激しく体を動かしているわけではないのに、なぜかいつも疲れた感じがする。それはいつもの「食習慣」に原因があるかもれません。早速、管理栄養士の森さんに「疲れやすい食事」とその改善策について話を聞きました。
<教えてくれた人>
森由香子さん(管理栄養士)
日本抗加齢医学会指導士。都内クリニックで食事・栄養相談を行う。近著に『疲れやすい人の食事は何が足りないのか』(青春出版)。
NG習慣1 朝食は「菓子パン」が定番
⇒ゆで卵、サラダ、フルーツなどを追加しましょう
砂糖と油たっぷりの菓子パンの栄養価は、ほぼゼロ。これでは朝から栄養不足になり、だるさが抜けません。たんぱく質やビタミン類も一緒にとって栄養を補給する習慣を。ゆで卵やプチトマト、果物など、カンタンな物をたすだけで体が軽快に。
NG習慣2 コーヒーをがぶ飲みする
⇒時間をおいて少しずつ飲むようにしましょう
カフェイン効果で脳をリフレッシュできるコーヒー。半面、飲みすぎると疲れを感じる力が鈍感になり、どっしりした疲れがたまります。カップ3杯までが1日の適量。約2時間半でリフレッシュ効果が半減するので、時間をおいて飲むと◎。
NG習慣3 朝食を抜く
⇒「卵かけご飯」がおすすめです
内臓の体内時計をリセットし、体のリズムを整えてくれるのが朝食。朝食を抜けば体は時差ボケ状態になり、疲れが蓄積します。忙しい日は、卵かけご飯でサッと朝食を。その日の夜に卵のアミノ酸が睡眠ホルモンに変身し、快眠効果で疲労回復。
NG習慣4 昼食はカップ麺だけ食べる
⇒もやしをトッピングするだけでもOK
手間のかからない1人ランチといえばカップ麺ですが、食品添加物のリンが含まれている場合は、栄養の吸収を阻害するため疲労感が増。そこで疲労回復効果のあるもやしをトッピング。ゆでずに、強火でサッと炒めるのが、栄養を逃さないコツです。
NG習慣5 毎日一汁三菜を食べる
⇒肉野菜炒め一品でも充分です
バランスのよい食事は大事ですが、こだわりすぎてストレスになれば逆効果。心が疲れている日は、肉野菜炒め一品でも充分です。肉全般には幸福ホルモンの材料になる栄養素があり、野菜がその吸収率をアップ。効率的に心の疲れを癒やします。
NG習慣6 夜テレビを見ながらせんべいを食べる
⇒寒天おやつにしましょう
実は過剰な塩分の摂取は、交感神経を活発にし、安眠を妨げます。翌日に疲れを引きずらないためには、質のよい睡眠が大切。夜のおやつはせんべいではなく、寒天をチョイスして。消化がいいので胃腸の負担が軽く、安眠できます。
NG習慣7 晩酌のつまみは「ハム・ソーセージ」
⇒刺し身や魚介マリネがおすすめ
塩けの強いつまみとアルコールの組み合わせは要注意。消化するときに腎臓や肝臓に負担をかけるため、慢性疲労の原因になります。せめてつまみは、肝臓を強くする刺し身や魚介マリネが◎。ビールは500ml、ワインはグラス2杯までに。
NG習慣8 寝る前は何も飲まない
⇒牛乳か豆乳を飲むと睡眠の質が良くなります
疲れているときは、睡眠が浅くなり、眠りの質が低下。寝る前に何も飲む習慣がない人は、温かい牛乳や豆乳をコップ1杯飲むと、深い睡眠が促されます。体の細胞のサビを取るメラトニンも分泌されるので、効率的に疲れが解消。
皆さんも毎日の食事を見直し、疲れない体を手に入れましょう。
参照:『サンキュ!』5月号「食べ方とずぼらヨガで疲れない体になる!」より。掲載している情報は19年3月現在のものです。
調理/江口恵子 撮影/市原慶子 イラスト/徳永明子 構成/ RIKA 取材・文/長島恭子 編集/サンキュ!編集部