産業革新投資機構(JIC)の失敗は総辞職ものだ
2018-12-13
多額の税金を投じてみずから作った産業革新投資機構(JIC)なるも
のを、わずか3か月で自らの手でつぶしてしまった。
世耕弘成経済産業大臣は引責辞任しなければおかしい。
そう私は書こうと思っていたら、まったく同じことを玉木雄一郎国民
民主党代表が12日の記者会見で言ったらしい。
その事を私はきょう13日の朝日の一段の記事で知った。
すなわち玉木氏はこう言ったらしい。
これは前代未聞の不祥事だと。
いったん決めたことがひっくり返ったり、民間人がそろって辞任した
りすることはゆがんだ行政になってしまっていると。
世耕弘成経産大臣以下、総辞職ものだと思うと。
さすがは元官僚だけの事はある。
見事に今度の産業革新投資機構の混乱の本質をついている。
時の政権に弱い財界人たちがこぞって反旗を翻すことなど、これまで
の日本ではありえなかったことだ。
しかも企業の側に立つ監督官庁の経産省の官僚たちと、その親分であ
る経産大臣に、財界人がここまで激しく対立するとは異例だ。
私が一番注目したのはコマツ相談役の板根氏までもが同調したことで
ある。
それどころか、12日の朝日の報道によれば、9人全員の辞任表明に
影響力を発揮したのは板根氏だったという。
いうまでもなく板根氏は一貫して政府側に立ってきた財界人でだ。
それほど対立が深かったということだ。
そして、その対立の一番大きな理由は、取締役らの給与削減である。
世耕大臣みずからも、優秀な人材を集めるためには高額給与は相当だ
と認めていたのに、一転して削減すると言いだした。
これを告げた官僚たちの聞く耳を持たなかった一方的な態度に、田中
氏は怒ったらしいが、経産省の官僚たちが、いくら幹部であったとして
も、一存でそこまで強く財界人に出られるはずがない。
これはもちろん世耕大臣の指示があったのだ。
そして、そして世耕大臣に命令したのは菅官房長官だ。
世論に迎合した菅官房長官の鶴の一声で、すべてが決まった。
まさしく安倍・菅暴政コンビの一強支配がもたらした、前代未聞の混
乱だったのだ。
玉木雄一郎はあえて総辞職と言う言葉を使って経産大臣らを批判した。
財務省出身の玉木氏にとっては、経産省主導の官邸政治のおごりは許
せないのだ。
しかし、これは財務省と経産省の争いなどという小さなものではない。
安倍・菅暴政コンビの増長が、官僚組織をゆがめ、日本をつぶそうと
している、その事を糾弾したのだ。
いまの日本の政治のゆがみは異常だ。
まさしく安倍内閣総辞職ものの造反劇なのだ。
もし田中・板根らが安倍内閣の退陣を求める動きに出るようであれば、
まさしく安倍内閣は総辞職ものになる。
残念ながらそうはならないだろう。
今の日本の財界人にそのような気骨のあるものはいない。
他の財界人が後に続いて決起するとも思えない。
結局、経産省とJICの喧嘩別れに終わって、やがて忘れ去られていく。
安部・菅一強は続く(了)
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4回連続で記者の質問に答弁拒否を繰り返し