2019年2月27日東京新聞 朝刊
孝徳君の写真を前に「真実を知りたい」とブログをつづる代里子さん=埼玉県熊谷市で
写真
埼玉県熊谷市で二〇〇九年、小学四年生の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、母・代里子さん(46)が情報提供を呼び掛けるブログを立ち上げた。事件から十年が過ぎ、時効が今年九月に迫る。「真実を知りたい」と痛切な思いをつづっている。 (浅野有紀、森雅貴)
「一人でも多くの方にまだ、犯人が捕まっていないことを知って頂きたいです。どんな些細(ささい)なことでも構いません」
ブログは今年一月に開設。苦手なパソコンに向かい、当時の状況などを記している。同二十五日に書いたタイトル「お守り」では、孝徳君がサッカーの合宿のお土産にリンゴのキーホルダーをくれた思い出をつづった。
「もごもごした話し方で『りんごの…キーホルダーは…笑顔が…お母さんに似てるから…』日々怒ってばかりの私だったので、息子のはにかんだ笑顔に泣いてしまいました」
孝徳君が四歳の時に父親が病死し、二人で寄り添って生きてきた。そんな日々が〇九年九月三十日、奪われた。
代里子さんは仕事が遅くなり、書道教室に行っていた孝徳君は、この日に限って一人で帰宅。三日後には、孝徳君が楽しみにしていたJリーグの試合観戦がある。代里子さんは、お弁当に入れようと、スーパーに寄って彼の好きな梨を買い、帰宅した。
ところが、いるはずの息子の姿はなかった。午後六時五十分ごろ、孝徳君は自転車で帰宅途中、車にはねられて死亡していた。
目撃者がおらず、物的証拠もタイヤ痕ぐらいと乏しい事件で、捜査は難航。代里子さんは、手掛かりになればと何年も事故の時間帯に現場へ通い、通行する車のナンバーと進行方向をメモした。同級生の母親たちも協力し、熊谷署へ提出した資料は延べ約九万台分に上った。
それでも解決には至らず、一六年に道交法違反(ひき逃げ)罪の時効が成立。自動車運転過失致死罪の時効も今年九月三十日に迫っている。
昨年十月には、署が保管していた遺品の腕時計を紛失したことが分かった。代里子さんから孝徳君への十歳の誕生日プレゼントで、身元確認の決め手になったものだった。当時の担当警察官は紛失後、腕時計の記載があった押収品リストを破棄していたことも判明。この件を報道で知った周囲から「時効は過ぎたと思っていた」などと言われることもあり、捜査の進展に不安は募るばかりだ。
代里子さんは「なぜ孝徳が亡くなったのか。犯人には、逃げ続けないで本当のことを語ってほしい」と願っている。
◇
ブログのタイトルは「《未解決》熊谷市死亡ひき逃げ事故《時効まであとわずか》」(https://blogs.yahoo.co.jp/awquu69587)。情報提供は、高橋正人法律事務所=電03(3261)6181=へ。
時効前、時効後も私のブログにアップさせて頂きました。
お彼岸中、孝徳君をひき逃げした犯人が、逮捕されますようにお祈り申し上げます。
御天道様と神様、仏様からは、一生逃れられません。
お母さん孝行の一人息子の孝徳君を亡くされたお母さん、本当に大変でしたね。
健康に注意されまして、もう少し頑張って下さい。