医学部医学科入試で、男女の合格率の格差が縮まっていることが、朝日新聞の調査でわかった。文部科学省が81大学を対象に行った調査では2018年度は男子が女子の約1・22倍の割合で合格していたが、朝日新聞が19年度について78大学から回答を得たところ、約1・09倍となった。特に、不適切な入試の可能性などログイン前の続きが指摘された私立大で合格率が変化しており、全体に影響しているとみられる。▼34面=「逆転」の大学も

 

 医学部入試をめぐっては昨年、東京医科大が一律に女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱っていたことが判明。文科省が初めて、所管する81大学の男女別合格率を調査した結果、18年度は約1・22倍、13~18年度の平均でも約1・18倍の割合で男子が高かった。他の理工系学科のほとんどは男女差がない、または女子の合格率が高く、不自然さが指摘されていた。

 朝日新聞が各大学を対象に今年度の実績を聞いたところ、男子の受験者に対する合格者の割合は78大学の合計で12・61%だった。一方、女子は11・62%で、男子の方が約1・09倍高かった。女子の合格率が1割を超えたのは、この7年間で初めてだった。

 東京医科大の18年度合格率は男子が9・04%に対して女子が2・91%で、男子の方が3・11倍高かったが、今年は男子が21・79%、女子が26・38%で逆転した。同大は「19年度入試は、公正な試験をした結果」としている。

 卒業生の子を優遇していたとして、文科省から「不適切な入試をしていた」と指摘された日本大は男子の合格率が女子の2・02倍から0・87倍に、同様の指摘を受けた昭和大は1・49倍から0・78倍になった。両大学は「男女で扱いは変えていない」としている。男女で異なる合格ラインを設けていたことが発覚した順天堂大は「6月に公表予定」として回答しなかった。

 文科省は今後、不適切な入試やその可能性を指摘した大学を訪問調査し、改善したかどうかを確認する方針という。同省幹部は「公正さを確保する仕組みがつくられているかどうか、厳しくチェックしたい」としている。(貞国聖子、矢島大輔)

 

 <訂正して、おわびします>

 ▼22日付1面の医学部医学科の入試の記事で、2019年度入試の男子合格率「12・92%」は「12・61%」、女子合格率「11・76%」は「11・62%」、男子が女子の「1・10倍」とあるのは「1・09倍」の誤りでした。見出しとともに訂正します。また、社会面の大学別合格率の表で久留米大の男子合格率「20・16%」は「8・57%」、女子合格率「13・83%」は「6・92%」、男子÷女子が「1・46」とあるのは「1・24」の誤りでした。久留米大から提供を受けた資料に数値の誤りがあり、記事にする際の点検も不十分でした。』

 

雨降って地固まるで、女子受験生の医学部入試差別と不適切な入試が、全国の国公立大学、私立大学医学部入試で是正される方向に進んで行けば思います。