不満表明によるリークだ。
いずれにしても安倍政権の失態だ。
ひょっとして中国とに関係改善をあきらめて米国と一緒になって中国たたきを舵を切ったのか。
そうならなおさら責任重大だ。
野党はなぜ黙っているのだろう。
他のメディアはなぜ安倍外交を追及しようとしないのだろう