NHKニュース&スポーツ
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『アメリカのホワイトハウスはトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談の結果、来年1月に中国からの2000億ドルの輸入品の関税を今の10%から25%に引き上げる一段と厳しい制裁措置を一時、見送ることを発表しました。米中の貿易摩擦が、一層激しくなる事態はいったん避けられる見通しになりました。
トランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談は、アルゼンチンのブエノスアイレスで1日午後(日本時間の2日朝)、およそ2時間半にわたって行われました。
米中の貿易摩擦はお互いの輸入品に関税をかけ合う制裁措置の応酬に発展し、アメリカは来年1月に中国からの2000億ドルの輸入品の関税を今の10%から25%に引き上げて、中国に一段と厳しい制裁をかける予定になっていました。
ホワイトハウスは首脳会談のあと声明を発表し、来年1月の関税の引き上げを一時、見送ることを発表しました。
さらに声明は、中国が貿易の不均衡を是正するためアメリカから農産物やエネルギー、それに工業製品などを買い入れ、特に農産物はすみやかに購入することで合意しました。
そのうえで、アメリカ側が不満を強めていた中国による知的財産権の侵害や強制的な技術移転、それにサイバー攻撃の問題で交渉を始めることを決め、90日以内に合意できなければ、2000億ドルの輸入品にかける関税を25%に引き上げるとしています。
米中首脳が直接、会談したのはほぼ1年ぶりで、貿易摩擦が激しくなってからは初めてでした。
世界1位と2位の経済大国の対立は、世界経済にも悪影響を及ぼすだけに、今回の会談で対立が緩和されるのか世界の注目が集まっていましたが、米中の貿易摩擦が、一層激しくなる事態はいったん避けられる見通しになりました。
【トランプ大統領「生産的な会合だった」】ホワイトハウスが発表した声明で、トランプ大統領は「両国の無限の可能性を引き出すことができるすばらしく生産的な会合だった。習近平国家主席と協議ができて光栄に思う」と述べました。
【中国「上乗せ関税なくす方向で協議」】中国政府は1日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで説明会を開きました。
この中で、中国商務省で貿易問題などを担当する王受文次官は「アメリカ政府は当初、来月1日以降、中国からの総額2000億ドルの輸出品に上乗せしている関税を10%から25%に引き上げるとしていたが、それをやめることを決めた。来月1日以降も、税率は10%のままだ」と述べました。
さらに、王次官は「中国とアメリカは、新たな品目を対象に関税を引き上げることをせず、現在25%となっている上乗せ関税についてもなくす方向で協議を続けることで合意した」と説明しました。』
トランプ大統領は、中国との関税交渉において、アメリカの利益を第一に考え俗な言い方をすれば非常に喧嘩と駆け引き上手です。
喧嘩の落とし所のつぼや引け時も考えています。
日本の秀才エリート官僚には、トランプ大統領はの腹の底を読めないのかも分かりません。
日本も『日本の国益』考えて見習いこれからの外交交渉に臨むべきです。